発展途上国に戻ろう

6月 21st, 2009 Categories: 1.政治・経済

池田氏のこちらの記事によれば、日本はこの大不況にあっても廃業率が英米の半分で、倒産件数も15%しか増えていない(欧州では30%、アメリカでは40%増えると予想されている)そうです。

大不況下に倒産や廃業が大幅に増えるのは当然なのに、それが増えないという事は、政府のバラマキに強い解雇規制、そして起業の粉飾決算が横行している(赤字では銀行から借り入れできない)からではないでしょうか。

政府や労働者が、起業の倒産や廃業を恐れるのは、日本では失職すると良い就職先を見つけるのが非常に困難だからでしょう。しかし、起業数(新しく生まれる会社)が廃業・倒産数を大きく上回れば、就職先を探すのは容易になります。

ところで先の池田氏記事のコメント欄でyaさんという方が、日本に起業数が少ない理由として、大変興味深い意見を述べておられます。この図が大筋で正しとするならば、従業員を雇えるような株式会社を起業できる人を増やす為には、図の左上に人(自己抑制キャパが高く、社会適応性が高い人)の大学進学率を減らして、高収入・高安定の仕事につきにくくすれば良いのです。

自己抑制キャパと社会適応性の両方が高い人で、中卒・高卒で就職する人数を増やすと、かれらは学歴以外の方法で高収入を目指すようになります。そのような方法の中で、もっとも効率的な方法の一つが自分で起業する事です。

たぶん日本でも、大学進学率が今のように高まる(ほとんど誰でも大学へ行けるようになる)前の時代は、こういう人が起業して、現在ある多くの中小企業が生まれたのではないかと推測します。(どなたか統計数字をお持ちであれば教えてください)

では、そのような具体的な方法とはどういった事でしょうか。乱暴な言い方ですが、ずばり、経済格差をもっともっと広げて、貧乏な底辺の家庭を増やす事だと思います。つまり日本が一旦、発展途上国に戻れば良いのです。

現在の安定社会で無気力に育った層を第一世代として、生まれた時から貧乏な第三世代が就学する頃には、日本はもういちど高度成長期を再現する用意ができるではないでしょうか。

そうしたら今度こそ、過去の経験に学んで、社会のエネルギーを長期的に保てる合理的で流動性の高い社会を目指してほしいものです。

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3 Responses to “発展途上国に戻ろう”

  1. 与作
    6月 21st, 2009 at 18:24
    1

    >>自己抑制キャパと社会適応性の両方が高い人で、中卒・高卒で就職する人数を増やすと、かれらは学歴以外の方法で高収入を目指すようになります。

    まさしくその典型であるような団塊世代の父を持つ―父の知人もそのような人が多い―私には、とても“実感”できるお話です。そして、母方が戦前から大学進学できるような裕福な一族で、その中には父や父の知人達のような“起業”体験をした人は誰もいませんしね。

  2. 6月 23rd, 2009 at 00:30
    2

    連帯保証という「失敗は文字通り地獄行き」の日本の社会システムも起業を阻んでいると思います。
    本来株式会社は有限責任なのに、1人起業のような零細企業だと債務保証に代表者の連帯保証を要求されますから、実質的に無限責任です。それで貸しはがしのような目に遭えば、首をくくらざるを得ないし、そこまで行かなくても、金融機関のブラックリストに1度載ってしまえば、敗者復活の目はほとんどありません。

  3. bobby
    6月 23rd, 2009 at 10:16
    3

    >「失敗は文字通り地獄行き」

    香港の企業と比較するとき、日本の中小企業には2つの問題があると思います。

    1)手形による決済方式が中小企業の資金繰りを圧迫し、運転資金の調達を(連帯保証による)銀行融資に依存しすぎるので、倒産時には大きな借金で再起不能になり易い。

    解決方法:政府主導で支払い条件の短縮化を進める。大企業が中小企業から購買する時は、末締め末払いを徹底させる。また中小企業の資金調達を直接金融で調達できるように、金融市場の構造改革を行う。

    2)商売がジリ貧で赤字が続いているのに、債務超過になっても廃業しないで頑張り続け、精根尽き果てたあげく、最後には倒産してしまう。

    解決方法:廃業は恥ではなく、余力を残して廃業し、再起を狙いなさいと、中小零細企業の経営者に教育する。

    香港では、起業=金儲け が基本的な目的ですから、儲からないとわかったら余力があっても廃業・転業するし、自己資本を食いつぶしたら潔く諦める経営者が圧倒的に多いので、借金背負って夜逃げする経営者は比較的すくないようです。(バクチに狂ってサラ金から借金して夜逃げする人は多いようですが...)

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