中国のジレンマ:治安が先か人権が先か

10月 9th, 2010 Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ

言語空間+備忘録のmemo26さんから、ノーベル平和賞と、中国の立場で、中国で服役中の民主活動家である劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞した事を伝えています。中国政府は自国の民主活動家に対してノーベル賞を与える事を、強い「内政干渉」と受け取り、かなりムカついているものと思われます。

現在の状況を知らない人は驚くかもしれませんが、私がはじめて羅湖の国境を越えて広東省の地を踏んだ1989年とくらべて、いまの中国は驚くほど民主化されています。結果として民主化の引き金を引いたのは鄧小平の改革開放政策です。資本主義を導入して経済を豊かにしようとした訳ですが、資本主義と民主主義は表裏一体の関係にあるようで、経済発展と共に、民主的な制度への転換が進みました。いまの中国は、共産党の存在感がどんどん薄まり、国家資本主義としての政策が前面に押し出ているように感じています。

しかしながら中国は大変広い国で、その中には多数の少数民族が居住しており、沿岸部と内陸部で経済格差が大きく、様々な社会問題を抱えています。その代表例が、少数民族による分離独立運動(西蔵自治区(チベット)、新疆ウイグル自治区内モンゴル自治区など)です。あまり報道されませんが、少数民族による列車や飛行機の爆弾テロ、あるいは暴動がしばしば発生しています。

経済格差問題も深刻化しています。富める沿岸部と、貧しい内陸部というのはよく聞く話しです。地方政府の役人の腐敗もまだ残っています。最近は他に、土地再開発で耕作農地を失った小作農民による暴動騒ぎも聞こえてきます。更に、そういう人たちが最終的に都市部に流入して欲求不満な貧困層を形成し、いつでも暴発しそうな状況があります。経済が発展した結果、国家が崩壊する事は望みません。

いまの中国政府が最も恐れているのは、民族問題・経済格差問題・宗教問題などで、治安が崩壊して国家が分裂する事ではないかと考えています。ゆえに、社会を混乱させる問題を未然に防ぐ事に非常なエネルギーを注いでいるようです。たとえば情報統制(メディアの統制、インターネットのアクセス制限)、民主化運動の抑圧、公的機関による監視(身分証番号による追跡、インターネット情報の監視)などです。

では、このような事はいつまで続くのかといえば、中国内陸部まで一定レベルまで経済発展し、平均所得が欧米並みに向上し、社会弱者が十分に少なくなれば、いま抱えている社会的問題は自然消滅するでしょう。そうなれば、中国も日本なみ(欧米並みじゃなくて)に人権が擁護される国になると考えます。(欧米人と東洋人は根本的なところの価値観に違いがあると感じるので、民主化が進んでも、人権の捉え方は多少異なるでしょう。それは日本の検察をみれば明らかですね。)

つまり中国にとって人権は、社会が到達する目的ではなく、経済発展によって得られる報酬と考えられます。ゆえに欧米社会は、人権問題ゆえに対中経済制裁を課すなどというのは本末転倒です。中国の人権問題を解決したければ、1年でも早く、中国全体が経済発展するように経済支援を続けるべきです。

中国人民を豊かにする事は、中国の軍事リスクを減じる事でもあります。現在の人民解放軍は、貧困家庭の若者の雇用バッファーとしての役割が非常に大きいのです。日本のように豊かになれば、高校を卒業して軍隊に就職しようという若者はほとんどいなくなります。また、豊かになる事で、戦争してまで自国領土を広げたいと考える人も減り、社会的なエネルギーも総じて減少するでしょう。高度成長期が終わって、ひ弱な若者が増大した日本と同じようにです。

対決するだけが解決策ではありません。国家間の問題は、手段よりも結果が大事なのです。

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21 Responses to “中国のジレンマ:治安が先か人権が先か”

  1. コマザワ
    10月 9th, 2010 at 16:21
    1

    「経済的に発展し、人権が擁護されれば中国の軍事的リスクが減じる」というのは希望的観測に過ぎないのではないでしょうか?
    20世紀に繁栄を享受したアメリカ合衆国は、それゆえに志願兵という形でありながら巨大な軍隊を持ち、第二次世界大戦後も世界各地で戦争を続けてきました。

    私は宗教や思想のほうが、より大きな要因であると考えています。たとえ貧しくても「戦いを肯定しない宗教/思想」をもつ者たちは簡単に戦争を選びません。
    逆に豊かでも「戦いを肯定する宗教/思想」を持つものは容易に戦いを選びます。

    豊かになって戦争から遠ざかる国もありますが、より凶暴になる国もあるのです。
    さて、中国はどちらでしょう?

