Archive for March, 2013

システム開発が失敗する本当の理由

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吉澤準特氏が公官庁のシステム開発の問題点について指摘していますが、開発失敗リスクについて感じるところがったのでちょっと書いてみます。

ITシステム開発のフェーズを2つに大別すると・・・政府調達に見るIT投資の無駄遣い

 

パッケージソフトなどの出来上がっているソフトにちょこっと修正して運用開始するのと違い、もとになるシステムの有無に関係なく、あるお客様に固有の業務フローをシステム化する開発プロジェクトには大きなリスクが常に存在します。

どんなリスクかという事をなるべく素人でも分かりやすく述べると下記の通りです。

1)手作業で行う効率的な業務プロセスがシステムでも効率化できるとは限らない。

多くのお客様では、現場への業務分析を行うと、現在の手作業(あるいは古いシステム)を前提としてかなり効率化(少人数化)されている事がほとんどである事が分かります。日本の文化的特徴として現場には優秀な人材が多く、出来る効率化はあらかた実行済みである為、「いまの効率的な業務プロセス」を要件定義の前提とする場合がほとんどと言っても過言ではないでしょう。

手作業による効率化された業務プロセス、あるいは個々の業務プロセスに特化して改良を重ねた古いシステムがあり、それらをプロセス間、科や課をつないで統合的に運用できるような新しいシステムを考えようとする場合、はっきり言うと、いまある効率化された業務プロセスを作り変える必要があります。

なぜなら、現在は科や課で独立して管理している情報(エクセル表や古いシステム)は、隣接する科や課が持つ関連する情報ときちんとリンクしていません。「きちんと」という意味は、人間なら許容できる範囲の時差と精度だが、統合的なシステムから見ると許容できないという意味です。

業務プロセスを統合システムに合わせて作り変える事は最重要課題ですが、実際にはこれが、要件定義やシステム設計をきちんと行うよりよほど難易度の高い問題です。最大の問題はスイッチングコスト(*1)と言われ、いままでと異なるやり方を現場が嫌がる(面従腹背で拒否する)という事です。私の経験では、システム導入を推進する組織トップが現場をきちんと指導できる強い統治力を持つ組織でない限り、この問題の解決はできません。

 

2)システム設計者はお客様の業務フローを生半可にしか理解できない。

あるお客様に特有のシステムを開発する場合、その業務内容に習熟した開発者側の人間がいれば、上記1で述べた業務プロセスを作り直す為の提案を行い、あらかじめ業務プロセスの改善に着手すると同時に、その着地点を前提とした要件定義を行なって、システム設計を行う事ができます。

ところが現実には、あるお客様に特有の業務プロセスに習熟する為に、優秀なシステム設計者を1つのお客様へ半年も1年も派遣して貼り付ける事は困難です。そのような優秀な人材は、どんな大企業でも人数に限りがあり、その一方で企業規模に応じた受注額をこなすために、1つの案件に貼り付けられる時間には限りがあります。

有名になった特許庁システムの開発破綻(*2)では、業務内容を習得するべき担当者が期間中に何回も入れ替わって、何をどう理解したのかもわからないような惨状であったと思われます。これは極端な例ですが、毎週何回も業者側のシステム設計者が業務担当者や係長や課長と打ち合わせを行ったところで、たかだか数週間とか数ヶ月でまとめられるのは主要な業務プロセスと主だった例外処理項目だけであり、どれだけの例外処理項目を見逃していたかはシステムを開発した後にならないと判らない事がほとんどです。

これを後の祭りと言います。

では、どうしたら開発失敗のリスクを減らす事ができるのでしょうか。

真正面から答えるならば、要件定義の前に業務分析と業務改善(ビジネスプロセスリエンジニアリング)(*3)のフェーズを挿入し、ここへ最も大きな時間と予算を投入する事です。そして業者側でエース級のシステム設計者に、主要な業務から年数回の例外処理まで、実務の担当者以上に業務内容を理解してもらい、それを前提とした業務改善を業者と一緒になって行ないます。

業務改善の趣旨は、組織全体でデータ管理の改善、例外処理が発生しないように主要な業務プロセスの見直し、外側組織のデータとの関係性の改善などです。

システム導入を前提として、業務プロセスをきちんと整理する事ができれば、その後の工程(要件定義、システム設計、システム開発、テスト)のリスクはかなり低下させる事ができます。

最後になりますが、公官庁のシステム開発案件でも、業務分析・改善フェーズからシステム設計フェーズまでは、少なくとも1つの業者が責任を持って請け負うべきだと考えます。

 

参考資料:
1)スイッチングコスト
2)特許庁のシステム開発破綻の理由
3)ビジネスプロセスリエンジニアリング


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/25 at 15:18

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

女性の雇用は利益を増大させる

駒崎弘樹氏の女性雇用擁護記事を読んで創作意欲を刺激されたのでひとつ。

安倍総理、最強の成長戦略って女性支援じゃないっすかね!?

