携帯メルアドを人質開放せよ

真野浩さんがアゴラでSIMロック論争への素朴な疑問を述べ、そのコメント欄で松本氏が5番のコメントで述べた「、ロックなしは値段が高くならざるを得ない」について微力ならが反論を行っている最中です。更に19番のコメントで「SIMロックは通信事業者に長期間の回線利用を保障する為の道具」についても、他にも方法があるのに、なぜSIMロックでなければならないのかについて、松本氏へ質問を投げかけています。(これで何回目かの挑戦なのですが、ずっとスルーされていてちょっと寂しいです)

さて、松本氏の言う「SIMロックの必要性」について、香港に居ながら日本と世界の携帯電話の事情に詳しい某知り合いの一人と話していたところ、「キャリアを変えても、前の携帯のメルアドを使い続けられる方が、ユーザーにとっては有用だ」と指摘されました。たしかにこれは、ユーザーにとってSIMロックより切実な問題かもしれません。

日本では携帯のメールアドレスは、時には身分証明として使用されており、単なるメールアドレスという訳にはゆきません。ミクシーの新規会員登録は、携帯電話のメルアドがないと取得できません。ネットを何年も徘徊していると、携帯メルアドで登録したサイトやサービスがたくさん発生します。そうなるとドコモからソフトバンクへ移りたくても、メルアドを捨てられないので移れない、なんていう人が実際にはかなり居るのではないでしょうか。

携帯電話のメールアドレスは、いまは携帯端末の契約と一体となっているようですが、これを「行政指導」で強制的に(携帯電話とメールサービスの)契約分離させ、携帯キャリアをソフトバンクからドコモへ移っても、メルアドだけはソフトバンクのものを使い続けられるようにするのです。もちろん、メール・サービスの料金は、携帯電話の料金とは別途に支払えるようにします。

この為には、携帯端末で使用されているメールのしくみ(現在はMMSをカスタマイズして使用しているのでしょうか?)をSMTP/POP3を使うインターネットメールサーバーへ変更します。端末側のソフトも、同様に変更します。ついでにgmailなど外部のメールアドレスでも登録可能にしてほしいですね。

こうして電話番号とメールアドレスの契約を分離可能にして、ユーザーが同じメルアドを(キャリアを変更した後も必要に応じて)使い続けられるようにする事で、キャリア間を移動するユーザーの流動性が増すと考えられます。更にSIMロック排除により国内端末を海外標準へ誘導する事と合わせると、日本の携帯市場の「特異性」が著しく解消し、欧米キャリアの日本市場へ戻ってくる可能性が高まります。またノキアやサムソンなどの世界的端末メーカーも日本市場へ戻ってくるでしょう。日本の携帯市場は参加プレーヤーが増えて混沌としてくるでしょうが、そういた市場競争がユーザーの利益を高め、日本の国力も中長期的には増してゆく事と考えています。

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5 Responses to “携帯メルアドを人質開放せよ”

  1. heridesbeemer
    4月 24th, 2010 at 08:56
    1

    あなたと、私で、一致できるのは、端末で、国内ー海外の断絶(ガラパゴス現象はよくない)は、それは、同じですが、そこから、あとが、違いますね。SIM Lockの話は、別稿で。

     さて、携帯メールの件ですが。

     携帯電話には、
    a)SMS. 一番安くて早いが、160バイト制限
    b)MMS. サイズの制限が大幅緩和されたが、アドレスは、オペレータ発行。端末情報がいる。内容は改変される。
    c)eMail. 普通のinternet mail.POP3/SMTP/IMAPを使う。
     が、世界的にあるもの。日本の外では、
    Motofone F3などの超低価格機は、a)しかない。
    普通の電話機は、a),b)しかない。
    ちょっと、高めの機械だと、全部ある。

     日本は、例によって、独自の進展をとげたので、
    PDCのSMSからはじまり、各社独自の写真メールサービスがつづきました。MMSは、日本の写真メールみたいなものを横目でみながら、業界標準化団体のWAPフォーラムがまとめたものです。
     だから、日本では、順番が変で、いまだに、オペレータ間でSMS配信に問題があるという、海の外では、もう、8年以上前にクリアになってることができてない、という変なことになってます。

     MMSも、日本のオペレータの写真メールも、基本的には、オペレータのアドレスがつきます。海外では、MMSのサービスプロバイダもありますけど、一般的ではない。

     だから、MMS,日本の携帯メールとも、アドレスのポータビリティはない。アドレスのポータビリティが、あるのは、インターネットメール。gmailでも、pop3でも。
     日本でこの問題が深刻なのは、日本の消費者が中毒になってるから。実際には、Androidフォンで、gmailなどを使えば、この問題は、賢い消費者なら、とっくに、バイバイできる。
     いまのvodafone.ne.jpとか、docomo.ne.jpなどのアドレスがポータビリティがない問題は、別に、日本だけの話ではなくて、世界的な話。しかし、海の外では、それほど、深刻ではない。 というのは、海のそとでは、国にもよるけれど、SMSかInternet Mailのどちらかで、用をたしているケースがおおいから。
     このアドレスの問題は、vodafone.ne.jpを、docomo SIMの端末で受ける、というのは、技術的には難しい。まだ、めどはたってないと思う。
     ただし、引越し後、1け月間は、ユーザーが、設定した転居先アドレスに転送する。これくらいは、別に技術的な問題でもない。ただ、その転送に伴う通信費用を誰が払うんだ、ということはあるが、それは、ユーザーがはらえば、いいと思う。
     オペレータは既得権の流出につながるから、いやがるかもしれないが、そういうことこそ、総務省は、ガイドラインをだすべきであろう。

