組織論と道州制

8月 5th, 2009 Categories: 1.政治・経済

組織における権限委譲と結果責任について考えます。まずはあなたの会社や部署組織を想起して下さい。リーダー(社長や部長や課長または組織体)に権限が一極集中している組織で、判断業務が増大すると、業務が遅れたり、おざなりに処理されたり、長期間棚上げされるる案件が増大します。政府組織でも同様の事が起き得ます。今週のサンプロに出演した知事会の4氏によれば、基礎自治体が問題を改善する為に何か新しい事をしようとすると、「変更」内容の多くが、中央政府の所轄大臣や官僚に許認可の権限があるので、タイムリーに改善を進める事がたいへん難しいそうです。

企業の場合、そういう事態を改善するには、権限を下部組織へ移管して対応するのが効果的です。たとえば全国に数十社ある支店の判断業務をすべて本社の部署で行っている場合、その権限を支社側部署へ移す事で、自分の判断を自分で下せるようになりますから、支社側部署に十分な能力があれば、必要に応じた判断を迅速に行う事ができます。政府組織の場合も同様に、国民の衣食住に関する判断業務は、国から地方へ移管する事で、地方側の能力に応じた判断ができるようになります。

判断に伴う責任の問題もあります。判断する組織と、責任を取る組織が同一の場合、組織が自己防衛するので、結果責任が曖昧になります。厚生労働省が薬害エイズ問題の責任をなかなか認めなかったりとか、行政訴訟の例をみれば問題は明らかです。そこで衣食住に関する判断の結果責任も地方へ移管します。この場合、行政訴訟の被告は道州政府となり、中央政府は道州政府に対して、自己組織防衛的な視点でなく、国民の福祉という視点から責任追及する事ができるようになります。

このようにして地方政府が権限行使とその責任を負う体制が整った後で、複数の都道府県が双方合意の上で合併してできあがるのが道州政府になるのでしょう。

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3 Responses to “組織論と道州制”

  1. ひろ”ゆ”き
    8月 5th, 2009 at 20:29
    1

    >リーダー(社長や部長や課長または組織体)に権限が一極集中している組織で、判断業務が増大すると、業務が遅れたり、おざなりに処理されたり、長期間棚上げされるる案件が増大します。政府組織でも同様の事が起き得ます。

    bobbyさんがおっしゃることを自分なりに咀嚼すると、”○×ホールディングの下に何社かの事業会社がぶら下がる”形をイメージしました。
    企業にはその業界や、商圏に応じた最適な規模が有りますから、たとえそれが全国規模の東証一部上場・大企業であっても会社としての意思決定を迅速にできるかどうかがその会社の死命を決することになるならば、できるだけ現場に近いところで意思決定を行うべきではないでしょうか?

    同じように公平・平等に拘る日本の官僚体制では、一部の地域で先行して先進的な施策を施すにしても”全国一律”にこだわりタイミングを逸してしまいます。
    そして残念なことに国民の幸福に資する施策も陳腐化し時代遅れになります。

    それで、国民の生活に近いところで、迅速に意思決定と適切な予算措置を講ずることで、幸福に資することができるのではないでしょうか?

    >支店の判断業務をすべて本社の部署で行っている場合、その権限を支社側部署へ移す事で、自分の判断を自分で下せるようになりますから、支社側部署に十分な能力があれば、必要に応じた判断を迅速に行う事ができます。

    20年ほど前、細川護煕熊本県知事は路線バスの停留所を数m動かすだけでも国(運輸省)に”お伺い”を立てなければならないことを指摘し、私たちに地方分権の重要性に注意を向けました。

    残念なことに本質的な部分は何ら変わっていません。

    >国民の衣食住に関する判断業務は、国から地方へ移管する事で、地方側の能力に応じた判断ができる

    今日の新聞には私が住む地区の経済団体が10年後の道州制を提言していました。その道州制の”くくり”は十分想定されるもので人口規模・各県の県民性などを考えると、すぐにでも実施可能と考えられます。

    私はこの地区は、日本国内において“中国の香港”のような位置づけを十分できると思っています。

    それで特区と言う形ででも、道州制を先行実施をしてもらいたいと考えています。
     

  2. bobby
    8月 5th, 2009 at 22:24
    2

    サンプロに出演した4氏は、道州政府へ権限を集中させるのではなく、可能な限り基礎自治体へ権限と責任を下ろしてゆく事が必要だと言っていました。件数の少ない大きな案件は道州政府が、件数が多い小さな案件は基礎自治体が議論し、判断し、実行し、結果の責任を負うようにすれば、私たちの生活環境はもっと良くなる事でしょうね。

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