  2. 10月 10th, 2010 at 15:51
    2

    コメントすると長くなるので、ブログに記事の形でご返事しました。

    「対中経済支援は日本を危険にする」
    http://blog.goo.ne.jp/memo26/e/0dad3fe2399302b19c1e9a8fb6d016de

  3. 10月 20th, 2010 at 11:09
    3

    >ゆえに、社会を混乱させる問題を未然に防ぐ事に非常なエネルギーを注いでいるようです。たとえば情報統制(メディアの統制、インターネットのアクセス制限)、民主化運動の抑圧、公的機関による監視(身分証番号による追跡、インターネット情報の監視)などです。

    ここら辺がインドと違って、中国の方が統制が取れ、足並みそろえて「発展が早い」と言われている理由ですね。

    インドは多民族国家の上にカーストが残っており、全く混沌としているそうです。最下層のカーストの人の中には一向に改善しない現状に失望して、毛沢東主義を唱える武装革命を目指したテロもあるのだそうです。それでもインドは民主主義国です。だからこそ中国と違って収集がつかないと言えるのかもしれません。
    しかし、そのように厳しく統制された社会に組み込まれて住みたいですか?私はごめん蒙りたいです。

    >では、このような事はいつまで続くのかといえば、中国内陸部まで一定レベルまで経済発展し、平均所得が欧米並みに向上し、社会弱者が十分に少なくなれば、
    ということはなく、えんえんと、「持てる者はさらに富み、持たざるものはさらに貧しく」なるのでは?そもそも共産革命そのものがそのような格差を無くすることを謳っていたのに、共産主義中国は全然そうなっていませんね。

    そもそも現代中国人自体が、先進国に住む経験を持つと、なんとかそこで永住権を取り、そして一族郎党呼ぶのがパターンですね。一定以上豊かになるほど、共産党内で上位にでもならない限り、本気で中国を出て行くことを考えるようです。
    2チャンネルの、「日本に帰りたい中年男」とはエライ違いです。
    http://2chnull.info/r/northa/1252830981

    逆に日本は格差のなさと言う意味では、本当の意味での社会主義を成功させました。
    日本人ほど、文化的に社会主義的なものの考え方をする民族はありません。だから一度は世界で最も成功した無自覚社会主義国家にまでなったのです。しかし、社会主義思想はヒトの本質に照らして生物学的に無理があり、長期に続けることができるものではなく、バブル崩壊後はその修正を模索中なのではないでしょうか?

    中国人を、日本人のbobbyさんが考えるのと同じように考え行動すると推測するのは、大変危険だと思いますよ。

    羊が狼を自分と同じように考え行動する推測するのは、羊の傲慢さが身を滅ぼすのか、あるいは単なるおろかさなのか、どちらだと思いますか?

    私は日本人が中国人を自分と同じように考える、分かり合えると期待するのは、他者を認めない、傲慢、差別思想だと思っています。

    相手を自分と同じように思いこむのは、八紘一宇だとか、アジア主義だとか夢想したあげく、相手が自分の思い通りに反応しないとなると逆切れし、日中戦争から、さらに太平洋戦争に進んで自滅した、日本人が以前に犯した失敗の思考パターンなのではないでしょうか。

  4. bobby
    10月 20th, 2010 at 19:10
    4

    ap_09さん、長文コメントを有難うございます。

    >ここら辺がインドと違って、中国の方が統制が取れ、足並みそろえて「発展が早い」と言われている理由ですね。

    インドには84年に行ったきりなので、コメントする事ができません。しかしながらフィリピンには会社を持っているので、中国との比較でお話する事ができます。(フィリピンはITのアウトソーシングでインドと競合している国でもあります)

    労働人口や国土の広さや資源などを棚上げして、中国とフィリピンの発展速度の違いの最大の理由は、中央の政治家も地方の政治化も、極めて個人主義的(個人の私腹を肥やす事)な為、国を発展させる長期的な戦略行動を維持する事ができません。私の知る限り唯一の長期的戦略行動といえるものは、自国民に海外就労を奨励し、稼いだ外貨を搾り取る事だけです。(これも何処かの行政府の私腹になっているのでしょう。)

    一方の中国は、繰り返しになりますが、1978年に鄧小平が改革開放と国防の新戦略を発動させて以来、以降の前政権がこの方針を守ってきました。その結果が、30年後のGDP世界二位です。

    既に江沢民の時代から地方政府の役人の汚職を組織的に取締まる事を開始し、現政権では取り締まりを更に強めています。中央から地方行政へ派遣される役人は、3年おきに交代を繰り返し、組織内からの密告制度により腐敗除去を強化しています。上海市長や深圳市長など、北京直轄地の市長が逮捕・更迭される事は、一昔前には考えられない事でした。ここ東莞でも税務署や通関局の役人で賄賂を取っているのは下っ端の小役人だけです。

