佐藤琢磨のF1伝説が今始まる

6月 21st, 2004 Categories: 車の話し

昨夜は(というか今朝の1時ですが)佐藤琢磨のロケットスタートをこの目に刻もうと、眠い目をこすって起きていました。F1のテレビ中継は毎回i-Cableというケーブル放送の64チャネルで見ます。実際の放送はespnstarという局が放送している英語番組です。

琢磨がどんなスタートを仕掛けるだろうかと楽しみにしていたのですが、スタート早々、フェラーリが、とんでもない事をやってくれました。

最前列のフェラーリが2台がかりで、恐るべき「琢磨返し」を仕掛けてたのです。横綱が幕下に、猫だましを仕掛けたようなもんです。フェラーリ卑怯だぞ。そこまでするんか。しかし、琢磨がそこまで恐れられているのかと思うと嬉しいやら、仕掛けられて反撃できなくて悔しいやら。

3台がもつれあって第一コーナーの入り口へ。琢磨は引くしかありません。バリチェロ、Mシューマッハの後ろを呆然と走る琢磨の隙を、今度はアロンソ(ルノー)が左の大外から刺しに来ました。なす術なく4位に後退する琢磨。歯軋りするわたし。「ゴルァ!気張って走らんかい」とTVの前で絶叫しても、どうにもなりません。

琢磨の前を走るアロンソは、同僚のトゥルーリと共に調子を上げてきます。このままフィニッシュされてはまずいぞ。ホームストレートを時速350キロ以上で全開爆走していたアロンソの車の前輪が突然パンクしてしまいました。車体が左右に激しく振られます。最後は左に大きく振れて壁に激突、車体のカーボン部品を撒き散らしながら、第一コーナーの入り口手前で大破してしまいました。合掌。

アロンソに続いて、Rシューマッハーが最終コーナーのバンクで大破しました。ようやく3位をゲットした琢磨なのですが、気が付くとMシューマッハもバリチェロも、ピットインを終えています。あれっ、ピットから戻ってきたのにまだMシューマッハが1位ってどういう事?しかも、黄旗が出て安全車が走り出しました。あいかわらず奴のピット・マジックは理解を超えています。黒魔術でも使って、ピット時間を伸張しているのでしょうか。だれか詳しく解説してください、私にも解るように。

1位のMシューマッハのケツをガンガン攻める琢磨。TVのアナウンサーは「takuma sato」を連呼してます。そのすぐ後ろにはバトン。でもBARホンダの2人は、まだピットインしてません。つまりこの時点で、フェラーリとBARホンダには大きな差がついてしまった事になります。ああ困った。

そしてBARホンダの2台は、順次ピットインしました。デリバティブの簿外負債が、最後には貸借対照表に大きな負債となって現れるように、ピットアウトした琢磨の順位も大幅にダウン。11位あたりでコースに戻りました。

これまでの日本人ドライバーなら、この時点でバトル観戦はお終いだったでしょう。「はぁっ」とでっかいため息を吐き、顔洗って、歯磨いて寝たでしょう。しかし、今年の琢磨のレースは、ここからが勝負です。琢磨は、マシンの性能をギリギリまで駆使し、テクと度胸を搾り出して、果敢なオーバーテイクを試みます。プッシュにプッシュを重ねます。あまりに凄い琢磨の抜き技に、TVのアナウンサーも興奮絶叫してます。

ようやく3位を走るトゥルーリ(もう1台のルノー)を射程に捉えました。低速コーナーでプッシュを続けているうちに、2台同時にコースアウト。「うぁっヤバイ」一瞬の間を置いて、琢磨のBARホンダが先にコース上へ復帰。そのままどんどんトゥルーリとの差を広げて行きます。

ついに琢磨が、順位を3位まで上げました。残るはあと10ラップ。そのとき、両手を合わせてエンジンの神様にお祈りしたのは、私と中本総監督BARのデイビッド・リチャーズだけではなかった筈です。TVの前で不動明王の如くに琢磨を見守っていた私の目の前で、琢磨は無事にゴーーーーールしました。皆の祈りがエンジンを守ったのでしょうか。ありがとう琢磨。ありがとうBAR。ありがとうホンダのエンジニア。

今日、この瞬間から、佐藤琢磨のF1伝説がはじまりました。まだ遅くありません。みなさんも今すぐ佐藤琢磨のファンクラブに入会して、全力で応援しましょう。

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