Archive for April, 2013

育休よりベビーシッター

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最初に、日本の生産年齢人口の減少の原因は、経済や育児環境の問題ではないという事を知るべきです。戦後の日本で、出生率が低下を始めたのは1973年(こちらを参照)です。失われた20年も、正規雇用の減少とも関係ありません。

次に、政府債務が1000兆円を超えなお増え続けており、GDP、生産年齢人口ともに減少しているいまの日本で、女性が働きやすいように公営幼保育園(税金による補助金)を大幅に増やすとか、育休を長期化させて雇用保険(平成21年度から連続で赤字)の収支を益々悪化させるとか、そういう政策が持続可能でないばかりではなく、日本経済の衰弱を早めるだけだと考えます。

ではどうすればよいか。

香港・シンガポールでは、月額5万円ほどの給与で住込みのハウスヘルパー(家事全般・ベビーシッター)をフィリピンやインドネシア等から呼び寄せて雇用し、女性は出産して1月か2月程度でもとの職場へ復職する事がかなり一般的となっています。その結果、香港では女性の就業率が高く、管理職の4割以上を女性が占めており、香港の経済発展を支えています。

母親が子育てより仕事を優先する事にはいろいろな意見があるでしょうし、安倍首相といまの政権が望む姿ではない事は承知しています。しかし、政府債務の減少と、経済成長の為の女性の労働力確保という両方の目的を同時に叶える為には、税金や企業の負担増によらない解決策が必要です。

途上国の外国人を住込みホームヘルパーとするこの制度は、日本の文化へ適合させるには多少の時間を要しますし、法律の改正も必要かもしれませんが、検討する価値はあると考えます。

 


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/28 at 16:03

Categories: 1.政治・経済   Tags:

深夜アニメのビジネスモデル

最近に始まった事ではないと思いますが、深夜に放送する大人向けのアニメが盛んです。夜中の1時とか2時に放送するんです。確かに、この時間帯だからアニメを見る視聴者というのはそれなりにいるのだとは思いますし、深夜枠でしか放送できないという大人の事情(エロや残酷な描写と放送料金の予算)もあるとは思います。しかし、視聴者層全体からすれば微々たるものでしかないでしょうか。これらのアニメは放送枠は深夜でも、実際の視聴はビデオ録画や、もっと多いのはネット上へアップロードされたものを別の日に、というのが大多数ではないかと思われます。

アニメ制作のスポンサーはバンダイ、ブシロード、ソニー・ミュージック、アニプレックス、スクエアエニックスなど何らかの商品を売る事が目的です。深夜枠とはいえ首都圏のテレビ放送ですし、13回の放送で4千万円はすると思われます。(放送料金についてはこれを参照し1話で300万円強としました)これにアニメの制作費用が13話で最低1億3千万円くらいかかると思われます。(アニメ制作料金はこれを参照して1話で最低1千万円としました)この放送時に、スポンサー企業が別途料金でコマーシャルを入れているのでしょう。

ざくっと全体の予算の2割以上をテレビ放送に使い、別途にコマーシャル料金まで払っているのに、大多数の視聴者はネット上にアップされコマーシャルまでカットされたコンテンツを視聴していると考えれば、アニメ制作に関わる主要なスポンサーとしては実に非効率なお金の使い方であるかと思われます。

さて、違法にネット上へアップされているアニメについてです。これはテレビ局にとっては1文の得にもならず災難ですが、商品を販売したいスポンサー企業にとっては、実はおおきなメリットがあります。スポンサー企業の目的は商品の販売です。制作したアニメは、たとえどんな媒体を介してでも、より多くの視聴者に見られ、より多くのファンを獲得する事が、より多くの販売へ繋がります。

そこで結論ですが、発想を180度かえてテレビ放送を止め、はじめからオリジナル画像を自社でアップしてはどうでしょうか。大人向けアニメ関連商品の主要な顧客層は、テレビの前ではなくネット上に多く生息しています。放送コストがゼロになるので、プロジェクトの損益分岐点を最低2割は下げられます。英語、中国語、フランス語等の字幕を入れて、世界中へ商品をネットショップから販売する事もできます。DVDを売るつもりのない作品は、はじめから低解像度で制作すれば、多少とも制作費の削減ができるかもしれません。そして、テレビ放送では放送期間と商品の販売期間を重ねていましたが、ネット上に多数の作品を蓄積する事で、商品がロングテール化できます。過去作品の関連商品の在庫や発送は、費用の安い国から行えば良いでしょう。

これからアニメ制作の企画を行う方、ぜひご検討下さい。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/16 at 08:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