商売の基本は裁定取引(*1)です。つまり、安く買って高く売り利鞘を稼ぐ事が基本。サービス業や管理業務などの、人間の属人的な能力の差で全体の生産性に大きな差が生まれる業務についても、おなじ人件費ならより能力の高い人を雇用する事が利益を増やす上で重要になるのではないでしょうか。

そこで女性の労働力に注目しましょう。

学校(高校や大学)の成績は、平均点で言えば一般的に男性より女性の方が高いのです。成績上位者においても、女性が占める割合は低くありません。(女性の方が多い場合もある)純粋な体力勝負となる運動や肉体労働は別として、頭脳労働が中心の事務所仕事においては、学校の成績と同様に、平均でも上位でも男性より女性の方が優位にあると考えられます。

しかしながら女性の給料は一般的に男性より低く抑えられています。昇進についても女性は差別されています。良い仕事を得る機会についても同様です。つまり、労働市場において女性は男性より高い能力を有しながら低い待遇になっています。

もう一度、女性の労働力に注目しましょう。

あなたが賢い経営者であり、高い能力を有しながら低い待遇で我慢している女性に対して、その能力に見合った仕事と責任と待遇をオファーする事ができれば、大企業で我慢している有能な女性を割安の給料で引っ張ってくる事ができるのではないでしょうか。

新卒についても同様で、能力の高い女性に相応しい仕事と待遇をオファーし、女性である事のハンディキャップ(出産や育児)の支援をコミットする事ができれば、同じ給料の男性より高い能力の女性を、男性とおなじ程度の給料で雇用できるのではないかと思います。

あなたのような優秀な商売人が、優秀な女性労働者が割安で労働市場に放置されているのを、黙って見過ごして良いものでしょうか。

 

参考資料:
1)裁定取引

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/24 at 17:54

Categories: ブログ評論   Tags:

プーチン大統領を小一時間問い詰めたい

プーチン大統領は日本・中国・韓国の資本を呼び込んで工場をたくさん作り、国内の経済停滞を打開して国力アップを計りたい(より強いロシアを実現したい)と強く考えているようです。その為には、中国が改革開放(*1)でおこなった手法が非常に良い手本になると思われます。

1)外国人の入国規制を緩和する
私がはじめて大陸中国に足を踏み入れたのは1989年の旧正月でした。当時はまだ、外国人が入れる都市と入れない都市がありましたが、そのような規制はまもなく撤廃され、チベットなど一部の例外を除いてどこでも自由に旅行できるようになりました。さらに入国ビザの取得もどんどん容易になり、最後にはビザ無しで短期滞在できるようになりました。中国の企業と取引したい外国人のビジネスマンにとって、往来が容易になるというのは必要条件だと思われます。ロシアはいま、外国人が入国するには受け入れ側からの招待状(*2)が必要です。これは個人のビジネスマンにとって非常に大きな障壁であり、それだけで視察する気も萎えるのではないかと思われます。日露の政府間でいま、日本人のビザ無し入国の交渉(*3)が行われているようですが、経済発展を望むならぜひとも早急に実現させるべきでしょう。

2)通関の規制を緩和する
中国は改革開放の初期から現在まで、輸出入の業務は限られた企業のみが行う事ができ、外貨規制(輸入する物品の支払いの為に外貨を購入する権利の規制)との組み合わせで完全な既得権となっていました。ところがそれ以降、中国の外貨準備高が増大して外貨規制が緩和され、輸出入業務への新規参入も容易になった為、市場競争の中で物品の輸出入は簡単(物流業者へ手続きを丸投げ可能)(*4)になり、料金も非常に廉価になりました。このような流れの中で、外国製品の並行輸入や国内販売を行う外国企業が非常に増えました。また、中国製品を海外へ輸出する事も非常に容易になり、たとえばタオバオ(*5)で注文して物流業者の倉庫へ直送し、輸出梱包してもらって香港経由で北米へFedexで輸出するというような小規模な輸出業務でさえ、きわめて廉価で行う事ができます。ところが現在のロシアでは、おもしろそうな商品があるのでメーカーから直接に購入しようとしても、非常に面倒な通関書類を自分で用意しなければなりません。たとえば私の知る香港人のカメラショップ経営者は、ロシアのZenit社(*6)の一眼レフカメラと交換レンズを手がけています。そこでメーカーから直に安く買おうとしたのですが、ロシアから輸出する時の通関手続きの煩雑さにギブアップし、北米へ輸出されているZenit社の製品を香港へ輸入しているそうです。このような通関障壁を残したままで、プーチン大統領がいくら外資呼び込みの旗を振り続けても効果的とは言えません。

