中国で巨大太陽光発電所

9月 21st, 2009 Categories: 1.政治・経済

華南のフリーペーパー紙ジャピオンによれば、「米アリゾナ州に本拠を置く太陽電池メーカー大手「ファーストソーラー」は9月8日、中国・内モンゴル自治区オルドス市の65平方キロの敷地に、200万キロワットの発電能力を持つ世界最大級の太陽光発電プラントを建設することで合意したと発表した。砂漠地帯である同市内に山手線の内側に匹敵する、広大な発電パネルの”海”が出現する事になりそうだ。オルドス市は産炭地として知られるが、中国は環境への影響を抑制する為に石炭火力発電からクリーンエネルギーへのシフトを進めており、今回の合意もその一環とみられる。2010年6月までに着工、4段階に分けて建設を進め、19年までの完成を目指す。発電能力は大型原発2基分に相当。最終的には300万世帯に電力を供給できるといい、同社は長期間にわたって一定の価格で中国側が買い取る契約を結んだ事を明らかにした。建設費などは明らかになっていないが、同社は米国で建設した場合の総工費は50億~60億ドル程度と見積もっている」そうです。

この記事に間違いがなければ、大型原発2基分というのは、ものすごい規模ですね。太陽電池の製造には半導体製造装置が必要だと思われ、これには大量の電力を要すると思われます。太陽電池の製造を含めて、電力消費型の製造プラントを、発電燃料費なしで運用できるとなれば、中国経済に大きなアドバンテージを与える戦略技術であると思われます。

中国政府は世界最先端の技術に、常に大きな関心を持っています。ドイツの技術を用いたリニアモーターカー(磁気浮上列車)が上海に建設されています。北京-天津間には時速340キロの日本製新幹線が導入されています。これら最新の産業技術を海外から導入してしくみや技術を学び、その次からは国内産業により自力で生産するのが中国のやりかたのようです。まねといえばまねですが、海外の技術をフォローできる国内産業の力はたいしたものでしょう。あたらしく上海-杭州間に建設中のリニアモーターカーは国産技術のようですし、最高速度200キロの普及型新幹線の国内生産はかなり進んでいるようです。おそらくは巨大太陽光発電所も、あと20年以内に、第二、第三の発電所が国産技術によって格安で建設され始めるのでしょう。

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8 Responses to “中国で巨大太陽光発電所”

  1. 9月 21st, 2009 at 21:04
    1

    どこまで本当なんですかね。

    日本の例で見ると、稼働中の原発は55基で全発電に占める比率は31%、世帯数は約4900万ですから、

    4900万×0.31÷55 = 27.3万

    なので、原発2基なら55万世帯分に相当します。一世帯あたりの消費電力が日本よりも少ないと考えればそれなりに辻褄が合う。

    許可出力は約4950万kWなので、1基につき平均90万KW。こらちは2基で約200万kWというのにほぼ見合っている。

    総工費ですが、日本の現在の水準だと1kWあたり70万円くらいですから、200万kWだと1兆4000万円。これはちょっと高めの価格設定だし(安く見ても単価50万円くらい)、今後下がるとしても、60億ドルとして5700万円と比較すると、こちらはちょっと安すぎるように思います。戦略的ないし政治的価格かもしれません。これだけの太陽電池を供給するにはかなりの生産設備の増強が必要ですが、それはこの価格には含まれません。

    Suntechという太陽電池製造の「国内企業」もありますけれどね。

  2. Isaac
    9月 22nd, 2009 at 09:25
    2

    オルドス市とはなつかしい!丁度20年前に行きました。市内唯一のホテルに宿泊客は私たち3人だけなのに、なぜか一部屋に泊まらされて、24元でしたね。シャワーのお湯が出るのは30分だけ、小さいタオルが一枚だけで、服務員にもっと欲しいと言ったら、「1部屋一枚が規則だから」でおしまい。楽しい思い出です。

    カシミヤが主要産業で、周囲は砂漠だけでしたね。夜は本当に真っ暗で、たまたま「流星雨」の夜だったので、しばし夜空を鑑賞した記憶があります。(ただし、宴会でたらふく白酒を飲まされた後だったので、気分は最悪でしたが。)

    行ったのは冬でしたので、真夏の太陽は経験していませんが、太陽光発電には最適の地かも知れませんね。電力を使うところまで送電するのに、意外にコスト高になる可能性はありますが。

