キンドールは出版著作権業界の黒船

放送や音楽業界で、著作権とその周辺利権の商業利用が多様化してきた中で、出版著作権業界が古色蒼然としたまま続いてこれたのは、出版社の著者への支配力がそれだけ強い業界であった為と思われます。その「太平の世」の眠りを覚ましたのはキンドールという黒船でした。

Twitterで得た情報では、現在の出版契約には電子出版は含まれておらず、宙に浮いているそうです。また、英米では良く聞く、小説の映画化権なども、日本ではまだ確立していないようです。それが正しいすれば、アマゾンが、販売価格の7割の印税を著者に支払うというオファーを日本でも行えば、大きな網ですくい取るようにして、多くの著者を見方に付け、日本の電子書籍ブームに火をつける可能性が出てきました。

そこでついに、日本の出版業界は戦々恐々としながらも、電子出版に向けて押し出されはじめました。講談社や新潮社など31社の出版社は、結束して日本電子書籍出版協会をつくり、黒船に対抗しようとしています。そんな中、池田信夫氏は株式会社アゴラブックスの立ち上げて、電子出版はもう始まっていると宣言しました。JCASTニュースによれば、ある出版社と提携して既刊本数百冊を電子出版できるよう準備を進めているようです。

アゴラブックスのような新興出版社が、ネットで直販を行えば、出版著作権業界の最大の既得権者であった流通や本屋を中抜きでき、現状並みの印税を著者に支払っても、消費者販売価格を大幅に下げる事ができると思われます。そうすると、電子出版は一気に普及する可能性が高くなります。私の周辺でも、値段が安ければ電子出版物を利用したいという人は多く見受けられます。

しかし、書籍販売への依存が強い既存の出版社業界が電子出版を主導すると、既得権保護の為に、電子書籍も本屋の本とかわらない価格になってしまう可能性が大きくなる。すると電子書籍は印刷本の「おまけ」のような市場になり、市場の急速かつ大きな拡大が望めなくなる事を危惧します。

そうならない為に、新興の電子出版社がたくさん参入して、古色蒼然とした業界を競争原理で活性化される事を望みます。

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