  2. heridesbeemer
    4月 24th, 2010 at 09:22
    2

    SIMロックの強制排除は、”あれほど、いったのに、総務省がいうので、やってこうなりましたよ”というオペレータに絶好の口実をあたえて、そして、政治的な問題になるだけで、むしろ本当の目的から遠ざかるだけで、むしろ、敵の思うツボになるだけなので、絶対反対です。

     SIMロックがなぜ、必要か、なぜ、契約縛りではいけないか。

     松本氏のかわりに、答えてあげましょう。
     SIMロックあり、なし併売の場合、同じ値段にはならない。たとえ、縛りなしでも、1万以上の差はつくでしょう。SBM社長の4万円以上というのは、ほえすぎですが。

     併売されて、2つの機械がならんでいれば、SIMロックありを選ぶ人は、そのオペレータにコミットメントしてくれてるわけです。別のオペレータの波を使うことはできませんからね。
     商売で、お得意さんには勉強させていただきます、は、古今東西をとわず常道でしょう。
     
     もっと、わかりやすい例をあげましょうか。もし、ガソリン自動車で、ガソリンロックなる、テクノロジーが発売されたとします。すなわち、デジタル暗号化された特定のガソリンブランドでしかエンジンが回ってくれないというテクノロジー。もし、そういうテクノロジーができれば、新日本石油なりは、新日本石油ガソリンロック車については、車両購入価格の相当を補助する、というのは合理的な行為です。なにしろ、その車は、新日本石油のガソリンしか使わないことが保証されてるんだから。

    縛るってのは、加入契約を縛っているのですから、SIMフリーな端末は、(差額に経済価値があるなら)売り飛ばして、タンスの中の古い端末を使うのが、合理的な行為でしょう。
    そもそも、SIMロックは、先進国を中心にどこにでもみられる現象で、日本だけのものではない。SIMロックで、十分、担保出来るものを、なぜ、わざわざ、契約縛りという、緩い手段で置き換えねば、ならないのか、その辺が、さっぱり、私は、理解できませんね。

  3. bobby
    4月 24th, 2010 at 12:03
    3

    MMSメールを、インターネットメールへ移行する方法はあると思います。要するに、MMSメールのしくみを捨てるのです。幸いな事に、メルアドはインターネットと互換性がありますから、キャリアのセンター側でしくみを変更するだけで可能ではないかと思います。その辺のしくみを新しい記事に書きましたのでご批判下さい。
    http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=2192

  4. bobby
    4月 24th, 2010 at 12:22
    4

    heridesbeemerさん、

    >SIMロックあり、なし併売の場合、同じ値段にはならない。

    もちろん、専用端末と専用サービスの前提を変えなければ、キャリアがメーカーから購入する端末の価格は変わりませんから、SIMロック無し端末を超高額でわざわざ買うメリットが無い事は理解できます。

    私の提案は、専用端末と専用サービスの前提を「変える」事が前提です。汎用端末とサービスの汎用化(専用サービスはWAP2.0など汎用APIの枠内でやる)です。それにより、ノキアやサムソンやソニエリのスマートフォンの国内市場参入が可能になり、販売奨励金無しの端末価格は、普及版で2万円台、高級機種でも4万円前後になると考えます。

    その状態を短期で実現させる為の「手段」として、遺憾ながら政府による「SIMロック排除」という劇薬が効果的であろうと考えています。但し、排除期間は5年とか期間限定にして、その後は再び自由に戻すべきでしょう。如何でしょうか。

  5. heridesbeemer
    4月 24th, 2010 at 14:30
    5

    まず、根本的な問題として、今の日本では、オペレータが端末の仕様と種類を決めています。端末は、オペレータのサービスと、tightly copupledになっている。

     たしかに、今は、フラッシュのサイズは大きいので、日本語フォント積んで、Wnnなどをのせてやることは、対した問題ではない。
     しかし、そういう端末は、そのままでは、オペレータの承認は、簡単にとおらない。そもそも、オペレータの目的は、利益は極大化するために、消費者を箱庭サービスに中毒させることみたいなんだから。

     結局、日本のオペレータは煩いので、US/EUのW-CDMA端末つくるのより、2倍はコストかかります。
     じゃ、オペレータの承認はとらずに、オペレータでないところで、どこかがやるか?
     もっとも、期待されていたE-Mobileに割り当てられたのは、国際的に互換でない周波数でした。(E-Mobileが、2100MHzをとってれば、だいぶ状況はちがったでしょう。そういう可能性は、ほとんど、ゼロに近かったですが)
     日本通信? 日本通信の首根っこ、は、docomoからの回線卸料金で、押さえられてますからね。

     そもそも、日本のマーケットは難しいわり(ハイエンドの中古品が潤沢にある)には、成長性は低いので、ビッグ5といわれるような端末ベンダーが、力をいれる理由は、あまりない。(中国、インド、US,ブラジルともっと、端末がバカ売れしている国はいくらでもある。)

     じゃ、サービスも、グローバル水準で、そとの仕様の端末でも、土管の使用条件に差をつけさせないように、行政指導するか?
     そういう行政指導した場合は、SIMロックの話は、どーでもいい話になりましょう。(だが、そういうことは、総務省は頭の済みにもないようですけど。例のモバイルビジネス研究会の報告書にも、触れられてなかったと思う。)
     だから、SIMロックの話は、問題の本質から外れているわけです。

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