郵便局が金のなる木を失えば

10月 3rd, 2005 Categories: 1.政治・経済

郵政改革反対派議員によれば、小泉郵政改革を実行すると、郵便料金は高くなり、郵貯のATM使用は有料になり、
職業によらずだれでも保険(簡保)に加入できなくなるそうです。郵政公社は、誰も成し遂げられなかった、
民より低コスト高サービスを実現しているのでしょうか?それとも、どこかに金のなる木を隠し持っているのでしょうか?貴方はどう思いますか?

 

TVタックルでもお馴染みの、原口一博(民主党)議員の公式サイトに、郵政特議事録(郵政特別委員会の議事録模様)という資料があります。

これに目を通すと、小泉首相の郵政改革について、反対派議員がイチャモンつけている様子が手に取るように分かります。特に、
民主党の安住議員と小泉首相の問答は、まるで掛け合い漫才のようで実に面白い。他にも、いろんな反対派議員が、今の郵便局の良さと、
改革後のサービス低下について追及しています。

我々の良く知っている世界の常識では、官(公)のサービスはコストが高くて質が悪い。
民のサービスは合理化と競争により低コストでより質の良いサービスを受けられると聞いていました。郵政サービス(郵便、郵貯簡保)が民営化されて、
今まで無料であったサービスが有料化されたり、サービスの質が低下するとしたら、何かカラクリがあるのではないでしょうか。

我々の常識に従い、郵政公社のサービス(郵便、郵貯、簡保)は民より高コストだが、それでも無料のサービスや、
全国一律のサービスが出来るとしたら、どこかに高コストを補う金のなる木を持っている必要があります。

いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」さんの郵政の人件費の出所に、
郵政公社が持っている金のなる木を見つけました。以下はその部分の引用です。

郵貯の資産内容はこの1年でかなり変わりました。総額は減少して、210兆円くらいです。そして運用先も変わりました。
国債が112兆円、社債(要するに公庫公団債とか財投債だな)・地方債が約18兆円で主に公的債券が130兆円です。
問題の預託金残高については、H15年度には156兆円あったのですが、これが117兆円まで減少しました。これに伴い、
預託金の利息収入は3.7兆円から2.8兆円程度まで約25%も減少してしまいました。これは特殊法人改革によって預託金から財投債・
機関債へと移行するということで、減らして行かざるを得ないからです。そして、利息収入もやっぱり25%くらい減少してしまいました。
郵貯の収益源の主なものは、この預託金利息が最大で、有価証券利息は(先に挙げた130兆円と株式や外国債券等を併せて)、
約9700億円にしか過ぎません。いかに預託金利息が大きいか、お判りいただけるかと思います。

上記を簡単にまとめると以下のようになります。

  1. 郵貯資産は210兆円。
  2. 公的債権(国債が112兆円、社債(公庫公団債や財投債)と地方債が18兆円)の合計額は130兆円で、
    これらの有価証券利息は9700億円。
  3. 問題の預託金残高は117兆円、これを政府に貸し付けている金利収入が2兆8300億円。
  4. 現在2兆8300億円ある預託金利息と有価証券利息9700億円を併せて3兆8千億円

金のなる木とは、預託金残高117兆円を政府へ貸し付けて、
政府からもらっている利息収入です。そして、この利息は税金(或いは赤字国債)から支払われています。

いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」さんは、なおも続けて、

国民への利払いはたったの8400億円(内、定額貯金には7400億円で、
通常貯金などには1千億円程度しか払ってない)ですが、何と財務省から借金していて、これが約38兆円あり、
この借金に対する利息は9900億円も払っています!べらぼうに高いでしょ?これもある意味カラクリなんですけれども
(そもそも郵政の利益を小さくしておく為でしょうね)、今は置いておこう(民営化する際には、返済して相殺されると思うから)。現時点で、
117兆円の預託金が全て国債とか地方債に置き換わると、これに対する利息収入は8730億円となって、約2兆円の収入減少となります。
ところが預金者達への利払いは変わらないのですから、H16年度の純利益1兆2100億円は全てなくなり、
逆に8千億円程度のマイナスとなってしまいます。
まとめてみますと、現在2兆8300億円ある預託金利息と有価証券利息9700億円を併せて3兆8千億円ありますが、
預託金がゼロとなり全て国債等債券に置き換わってしまうと利息収入は1兆8600億円(248兆円×0.75%)となってしまい、
1兆9400億円の収入減少となります。これで昨年の利益(1兆2100億円)は全て消滅するばかりか、マイナス7165億円となります。
つまり、職員の給与等の営業費用は預託金利息が支えていると言ってもいいでしょう。では預託金利息は誰が払っているのか?
それは特殊法人等の預託先です。預託先が金利を払うということは、結局国が払っていることと同じなのです。
つまりは税金を投入していることと同じです。

郵政公社が預託金を国に貸す事を止めて、公債での運用(市場からの運用)益だけになれば、
郵貯と簡保を継続運営しても現在の利益を確保する事は到底不可能となり、税金の投入なしでは存続不可能になる事を示唆しています。

 

こうして考えると、多くの反対派議員が述べている
「赤字でも税金投入している訳でもない郵政事業を分割民営化する理由はどこにあるのか?」という意見は、
実は嘘だったという事になるかもしれません。

これまで郵便局がやっていた事は、こっそり(たっぷり)税金を使ってコスト補填していたという事なら、
それと同じサービスを同じ費用で民へやれというのは間違っているのではないでしょうか。親書や政府の文書配達は郵便事業で継続するとして、
小包の配達、保険や預金の商品は、きちんと採算が取れるまっとうな料金で提供されるべきかもしれません。

ところで、なぜ国が預金や保険の事業を始めたのでしょうか?

米国で非常に有名な投資ファンドを運営しているウォーレン・
バフェット
は、効率良く投資資金を確保する為に保険事業へ進出して成功しました。
銀行は預金で集めたお金を株や為替に投資して運用する事で利益を得ています。日本の政府にも、
はじめからそのような意図があったのかもしれませんね。

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