Archive for March, 2012

昨日の敵は明日の友

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1)無能な政治家に期待してはいけない。
東アジアにおける日本の将来に不安を感じています。中国は経済力を梃子にして東南アジア諸国への影響力を強めるだけでなく、軍事力の急速な近代化によって周辺諸国への圧力を増しています。日本には日米安保条約がありますが、米国の経済力低下を背景に、日米双方で在日米軍は縮小の方向にあります。1992年にフィリピンが米軍基地を国内から追い出した数年後に、中国がフィリピン領南沙諸島を武力占領したような事件がありました。在日米軍が日本から撤退するような事になれば、中国海軍の日本に対する挑発行為が増大し、尖閣諸島などでおおきな事件が起こる可能性は否定できません。しかしながら日本政府の外交能力はといえば、2010年9月の尖閣諸島中国漁船衝突事件に対する日本政府の交渉能力を見ると、まったく期待する事ができません。日本はやはり、政治ではなく経済を主体として国家の方向性を決めるしか手段が無いという事かもしれません。

2)敵の敵は見方。
日本という国家が東アジアで生き残る上で、今後もっとも脅威となるのが中国である事に異論をとなえる人は少ないでしょう。中国は広大な国土と13億の民で構成される国家体制を安定的に維持する為に、常に経済成長し続ける必要があります。この要求を満たす為には膨大な量の化石燃料と大きな資本市場が必要です。中国が世界中のエネルギー利権を買い漁り、アフリカ等の後進国市場へ経済進出し、東アジアの漁場や領有権を強行に主張しているのはその為です。強引ともいえるそのような経済的拡張を支えていたのは近代化と拡張を続ける中国の軍事力でした。日本・韓国・台湾以外の周辺諸国は、中国の軍事力とまともに対抗できる兵力を持っていませんでしたので、この戦略はワークしていました。ところが最近になって、苦汁をなめていたベトナムはインドと手を結ぶ事で中国の圧力に対抗しようとしています。インドは中国と並んで急速に経済成長している最大のライバル国です。南シナ海へインドが進出してくるのは、中国にしてみれば自分の裏庭を荒らされたように感じているでしょうが、軍事力が拮抗し、ロシア軍とより強い関係を持つするインド海軍に対して、フィリピンやベトナムような対応はできません。米国の経済力低下と共に日米安保にも陰りが見える現在、米国一辺倒の安保戦略はそこまで持つのか正直不安です。そこで東アジアの中国圧力を牽制する為に、日本はもう一つの中国が苦手とする国をカードとして引っ張り込んではどうでしょうか。それは世界最大の陸上軍事兵力を持つ中国のお隣の国、ロシアです。

3)昨日の敵は明日の友。
幕末から第二次大戦終了まで、ロシアは日本という国家が存続する為に最大の脅威でした。ロシアは清の領土であった黒竜江の東の広大な領土をズブズブと侵食し、更に朝鮮半島へ進出しようとしました。日本よりも「固有の領土」に強くこだわる中国政府は、1960年代に中ソ国境紛争を起こしましたが大負けしました。中国は以降、ロシアに対して慎重な外交路線をとっていますが、ロシアが中国にとって軍事的に最大の脅威である事は間違い有りません。そのロシア(次期)大統領であるプーチン氏が、国内経済を発展させる為に日本との関係改善を強く望んでいる事がこちらで述べられています。東アジアにおける米軍のプレゼンスが長期的に低下する事が避けられない状況の中、日本が引ける対中牽制カードはインドとロシアです。しかし日本とロシアの国家間には、北方領土問題という深い谷があって、よほど強いリーダーを持つ政権が誕生しない事には、この谷を超える事はできないでしょう。それでは政府による正面からの交流によらずにロシアというカードを使う事はできるのでしょうか。

4)ロシアというカードのめくり方。
日本政府による対ロ経済援助とか、そういうアプローチがそもそも間違いです。そのような経済援助でプーチンが望むような経済発展が生まれない事は中国をみれば明らかです。中国の経済発展はODAで飛行場のような箱モノを作ったからではなく、民間企業の進出による雇用増、輸出加工貿易による外貨増、結果として生じた技術移転。これらの相乗効果によって中国の経済力の基礎体力が造成され、GDP2位の経済発展を遂げました。中国の発展を見れば、ロシアへのアプローチは明白です。日本企業が1990年代と2000年代に中国大陸進出したようにロシアへ工場進出して市場を開拓すれば良いのです。日本企業にとっての消費市場が分散する事は、中国政府の政治的影響力を減じる事ができます。サハリン等からパイプラインを引いて天然ガスを購入し、ロシア籍のLNGタンカーで輸送すれば、中国や北朝鮮が手出しする事はできないでしょう。このようにして、日本政府による国家間条約によらずに、ロシアカードをめくる事は可能であると考えます。

5)結論。
米国にしろ中国にしろロシアにしろ、どれか一つの国に依存する事は、すなわち自分の弱さを晒す事になるので長期的には相手につけ込まれます。日本が自衛隊の軍事力増強や独自の核保有によらず、都合のよいかたちで東アジアのパワーバランスを保つ為には、経済界が積極的に動いて、米国・中国・ロシア・インドそれぞれが日本から利益を得る事ができる経済関係を構築する事ではないでしょうか。

