理解のメカニズム

新しい「物事(*1)」を理解するときには、未知の情報を、自分が既に知っている情報へ(途中で空白ができないように)接続する事で理解を広げて行き、その「接続された広がり」が全体の一定割合を超えた時に、ある程度「理解した」と感じる事ができるようになるのではないかと考えます。

この、物事を理解するしくみは、ジグソーパズルのピースを埋める作業に似ているように思います。この場合、ジグソーパズルの四方の壁は、自分が知っている「物事」と、対象となる未知の「物事」の境界線です。ジグソーパズルのピース(情報)を盤上に置いてゆき、埋めたエリア(理解度)を広げる作業が、学習です。ですから学習の基本は積み上げです。

ジグソーパズルの四方の壁(既知の理論や情報)を出発点として、それにつなげられる新しいピース(情報)を受け取って、「物事」への理解を広げてゆきます。もし受け取ったピースが、すでに埋められたピースの何処にも接点がない(浮島のような)ピースの場合、普通はその情報を理解できないので、そのピースを盤上に置く(受け取る)事ができません。

「物事」を理解しようとする時に、対象となる「物事」に未知の要素が多かったり、説明する人が内容をよく理解してない場合には、学習時に受け取るピースに浮島状のものが多くなります。こうなると、対象の「物事」を理解するのは困難です。経済学は人間の経済行動を体系化しようとした学問ですが、人間という情緒的で非合理的な対象の個々の行動の集合を扱うので、本来、そこで扱うピースは浮島だらけになるはずです。これでは学問にならないので、無理やり現実と乖離した条件(人間が市場で常に合理的な判断で行動する等)を設定してみたり、既知/未知の境界線を数学的に接合しようと(数式だらけに)いう努力がみられます。しかしながら池田氏が経済学の事故調査委員会で述べているように、そのような方法は人間の行動を正しく現しておらず(地球温暖化のシミュレーションと同じで)過去の曲線の近似値を得る事ができても、現在の事象を正しく理解したり、未来に起こる事象を本当に予測する事はできないようです。

*1:ここで述べた物事とは、たとえば進化論の新しい理論であるとか、世の中の現象であるとか、もっと身近な例では業務ソフトを開発する時の顧客の業務内容などの事です。

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One Response to “理解のメカニズム”

  1. tricksterex
    12月 9th, 2009 at 13:29
    1

    ジグソーパズルみたいに、平面上に拡がっていくならいいのですが、全然違う視点の存在をどうしたら認知できるのか。

    ということを最近よく思います。。

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