尖閣諸島を巡る中国の立場

10月 3rd, 2010 Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ

本記事はすべて、私の推測にもとずく記事だという事を予めお断りしておきます。

中国政府は自国民に、釣魚島(尖閣諸島)は中国の領土である事を広く明言しています。ゆえに中国人民は、釣魚島(尖閣諸島)は自国の領土だと「固く」信じています。実際、私の中国人スタッフは、「尖閣諸島は台湾の一部であり、もともと中国の領土」と私に言っています。

中国政府は最初、日本が釣魚島(尖閣諸島)領土侵犯している事実を、マスコミを通じて中国人民に広め、反日運動を煽る「材料」にしていたのかもしれません。ところが領土問題というのは「諸刃の剣」になり得ます。

中国は外から見るほど政情安定しているとはいえず、いまでも治安維持が常に政府の最重要課題になっています。大きな問題としては、チベットと新疆ウイグル自治区で独立問題を抱えています。また、沿岸都市と内陸部の間の経済格差問題があり、地方政府の汚職や腐敗に対する人民の怒りの圧力が蓄積しています。農地を外国企業の工業区にされ、行き場を失った「小作農」たちの怒りの圧力があります。

このような国内問題の圧力を発散する為に、ずるい外国政府による領土侵犯問題(その代表例としての釣魚島問題)を国民に知らしめ、「制御」されたデモや小競り合いにより問題の矛先が中国政府へ向かないようにする事が政策として行われてきたのであろうと考えます。

ところが領土問題というのは時に「諸刃の剣」になります。釣魚台へ向かった船が現場で予想外にあばれて、日本側が予想外の強行な反応を見せた場合、中国政府が穏便に事を収められなくなるかもしれません。加熱した人民の反日感情や軍閥の圧力が政府の背中を押して、たとえ中国の国益から外れるとしても、国内に対して政府の立場を守る為に、日本(と世界)に対して、強行な態度を貫かざるを得ない場合も有り得るという事です。

今回の尖閣諸島の問題で、多くのブログでは、日本人の価値観、日本人の立場からのみ、意見を述べる人がほとんどのようです。しかし、中国のような大国との交渉においては、自国の立場からの正論ばかり述べてみても、問題を解決へと進める事はできません。自分が圧倒的に強い立場で交渉に臨める場合でない限り、相手が何を譲れ、何を譲れないかを良く知った上で、どうしたら問題を解決の方向へ向かわせる事ができるかを考えるできではないでしょうか。

参考資料:
1)自衛隊を出すばかりが防衛ではない
2)海保による尖閣諸島仮設ヘリポート再利用の検討をすべき
3)戦争って以外と簡単にはじまるかも

Facebook Comments
Tags: , ,

4 Responses to “尖閣諸島を巡る中国の立場”

  1. 10月 4th, 2010 at 09:23
    1

    日本では尖閣諸島は日本の領土であり、領土問題ではないと新聞でも報道していたようですが、CNN, Associated Press, WSJでは、中国、台湾、日本が自国領土と主張としていますが、日本の領土とは明言していません。

    そのうちAPとWSJは、コメント欄が、日本による中国領土の侵略、第二次大戦同様、日本はアジアを蹂躙というコメントであふれてます。それを見て、欧米人風の名前による、日本人はナチスに対するドイツ・オーストリア人のように反省する能力もないのかという口調もありますね。
    中国は世界世論の形成にも成功しつつあるのかもしれません。

    日本は中国に対抗できるような「力」でも身につけない限り、中国は日本に何か譲る必要などなさそうですが。

    実際、フィリピンとベトナムなど南シナ海では、譲る譲らない以前にすでに、中国は実力行使でもぎとっているようですね。

    http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100925-OYT1T00834.htm

  2. bobby
    10月 4th, 2010 at 09:43
    2

    AP_09さん、

    >日本は中国に対抗できるような「力」でも身につけない限り、中国は日本に何か譲る必要などなさそうですが。

    日本が単独で、中国と軍事力で均衡をはかるのは困難なだけでなく、無謀でもあると思います。短期間でそれほどの税金を自衛隊の予算に使ったら、日本の医療は崩壊し、経済的におちこぼれる人たちが多数出現し、途上国へ逆戻りする可能性が高い。そんな事はだれも望んでいないでしょう。

    中国に対抗するのであれば、日米安保を有効に使うしか方法はないと思います。

  3. 平ちゃん
    10月 5th, 2010 at 14:35
    3

    >実際、私の中国人スタッフは、「尖閣諸島は台湾の一部であり、もともと中国の領土」と私に言っています。

    その中国人スタッフの方は、尖閣が台湾の付属諸島として施政的に扱われていた歴史的な事実、根拠を具体的に示されての話なのでしょうか?

    また、距離的に近いことを理由にするのであれば、尖閣は台湾から約150kmの位置にあり絶対的にも近いとは言えないし、また、この距離ですと、先島諸島からの距離と同程度あるはそれ以上であり、距離で付属の否かを決めるのであれば先島諸島の付属諸島ともいえることになってしまいますが。

    そもそも、中国側が主張する付属諸島との根拠が不明なのですが。

    また、中国が国際法に則ってこの問題を解決しようとするのであれば、中国が、日本が尖閣を不法占拠しているとして、国際司法裁判所に提訴すればいいだけの問題であるのに、中国は提訴しようともしない。この点について、その中国人スタッフの方は、どのように考えていらっしゃるのでしょうか?(中国政府側も自分たちの主張の根拠に薄弱さを感じているために提訴しないと思わざるをえないのですが)

  4. bobby
    10月 5th, 2010 at 19:19
    4

    平ちゃんさん、コメント有難うございます。

    >その中国人スタッフの方は、尖閣が台湾の付属諸島として施政的に扱われていた歴史的な事実、根拠を

    この記事の趣旨は(よくお読み頂けばご理解できると思いますが)日本人の主張は日本人の価値観に基づいているように、中国人の主張には中国人の価値観に基づいているという事を伝えようとしたわけです。

    私のスタッフに限らず、非常に多くの中国の国民は、テレビや新聞で「釣魚島は台湾の一部であり、したがって中国のものである」と言えば、何の疑問もなくそれを「事実」として受け入れます。その理由を説明したとして、それが正しくない可能性を考える国民がどれだけいるでしょうか?

    同じ事は日本の国民にも言えます。多くの国民は、尖閣諸島がなぜ日本の領土であるのかをきちと説明できないにも関わらず、メディアの言う事をそのまま呑み込んでいるだけです。どこの国でもそういうものではないかと思います。

    国家間の摩擦(領土にしろ歴史問題にしろ)は、このようにして自分の価値観や主張を一方的に振りかざす時に生まれるものであるという事が、今回の事件でよくわかりました。

    >。この点について、その中国人スタッフの方は、どのように考えていらっしゃるのでしょうか?

    興味深い質問ですね。今度聞いてみます。新聞やテレビで、それに関する報道があれば、それの「受け売り」的な返事がきっと返ってくるでしょう。

Comments are closed.