太陽光発電は原子力を補完する

中国はいま、発電燃料が不要な太陽光発電施設を国内で増やす政策へ舵を切っているように思える事を、こちらで紹介しました。太陽光発電のメリットは、発電燃料が不要、発電時にCO2を排出しない事。デメリットは、建設費が高い(軽水炉の2倍)、夜間は発電できないなどです。

原子力発電は発電量の昼夜調整ができませんから、昼間しか発電できない太陽光発電と組み合わせる事で、都市部のピーク需要時の電力需要をカバーする補完関係が成立するのではないでしょうか。

太陽光発電を建設する場合、平らな土地に、鉄の台座フレームを並べ、その上に太陽電池パネルと電子機器ユニットを取り付けるだけで、恒久なコンクリート施設などは不要、きわめて単純な組み立て作業で完成します。紹介した中国の例では、200万KWの施設に65平方キロ(約8キロ四方)を要します。かなり広い土地が必要ですが、地方の人口を中核都市に集中させれば、残った平地の一部に太陽光発電施設を建設する事が十分に可能になると思われます。

発電コストの問題について考えます。太陽光発電所の建設費用が軽水炉の2倍かかる事を指して、発電コストが高いと言われていますが、これはやり方の問題、考え方の問題で変わると思われます。

太陽光発電は、危険な燃料を使わないので、爆発や燃料漏れや核汚染のリスクがゼロです。騒音もありません。このようにリスクが低いので、都市近郊(あるいは都市内部)に建設可能です。ゆえに大規模な送電設備の建設のコストが不要です。

太陽光発電の建設場所は、設置コストの高い家屋の屋上ではなく、平らな土地を考えます。50-100平米の土地を国か地方自治体が取得して、事業者へ安価に貸与する事を検討すべきです。

現在の太陽電池の寿命は約30年以上(直交変換機は10年毎に交換する)のようですから、発電コストの主要費用項目である減価償却費の償却期間を30年にする事を特別に認めれば、月あたりの原価償却費用は低減します。

これらを考慮して、簡単な収支計算をしてみます。

【収入の部】

200万KWを1日6時間発電、30日発電すると仮定して、販売価格を(低めに見積もって)15.58円/1KWとすると、1ヶ月の販売金額は56億円。(200万KW x 6時間 x 30日 x 15.58円)

【支出の部】

1)発電燃料の費用はゼロ円とします。

2)設備の減価償却費(月額相当)は、200万KWの太陽光発電所設備の建設に5400億円かかるとすると、30年の定額法で減価償却する場合、1ヶ月間の減価償却費は15億円です。

3)毎月の主要経費である65平米の土地使用料は、仮に1万円/平米とすると6億5千万円/月です。

4)人件費ですが、可動設備がほぼゼロで、オペレーションは自動または遠隔操作が可能、つまり各設備に必要な人間が非常に少ないので、ゼロ相当とします。

【収支計算】

非常にざっくりとではありますが、上記の主要な収入 – 支出は34億円の黒字となります。これだけ余裕があれば、建設費が上記より2-3割高くなっても、発電所から都市内への送電施設費用の原価償却費を含めたとしても、土地使用料をもう少し増やしても、赤字にはならないと思われます。

56億円 – 15億円 – 6.5億円 = 34億円

設備解体の費用について考えると、さらにお得です。素材は、発電所建設の主要素材は、珪素とガラスと鉄です。珪素とガラスは埋め立てても問題無く、鉄は製鉄会社へ売れます。また、発電施設には恒久建築物が不要なので、都市の拡大に伴う設備の移転も可能です。

以上の事を考えて、長期的なエネルギー安定供給という目的において、太陽光発電は日本でも長期的な戦略的として増やす事を検討するべきだと考えます。

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One Response to “太陽光発電は原子力を補完する”

  1. 9月 27th, 2009 at 22:40
    1

    数字をいくつか指摘します。別のエントリーへのコメントと重複する部分がありますが。

    国内だと安く見ても工事単価が1kWあたり50万円くらいなので、200万kWだと1兆円かかります。5400億円ではできません。太陽電池パネル代がだいたい半分くらい。土地代や系統連携の費用は除く。

    180Wのパネル1枚の面積が1.5平方メートルくらいなので、200万kWで65平方キロというのは広すぎませんか。よって土地代は低くできます。

    現状はシリコンパネルだと1日6時間も発電しません。多結晶型を製造している国内某メーカーのカタログ数値から算出すると2.9時間程度です。単結晶でも発電効率を考えるとその倍まで行きません。よって売電単価が上がらない限り、収入はこの試算の半分以下です。

    法定耐用年数はパネルが17年、PCS類は15年です。つまり減価償却費はこの試算よりも倍近く高くなります。

    人件費ゼロはいくらなんでも無茶。管理は必要です。
    それと、これだけの電力だと、系統連携の際に不安定になるので、そのための設備投資も必要になります。売電単価16円程度では赤字になってしまいます。欧州で太陽光発電が拡大したのはFITが導入されて売電単価が日本円換算で70円以上になったためです。

    結局のところ、発電効率を高めてコストを下げる必要があるのと、電力の安定化を図ることが課題になりますね。でも、私は否定しているわけではなくて、そういう課題をクリアして、太陽光発電を推進した方がよいと思っています。

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