iモードは「英国方式」で

4月 21st, 2010 Categories: 1.政治・経済

総務省(原口大臣)が携帯業界へ、SIMロック禁止にすると恫喝してから、業界関係者が大慌てで反論を試みている一方で、禁止論争への素朴な疑問も出されています。たとえば「ドコモ端末のSIMをソフトバンク端末へ入れても、iモードが使えない」という意見がありますが、真野浩氏も「強引すぎる」と述べています。

ところでiモードですが、実は技術的にはWAPとの親和性が高く、コンテンツの移植も比較的容易です。ググってみたところ2001年前後にiモードとWAP2.0を融合させるというような記事が多くみられました。ドコモはWAP版のiモードのシステムを完成させ、海外へ展開を開始しました。

英国での事例
キャリア:O2 (UK) Ltd.
2005年10月1日

香港での事例
キャリア:Hutchison Telephone Company Limited
導入日:2007年5月30日

たとえば、下記は英国と香港の例です。こちらによれば、海外の14キャリアがiモードの導入を行った(終了したものも含む)ようです。しかし同記事を見ると、海外端末でiモード対応機種というのがあるので、単純にWAP2.0対応機種ならどれでも可能という事ではないのかもしれません。以前にiモードのコンテンツをWAPへ移植した事がありますが、携帯端末は画面の解像度が多様なので、サーバー側で機種を自動識別して、それに対応した画面解像度で画面情報を出力するようになっていたような記憶があります。

他にも、ネット上の文献をいろいろ漁ってみましたが、現在FOMAのiモード・システムは、WAP2.0のブラウザで完全互換で動作する訳ではないようです。池田信夫氏が地デジは「南米方式」での記事で、

「先月、エクアドルが「日本方式」による地上デジタル放送の採用を決定した。総務省は、これを機に「日本方式」を世界に売り込みたいと意気込んでいるが、結構なことだ。せっかくだから、この「日本方式」を日本でも採用してはどうだろうか。」

と述べています。ドコモもFOMAのiモードをWAP2.0ブラウザへ完全互換になるように、「英国方式」を日本でも採用してはどうでしょうか。ドコモの技術なら、端末がiモードブラウザかWAPブラウザかで、記述されたコンテンツをリアルタイムに自動翻訳するミドルウェアの開発は可能ではないでしょうか。端末側の画面フォーマットは多少乱れても、ユーザーがそれなりに使えれば良いのです。また非互換端末用に、iモードブラウザを開発して、ユーザーがダウンロードして使えるようにする手もあります。

最後に一言。iモードは、電話のデータ通信帯域が遅かった頃に、コンテンツ産業を構築する為に設計された「遺物」です。3G以降の高速なデータ通信が可能な現在、WAP2.0ですら「遺物」になろうとしています。これからは、データ通信の帯域は更に高速化されるでしょう。「携帯回線用にパケット効率を最大化するように」などとプロトコルのカスタマイズへ走るのではなく、普通の端末用インターネット・ブラウザで、汎用のインターネット通信接続上に、(良い例とはいえないが)iPhoneのApple Storeのように課金可能なサービスをデザインするべきではないでしょうか。

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3 Responses to “iモードは「英国方式」で”

  1. heridesbeemer
    4月 21st, 2010 at 18:59
    1

    i-modeを、どうのこうの、いっても意味ないです。

    docomo自身が、HTC-03A(HTC製のAndroid)で、非i-mode端末受け入れて、サービスしているわけですから。

     だから、docomoにはサービスの基盤はある。しかし、User-Agentヘッダーなどではねたり、パケット定額が使えないなどの手段で、未承認端末を弾いている、それが、問題。

    なお、WAP2.0は、
    WAP陣営,c-HTML(i-mode), インターネット標準をもちよって、3論併記された仕様です。
     しかし、実装では、WML/WSP(WAP1.x)は、投げ捨てられることになりました。もとから、c-HTML(i-mode)は、世界では失敗つづきだったので、これも、外ではほとんど、サポートされてません。(コンテンツプロバイダーが指示しないんだから)

     つまり、WAP2.0で、 WAPは、実質的に、換骨脱胎して、XHTML/MP(HTML)+TCP/IPになった、わけです。

     となると、XHTML/MP+TCP/IPが古い、というのは、ナンセンス、ということになります。

  2. bobby
    4月 22nd, 2010 at 17:57
    2

    heridesbeemerさん、
    iMode.Netですね。既に技術的な問題は無いところに来ているのだろうとは感じていました。携帯業界が意図的に黙する事で(消費者の無知に付け込み)ソフトバンク端末をドコモで使えないようにしている(その逆も真なり)のですね?

    WAP2.0が技術的に「古く」ないというのは私も同意します。キャリアにとってWAPの存在意義は、コンテンツの料金徴収プラットフォームかと思います。ところが今は、ソニエリやノキアなど(シンビアンの)スマートフォンはみなインターネット・ブラウザが搭載されているので、クレジットカード登録によるコンテンツ販売が可能になりました。そういう意味で「遺物」となったのではないかと考えています。

  3. heridesbeemer
    4月 22nd, 2010 at 18:30
    3

    billing systemは、3gpp/OMAでも、その為の規約はあります。
     しかし、有料コンテンツの課金は、世界的にも、独自のやりかたが、多いです。もちろん、オペレータは、クレジットカード決済は、金の流れが、オペレータをバイパスするので、月々の明細にのせるように、ネットを組みます。実際には、コレクションフィーなども、コンテンツ販売業者からとれますし。

     実際には、たしかに、オペレータがやろうとすれば、ベーシックなWeb,SMS,MMS,音声通信は、docomo-SBM-海外で、動作させることは、それほど、難しくありません。
     docomoでも、cHTMLは、使うな、と指導しているはずですし。
     ただ、どちらのオペレータも、サービスのインテグリティなどをいいたてて、未承認端末の受け入れには、おおらかではないでしょうね。そこらが、海外のオペレータとの大きな違い。

     オペレータの本気度をみるのは、パケット定額が使える条件を制限しないことでしょう。

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