TPPと日中韓FTAの相互関係

米国主導の通商協定であるTPPについて、日米政府間で事前協議がまとまったようです。TPPでは、「交渉にすら参加するべきでない」という不思議な意見が議員や民間の中に多くあり、大きな違和感をもって様子を眺めておりました。それが安倍政権になって、やっとまともな方向へ舵取りができるようになり安心しています。

TPP日米事前協議で合意…7月にも交渉参加へ

ところで、TPPは日本の輸出入産業とってどれほどのメリットがあるのでしょうか。日本から見たTPPにおける主要な大市場は米国だけです。米国の景気は上向きのようですが、民間の極端な消費傾向がみられなくなった現在、米市場はそんなに魅力的なのかという疑問があります。おおきな下請構造をグローバルに展開している自動車や電機メーカーにとって、生産国としてマレーシアとベトナムしか交渉参加していないので、どれほどの利用価値があるのかもやはり疑問です。

やはり日本がTPPに参加する真の目的は、米国の対中政策という政治的な目的が強いのではないかと感じられます。

その一方で日中韓FTA交渉がつい先日、3月28日に行われたようです。こちらの方が、自動車・電機・鉄鋼など製造メーカーにとってはより関心の高い通商交渉ではないかと思われます。日本のグローバル製造メーカーが工場を展開している中国とASEAN諸国には、中国主導でACFTAが存在しており、以前に書いた「中国が仕掛た東アジア経済ブロック圏」(ここをクリック)で紹介したように、参加国間の関税はかなり下がってきています。このACFTAにとって重要だが除外されているのが日本と韓国です。日本と韓国は、このエリアにたくさんの工場をもっていますが、ACFTAでは日本と韓国は商品を経由する事しか許されていません。

しかし日中韓FTAが成立すると、日本・韓国から中国工場へのコア部材の輸出の関税がゼロまたは低減され、製品のコストをより低減させる事ができます。また、中国工場で製造した製品をASEAN諸国へ無・低税率で輸出する事もできるようになります。

最終的に日中韓FTAがACFTAに融合すると、東アジア経済圏の下地のようなものが出来上がるのではないでしょうか。

ところで、日中韓の国家間関係はかならずしも良好とは言えません。そんな状態で、日中韓FTAの交渉がまとまるのでしょうか。そこで鍵になるのがTPPの交渉です。日中韓FTA交渉とTPP交渉は相互に影響を及ぼし合っているようです。米政府はTPPを中国に対する牽制に使いたいようです。中国から見ると、日本が米国に取られる前に日中韓FTA交渉を早く成立させたいようです。そういった綱引きをうまく利用して、日本政府は通商および外交的な政策を進めるべきではないか思いました。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/09 at 14:41

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

日本が資源大国になる日

最近少しづつメディアやブログで取り上げられるようになって来ましたが、日本の領海および経済水域の海底には、極めて大量のメタンハイドレート(*1)があると言われています。東莞にいる私の知人は、北見工業大学の土木学科(いまは社会環境工学科?)の大学院でメタンハイドレート研究を最初に行った修士の一人で、以前から酒を飲みながらいろいろと聞き及んでいました。メタンハイドレートはこれまで、海底の砂の中に埋まっているのでエネルギー収支を合わせる事が難しいと言われていましたが、実は日本海の海底にはメタンハイドレートの巨大な氷の塔がある事が分かったという話を最近聞きました。

ネットでググって探して見ると、独立総合研究所の青山繁晴氏のYoutubeビデオ(*2)で確認できました。彼の奥さんの青山千春博士が特許を持つ方法(簡単に言うと魚群探知レーダー)で比較的簡単にメタンハイドレートの氷の塔を見つけられるのだそうです。また、東京大学等と共同で、海中からメタンハイドレートの氷を採集しているとの事です。また、現在見つかっているメタンハイドレートの氷の塔は、新潟県の佐渡ヶ島沖の「領海内」の海底にあるので、資源採掘において中国や韓国からクレームが来るようなリスクも一切ないとの事でした。

メタンハイドレートの氷の採掘にはいろいろ経済的なメリットがあります。気体のガスと異なり、氷に閉じ込められた状態で物理的にパッケージ化されているので、氷を溶かさないように冷凍船で陸まで運び、メタンガス回収施設へ運び込んで氷を溶かせば、そこからメタンガスが大量に出てくるという非常に手軽な化石燃料です。潜在的には莫大な量の埋蔵量だと言えます。

