スパコン予算が復活しても...

アゴラで西氏が投稿したスパコン予算復活の次に来るものは、気持ちは伝わってきますが、パソコン少年を対象としたアスキー記事のように、多分に夢想的であり、改革案としても現実的でないところが多分に含まれているように思われます。その例として、細かいところでいくつか指摘させて頂きます。

>その成果としてのCPU、SPARC64シリーズのCHIPや基板を外部に安く販売するということをするようにという指導を、国にお願いしたい。

こんな事まで行政指導に頼る日本のIT業界の体質は如何なものでしょうか。富士通のスパコンが高コストの理由の一つは、SPARC64を使ったWSの販売台数が少ないからではないでしょうか。富士通さんには、まずは世界でWSの販売台数を一桁か二桁増やすように努力して頂きたいものです。香港では、富士通がWSの営業をしているところを見た事がありません。

繰り返しになりますが、NECのSX-4は補助金一切無しで、日米貿易摩擦を起こすほど強い製品でした。このような自助努力あってこそ、世界一という名誉が販売の役に立つのではないでしょうか。

>SUN 余裕が段々なくなってきて・・・

富士通のSPARC64を搭載したWSはSUN互換ですから、NECのSXシリーズより、世界市場で製品としての売り易さでメリットがあると思います。しかしSUNがジリ貧の現在、戦略的にSUN互換を続ける事が正しいのかどうかを(富士通は)再考すべきではないでしょうか。

>日立に特融してAMDを買えばいい。
私が大学生の時に起きたIBM産業スパイ事件を思い出します。当時、米国内では米アムダールがIBM互換機を製造していました。もしAMDが日本企業になれば、米企業から訴訟の狙い撃ちに会う可能性は極めて高いでしょう。しかも日立のような、いかにも日本的で保守的な企業が、米国のハードな特許交渉で勝てるとは思えません。やるとすれば、日立がAMDとCPU製造技術などでクロスライセンスを結び、次世代CPUの共同開発などを通して技術を蓄積し、最終的にAMD互換CPUの製造をしながら、日立製のハイエンド・サーバーやスパコンの製造を行う事でしょうか。それにしても、いまの日立が、出来上がった最終製品を、世界のコンピュータ業界で販売台数を伸ばすというイメージが浮かんでこないところが、この会社が現在抱えている最大の問題点ではないかと思われます。AMDと技術提携しながらスパコン用CPUの開発を狙うとすれば、日立よりNECの方優れた選択ではないでしょうか。CPUの開発力も海外市場での競争力もNECの方が格段に高いと思われます。

Facebook Comments
Tags:

3 Responses to “スパコン予算が復活しても...”

  1. 11月 25th, 2009 at 06:52
    1

    こんにちは。
    アゴラの西さんのエントリーを見てきました。バブル後の日本を現在支えている我々と、バブル前の日本を支えていた人々とのズレが感じられるエントリーでしたね。

    本来関連業界全体が一体となって進めるべきナショナルプロジェクトなのに、奇妙なぐらい官との関係が深い企業が一社だけが残るという構図自体に国産CPUがアメリカに敵わない大きな理由が潜んでいるような気がします。

  2. bobby
    11月 25th, 2009 at 13:51
    2

    肉団子さん、そうですね。でも西氏のスパコンへ投じる情熱は、池田信夫blogの最新記事で述べているアニマル・スピリットに通じるものがあると感じました。ただ、政府の支援が必要という前提条件を唱え続けるところに違和感も感じています。

  3. yj
    11月 27th, 2009 at 21:31
    3

    SPARC64シリーズのCPUは、Sunにも提供されて、
    Sunからも全世界で販売されていますよ。
    http://jp.sun.com/products/servers/
    まあSunはあれですが…..

Comments are closed.