石水智尚 – Mutteraway


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2012/03/19 at 12:07

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

第三の選択

日本の安全保障にかかわる長期戦略ついては、自民党の伝統政策である対米従属が第一のオプション、小沢一郎を代表例とする対中接近が第二のオプションと考えられているのではないでしょうか。

現在の日本がもっとも外交的な脅威を受けている隣国は中国です。中国政府は尖閣諸島(魚釣台)を革新的利益と宣言していますから、今後益々、圧力は強まって行くでしょう。その一方で、沖縄駐留米軍の減少傾向を見るまでもなく、米国の国力減少によって東アジアへのプレゼンスは益々低下してゆくものと考えられます。米軍基地がフィリピンから撤退したとたんに中国が南沙諸島のミスチーフ礁を占領したような事が、日本の領土・領海で起こらないとはいえません。今後の日本にとって、世界最大の消費地である中国との表面的な関係を維持したまま、外交的に差し込まれる事を防ぐためには、パワーバランスをどう取るかが長期的な課題になるといえます。

そこに登場したのがプーチン次期大統領です。ロシアの経済を発展させる為に、ロシア側からみれば「火中の栗を拾う」ような北方領土問題の解決をあえて提案して来るあたり、対日関係を修復して国内経済をなんとかしようという意欲が伺えます。先日の記事でも書きましたが、 日本の外交戦略の舵を少し修正して、対米関係をある程度維持した上で、更にロシアと軍事・経済をミックスした交流を深める事は、対中への軍事的な牽制力を得る上で非常に有効な手段であるといえます。

ロシアというカードはある意味で劇薬のようなものかもしれませんが、破竹の勢いで成長する中国の、東アジアでのパワーバランスを取る為に、あえて劇薬を使うオプションについて検討の価値はあるのではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2012/03/12 at 15:26

Categories: 1.政治・経済   Tags:

あっと驚く四島返還のアイデア

この記事はあくまで思考実験あるいは妄想の類として書きました。つまり妄想であるからこそ、常識では不可能と思われる事を可能にする道があるかもしれない、という内容です。まずは下記の2つの記事の内容の一部を引用します。

プーチンの北方領土問題「最終決着」発言を読んで
「ではこの先100年経っても200年経っても、わが国はかつてのソ連の不当性を非難し北方領土返還を要求し続けるべきなのか。私は、個人的にはそれでもよいと思う。」
F-35の開発遅延で現実に直面する防衛省
「老朽化したF-4EJを2011年度から新型機に置き換える第四次F-X計画だが、本命であったF-22が2010年に生産停止が決定され、2011年12月にF-35が導入を決定した。しかし日本へ2016年度から納入される予定であったが、米軍への納入が2017年後半であると報道されており、ここに来て機種選定の変更もありえると言及されている。」

そもそも論を棚上げしてロシア政府の立場で考えれば、相応の大義もメリットもなく実効支配している領土を日本に返する事は、ロシア政府にとって大きな政治的敗北なので絶対に認めてはいけない事です。 しかし、国内の政治的敵対勢力と国民を納得させられるような大義とメリットがあれば、政治的価以外には何もない北方領土の返還に応じる事が可能になるかもしれません。では、どのような大義とメリットがあれば、政治的には不可能な「四島返還」の可能性を高める事ができるでのでしょう。その鍵はF-35の記事から見つけました。

米国のF-35の価格高騰と納期遅れが予想される中、機種変更もあり得るとの事です。そこで次期主力戦闘機として、ロシアの最新鋭機T-50(PAK-FA)の導入についてロシア政府を検討してはどうでしょうか。T-50は自衛隊の要求する高いステルス性を持ち、もともと自衛隊が欲しかったF-22と肩をならべる性能があり、本体価格はF-35の3割ほどと廉価です。(国内でライセンス生産するとこれよりかなり高くなるでしょう。)

日本の空自がT-50の大量導入を検討するとなれば、ロシアの軍需産業は目の色を変えて政府をプッシュするでしょう。もともと軍関係者は何処の国でも超保守的ですが、彼らの利益が日本にあるとわかれば、四島返還に好意的となる可能性があります。もともとロシア国内に反日感情はあまりないと言われています。この機会に経済関係も含めて日露関係を深める事はお互いに大きなメリットではないでしょうか。

もう一つ、空自が主力戦闘機をロシア製にすると、もう一つ別のメリットが生まれます。 中国が世界で最も警戒しているロシアと日本の政治的かつ軍事的関係が深まる事は、日本の中国への大きな牽制になり得ます。中国からしてみれば、しょせん米国は太平洋の向こう側の国であり、船と飛行機を寄せ付けなければ怖くありません。

しかしロシアは違います。いまでも世界最大の陸軍兵力を持ち、長大な国境線を共有する隣国であるロシアは、中国にとって争ってはいいけない国リストがあるとすれば、米国より上の最上位にランクされているでしょう。

米国側から見ても、冷戦集結以降、地理的に遠い日本の価値は下がる一方である事は、最近の沖縄米軍の移転ニュースを見ても肌で感じられます。日本は、当面は日米同盟を維持するべきですが、ロシアとの関係改善も検討に値するかもしれません。

如何でしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2012/03/05 at 15:27

Categories: 釣りネタ, 1.政治・経済   Tags:

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