 

ロシアの輸入品目を金額ベースで見ると鉱物資源とエネルギー(*7)がほとんどを占めます。これはまるで途上国の経済のようです。ロシアが経済発展するには、電機や通信など民生品の製造業を発達させて、それらの製品をアジア・中近東・アフリカへ輸出する事が必須条件であろうと考えられます。その為の最短距離は、日本・中国・韓国・台湾などの製造メーカーをどんどん呼び込み、その結果として、ロシア国内企業へ製造技術・生産技術などの技術移転を図る事が極めて重要かと思われます。

 

参考資料:

1)中国の改革開放
2)ロシアのビザ取得に必要な招待状
3)日本人のロシアへのビザ無し入国
4)中国の輸出入手続き
5)タオバオ
6)Zenit
7)ロシアの輸出統計

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/23 at 22:06

Categories: 1.政治・経済   Tags:

中国で地下原子炉

北京共同によれば、中国が小型の原子力発電施設を地下に建設するプランがあるようです。2014年に着工して2017年には完成したいとの事。まずは下記にニュースを引用します。(ネタ元はこちらをクリック

【北京共同】中国国有企業が原子力発電所の主要施設を地下に設置する同国初の「地下原発」の建設を計画していることが11日、分かった。 小型原子炉を想定しており、2014年にも着工、17年の完成を目指す。 国有企業「中国核工業集団」の子会社「中核新エネルギー有限公司」の関係者が共同通信に明らかにした。  既に建設計画の策定を終え、政府に建設許可を申請した。政府の担当部門が審査している。  中国は原発を「クリーンエネルギー」と位置付けて推進する構え。 だが全人代では、原発の安全対策が不十分として法整備強化を求める声も出ている。

原子力発電施設を地下(あるいは半地下)に建設するというのは良いアイデアです。

地下の施設は施設全体が地震の揺れに応じてほぼ同じ方向へ揺れるので、局部的なストレスがかかり難く壊れにくいので、地震大国の日本ではおおきなメリットです。

ほぼ全ての設備を地下につくり、地上部分の出入り口や排気口に津波対策すれば、大津波による影響を受けにくくする事もできます。

施設周辺の地下水が少ない場所を選べば、仮に放射能漏洩事故が発生しても、環境中への放射線排出をコントロールし易いというメリットもあります。

デメリットとしては、地上へ建設するより工事費用がかなり高くなる事と、内陸部に建設した場合に放射能漏洩事故による地下水汚染が深刻な問題となる事が考えられます。

上記であげたメリットとデメリットを天秤にかけて考えると、都市部に近い海辺に複数の小型の地下原発を建設するのはメリットがデメリットを上回るように考えられます。

如何でしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/19 at 19:01

Categories: 1.政治・経済   Tags:

ユニクロ・ワタミの攻略法(2)

前記事の続きです。

ユニクロ型サービス業を志望して大卒で店長候補生として入社する(あるいは既に入社して店長として頑張っている)人が、厳しい労働環境に振り落とされず、本社へ向かってキャリアアップする為には具体的にどのような事をすれば良いのでしょうか。

それを語る前にまず、ユニクロ本社とはどんなところなのか、経営者はどんな人材を本社で経営に参画させたいと望んでいるのかを知る事は重要です。大石哲之氏の下記2つの記事をまずは要約します。

1)ユニクロがブラックな本当の理由。キャリアの分断にみるユニクロの真の闇
本社は、中途採用でマッキンゼーやらATカーニーやらアクセンチュアの人をとりまくり、コンサルの巣窟とも言われているようなところ。その一方で国内の店長候補は、決してマッキンゼーへ入れないような新卒の人材が応募して採用される。つまり本社と現場のキャリアが事実上分断されている。本社を目指すなら、経験を積んで中途採用でチャレンジするべきだ。

2)ユニクロがブラックな本当の理由その2。柳井さんのしかけた”店長無理ゲー”という登用制度
店舗から本社へは蜘蛛の糸でつながっており、本社へ登用されるのは多く見積もっても5%程度。マッキンゼー級(*1)の働きをした者だけが選ばれるという、柳井さんが設定した”店長無理ゲー”であると同時に、新卒に向けた温情である。

