シンセン市内を単独偵察

4月 21st, 2005 Categories: 1.政治・経済

トンガン市から仕事の帰り、散発的にデモが発生するシンセン市内を単独で偵察した。

シンセン市のローウー駅(香港との国境)に、訪問先で用意して頂いた車で到着した。時間はまだ7時少し前で外は薄明るい。ふと、大通りに面した味千ラーメン(デモ隊が前を通った)の様子を見てこようと思い立つ。

ローウー国境ビルを出ると、目の前に最新の地下鉄駅がある。目指す場所は地下鉄で1駅のところ。腹も減ったし、ついでになにか食って行くかと考える。

地下鉄駅に入ると、急に心細くなる。周りの中国人がたちまち自分を日本人と看破して、迫ってくるのではないかとの疑心暗鬼に陥る。人間の心とはかくも弱いのものか。そわそわしながらプラットフォームで電車を待っていると、知り合いのラーメン屋店主から電話が来る。事情を説明すると、「魚釣島は日本の領土だー!っとそこで叫んでよ」と請われる。

ようやく電車がやってきて乗り込む。心臓は依然としてドキドキしている。車両の隅に立ち、だれとも目を合わせないように細心の注意を払う。長い長い3分が過ぎて、目的の駅に降りる。

地上に出たとたん困った事に気づく。暗くなっていて方角が分からない。目前の道が工事中で掘り返されていて、以前の面影がまったくない。どっちが国境ビルかもわからぬまま、とりあえず明るい方角へ歩き出す。暗い路上を歩く人々は、人の事などをお構いなしにまっすぐ前を向いて、すごい勢いで歩いてゆく。デモの気配はどこにもないのでちょっと安心。

味千ラーメンを探すのだが見つからない。何か食べようと、どこか洒落た四川料理レストランがないかと探すのだが、それもない。シンセンでは、洒落たレストランは四川料理である事がおおい。

仕方がないので、面点王というファーストフード屋に入る事にする。この店のようなウイグル系もやはり多い。店に入ろうとして、ふと、店員に日本人とばれたらどうしようかと不安がよぎる。入り口で逡巡していると、店の前の呼び込み娘が不審そうににらむので、かまわず店に入る。

下手なカントン語を駆使して、焼き餃子を一皿と、羊の肉の串刺し油揚げを一皿注文する。もしおまえ何人かときかれたらどうしようとかと考え続けながら食べていると、すでに2皿とも空になっている。よし、今日は退散だと腹を決める。

勘定を済ませているときに、ふとうしろを見渡す。もしかして、だれか俺が日本人である事に気づき、店から出たところで襲ってくるかもしれない。つり銭をポケットへねじ込むと、ダッシュで店の前に出る。むこうから空タクシーがやって来たので「しめたっ」と右手で小さなガッツポーズ。たちまち車中の人となって、再び国境のローウー駅へ。

車中から、探していた味千ラーメン店を見つける。みたところ大きなダメージはないようで、なぜかほっとした。タクシーが国境のビルに戻ったところで、額に冷や汗が流れていた事に気づく。何事もなく戻ってくれた事を、小声で神に感謝した。

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