ID CARDで不法滞在者を排除する香港のシステム

2月 16th, 2005 Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ

香港政庁は長い年月をかけて、民主的な範囲を逸脱する事なく、密入国者や不法滞在者を合理的に排除するしくみをつくってきました。私が理解できる範囲で、そのシステムの簡単なしくみを説明してみます。

不法滞在者を摘発する直接的な方法は、路上での職質、歓楽街の飲食店の手入れなどでしょう。ninotikaさんもご指摘のように、身に覚えの無い普通の市民にとっては、これはとても不愉快な方法です。

これらの直接的の実践は、密入国や不法就労を考えている人への心理的な重圧となって抑止効果を得る事ができますが、比較的民主的な香港政庁の下では、大規模な職質や手入れなどを行えないので実際の効果には限度があります。

香港では、長期的に見て、より民主的かつ効果的に不法滞在者や密入国者を排除するシステムがあります。それは、IDカード(ID番号)がなければ生活の基盤を築くことができないようにする事です。

その具体的な方法とは...

【ID CARDがなければ、就職できない】

1)企業では、ID CARDを持っていない人を雇用する事ができません。
  法律で禁止されています。違反が発覚すると、経営者が豚箱行きの実刑となりますので、経営者にとっては(よほどの事情でもない限り)メリットがありません。

2)企業では、ID CARDを持っていない人に、給与を支払う事ができません。
  給与は経費です。利益から経費を差し引けなければ、たくさんの税金を余分に取られます。ID CARDの無い人を雇用すれば、経費として計上できません。(嘘をついても監査時に会計事務所に見つかる)まともな経営者なら、ID CARDの無い人を雇用する事はしないでしょう。

3)企業では、被雇用者のID番号を含む一覧表を、税務署へ提出しなければなりません。
  偽造ID CARDで就職できても、3月末に税務署へリストが提出された時点で、未登録のID番号が発覚するでしょう。ですので偽造ID CARDでは就職できません。(ちなみに、なぜ香港では3月末にリストを提出するかというと、ちゃんと理由があります。日本と違い香港では、税金は個人申告です。また、一人の人が同時にいくつかの会社で仕事をする事(昼は貿易会社、夜はタクシーのドライバーとか)が昔から多いのです。どの雇用者から給与を得ても、税務署ではその人の年収の総合計が簡単に計算できるように、このようなしくみで運用しています。)

さて、就職できなければ、収入が得られません。収入がなければ、衣食住の道が断たれます。乞食して香港に残るよりは、自国に戻って貧乏でもまともな暮らしをした方がましだと思わせる事が大事です。

このようなスキームを長期的に運用する事で、香港が組織的な不法就労の候補地からはずされてきたのだと思います。

それでも水商売、売春、建設労働関係には、常に少数の組織的不法就労者が存在するのですけど...社会問題になったり、治安を悪化させる原因にはなっていません。これら少数の組織的不法就労者はヤクザ組織によって管理させています。香港政庁では、ヤクザの構成員になる事自体を違法とする法律を作って、香港内のヤクザ撲滅に努力していますが、そちらの方は、今ひとつ成果が上がっていないようです。

日本では、不良外国人による犯罪組織の横行や、彼らによる大規模な違法ドラックの販売、組織的な窃盗団、外国人犯罪組織同士の抗争が起り、社会問題化しています。

その原因は、自己申告の情報(曖昧な身分証明)だけで企業が雇用できる曖昧さがある為です。

このような問題へのソリューションとして香港方式の導入を提案します。

ID CARDの導入、就職時のID CARD確認の義務、税務署への被雇用者のリスト提出などを法制化し、違反者への罰則を強化する事で、組織的な密入国、不法就労者行為を減らす果があげられるのではないかと考えます。

Facebook Comments
Tags:

One Response to “ID CARDで不法滞在者を排除する香港のシステム”

  1. 9月 12th, 2010 at 08:27
    1

    イヤー、勉強になりました、、。そうなんですかー、ある意味では、日本でなんでIDカードないんでしょう、な。
    ところで、その香港で托鉢に挑戦したいんですが、助けてくれませんか?ぼくの考える托鉢とは、1日1-2時間便所掃除などの雑用をさせてもらい、喜捨として、食事をいただくとゆう、無償・奉仕の活動なので、賃労働じゃーないので、労働ビザとか、税金、関係ないとおもいませんか?
    23日に香港入りします、ゴダイゴが定宿です。
    何回かの香港長期滞在ですが、托鉢できるかな?
    よかったら、メールでも、ください、
    お願いします。

Comments are closed.