  3. bobby
    9月 22nd, 2009 at 11:50
    3

    フロレスタンさん、First Solar社が2009年時点で太陽電池発電で世界ナンバーワンというのは本当のようです。下記記事を参照ください。

    http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090817/174228/

    また、この記事によれば、中国は太陽電池の設備投資額が世界の1/3になるそうです。つまり、First Solar社のプラントは、大規模発電のシステムを学ぶ為の戦略的投資という事ですね。

  4. bobby
    9月 22nd, 2009 at 12:07
    4

    First Solar社の太陽光発電の製造コストですが、下記記事によれば2009年3月時点での製造コストは、1W=USD0.98だそうです。

    http://www.sijapan.com/content/l_news/2009/03/lo86kc000000e526.html

    これから逆算すると、総工費60億ドルとして、全体の発電量は、

    USD60億 x USD0.98 = 58.8万KW になります。

    原発発電量に換算すると、2基分という事ですから、
    29.4万KW/基 という事でしょうか。

  5. 9月 22nd, 2009 at 12:32
    5

    太陽電池の製造コストと発電所の工事費は異なります。設置工事費や直交変換のPCSなどが必要だからです。日本の場合だとどんなに安く見ても400円/w =. USD4.00 以下にはならないはずです。

    最初のコメントにも書いたように、日本の場合では原発一基が90万kWくらいですし、どう考えても普通に計算すると200万kWで60億ドルというのはおかしい。First Solarが戦略的な価格を打ち出しているのかもしれないし、補助金の類が含まれていないのかもしれません。あるいはPCSを省いて直流のまま使うというのも考えられないではない。

    ところで太陽電池そのもののコストについての比較をしますが、1W=USD0.98ということで、仮に95円とすると、210Wパネルでは19950円。
    日本ではこの大きさのパネルを製造しているSA社(SH社ではない)の製品価格が工事会社ベースで7万円くらいと推測されます。これは単結晶シリコンで価格が高い。多結晶のKY社の場合だとほぼ同じ容量の208Wタイプが5万円台半ばと推測されます。仮にコストを半分(実際にはもっと高いのでしょうが)とみても、First Solarは安いですね。現状ではまだ変換効率の低い薄膜系Siがどの程度まで上げられるかも今後のポイントの一つでしょう。

  6. bobby
    9月 22nd, 2009 at 16:01
    6

    >太陽電池の製造コストと発電所の工事費は異なります。
    すみません、記事中で「太陽電池モジュール」とあったので、モジュールにはDC/AC変換部品も含まれると勘違いしました。

    >日本の場合だとどんなに安く見ても400円/w =. USD4.00 以下にはならないはずです。

    DC/AC変換にどれくらいの費用を要するか、普及製品であるUPSの価格を参考に推測してみました。下記販売サイトで、電池込みの完成品(1KVA)UPSの最安値が4万円弱です。電池の値段をざっと1万円とすると、残りは3万円。これを1000で割ると、約1WあたりのDC/AC変換部品の費用は30円。つまり約USD0.3になります。これにFirst Solarの太陽電池モジュールの費用を加えると、USD1.28/W相当になります。

    http://www.bestgate.net/store.phtml?categoryid=001013008000000&productid=apcsmartups1000sua1000jb&s_dispnum=20&s_sort=Price&s_type=1&current_page=3&

  7. bobby
    9月 26th, 2009 at 00:06
    7

    ファーストソラー社の太陽光発電をオルドス市に建設する別の記事を見つけました。(下記URL参照下さい)これによれば、発電量は200万KW(2000メガワット)との事です。これを50億ドルで建設すると、建設コストは USD3.00/Wとなります。

    http://www.usfl.com/Daily/News/09/09/0909_031.asp

    ところで原子力発電所の建設費を調べてみると、米国の建設コストはUSD1.6/Wくらいのようです。(下記URL参照下さい)太陽光発電は原子力発電の倍の建設コストですが、発電する燃料が不要で、核廃棄物も出ない事を考えると、太陽光発電はそれほど悪いエネルギー投資ではないように思えます。

    http://user33.at.infoseek.co.jp/faq7.html

  8. bobby
    4月 10th, 2011 at 22:37
    8

    この記事より1年ほどあとのブログ記事をみつけました。

    http://blog.goo.ne.jp/thinklive/e/73ff9ec6c728e181dbf43e506af70bfd

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