戸籍と住民票は身分を証明できるか

6月 28th, 2009 Categories: 1.政治・経済

アゴラで北村隆司氏が「在日韓国人の差別と日本の対応」という記事を投稿され、そのコメント欄に、外国人が日本で参政権を取得する条件の一つに、戸籍(母国の出生証明)をあげた方がおられました。記事の本筋からは外れるのですが、コメント欄で別の方と議論する中で、戸籍の意味と、身分証明としての機能の有効性について疑問を感じました。

戸籍というのはwikiを調べると、こちらのように、「戸籍(こせき)とは、戸と呼ばれる家族集団単位で国民を登録する目的で作成される公文書である。日本では、戸籍法に定められている。以下に述べるように、東アジア諸国特有の制度である」とあ、もとは中国華北であり、政権が住民を家族単位で把握する為に作成した文章が戸籍だそうです。リレーショナルデータベースや、遠隔地の役所を結ぶオンラインシステムの無かった昔(といってもつい数十年前まで)は、ある個人を調べる為に家族関係を検索のキーとして利用していたようです。

ところで現在の日本では核家族化が進んでおり、更に価値観の変化や世界的なグローバリゼーションの波の中で、家族単位は益々小さくなり、家族の絆は益々細くなっています。戸籍は家族の居住場所と構成を把握する事がコンセプトであったはずですが、職業の選択や居住地の選択が自由な現在、戸籍にある家族構成員のどれだけが、本籍地に居住しているのでしょうか。このような時代に、旧来の戸籍を、個人の身分証明の基礎とする事は、すでに効率的でないように思われます。(戸籍のサンプルはこちらをクリック)

個人を家族単位で登録する手段が時代に合わなくなっているのならば、個人単位で登録できる住民票を、個人の身分証明の基礎にするというのはどうでしょうか。住民票であれば、個人単位で居住する地区の役所へ登録できますし、住基ネットでシステム化されているようです。しかし住民票にも問題があります。住民票コードは、国民を一意で特定する為に用いられるコードという事になっているが、wikiによれば、「付番された住民は、いつでも住民票のある市区町村に番号の変更を求めることができる。また、市町村長などは職権で番号の変更を行うことがあり、実際、住民票コードの通知のさいに事故のあったケースなどでは割り当て直しが行われた」とあります。個人の番号が、個人の意思でいつでも変更できるという事は、行政で蓄積された印刷帳票類から、個人をトレースする事は困難になります。(住民票のサンプルはこちらをクリック)

戸籍は家族構成表としてしか役に立たず、住民票(住民票コード)はいつでも変更可能であり、特定の個人が生まれてから死ぬまでを一貫してトレースバックする機能が無いという事であれば、戸籍と住民票は、身分証明として合理的でも効率的でも無いというのが結論のようです。

Facebook Comments
Tags:
Comments are closed.