    中国の中央政府の指導者・行政官は、この広い多民族国家中国をいかに維持してゆくかという事を最優先事項としているからこそ、国家の維持が個人の利益増大に優先され、その結果が、ある時は文化大革命となり、またある時には改革開放という戦略行動となって、国全体を何十年にも渡って維持管理できるのではないかと推測する次第です。

  5. bobby
    10月 20th, 2010 at 19:26
    5

    (続き)
    >「持てる者はさらに富み、持たざるものはさらに貧しく」なるのでは?そもそも共産革命そのものがそのような格差を無くすることを謳っていたのに、共産主義中国は全然そうなっていませんね。

    ap_09さんが仰るような社会主義国家中国が(結果として)1978年を堺に終焉した事は、かなり以前から広く明白となっています。ap_09さんも中国に対する認識を早急に更新されるべきかと思います。中国はシンガポールと並び、成功した国家資本主義国の代表選手となっています。

    ちなみにですが、私が感じる現代の中国ビジネスマンは、極めて積極的な資本主義者です。また、資本主義が実践されている社会で、持てる者はさらに富み、持たざるものはさらに貧しく」というのは当然の帰結です。貧しい者が金持ちになる機会(パス)がある限り、その社会は十分に健全といえると私は考えます。

    そういう意味で今の日本は、成功者が政府を利用して多くの規制をつくり、新規参入者に大きなハンディキャップを与える事で、貧乏人の敗者復活戦を困難にしている、非常に病んだ社会といえます。途上国(中国も含む)は貧乏人が高学歴を得る事で成功者への道が開ける社会です。日本はどうでしょう?東大卒でも就職浪人が出るそうです。

  6. bobby
    10月 20th, 2010 at 19:36
    6

    (続き)
    >日本人が中国人を自分と同じように考える、分かり合えると期待するのは、他者を認めない、傲慢、差別思想だと思っています。

    日本人であり続けるap_09さんが米国人を真に理解する事が困難なように、私にとっても、中国人という異文化の人を真に理解するのは困難です。

    しかしながらそれは異国人に対してだけではなく、実は同じ国の男・女についても同様です。私から見たら、中国人の男性より、日本人の女性の方に大きな文化的隔たりを感じます。

    しかしながら私達は「理解しようと努力」する事は可能です。私は85年に香港に来て以来、香港と中国での生活が長いですので、理解はできなくても推測する事はできます。

  7. bobby
    10月 20th, 2010 at 19:40
    7

    (続き)
    >日中戦争から、さらに太平洋戦争に進んで自滅した、日本人が以前に犯した失敗の思考パターンなのではないでしょうか。

    日本が日中、太平洋戦争で自滅したのは、日本の政治家と、世論をつくるメディアや一般大衆が、相手国を理解する事すら拒んだ結果であって、「理解を間違えた」からではないと考えます。政治家や国民が、相手を理解する努力を行っていれば、もっと違った行動となっていたでしょう。

    その点で日露戦争の勝利というのは、文献を読む限りにおいて、ロシアという相手を何十年もかけて理解する努力を行った結果であると考えます。

  8. 10月 21st, 2010 at 11:10
    8

    >成功した国家資本主義国の代表選手
    この辺がよく理解できないんですよね。そんなに成功しているのなら、なぜ未だに発展途上国と自称しているのですか?

    >国家の維持が個人の利益増大に優先され、その結果が、ある時は文化大革命となり、またある時には改革開放という戦略行動となって、国全体を何十年にも渡って維持管理できる
    ことに異論はありませんが、その管理下で暮らしたいとは夢にも思いません(文化革命にも改革開放にも遭遇したくないです)。Bobby さんはそういう社会での暮らしが満足なわけですね。チベットとか東トルキスタンで起きていること、南モンゴルで起こったことについては、どうお考えですか?

    米国は日本に原爆まで落とし、格差ある資本主義社会ですが、それでも先進国の範疇で、十分満足して暮らしてゆける社会の範囲です。しかし、中国はそのようには見えません。日本は世界で唯一の被爆国と自認・主張してますが、核実験による被爆者の数は東トルキスタンでは既に日本の3倍ほどになっているようですけれど・・

