Archive for February, 2011

国を守るという意味(全改)

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【前書き】
最初に書いた「国を守るという意味」は、朝ナマのホリエモンの発言に刺激されて書き出したのですが、途中から論旨が2度かわるという混乱に気がつかず、よくよく確認ぜずにアゴラへ上げてしまった事を反省しています。池田さんとコメントでのやりとりや、その過程で新たに得た情報を加えて、私が表現したかった内容を、なるべく一貫性を保つように書き直してみました。石水

【本文開始】
朝まで生テレビに出演した堀江貴文氏が、「国を守る」という事について異論を発し、集中砲火を浴びました。中国や北朝鮮が、「何の為に日本に攻めてくるのか?何をしに来るのか?かという疑問に答えられた人はいませんでした。

堀江氏の主張について、東浩紀氏は番組中で次のように述べました。(筆者による部分的な書き起こし)

「主権国家と主権国家の話しに全ての政治の問題を還元させて、国境の問題なんとかでやると、すごく単純な問題になるわけですよ。中国の軍事力対日本の軍事力と。でも実際に、仮に中国が沖縄を占領したとしてもですよ、沖縄の人民もですよ、Twitterとか持っている訳ですよ今。そこには世界中から支援も集まるし、当然中国も変な事はできなくなる。そういう意味で言うと、主権国家と主権国家、軍事力対軍事力で、すべてのパワーバランスが決まるような単純な時代ではないという事を堀江さんは言っていると思うんですよ。この認識は基本的には正しいと思います。」

「国民国家のバランスで全部が動くと考えている方が全然楽観的だし、今の状態から合ってなくなってきているんですよ。だからこそ、今回のエジプトでも革命が起きてきている訳じゃない。」

堀江氏の意見には共感を感じるところがあります。中国が日本へ攻めて来る理由は何か?ヘンリー・キッシンジャーは「抑制とは、得られる利益とは釣り合わないリスクを押し付けることによって、相手にある行動方針を取らせないようにする試みである」と述べています。日本に攻めて来て得るものより、それにより失うものの方が大きくなれば、日本を攻撃して併合する合理性は失われます。経済的な観点から見ると、中国の経済は既に日本や米欧の経済と深く繋がっており、その傾向は今後益々増大すると考えられます。(経済が崩壊している北朝鮮は別として)中国が日本に攻めてくる理由は今のところ見当たらない事になります。

その一方で、中国政府は経済的利益だけでなく別の「利益」もかなり重要視しており、経済的損失のリスクを冒しても、台湾や日本を武力で攻撃・併合するかもしれないという意見もあります。昨年の尖閣諸島問題では、中国政府は漁船の船長を取り返す為に、戦略物資であるレアアースの輸出停止という手段を取りました。これには私だけでなく、世界中で多くの人が驚き、中国に対する危機感を持ったのではないでしょうか。中国共産党は鄧小平の政権以来かなり安定しており、改革開放(や軍事力の近代化)など政府による長期の目標達成に実績があります。台湾だけでなく日本の領有が中国の「利益」に含まれているのならば、彼らの用意が整った未来のいつかに、日本が中国に呑み込まれる可能性は(極論とはいえ、今のところ)否定できません。

呑みこむ手段として軍事力を用いると仮定した場合、日中双方の軍事力の差が、中国が引き金を引く重要な要因になるでしょう。日本側の軍事力は自衛隊+米軍が極東へ投入可能な軍事力ですが、肝心の軍事予算は日米ともに減少傾向にあり、軍事力も減少傾向が続くだろうと考えられます。一方で中国の軍事予算は1989年から毎年2桁の伸び率を示しており、長期的な軍備増強の途上にあると考えられます。双方の軍事力を時間軸上で示したのが下記の図です。

軍事力比較曲線

(図挿入)