一言で要約すると、新卒で入社して店長候補から本社へ幹部候補として登用されるには、マッキンゼー級の働きが必要です。そしてほぼ全ての新入社員は、マッキンゼーに入社するような実力が現時点ではありません。この前提条件のもとで、新人君が店長業務をこなし、更に本社へキャリアップする方法について検討します。

ゲームに攻略法があるように、ユニクロやワタミの店長を必要最小限の労力でこなし、更に業績アップして本社を目ざずにも攻略法があります。今から話す攻略法は万人に出来るという事ではありませんし、個人の能力と努力もそれなりに必要ですが、特別な事でもありません。企業が店長という中間管理職に何を求めるのか、また本社幹部に何を求めるかを合理的に理解して実践すれば良いというだけの事です。

 

ステップ1:管理力をつける
店長という中間管理職は、マニュアルに従って店舗を管理し、日次・月次のレポートを期限内に作成して報告するというのが必要最低限の要求事項と考えられます。

本社から課される日次・月次のレポートは、最初は品質より時間優先(60点の合格ギリギリの内容で良いから業務時間内)で提出時間にきちんと耳を揃えて提出できるように努力しましょう。毎日続くレポートに最初から100点を追求し、その為に毎日残業して体力や精神力を消耗するのは合理的ではありません。レポートの品質は仕事に慣れるに従ってだんだん高めて行けば良いでしょう。

ユニクロ型企業は、本社にいるマッキンゼー級人材の知識や経験を集積したマニュアルがあります。この内容を可能な限り迅速に記憶して理解しましょう。ただ指示内容を理解するだけではなく、指示の背後にある真の目的を理解するように努めましょう。自分なりに考え、店舗の現場を廻り、関連する書籍を読んで勉強し、機会あれば先輩や本社の人に質問し、常に「なぜ?」という疑問を持ち続ける事が重要です。レポート作成を必要最小限にする事で浮いた時間と体力を、マニュアルの理解にできるだけ投入しましょう。

マニュアルを深く理解する事で、本社が店舗に何を要求していかを理解し、日々のレポートを無難にこなす店長になる事が、新人君の最初の数年間の課題です。

 

ステップ2:統治力をつける
企業内の組織には目的があり、何らかの成果を要求されます。ステップ1で管理力の話しをしましたが、管理力というのはある意味で結果を管理する為の消極的な能力です。実際の業務では、あなたが組織の長になった場合、本社が求める管理手段の範囲内で、自分の配下の人を効率的に動かして、課された目的を期限内に効果的に達成する為の積極的な「人的影響力」が必要です。これを企業におけるリーダーの統治力と定義します。

典型的な大企業サラリーマン組織は、根回しや合意形成によるボトムアップ的な意思決定で運営されているようですが、ユニクロ型ブラック企業で本社を目指す人は、リーダーの自己責任で迅速に決断して組織を引っ張る統治力が重要です。その一方で、日本型民主主義労働環境に慣れ親しんだ配下のスタッフ達が「押し付けられてやらされている」という不快感を抱いて生産性が低下しないような配慮も必要です。

本社の課す目的を理解し、必要最低限の労力で組織を管理する「管理力」で店長までたどり着いたら、今度は統治力をつけて店舗の資源の効率を高め、優秀な店長になる事を目指します。

 

ステップ3:創意力をつける
管理力と統治力を高めて優秀な店長になっても、本社の幹部候補のポジションはまだ遠いままです。なぜなら、あなたはまだマニュアルの範囲内(本社幹部の想定内)にいるからです。サラリーマンとして逆説的かもしれませんが、ステップ3を実践するには、店長の権限を自己責任で意図的に逸脱し、マニュアルに書いてない事を実施する必要があります。

ステップ1でマニュアルの背後にある目的を深く理解する事が必要だと説きました。その成果をこのステップ3で使います。マニュアルの背後にある目的を理解しながら、マニュアルで指示されている具体的手段を改善し、あるいは新しい手段を作り出し、その効果を実績で証明する事で、あなたがマッキンゼー級に達した事を本社の幹部達に証明します。

そんな事が出来るのかと思うでしょうが、理屈の上では不可能ではありません。マニュアルが想定している前提条件は全国(あるいは一定のエリア)を平準化して作成されているので、店舗のある地域の固有条件とはかならずしも適合しない場合があります。そういう事項を見つけて、マニュアルの指示内容を地域の特殊性に適合させるかたちでカスタマイズし、成果を改善し、しかも本来の趣旨の範囲から逸脱していない事をレポートで理論的に示す事は十分に可能と考えます。このステップ3のレポート作成は、正念場ですからマッキンゼー級に負けない努力をつぎ込む必要があると思われます。