    >極めて積極的な資本主義者です。また、資本主義が実践されている社会で、持てる者はさらに富み、持たざるものはさらに貧しく」というのは当然の帰結です。貧しい者が金持ちになる機会(パス)がある限り、その社会は十分に健全といえると私は考えます。
    この辺は嗜好の違いですね。私は、日本人は米国人と違って、本格的な資本主義は好きじゃないと思っているんですね。日本はもともとの文化が、すでに社会主義的だと思っています。実際個人的には「貧しい者が金持ちになる機会(パス)があ」っても、あまりに悲惨な生活をしている人がすぐ横にいると、気持ちが落ち着きません。自分が不幸になっちゃう。また、アメリカは上から下まで常に競争していて(中国もそうですね)、‘まったり’なんて存在しなさそうな社会です(先祖代々の資産で働かなくて良い大金持ちだけはそうかも)。これも日本人の嗜好に合うとは思えません。

    米国は戦後7年間日本を占領しましたが、日本人をアメリカ人のようにしようとは、全然しませんでした。日本人は日本人のまま、ほっておいてくれたんですね(ただし、その後米国の危険にならないようにという点では、もちろん介入しました)。中国の大国維持政策は、他文化を認めず、完全同化か、さもなければ抹殺・消去に見えます(清王朝の満州人は絶滅したんでしたっけ?)。これについてどうお思いですか?

    >日本人であり続けるap_09さんが米国人を真に理解する事が困難なように、私にとっても、中国人という異文化の人を真に理解するのは困難です。
    これも私的な経験に過ぎませんが、十分成人してから米国に渡った身としては、英語を習得するという過程そのものが、自分の中にもう一人、別の人格を作り出す作業だったと言えます。言語は決してコミュニケーションの道具などではなく、人間を人間たらしめる思考・精神を構築する基本要素で、文化と直結しています。あなたの見る世界と私の見る世界は全然別物だったと発見したとでも言ったらいいのでしょうかね。

    異民族に対しては、理解するというより、利害の一致する部分だけで関係して、立ち入り過ぎないようにするのがお互いのためと言いたいのですが・・。

    >私から見たら、中国人の男性より、日本人の女性の方に大きな文化的隔たりを感じます。
    興味深いご意見ですね。具体的にどのような点でそうお感じになりますか?日本女性は日本の男性がそうであるよう望むから、そのようなのだと思いますが。その結果、日本女性は日本の男性であるbobbyさんの理解を超える存在になってしまった、ということになるのでしょうか。

    >政治家や国民が、相手を理解する努力を行っていれば、もっと違った行動となっていたでしょう。
    理解かどうかはわかりませんが、政治家は落としどころを探して結構努力していたようですが、軍部の謀略を阻止できず、国民は地道な政治家より、感情に訴える軍部を圧倒的に支持して(この辺はメディアの罪も大きそうですね)、リーズナブルな外交官、政治家を潰してしまったようです。

  9. bobby
    10月 21st, 2010 at 15:29
    9

    ap_09さん

    >そんなに成功しているのなら、なぜ未だに発展途上国と自称しているのですか?

    一口でいえば、国が広大である(人口も13億人もいる)からです。

    >Bobby さんはそういう社会での暮らしが満足なわけですね。

    ap_09さんは、中国という「一つの国」のイメージを持っておられますか?ご存知のように中国=チベットではありません。中国の中に入ると、華南、華東、華北、東北地方、みんな気質も文化も代表的な身体的特徴も違います。
    私が主に活動している華南と上海は、日常の仕事や生活のレベルでは、これといって気になるような人権的な特に問題はありません。むしろ日本へ帰省すると、公共交通機関の中で私の人権(自由に話したり電話をしたりする権利)が非常に抑圧されている事が気になっています。

    >チベットとか東トルキスタンで起きていること、南モンゴルで起こったことについては、どうお考えですか?

    この記事の本文をご参照下さい。

    >日本はもともとの文化が、すでに社会主義的だと思っています。

    「日本はもともと」という考え方はどうなんでしょう。江戸幕府以前の日本を「もともとの日本」というのなら、独立独歩を基本とする能力主義ではなかったでしょうか?

    >中国の大国維持政策は、他文化を認めず、完全同化か、さもなければ抹殺・消去に見えます(清王朝の満州人は絶滅したんでしたっけ?)。これについてどうお思いですか?

    良し悪しについてはコメントしませんが、昔の日本の満州・韓国・台湾の統治政策と同じような事をやっているのだと「感じて」います。

    >しかし、中国はそのようには見えません。

    ap_09さんは実際の中国について、メディアという偏向された情報源と、中国が嫌で米国へ移住した中国人以外に、どのような情報源をもとに「見えている」のでしょうか。私は実際に、華南・上海で暮らした経験と、直近の5年間に北京・天津・大連・西安等を訪問した経験に基づいて、「仕事も生活も普通にできていますよ」と申し上げています。

    >異民族に対しては、理解するというより、利害の一致する部分だけで関係して、立ち入り過ぎないようにするのがお互いのためと言いたいのですが・・。

    仰る事には賛成です。我々は中国に対して、おたくの国の人権政策は「理解」できないから、「欧米式の人権」に従いなさい、というような要求もまた「立ち入り過ぎ」だと感じる人はきっといるでしょう。そもそも「人権」とは西洋の文化的背景から生まれた思想であり、我々東洋文化に属する人が心の底から理解するのは難しいとは思いませんか?(別に人権の良し悪しについて議論するつもりはありません)

    >日本女性は日本の男性がそうであるよう望むから、そのようなのだと思いますが。

    それはap_09さんの考え方であって、日本人一般の考え方ではありませんね?

