中国が長期的に発展する理由

10月 16th, 2010 Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ

最近の尖閣諸島ネタにコメントを頂いた方の中で、中国の継続的な発展を疑問視する意見がありました。そこで、中国が今後も継続的に発展するであろうと考える理由を、日本と比較しなながら述べます。

1)インフラ投資による生産性向上が長期で継続する。
  国土内に高速道路や高速鉄道を網羅して物流を効率化する事は、ある時点までは国の生産性を向上させて、経済発展に直接的に寄与します。日本と異なり中国は広大な国土に、12億強の人口が分散しており、それらの大都市間の物流インフラを改善するだけで、国内経済はどんどん発展します。しかしながら中国全体の物流を効率化するのは膨大な金額になる為、政府は優先順位をつけて沿岸部から内陸部へ順番にインフラ投資を行っています。この優先順位が辺境部まで及ぶ時間が長期になるがゆえに、中国の発展は長期で継続します。

2)発展に伴う生産地の賃金上昇速度が遅い。
  中国は中進国レベルに達した沿岸部から、それを追いかけ始めた内陸部、未だ取り残されている辺境部へと、所得が数倍のレンジで段階低に大きく減少しています。沿岸部は2007年に、既に1億人以上が中産階級に入りましたが、内陸部の所得はまださほど上昇していません。日本であれば、都市部の人口が中産化する状況では、地方の人件費も十分に上昇しており、企業は生産地を低賃金の国外へ目を向けるようになります。そのような状況でも、中国は国土が広いので、内陸部の低賃金地域へ産業がゆっくりと拡大し、その地域の経済発展を通して、中国全体としての経済発展が長期で継続します。

3)世界一巨大な市場。
  中国には12億人強の人口がいます。そのうち、所得水準が高く購買力の高い人口はまだ2億人以下です。その2億人の消費市場に対して、国内の低賃金生産地が商品を供給すればする程、生産地の所得水準が向上してその地域が発展し、サービス業が盛んになり、5年から10年程度で生産地から消費地へグレードアップします。これが次々と繰り返される事により、消費人口と、消費地域は年々拡大してゆきます。ある時点で国内経済の発展は飽和点に達するでしょうが、そこまでには数十年の時間が必要です。そして飽和点に達したとき、2億人以上の先進国レベルの高所得者層と、10億人以上の巨大な中進国程度の所得者層を持つ、世界最大の消費市場が完成すると思われます。

4)世界一の消費市場に海外の投資マネーも積極的に流入。
  上記の2、3と被りますが、巨大なインフラ業界と世界一の消費市場をドライブする資金は、中国政府が集めた税金だけではありません。インフラ業界の多くが上場しており、上海、深圳、香港などの株式市場から資金調達しています。またリテールにはウォルマート、カルフール、ジャスコ、セブンイレブンなどの外国資本が積極的に投資を拡大し続けています。中国の消費地が拡大すればする程、これら外国資本のリテールの投資も拡大し続ける訳です。

5)国内産業が自立した。
1980年代の中国は、外資と外国の技術がなければどうにもならない国でした。いまの中国はコンピュータ、弱電、通信、原子力発電、高速鉄道など、国の発展に必要な主要産業が育っており、高価格帯以外の製品は国内製品が強い競争力を持っています。

6)形骸化する一人っ子政策。
  中国の郊外型ベッドタウンへ行くと分かりますが、数人の子供を持つ家族は少なくありません。昨年の夏、西安へ行ったときにも、下街の歩道には複数の子供を持つ母親を多数見かけました。中国も日本のように、急速に高齢化社会が訪れると述べる人がいます。確かに高齢者が増大するのは確かでしょう。しかしながら新疆ウイグルや内モンゴルなど広大な少数民族地域の経済が豊かになった時に、急速に人口が増大する潜在的なパワーを中国は持ち続けていると考えます。

7)長期的に政策がブレない国家資本主義体制。
  良し悪しの話をしているのではありませんが、日本は民主主義国家ゆえに、政権が変わる事で、小泉首相のような新自由主義的な経済政策にもなれば、管首相のような最小不幸社会政策にもなります。中国では1978年に鄧小平が改革開放を始めて以来、歴代の国家主席も首相も、この軸線からブレずに経済発展を続けてきました。30年でGDP世界第二位という結果を示したからには、この先も共産党が続く限り、この政策がブレる理由は見当たりません。

以上は、私が理解する中国の状況です。これを読んで、日本がどうすべきか、判断するのは貴方です。

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