1)現在はAがBより十分に大きく、日米同盟を強化して中国を抑制する事は合理的です。

2)xの時点でAとBの差が縮小すると、日米同盟の効果は小さくなり、日本は中国の圧力に対して危険な状態となります。

3)yの時点以降はAとBの軍事力が逆転し、日米同盟は対中防衛に有効でなくなり、中国が攻めてきたら日本の敗戦はほぼ確実ですし、たとえ負けなかったとしても、激しい市街戦により民間へ甚大な被害がでて、日本の経済は崩壊の危機に直面するかもしれません。

日本には日米安保があり、米国の核ミサイルがあるから、中国が攻めて来る事はできないという意見があります。しかしながらヘンリー・キッシンジャーは、核の傘の同盟国への拡大が必ずしも有効ではない事について、「核兵器と外交政」で述べています。日米同盟における米国の核ミサイルが中国に対して有効に機能しない事は、もと国際情報局長の孫崎亨氏の「日米同盟の正体 迷走する安全保障」でも述べられています。

中国の核ミサイルのいくつかが米本土を目標にしているかぎり、米国の核ミサイルは上図の「y」時点を回避する確実な手段とはいえません。

そこで、中国が日本を呑みこむ為に軍事的圧力をかけ、その結果として戦争が発生しそうになった場合に、日本の政府と国民は究極の選択をする場面が考えられます。すなわち、

1)戦って負けるか

2)戦わずに負けるか

ところで、中国が日本を呑み込んだ場合の統治方法として、下記の2つが考えられます。どちらになるかは、日本政府が上記の1と2のどちらを選ぶかを決める重要な要素でもあります。

3)チベットのように内地扱いで併合する

4)香港のように特別自治区扱いで本土と分離する

これはあくまで私の考えですが、中国が香港と内地の分離を維持しているのは、中国自身の都合が主な理由です。中国政府は政権維持を目的とした社会の治安維持を極めて重要視しています。チベットの独立運動家や天安門の学生デモが厳しく取り締まられ、民主化運動家が迫害されるのもこの理由の為と考えられます。ところが香港人は欧米に準じた民主的文化の中で育ちましたので、大量のそういう人達を内地人と混ぜる事は、中国政府が嫌う社会的混乱を生む可能性が高いと考えられます。

中国政府による日本統治を考えた場合も、香港と同じ問題があります。少なくとも日本人と中国内地人の民主化レベルの「温度差」が、内地人社会に混乱を起こさない程度に縮小するまでの間は、内地人を日本人から分離して統治する事は、中国政府の利益にかなう可能性が高いのです。

さて、暗い話を書いてきましたが、上記の図の「y」を無意味にする方法も考えられます。

5)憲法9条を改正して先制攻撃や敵地攻撃を可能にし、完全な受身の状態を改善する。

6)日本も核武装して独自の核の傘を持つ。

7)中国にとって日本が独立していた方が「利益」が高い状況を作り出す。

第二次大戦前の日本の世論が戦争突入を望んだように、今の日本にとって5と6が極めて困難であっても、中国の軍事的脅威がより現実化した未来では、日本の世論は大きく変わる可能性もあります。7については、具体的にどんな方法になるのか見当もつきませんが、皆でよくよく考える事により、それがどんな方法であるかがみつかるかもしれません。

国を守るとはどういう事なのか。将来のいつかに日本が中国に呑み込まれないようにする為に、どんな対策が必要かを考えて、いまから少しずつでも実行してゆく必要があるのではないかと考えます。

【後書き】
これをもう一回、アゴラへ上げたいと考えていますが、許して頂けるかは編集部さんの判断待ちです。

【後書き2】
編集部の許可を得て最初の記事へ上書き修正しましたが、「あたらしいフィードが出た」という意味不明の理由で、アゴラのアカウントを削除されてしまいました。最初は私の操作ミスで、新規記事として保存したのかと勘違いしましたが、よく考えてみると、新規記事の場合には画像の貼り付けなど面倒な手順が発生するので、上書き保存とは操作が明らかに異なります。ゆえに私の結論は、編集者は了承したが、編集長の指示でアカウント削除されたようです。