    >軍部の謀略を阻止できず、国民は地道な政治家より、感情に訴える軍部を圧倒的に支持して

    軍の謀略とは昔良く聞いた話ですが、本当でしょうか?戦後に進駐軍が生み出したプロパガンダ、あるいは戦後のメディアが生み出した自己正当化理論ではなでないという証拠があるのでしょうか?

  10. 10月 23rd, 2010 at 10:52
    10

    >>そんなに成功しているのなら、なぜ未だに発展途上国と自称しているのですか?
    >一口でいえば、国が広大である(人口も13億人もいる)からです。

    つまり成功点に到達したのではなく、発展途上ではないですか?

    >中国という「一つの国」のイメージを持っておられますか?ご存知のように中国=チベットではありません。中国の中に入ると、華南、華東、華北、東北地方、みんな気質も文化も代表的な身体的特徴も違います。
    私が主に活動している華南と上海は、日常の仕事や生活のレベルでは、これといって気になるような人権的な特に問題はありません。むしろ日本へ帰省すると、公共交通機関の中で私の人権(自由に話したり電話をしたりする権利)が非常に抑圧されている事が気になっています。

    中国は「一つの国」ですね。そうでないというなら、チベットなどの独立を認めないといけなくなりませんか?
    アメリカも人権を考慮する国だと思いますが、公共の場で大声を出さないという点は日本と同じようで、それについて、自由を認めない、人権侵害だと訴える人は見かけません。むしろ集合住宅に住んでいると、夜中にパーティーなどで大きな物音を立てると、すぐ警察がすっ飛んできたりして、日本より厳しいくらいです。東洋・西洋の人権に関する考え方の違いと言うより、中国の人権に関する考え方が他と違うのかもしれませんね。

    >>チベットとか東トルキスタンで起きていること、南モンゴルで起こったことについては、どうお考えですか?
    >この記事の本文をご参照下さい。

    散発的暴動の話ではなく、中国政府が侵略した過程を伺っています。どの地域にもはじめはとても友好的な態度で接し、ある程度その地での影響力を獲得した後に、ガラッと態度を変えて弾圧したことが知られています。
    南モンゴルでの出来事は静岡大学のアジア研がe-出版しています。
    http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/handle/10297/2552

    >>日本はもともとの文化が、すでに社会主義的
    >「日本はもともと」という考え方はどうなんでしょう。江戸幕府以前の日本を「もともとの日本」というのなら、独立独歩を基本とする能力主義ではなかったでしょうか?

    日本に独立独歩を基本とする能力主義があり、個人主義的側面があったことは、仰せの通りです。
    現存する日本独特の組織は、武家社会から発生し、武家とは、もとは地主と小作人からなる自警団だったのだそうです。はじめは血縁関係の集団だったのですが、貨幣経済の発達により血縁によらない契約関係に移行し、契約でつながった集団の中では、構成員は全員平等というものだったようです。西洋のピラミッド型の上意下達の組織ではなく(西ヨーロッパ、北米は、民主主義、自由・平等を標榜していても、このピラミッド型の組織ですね)横の関係で、話し合い、談合によりことを決すというわけで、人間関係が並列、平等で、極めて社会主義的だと思います。武家の発生が平安末期だとすると、1,000年程度の歴史があることになります。

    >昔の日本の満州・韓国・台湾の統治政策と同じような事をやっているのだと「感じて」います。

    日本人は、韓国人や台湾人を同化しようとしましたが、中国政府のように、無抵抗の人々を、むやみに虐殺したりしなかったと思います。
    また、中国政府がチベット人に対し、その精神のよりどころ、文化的象徴である宗教施設や建築物の破壊をしていますが、日本はそのようなことはしませんでした。

    >私は実際に、華南・上海で暮らした経験と、直近の5年間に北京・天津・大連・西安等を訪問した経験に基づいて、「仕事も生活も普通にできていますよ」と申し上げています。

    これは大変気になるご発言です。国家というひとつの運命共同体の中で、自分の身辺が快適でありさえすれば、それを保つために、同じ共同体内で、誰かが極端に大変な生活をしていても構わない、という考えのように聞こえてしまいます。
    日本の東京の住民が豊かな生活をするために、地方では人身売買が横行し、地方住民に工場や農場で奴隷労働させて、極めて低価な製品や食料が供給させ、東京の住民が安価で快適な暮らしができるとしましょう。こういうのを自分は普通の生活ができているから問題ないと言いますか?

