サンプロ 道州政府の実現は革命にも似た激変を起こす

8月 2nd, 2009 Categories: 1.政治・経済

道州制の必要性やメリット・デメリットについて、実はいままでよくわかっていなかった事が、今日のサンプロを見てわかった事は収穫でした。

前半の議員同士の議論では、道州制についての本質的な議論がほとんど無かったことが残念です。

後半の橋本、中田、河村、猪瀬の4氏による道州制議論では、猪瀬氏の本質を突く意見が道州制議論の外枠になり、橋本市や中田氏の発言がその中身を埋めてゆくような展開でおもしろかった。

猪瀬氏は小泉内閣時代から、道路公団民営化への強い執着があったが、道州制の実現により、官僚支配体制にある諸官庁の大規模な解体と縮小が最終的な目的(野望)ではないかと、今日のサンプロを見て「直感」しました。もし今日の4氏の意見通りの道州政府が実現すれば、以下の官庁はごく小規模な組織になり、あとに残るのは国政に関係する主要官庁だけで、結果としてすごくコンパクトな政府が出来上がるでしょう。そういう意味で、明治維新後に行った廃藩置県くらいインパクトのあるがあるのではないでしょうか。今度の改革では、激震が襲うのは地方ではなく中央政府の方ですが...皮肉ですね。

権限と組織が大幅に道州政府へ移管されると思われる官庁:
厚生省、文部科学省(国側は消滅)、厚生労働省(国側は消滅)、農林水産省(国側は消滅)、経済産業省、国土交通省、環境省、警察庁、消防庁。地方自治体の衣食住に関する法律や規制や許認可は原則として道州政府が行う事になります。国の出先機関が行っている仕事のほとんどは、国から道州政府へ移管され、21万人の役人も地方公務員になるか、民営化された会社へ移籍して公務員でなくなるでしょう。道州政府発足後の国家機関には、大きなお金に結びつく利権が残っているのは防衛省くらいではないでしょうか。これはものすごい行政改革です。

【以下は番組内容の簡単なまとめ】
議員の間での意識:
自民も民主も、道州制と中央集権を廃する事には賛成している
国の出先機関(そのにいる21万人の国家公務員)をどうするか。
税の配分をどうするか。
なぜ道州制が必要か、どうやって実現させるかを明確にしていない。

橋本(大阪)、中田(横浜)、河村(名古屋)、猪瀬(東京)の4氏の意見:
自治体が抱えるそれぞれの問題解決が困難:
 各自治体で、抱える問題も解決方法も異なるので、それは各自治体で決めることが望ましい。
 自治体の問題を解決する為に、国(大臣、官僚)の許可をもらう事が多すぎる。
 自治体には個別の問題解決の為の予算がない。

国(官僚)への依存からの脱却:
 自治体は国(官僚)から予算をもらう事が主な仕事になってしまっている。 
 最終責任が自治体にないので、国への依存体質が抜けない。
自治体が経営体として自主性を持つ為に:

 課税権を含む衣食住に関する権限を、国から県へまず移管し、県から基礎自治体へ権限委譲し、基礎自治体が柔軟な自治体経営を可能にする。
 自治体間の競争と自助努力と県からの支援により、自立経営できる自治体を目指す。

最終的な着地点としての道州制:
 まず県や基礎自治体が国から自立して経営や運営ができるようになる。
 その後、県が集まって道州単位になる。
 最後に道州制の自治政府が完成する。
 国と道州政府は対等関係を維持し、重複する機能を最小限にする。
 国は国政を、道州政府は国民の衣食住環境の維持運営を行う。 
 いまから10年後が目標。

自治体間の格差を埋める方法:
 最初は県が、最後は同州政府が税収格差の調整役を果たす。

道州政府が目指す目標:
 人口2-3千万人の欧州の小国のような「あり方」を目指したい。

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5 Responses to “サンプロ 道州政府の実現は革命にも似た激変を起こす”

  1. ひろ”ゆ”き
    8月 3rd, 2009 at 21:58
    1

     
    >猪瀬氏は小泉内閣時代から、道路公団民営化への強い執着があったが、道州制の実現により、官僚支配体制にある諸官庁の大規模な解体と縮小が最終的な目的(野望)ではないか