54 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2011/02/25 at 10:35

Categories: 1.政治・経済   Tags:

キッシンジャー曰く、核の傘の拡大抑止は有効でない

中国の脅威に対して、米国の核ミサイルが日本を守ってくれる切り札という考えがありますが、それはどうでしょうか。

キッシンジャーは著書「核兵器と外交政策」の中で、「全面戦争という破局に直面した場合、長くアメリカの安全保障の礎石だったヨーロッパといえども、全面戦争に価いすると(米国の中で)誰が確信しうるだろうか?」と述べて、核の傘の拡大抑止の効果に大きな疑問を投げかけています。

中国の核ミサイルの一部が米国本土へ向けられている限り、米大統領と議会は、米国の数十の大都市の市民を人質に取られているのと同じ事になります。

平沼 赳夫・田母神俊雄・中山 成彬による「真の保守だけが日本を救う」の中で、日米安保についてこう指摘しています。

「 日米安保は、自動参戦ではない。日本が侵略を受けた時、二ヶ月以内に大統領が決断して命令を下さなければ米軍は動かない。二ヶ月後には、議会の同意無しでは、軍を動かすことが出来ない。

中国が日本を攻撃すると決めた時、米国に対して「邪魔すれば核ミサイルで米本土を攻撃するぞ」と脅せば、米国は極東有事への対応が非常に難しくなります。また、米中が全面戦争ではなく(キッシンジャーの言う)限定戦争になる事を望んだとしても、米国の空母を核ミサイルで攻撃すると中国が脅せば、米海軍と海兵隊の主力は日本近海の戦闘区域へ近寄る事ができなくなるでしょう。日本に駐留する米軍だけではどうする事もできません。そうなれば、自衛隊はほとんど自力で中国と戦う事になるでしょう。

このような展開こそが、中国海軍が構想しているといわれる、Anti-access / area-denial strategy(接近阻止・領域拒否 戦略)です。

そのような状況に遭遇した時に、米大統領と議会がどう判断するかは「神のみぞ知る」という事になるでしょう。

Read more…

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 09:37

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

米国の核の傘は日中戦争を抑止できない

藤沢数希さんの核兵器と自由貿易は確実に戦争をなくしたには、基本的に同意するのですが、ただ一つ、中国が領土的野心に燃えて日本へ攻めてきた場合に、日米同盟と米国の核の傘は無効になってしまうのではないかという疑問があります。ちょうどアゴラで、池田さんとこの件で議論しているところなので、記事にまとめてみました。

米国と中国はどちらも核保有国です。しかも、中国は米本土をねらう核ミサイルを持っています。日米同盟があっても、米本土を中国の核ミサイルに狙われている米国は、大量の自国民の生命・財産を失うリスクを冒して、日中戦争に軍事介入できるでしょうか。それはたぶん、その時が来てみないと誰にもわからない、非常に高度な政治的判断を、米大統領は下す事になるでしょう。

そのような不安定な未来に日本の安全をかけるのではなく、もっと自発的に中国からの軍事的脅威を防ぐ方法があります。日本自身が核武装するのです。それも、先制攻撃で虎の子の核ミサイルを失わないように、原子力潜水艦に積んで海溝の奥へ沈めておくのです。

日本国民にこの決断が出来れば、それほどの費用をかける事なく、中国の軍事的脅威から日本の独立を維持する事が可能になるのではないかと考えます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/02/23 at 18:13

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

国を守るという意味(続編)

昨日の私の記事に対して、池田さんからもう「平和ボケ」から覚めようという反論を頂き、そのコメント欄にて、下記のご指摘を頂きました。

「日米同盟を強化すべきだ」という話と「中国が攻めてきたら戦わないで降伏すればいい」という話が、論理的にどう両立するのか、まったく理解できない。戦う必要がないのなら、日米同盟も自衛隊も必要ないでしょう。