    >そもそも「人権」とは西洋の文化的背景から生まれた思想であり、我々東洋文化に属する人が心の底から理解するのは難しいとは思いませんか?

    同意です。ですが、日本には仏教的慈悲の思想からだと思うのですが、西洋に先駆けて、江戸時代に既に囚人の更正や貧民の救済などがされており、西洋の思想とは確かに違うのでしょうが、むしろ先進しているくらいの人権尊重の考えと、具体的な対処がなされていたと思います。こういうところにも、日本的社会主義が反映されていると思います。

    >>日本女性は日本の男性がそうであるよう望むから、そのようなのだと思いますが。
    >それはap_09さんの考え方であって、日本人一般の考え方ではありませんね?

    日本は伝統的に父系、男性優位社会なので、統治は男性によってなされ、女性は従う立場でした。ですから上記のように申し上げたので、これは私の個人の考えではないと思います。

    >>軍部の謀略を阻止できず、国民は地道な政治家より、感情に訴える軍部を圧倒的に支持して
    >軍の謀略とは昔良く聞いた話ですが、本当でしょうか?

    一応、歴史家は謀略そのものはあったとするのが共通の見解のようです。ただし謀略が画策されても、それが成功するかどうかは別の問題です。メディアが謀略に乗って大々的に喧伝し、国民が熱狂的にそれを支持したわけですから、一部の軍部だけの問題ではなく、日本人全体に責任があったと思います。

  11. bobby
    10月 23rd, 2010 at 18:04
    11

    ap_09さん

    >つまり成功点に到達したのではなく、発展途上ではないですか?

    私の言葉を誤解されているようです。私は中国を先進国と定義していません。「成功した」という意味は、1978年と現在とを比較して、改革開放政策が成功して途上国から中進国にランクアップし、資本主義制度の導入に成功してより社会主義経済から脱し、国民が豊かになる事により段階的な民主化も(途上ながら)進んでいます。中国を感情的な批判とりあえず棚に上げて、30年前と現在の社会制度、経済発展、民主化状況を冷静に比較すれば、「成功」という言葉が間違いでない事は明白と考えます。

    >中国は「一つの国」ですね。

    私の言葉が足らなかったようです。中華人民共和国は一つの国ですが、政府の政策は(根底で一貫しているが)政権によって脚色の仕方は異なりますし、中国人にもいろんな人がいるので、ap_09さんが「中国人は××だ」と記述する時には、いったい何処のどういう中国人について指摘しているのか、という事が疑問です。たとえばイランで反米の人が「アメリカ人は××だ」という時の米国人イメージが、いったい米国の何処に住む(東部・中部・西部により米国内でも文化がけっこう違う)人なのか、白人・スパニッシュ系・アフリカ系・アジア系のどれなのか、あるいは富裕層・中産層・貧困層のどれなのか、あるいは民主党と共和党のどちらの支持者なのか、そういう事がまったく無視されて、イラクから見た勝手なアメリカ人像により語られているとしばしば感じます。

    >これは大変気になるご発言です。

    これは私の言葉を誤解されているようです。私の趣旨は、私の知る限り、私も含めて、中国の(特に治安に関する)法律を破らずに生活している人の大部分にとって、中国で人権問題で困る事は無いという意味です。人身売買は中国でも重罪になり、つかまって有罪になれば厳罰です。また農奴もいません。

    >日本は伝統的に父系、男性優位社会なので、統治は男性によってなされ、女性は従う立場でした。

    第二次大戦前まではそういう社会的傾向が強かったかもしれませんが、戦後は必ずしもそうではなかったと思いますよ。私の母は昭和5年生まれですが、60過ぎてリタイヤするまでのほとんどの期間、ずっと働き、精神的にもかなり自立していました。たとえば看護婦、公務員、教員にはそういう人が多い。非正規雇用の事務職やパートも女性が多い。逆に男性の多くが給料を家計口座へ振り込み、家の経済的統治は女性が行っている(私の知り合いの日本人妻帯サラリーマンはみなそうです)ようです。蛇足まで。

  12. bobby
    10月 23rd, 2010 at 18:24
    12

    (続き)

    念のために付け加えておきますが、私は中国を賛美しているのではなく、事実を述べて、それについてなるべく客観的にコメントしているだけです。

    日本については、日本にすむ居住者(日本と外国人とを問わず)と、日本国籍を持つ海外居住者のすべての生命財産のなるべく多くを守れる長期的な戦略に賛同する者であり、合理的に考えて尖閣諸島や竹島や北方領土を戦略的に手放す事が有用であれば、それを否定しません。