 

新卒で入社した人が、攻略法のステップ3をクリアするところまで達すれば、1つの企業という範囲内でマッキンゼー級能力を限定的に習得したと言えます。いち企業の経営者から見たその人の能力がマッキンゼー級と同じになったという事は、マニュアルに従う店長業務を行わせるよりも、マニュアルを作る側の本社へ異動させる方が、企業価値を高めるという目的において合理的です。

故に、これが新卒店長から本社へのキャリアパスを示す1つの攻略法です。

と同時に、その人のキャリアパスはその企業の本社に留まらず、あらゆるユニクロ型企業の幹部候補が射程距離に入ったという事でもあります。

 

参考資料:
1)マッキンゼー・アンド・カンパニー

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/17 at 19:47

Categories: ブログ評論, 2.科学技術   Tags:

ユニクロ・ワタミの攻略法(1)

生島勘富氏のブラック企業関連記事をたいへん興味深く記事をフォローしておりました。生島氏の意見は、大げさに表現すれば企業内労働の価値観にコペルニクス的転回をもたらすものであり、就活を行なっている大学生が就職戦略を練り直す為の新しい指針をもたらしてくれるでしょう。しかしながら来月からサラリーマンになる(或いは就職している)人たちは、自分の置かれた立場を認識できるだけであり、「どうすれば良いか」という具体的な展望が良く見えません。そこで、大卒で店長候補になった諸君の為の攻略法を考えてみました。

まずは生島氏の関連4記事を要約しながら、新しい労働価値観を復習しましょう。

1)ブラック企業のすすめ
労働基準法が保護の対象としている「置き換え可能な労働者」の未来は、機械に置き換わるか海外流出するかアジアの人件費に収斂してゆく。「置き換え不能」な企業はみなブラック化せざるを得ない。ブラック系企業でやってゆく秘訣は「やらされている」と思わない事である。

2)ブラック企業のすすめ – 就活生に向けて
企業が欲しいのはあなたの時間でなく成果である。成果は人によりばらつきがある。2:8の法則(パレートの法則*1)によれば、全社員の8割が、成果を出す誰かから搾取している。入社して数年は、「創業者から今に至る先輩諸氏が、営々と築いてきた利益を搾取している」という事を理解していれば、就活生や新入社員が、自分が搾取されていると心配する必要はない。

3)ブラック企業のすすめ – やりがい搾取
成果に対して報酬が少ない事を搾取というのだとすれば、本田由紀氏の主張する「やりがい搾取」という言葉は意味不明。恐らくは「成果を出す誰か」から搾取している8割の人の主張ではないか。だとすれば、8割の人に「やりがい」を与えようとするのは、「もうちょっと頑張れよ!」という事をマイルドに表現した当たり前の教育。そして、「搾取されている」と思ってストレスを溜めるより、「やりがい」を感じてストレスを減らす方が健康的。

4)日本に生まれたことは能力じゃない
同じ労働で、同じ成果を出せば、労働報酬も同じはずだとすれば、日本人だから途上国より高い賃金だというのは如何なものか。日本人が途上国より高い賃金を得ているのは途上国を搾取しているから。しかも、この幸運は長く続かない。これからは純粋な能力で優劣が決まる時代になるのだから、「ブラック企業かどうか」ではなく、「入社して自分の能力が上がるかどうか」で選ぶべき。

5)ワタミからブラック企業を考える
シバキ体質は自分でつくった限界を超えさせて短期間に成長させる為。肉体的、精神的なタフさは新人時代の最初に課せられる一番小さなハードルに過ぎず、ワタミの経営を見ると精神論とは全く逆で、超が付くほどの合理主義。どんな大企業でも「若者の一生を保証できる」と言い切れない時代、他所で使えないしがみつくスキルしか身につかない大企業の方が若者を「使い捨てにしている」と言える。何処を志望しても問題ないが、「入って何をしたい」という目標だけは明確に持つべき。

 

要約すると、新入社員のあなたは搾取する8割の側から出発します。そこから成果を出す2割へ到達する為には、「やらされている」という感情から脱して積極的に仕事へ取り組み、仕事を好きになるように努力し、純粋な能力を高めて成長しましょう、という事です。

自分をプッシュする精神力を養い、長時間労働に耐える体力を身に付けたとして、「優秀な店長」に留まらず、その先へ昇進する為にはどうすれば良いのでしょうか。

この続きはユニクロ・ワタミの攻略法(2)へ続きます。

 

参考資料:
1)パレートの法則

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 19:46

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

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