「海外には売れない」NTTの国際競争力
携帯電話評論家の山根康宏氏は、香港携帯情報局BLOGでITU Telecom World 2009でNTT/NTTドコモの興味深い状況を伝えています。
「NTT/NTTドコモブースの最新技術の展示は「日本をアピール」という点では大きな効果があったように思います...ただ、これらの展示が今回の展示会の来訪者のニーズにマッチしていたかどうか。たとえば出している端末も「海外には売れない」では「じゃぁなんで展示しているんだ」ということになってしまうわけです。」
松本氏はアゴラで度々、NTTを分割しない事が国際競争力を低下させていると述べていますが、なんとなくわかる気がします。国内で強すぎるNTTは、世界の技術を無視し、国内だけの独自技術にこだわる事ができますが、それゆえに上記の展示ブースのような事が起こるのですね。
松本氏が指摘しているように、NTTを完全に独立した企業に分割すると、国産技術を生み出す余裕がなくなり、世界標準の技術をベースにした製品開発を行うようになるでしょう。しかし国際市場での競争力という視点から見た場合、「だれが生み出した技術か」は重要ではなく、「どこで売れる技術か」という事が重要かと思われます。標準技術を使わざるを得ないという条件を生み出すという意味で、NTTの分割は意味があるのではないでしょうか。
「官僚たちの夏」では、通産官僚が日本の企業を保護育成する様子が描かれていて感動的です。これを全力で行っているのがシンガポールであり、改革解放後の中国でしょう。しかし世界的な経済大国になったいまの日本が、これと同じ事をやり続けるのは「害あって利無し」ではないでしょうか、ねえ原口総務大臣。
bobby さん
しばらく、旅(仕事の旅ですが)に出ていたので、お返事が遅くなり申し訳ありません。弾氏のサイトは、少し荒れているので、こちらへ直接質問についてのお答えをしておきます。
消費性向には、限界消費性向と平均消費性向があります。限界消費性向とはdC/dY=cのことで、平均消費性向は、C/Y=(a+cY)/Y=a/Y+cのことです。ここで言われる消費性向は、平均消費性向のことだと思われるので、Yが大きくなるにつれてC/Yすなわち消費性向は小さくなり、その極限は限界消費性向のcに近づきます。
私の、「本の宇宙」の方にもコメントを頂いていますが、実はまだ家に帰りついていないので、またゆっくりお返事をさせて頂きます。
>ところで風竜胆さんがnn氏の説明の根拠とされた(下記引用部分)について質問があります。
>>マクロ経済学の教科書では、消費Cを所得Yの関数として、C=a+cYとよく表されています...aは基礎消費と呼ばれ、収入に関わりなく、生活のために消費せざるを得ない部分です。これももちろん、人によって多少の差異はあるでしょうが、これを「生活に必要な額」と考えれば、最初の行には別に変なところはないと思います。
>上記の式では、「収入Yの増大に比例」して、個人の「消費Cが増大」します。文脈から、nn氏の「生活に必要な額」はaではなくCを指すと思うので、この式ではnn氏の説明に適合しないように思われます。どこか理解が間違っておりますでしょうか。
>しばらく、旅(仕事の旅ですが)に出ていたので、
良い旅でしたか。家に戻ってゆっくり休んでください。