大腸・内幕物語(3)

8月 4th, 2005 Categories: 健康

ウンチのトラブルといえば、下痢の他に便秘があります。男性には下痢が多く、女性には便秘が多いと言いますが、今回は便秘について、坂田隆著の「大腸・内幕物語」からまとめてみます。

【便秘のタイプ】
便秘には、4つのタイプがあるそうです。
 食物が原因の便秘
 興奮性結腸の便秘
 若い女性のガンコな便秘
 老人の便秘

【食物が原因の便秘】
便秘の人の食物にコムギフスマを加えると、ウンチの量が多くなり、出る回数も増える。このような人は、日常生活で食物中に含まれている食物繊維が少ないと言えます。

軽症と中症の便秘の人は、食事にコムギフスマなどの食物繊維を多く取ると、便秘の症状が改善すると広く信じられていました。ところが実際に調べてみると、便秘の人が摂取する食物繊維の量が必ずしも少ないとは限らない事が分ってきたのです。実際にコムギフスマに挑戦した便秘の人でも、効く人と効かない人がいました。(そこで、次の興奮性結腸の便秘へ続く)

【興奮性結腸の便秘】
若い人から中年の人の便秘は、大部分が興奮性結腸の便秘と呼ばれるタイプで、男性よりも女性の方が多いようです。この便秘の特徴は、おなか、特に左わき腹がひどく張って痛む事です。こういう便秘の場合、食物繊維を多く食べたり、下剤を使ったりすると、かえってお腹の張りや痛みが激しくなる事があります。

このタイプの便秘の人は、体内麻薬を作り過ぎているか、あるいは効きやすい人であると考えられます。下痢止め剤には体内麻薬に近い成分が含まれているので、たくさん投与すると興奮性結腸のような症状が出てきます。体内麻薬と極めてよく似た成分であるアヘンやヘロイン中毒者がひどい便秘になるのも、これと同じしくみです。

メカニズムは体内麻薬が、胃や肛門の括約筋を収縮させる作用や、ウンチをためておくS字結腸を収縮させる作用と思われます。S字結腸が収縮すると、腸のくびれが動かなくなり、中のウンチを肛門の方へ運ばれなくなります。収縮が更に強いと、ウンチは細切れになってポロポロウンチになってしまいます。

細切れのポロポロになったウンチが直腸まで運ばれてくると、便意は感じるのですが、ウンチが小さいので直腸を通りにくく排便しにくいという問題もあります。

【若い女性のガンコな便秘】
思春期から中年にかけて、食事には特に問題が無いのにガンコな便秘になる事があります。便秘中は必ずしもお腹が痛くなるわけではないが、食べたものが消化管を通過する速度が極端に遅くなります。このような便秘の原因として、女性ホルモンの影響が考えられます。たとえば妊娠中は便秘に成りやすいし、若い女性の16%は月経の直前に便秘になりやすいという調査もあります。両方の時期とも、消化管の通過速度が遅くなり、大腸での水の吸収がさかんになるという事がわかっています。ですので、性ホルモンが消化管の働きや水の吸収に影響を与えている事は明らかでしょう。

また、腸の神経が痛んでいる事もその理由として考えられる。ひどい便秘の女性の結腸を顕微鏡で調べてみると、結腸にある神経細胞の数が減っているし、神経細胞の突起(これを他の神経細胞まで伸ばして神経回路をつくる)の数も減っています。ただし、この問題は便秘が先なのか、出産など他の原因で神経が傷ついた結果として便秘になったのかはまだ不明です。

【老人の便秘】
お年寄りでは、便秘の人は男女ほぼ同じのようです。便秘のお年寄りの腸を調べてみると、大量のウンチが直腸に入っている事が多いのです。排便できないくらいウンチがたまるまで、気がつかないようです。

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