尖閣諸島における合理性

9月 26th, 2010 Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ

アゴラに立て続けに投稿された記事を見ると、領土侵犯の問題は、普段は合理的な判断力を持つブロガー達をも、盲目的な愛国心(=間違った愛国心)に駆り立てる危険なエネルギーを持っていると感じています。その中で池田信夫氏は、愛国心とは異なった視点で、船長釈放は「合理的」な判断であると述べておられるのが印象的でした。

以前に愛国心の種類について書いた時、政治的な意味での「国土」を愛国心の対象にする事で、国家という仮想利益団体の「利益」が優先され、人民のリアルな利益が紛争により失われるリスクが高くなると述べました。今回はそれに該当するケースかもしれません。

国益=民益と定義すれば、尖閣諸島を領有する事により生み出される経済的利益が、中国と紛争状態になる事により失われる経済的利益に比較して十分に大きければ、政府は海上防衛力へ投資して、尖閣諸島の領有と実行支配を行う事に合理性が生じます。その逆であれば、日本が尖閣諸島を領有して実行支配する経済合理性は有りません。国家のハードな分裂リスクを有している中国と違い、社会が十分に安定している日本では、国益(=民益)とは経済交互理性の観点から十分に定量的な判断が可能であると考えます。

政府あるいは民間のメディアまたはシンクタンクは、尖閣諸島周辺の海洋および海底資源の市場価値(現在価値)を数値化して、これと防衛力投資 + 遺失利益の総額とを比較して、人民へ提示するべきではないでしょうか。

経済合理的に十分な価値があれば、日本政府は早急に、尖閣諸島に海上自衛隊の基地をつくり、周辺海域を外国船の立ち入り禁止海域にして、「実行支配」を行うべきです。もし自衛隊の基地が人民解放軍の襲撃を受ければ、間違いなく「日米安保」の対象になります。もし十分な価値がないと判断すれば、尖閣諸島を中国と共同管理の提案を行う等、中国政府の面子を立て、日本の経済的メリット(=民益)を重視した政策に転換するできではないでしょうか。

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