    官僚支配体制は廃藩置県を行うことで、明治維新後140年以上続いてきましたが、今度は道州制に移行することで日本の仕組みを大きく変えることができるでしょう。

    道州制に移る際に大切なのは、私たち国民が官僚機構(エージェント(サーバント))のプリンシパルであることを明確にし、社会的な意義が失われたり、役目を終えた省庁・役所を10年単位で見直し、存廃・改変を行うことを法制化することです。

    「官僚支配体制にある諸官庁の大規模な解体と縮小」することで彼らが抱え込む既得権や日本国内に死蔵されている富を吐き出させることができるのではないでしょうか?
     

  2. mo-sa
    8月 3rd, 2009 at 22:51
    2

    はじめまして、いつもブログ拝見させていただいてます。

    私も後半部分が面白いと感じました。
    道州制への移行は、日本をより良い形で再構築するための有望な手段の一つだと感じました。

    道州制の移行により、自治体間の競争が発生し、各自治体の首長、議員、役人、果ては住民に経営感覚が生まれ、それが回りまわって日本を良い方向に持っていくような気がします。

    ただ、官僚の抵抗だけでなく、国会議員(特に**族議員)の既得権益を害する形にもなるので、実現についてはちょっと悲観的です。

  3. 8月 4th, 2009 at 07:13
    3

    bobby さん、いつもブログを拝見しています。

    道州制には、全面的に賛成です。

    ただ、いまひとつ気分が盛り上がらないのは、このような根本的な改革をいまの日本がいつになったらできるのかわからないからです。

    よいアイディアは昔からあります。首都移転とか。しかし、この数十年、こうしたアイディアが実行に移されたためしがないのですが・・・。

    やはり池田信夫さんのいうとおり、財政破綻に伴うハイパーインフレなどの「誰にもわかる破局」がまず訪れないと、こうした根本的な改革は難しいのかもしれないですね・・・。

  4. bobby
    8月 4th, 2009 at 19:21
    4

    ひろ”ゆ”きさん。
    明治政府が日本の国力を向上させる為には、大名の力を奪って強力な中央集権制度を実現させる必要がありました。その結果、行われたのが廃藩置県ですね。明治政府には、いまの日本の政治家には見られない、長期的展望を持った優秀な政治家がいたので、第二次大戦前までの日本は、かなり最短距離で国の力を増す事ができたのだと思います。しかしながら現代の国会には、優れた長期的展望とリーダーシップをもった政治家が極めて少ない状況があります。その為に、本来は政治家の手足である官僚が、指示を出す頭脳である政治家を馬鹿にして、いう事を聞かない始末です。明示前後の激動の時代は遠い昔となりました。これからの日本は、資源が減少してゆく環境の中で、いかに国力(経済力、技術力)を維持し、その時代環境の中で十分な生活を国民に提供できるのか、それを長期的な視野に立って考えてもらわなければなりません。その為にも、会社や自宅のまわりの衣食住や労働などの問題は、国ではなくて道州政府に分担してもらう事が好ましいですね。

  5. bobby
    8月 4th, 2009 at 19:36
    5

    mo-saさん、elm200さん。
    地方分権による道州制は、国会議員が国の将来に集中できるという意味で、大変良い制度だと思います。不要な官庁(役人)も霞ヶ関から道州(地方議員)へ移す無くす事ができます。では、そのようなおおきな事をだれができるでしょうか。これが一番の問題ですね。あと10年で道州政府を実現するには、少なくとも数年以内に、政府内部に大きな変化が必要になります。そういう流れをつくれるのは、今の日本にはやはりあの人(引退しかかった変人)しかいないように思います。息子に後を譲るなんて言ってますが、だれかあの人に道州政府実現の先頭に立つよう吹き込める人はいないものでしょうか。

    筋書きとしては、次の選挙で民主党が勝つが、党内の右派と左派の分裂で瓦解して1年以内に解散。その時に、自民党と民主党で国の改革を目指す若手・中堅を集めて新党結成して、国民の強い後押しでもう一度あの人が首相になって、道州制実現の為に、郵政改革の時のように、地方への予算と権限の移管を強引に推し進めてもらえれば、なんとか十数年以内に実現の目処が立つように思えます。

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