介護産業は日本の所得を減らすのか

7月 16th, 2009 Categories: 1.政治・経済, 健康

こちらの記事によれば、『中央公論』の8月号で竹森俊平氏が、池尾氏のコラムを批判して、「労働者が労働時間を削って家族を介護する」事と、「介護労働を行う」事について比較し、「結果は同じはずだ。つまり、日本の所得と生活の水準は低下する。」(p.57)と述べたそうだい。

竹森氏が言わんといているのは、輸出産業はGDPを純増させる、介護産業は国内で閉じているので結果は同じだ、というように理解するのでしょうか。それにしても違和感があるので批判記事を書いてみました。

たとえば共働き家庭(夫は正規労働者で妻はパート)の例を考えましょう。今月から祖母が寝たきりになり、介護の必要が生じた事にします。ここで、

ケース1:妻がパートを辞めて祖母の介護を行う。
ケース2:妻がパートの収入を介護サービスの購入に充当する。
ケース3:妻がパートの時間を増やして、増収分を介護サービスの購入に充当する。

ケース1は、世帯収入が減るだけでなく、介護サービスの需要が減るので、介護会社は雇用を増やす事ができず、失業者が減りません。

ケース2は、世帯収入はかわりませんが、介護サービスの需要は増えるので、介護会社は雇用を増やす事ができます。しかし妻のパートの目的であった半年に1度の家族旅行が消滅して、結果として観光地の宿泊施設やお土産屋の収入や雇用が減ります。

ケース3は、増えた世帯収入を介護サービスの購入に宛てるので、介護会社の雇用が増え、観光地の収入や雇用も減りません。

上の3つのケースを考えた結果、ケース3は介護産業を振興させながら日本の所得を増大させ得ると考えます。竹森氏はケース3の例も検討すべきではないでしょうか。

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