  13. 10月 24th, 2010 at 13:24
    13

    >30年前と現在の社会制度、経済発展、民主化状況

    経済は確かに発展しているのは認めますが、民主化ってマジで思ってます?知り合いに天安門の時に大学生で、難民として米国に来た人がいるんですけど・・それと、じゃあ、今回のノーベル平和賞って一体・・・

    >人身売買は中国でも重罪になり、つかまって有罪になれば厳罰です。また農奴もいません。

    表向きで実際には横行してるとか。そういうドキュメンタリー、こちらではテレビとかに登場してますよ。最近のBBCニュースにもそういう話があったような・・・欧米の反中国プロパガンダだと仰いますか?

    >「中国人は××だ」

    「国」というときに、日本のようにほぼ単一民族国家であることの方が、むしろ珍しいのだと聞きました。しかし、国を一つの共同体単位としてみた時に、多民族がそれ構成していても、国として人々を一つに束ねる価値観、政治の特徴があり、それについて言っています。

    >第二次大戦前までは・・・私の母は・・・リタイヤするまでのほとんどの期間、ずっと働き、精神的にもかなり自立していました。

    あのう、働くという観点からすると、日本の女性は家事労働に加えて、いつでも重要な労働力として働いてきたのではないかと。ホワイト・カラーの妻として専業主婦層が増えたのは戦後ですよね。それでも80年代に80%の成人女性はパート・タイム等何らかの形で働いていたとしているものもあります。その当時は米国のメキシコ人のように、不安定な低賃金職を担い、全般に教育レベルが高いから、ほかの国と違って隅々までハイ・レベルのサービス、製品が保たれていたわけですね。生活の上での自立でも、今と違って離婚がほとんどなかった時代には、カイショのない夫に代わって、多くの女性が男性に比べて劣悪な環境の元、家族を養って子供を育てていたと思いますが。そういうことではなくて、社会秩序を維持するという側面で、女性は従う立場だったということです。ま、確かにどうでもいいことかもしれませんけどね。

    bobbyさん、まともに回答するの避けてません?

  14. Bobby
    10月 24th, 2010 at 15:57
    14

    ap_09さん、移動中なので手短に回答します。

    人権について:
    米国と同じレベルにならなければ無いも同然という議論になっていませんか?78年と今を比べて:
    移動の自由
    居住地を選ぶ自由
    職業を選ぶ自由
    起業する自由
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    思いつくままに述べましたが、70年代と現在を比較すれば、非常に大きな改善があった事は事実です。事実に目を向けないで、どのようにして中国の事を議論出来るでしょうか。

    付け加えると、人身売買は中国の法律においては重罪です。中央政府の目の届かない所で行われているとしても、中国の人権うんぬんの文脈で語るのは間違っています。そういう犯罪は米国にも欧州にも日本にもあります。

  15. bobby
    10月 24th, 2010 at 17:09
    15

    (続き)
    >国として人々を一つに束ねる価値観、政治の特徴があり、それについて言っています。

    それで、ap_09さんの言われる中国人とはどんな価値観、政治の特徴があるのか、一般化して定義して頂けますでしょうか。ちなみに私の知る中国人はみな、東北人・上海人・広東人・四川人は漢民族としてもみな異なる特徴を持っていると言っていますが...どんな定義をされるのか楽しみにしています。

  16. bobby
    10月 24th, 2010 at 17:30
    16

    (続き)

    >bobbyさん、まともに回答するの避けてません

    では言い方をかえましょう。というか、本筋に戻りましょう。ap_09さんは、日本人は文化の異なる中国人を理解できないと述べました。私は、中国人の男性(同性)を理解する方が、日本人の女性(異性)を理解するより容易であると述べました。それに対してap_09さんは、「日本女性は日本の男性がそうであるよう望むから、そのようなのだと思いますが」と述べました。

    私はその回答には2つの点で違和感を持ちます。もしそれが正しいとして、男性がそのような「女性の文化」を望みながら、その一方で、そのような文化を持つ女性との文化的ギャップにより多くの夫婦喧嘩が起こり、結果として別居や離婚に到るケースが多くあるというのは、矛盾していないでしょうか?