さて、ここで米国のシェールガス革命(3)に目を向けてみましょう。米政府の規制緩和と技術革新によってエネルギー収支が改善して米国をエネルギー輸出国にするとさえ「言われて」いますが、実は多数の問題を抱えており、現実はそんなに甘くないようです。それでも世界のエネルギー資源の市場に大きなインパクトを与えています。米国のこのエネルギー戦略は大変興味深い事を示唆しています。

日本政府がメタンハイドレートの資源開発を世界にエネルギー市場に向けて高らかに宣言し、国家プロジェクトとして集中投資して一定の実用化を行う事で、中東の石油輸出国はとても困った状況に陥ります。世界有数のエネルギー輸入大国の日本が、エネルギー資源大国になってしまうと、石油を買ってもらえなくなります。その心理的影響だけで、日本のエネルギー戦略は非常に有利に運ぶ事ができます。

実際にバンバン採掘する必要はありません。いつでも採掘できる膨大なエネルギー資源がある、というシグナルを世界へ向けて発信する事が、戦略的に重要であると考えます。

参考資料:

1)メタンハイドレート
2)【青山繁晴】メタンハイドレート実用化の環境効果と壁
3)シェールガス革命

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/08 at 00:42

Categories: 1.政治・経済, 2.科学技術   Tags:

ホリエモンの新しいニュース批評事業を予測する

堀江貴文氏は出所後の記者会見(*1)で、「ネットを使った新しいニュース批評を事業化していきたい」と述べたようです。これについてググると、既にKubota Hiromiという方が予測(*2)しておられいますが、ホリエモンのメルマガを読み続けてきた私は、別の予測をしてみました。

1)ニュースのネタは通信社から買う

ニュース配信を事業として考えると、取材して記事を書くという事が必要だと考えてしまいがちですが、これは高コストかつ低付加価値なのでやらないと思います。ニュースのネタを仕入れるだけなら、共同通信社(*3)やAP通信社(*4)などニュース配信を専門とする会社から買う方が経済的です。

2)批評と解説で付加価値を付ける

ニュースの面白さというのは、記事の中の事実そのものよりも、その記事の分析や解説にあります。テレビの報道バラエティー番組では、個性的な解説者が多く出演してそれぞれ意見を述べる事で視聴者の興味を引きますが、内容的には「砕けすぎ」で信頼性も高いとはいえません。村上龍のJMMというメルマガ(*5)では「金融経済の専門家たちに聞く」というのがあり、1つの課題について複数の専門家がそれぞれ自分なりに分析・解説するという趣向でしたが、内容がかたすぎたと思います。1つの良い例として、ニッポン放送のザ・ボイス(*6)というラジオ番組があります。その時々のニュースネタ7つを選び、青山氏・勝谷氏・角谷氏・渡辺氏などの解説者が日替わりでニュースの解説をおこなっており、Podcastでの配信も無料で行なっています。ちょうどこれの活字版を、ホリエモンの人脈で選んだ各分野の解説者が柔らか目の口調でニュースの分析と解説を行い、ニュースに付加価値を付けるのではないかと考えます。

3)メルマガ形式で配信する

ホリエモンのメルマガ読者には自明の事ですが、堀江氏はメルマガというビジネスモデルを非常に高く評価しています。そしてメールで配信すると、パソコンだけでなくスマホでもタブレットでも容易に読む事ができます。おまけにメルマガは極めてシンプルかつ低コストで作成と配信ができ、課金モデルも日本では確立しています。ニュース配信は間違いなくメルマガ形式です。ただし、メルマガ配信のニュース記事を数日遅れでウェブサイトに掲載して、無料で閲覧できるようにするかもしれません。

上記を要約すると、堀江氏がやりたいのはメルマガ版のBusiness Insider(*7)ではないかと考えます。

ところで堀江氏はなぜニュース配信事業に興味をもっているのでしょうか。1つには、ライブドア事件(*8)で検察の暴走を許したのは新聞社による世論誘導があったと感じているからではないでしょうか。このような新聞業界のダークな面を体験して、新聞業界を密かに改革したいと考えているのかもしれません。

 

参考資料:
1)“新しいニュース批評の形”を事業化したい〜堀江貴文氏会見全文〜
2)ホリエモンの考える「新しいニュース批評の形」を勝手に考えてみる
3)共同通信社
4)AP通信社
5)Japan Mail Media
6)ザ・ボイス そこまで言うか
7)ジェフ・ベゾスの新しい戦場 Business Insiderはニュースルーム・バトルの台風の目
8)ライブドア事件

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/06 at 23:15

Categories: 1.政治・経済   Tags:

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