このネタでの投稿はもう止めるつもりでしたが、上記の指摘に対する説明をさせて頂く機会をもう一度だけお許し頂き、続きのネタで投稿させて頂きたいと思います。これでもう終わりです。

まずは下記の図をご覧下さい。(軍事の専門知識を持つ方で、下記の図に適正な数値を入れて頂ける方がおりましたらぜひお願いします。)

軍事力比較曲線

1)現在はAがBより十分に大きく、日米同盟を強化して中国を抑制する事は合理的です。

2)xの時点でAとBの差が縮小すると、日米同盟の効果は小さくなり、日本は中国の圧力に対して危険な状態となります。

3)y以降はAとBの軍事力が逆転し、日米同盟は無意味となり、中国が攻めてきたら日本は戦わないで降伏する事が経済的に合理的な判断とされ得る状況になると考えます。

池田さんは「論理的にどう両立するのか」と指摘されましたが、回答としては、両立するのではなく、上記1の条件では日米同盟を強化するのが合理的、3の条件では戦わずに降伏する事が合理的、という事です。

では、上記3の状況になる可能性はあるでしょうか。

米国は東西冷戦以降、一貫して軍事費と軍事力の削減を続けており、極東へ展開できる戦力も年々減少していると考えられます。またアフガンとイラク戦争の失敗で、世界の警察でいる事に疲弊しており、中国に対して軍事力(軍事費)の大幅増強で対抗するというのは考え難い。

日本はバブル崩壊後の経済低迷と1000兆円に迫る政府債務(今後益々増大)の問題を抱え、中国の軍備拡大に付き合う余裕があるとは思えません。

中国は高度成長期の最中にあって軍備増強に邁進しています。「 Anti-access / area-denial strategy(接近阻止・領域拒否 戦略)」により原子力潜水艦や空母(建造中)、ステルス戦闘機(開発中)、陸上から空母を狙う「対艦弾道ミサイル(Anti-Ship Ballistic Missile:ASBM)」などの軍事力の近代化と増強を行い続けています。この戦略の特徴は、米軍の空母を中国の防衛ラインへ近づけない事です。その防衛ラインを、日本列島と台湾をラインへ押し広げるのが中国の当面の目標です。ところでASBMに核弾頭を積む事ができれば、米空母は日本周辺へ接近できません。空母が来なければ航空優勢を得られず、他の軍艦は空爆されるのでやはり日本へ接近できません。すると日本周辺へ投入できる米軍の軍事力は著しく減少します。つまり上記3の状態は、米軍の軍備縮小だけでなく、中国軍の技術革新によって自力で一気に到達する事も可能だという事になります。

結論は、上記3の状態が来ないと決め付けられる適切な理由は無く、Politically Incorrectである事は承知の上で、「戦わずに中国に降伏するのはどういう事か」というのも議論の対象になるべきではないだろうかと考えた次第です。

この記事はアゴラと同時に投稿しています。

7 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2011/02/22 at 16:10

Categories: 1.政治・経済   Tags:

国を守るという意味

朝まで生テレビに出演した堀江貴文氏が、「国を守る」という事について異論を発し、集中砲火を浴びました。中国や北朝鮮が、「何の為に日本に攻めてくるのか?何をしに来るのか?かという疑問に答えられた人はいませんでした。というか、中国や北朝鮮が、日本に来て何をするのかなど、だれも考えた事もないのかもしれません。これは、「侵略」という恐怖が先立ち、合理性を無視した感情論以外の何者でもありません。

堀江氏の主張について、東浩紀氏は番組中で次のように述べました。(筆者による部分的な書き起こし)