    2つ目の違和感は、回答そのものにあります。男性が女性にそうであると望む」という事は、180度反対に、「女性もまた男性にそうであるように望んでいる」という答えを引き出します。これは問いと答えが循環しており、合理的な回答になっていません。

  17. 10月 25th, 2010 at 11:39
    17

    主題からだんだん遠ざかっているようですので、もし私がストーカー的に食い下がっているように見えましたら、そういうつもりではありませんが、失礼。

    >中国人とはどんな価値観、政治の特徴がある
    中国共産党による一党独裁政権により統治されている国です。その政治制度のもとでなるべく有利に生きて行くのに要される価値観です。

    <女性の文化云々について>
    日本では離婚は男女の文化的ギャップにより起きているのですね。米国では「金」が原因とよく言われます。
    タイトル忘れちゃったんで申し訳ないのですが、梶井基次郎http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%B6%E4%BA%95%E5%9F%BA%E6%AC%A1%E9%83%8E
    の短編小説に、非常に若くて従順な嫁さんを貰って喜んでいたら、浮気しまくりで、純粋で大人しそうな顔とは裏腹に得体の知れない不気味さを感じた、というのがあります。妻は夫にのみならず、どの男にも従順だったんですね。彼女は『浮気』以前に、そもそも性交渉とは何であるかすらわかっていなかったのかもしれません。従順、無垢、無自己であるあまり、まともにものを考える能力もそがれているのですが、女性のほうは、従順で自我もなければ、一生男性にかわいがられて安泰に生きて行けると育てられ、娶った男の方は、従順の実際の中身とは何か、事が起きるまで、わかっていなかったという話です。男は自分に従順かつ分別のある賢い妻を期待していた訳ですね。つまり人を枠や鋳型に嵌めて、「こうあれ」としても、嵌められた方が期待通りに反応するとは限らないわけです。その辺がギャップを生む原因ではないでしょうか。この妻の場合、男性に求めるものは、夫に限らず自分をかわいがって庇護してくれるという一点で、それは夫の真の期待からはズレてますね。
    また、“女性は男性に従順であれ”という思想を、女性自らが発明して、そのような存在として生かして下さい、と男性に頼み込むようには思えないのですが。本当に無条件に従順だったら夫婦喧嘩は起こりようがないですし。

    エントリーと関係なくなってしまってすみません。

  18. 10月 25th, 2010 at 11:49
    18

    >70年代と現在を比較すれば、非常に大きな改善があった事は事実です。
    異論はありませんが、今後も他国に追いつくまで改善を続けるでしょうか?とちらかというと、他国を中国のようにしたいという野心を感じますが。

    日本で人身売買ありますか?アメリカでも人身売買までするのは、外国系のエージェントだと思いますけど。BBCに中国エージェントによる中国人同士の人身売買的な手続きによる英国へのほぼ奴隷労働者製造的、中国人移民の記事が最近もあったように思います。世界中どこでも同じ程度に人身売買が横行しているとは到底思えません。

  19. bobby
    10月 27th, 2010 at 09:35
    19

    ap_09さん

    >中国共産党による一党独裁政権により統治されている国です。

    中国政府の政治体制の定義としてはその通りです。

    中国(国)の定義としては古すぎて相応しくない。経済体制は既に資本主義に移行していますし、社会体制も資本主義の導入により段階的な民主化の途上にあり、社会主義的なものの残滓は、(私が見る限り)表面的には見当たりません。今の中国(国)に相応しい定義は国家資本主義と考えます。

    そして中国人の定義としては間違っています。なぜなら共産党員は中央と地方において指導者層を構成するエリートではありますが、100人に6人以下(13億の人口に対して8千万人弱)です。多くの共産党員も含めて、人民のほとんどは資本主義経済と民主化されつつある社会を歓迎していると考えます。

  20. bobby
    10月 27th, 2010 at 09:44
    20

    (続き)
    >とちらかというと、他国を中国のようにしたいという野心を感じますが。

    中国が資本主義(そして資本主義のおまけとして付いて来る、資本主義と表裏一体をなす民主主義)による経済繁栄を国家の目標から外さないかぎり、そして中国の経済繁栄が逆行しない限り、中国の未来にあるのは資本主義で民主主義的な社会です。

    この文脈において「他国を中国のようにする」というのは、資本主義体制の国にするという意味でしょうか?北朝鮮を除く周辺国のほとんどは(ベトナムも含めて)既にそうなっているようです。

  21. bobby
    10月 27th, 2010 at 10:04
    21

    (続き)
    >アメリカでも人身売買までするのは、外国系のエージェントだと思いますけど。

    外国系じゃなくて、米国資本を含む国際的な犯罪組織という意味ですね?しかし、それは法律で禁止された犯罪なので、それにより米国政府を批判するのは間違っています。それは中国も同じです。ちなみに中国では、人身売買や管理売春の組織責任者は捕まって有罪になると死刑で、日本や米国より厳しい罰則になっています。(管理売春でも死刑なのは人権的にどうよ?というのは別に機会に。)

    http://www.kyudan.com/column/jinsin.htm

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