「主権国家と主権国家の話しに全ての政治の問題を還元させて、国境の問題なんとかでやると、すごく単純な問題になるわけですよ。中国の軍事力対日本の軍事力と。でも実際に、仮に中国が沖縄を占領したとしてもですよ、沖縄の人民もですよ、Twitterとか持っている訳ですよ今。そこには世界中から支援も集まるし、当然中国も変な事はできなくなる。そういう意味で言うと、主権国家と主権国家、軍事力対軍事力で、すべてのパワーバランスが決まるような単純な時代ではないという事を堀江さんは言っていると思うんですよ。この認識は基本的には正しいと思います。」

「国民国家のバランスで全部が動くと考えている方が全然楽観的だし、今の状態から合ってなくなってきているんですよ。だからこそ、今回のエジプトでも革命が起きてきている訳じゃない。」

私も同意です。

以前に、国家とは何かということ事について議論しました。現代の人民主権国家では、建前上は国民が国家の主体(であり客体)という事になっています。ところが現実には、国家の主体が実際は政府(司法・立法・行政組織)である事は、戦時を考えれば明白です。

侵略戦争の表面的な目的は、相手国の領土を自国に取り込む事です。戦争のターゲットとする領土に政府組織がある場合、(軍事基地を別にすれば)真っ先に標的になります。侵略しようとする国から見れば、領土も国民も軍隊(自衛隊)も、政府の付属品に過ぎません。政府を統制下におけば、国軍や警察や国民に「武器を置いて家へ帰れ」と命令でき、戦争は終わります。

現代において、戦争という大きな政治的・経済的リスクを負ってまで、日本の領土を欲する真の理由については、下記の3つが考えられます。

1)経済的理由。
 天然資源(地下資源、海底資源、海洋資源、農耕地)の確保。
2)政治的理由。
 主権回復。
3)軍事的理由。
 自国の生存を危うくするリスクの軽減。
 
国家が受ける戦争の影響についてはどうでしょうか。21世紀の現代において、日本のような経済大国に対して、略奪や殺戮やあからさまな植民地化を目的とした侵略戦争を行う事は、米中のような大国を含めて、どんな国であっても世界の先進諸国を敵に回す事になり、非常に大きな軍事的・経済的な制裁を受けます。それを最小限にするには、世界世論(と国連)に対して、日本への侵略戦争を正当化する為の、開戦にあたっての大義と、併合後の人道的な統治政策が要求される事は明白です。仮に非人道的な統治があった場合、国民はTwitterやFacebookで世界の人たちへ知らせて、世界世論を見方につけるという手段を持っています。

では、日本を侵略して併合する実力を持った国はどこか、について具体的に考えて見ましょう。自衛隊を上回る軍事力(を獲得できる潜在力的経済力や技術力)と、世界世論と国連に対して併合を正当化する大義の得やすさ、国連への影響力などを考えると、米国、中国、ロシアの3国が考えられます。その中でも中国は、日本の併合を「主権の回復」と強弁できる可能性を持ち、大義を一番得やすい国かと思われます。また中国とロシアにとって、日本は太平洋の出口にあるので、世界経済が長期的に極めて悪化し、「何事もお金で解決」できなくなった時には、軍事的理由により併合される可能性も残されていますが、現在の世界では、これは考慮の対象外と言えます。そして北朝鮮ですが、日本へ攻撃を仕掛ける事は可能としても、総合的に考えれば、日本を占領・併合する力はとうていありませんので、これも考慮の対象外とします。

上記の点を考慮に入れて、日本が中国にに併合された場合に一般の日本人が遭遇する状況について考えて見ましょう。大きく変わるのは下記の4点であろうと思われます。

1)国名(国歌や国旗やパスポート)が変わる。
  統治を円滑に行う目的で、象徴としての天皇制が残る可能性は高い。
2)公用語が2つになる。
 学校教育で、中国語(北京語)の教育が加わる。
 上級統治機関の公文書は、日本語と中国語の2言語併記されるようになる。
3)物価が安くなる。
 併合により中国と日本市場の関税がなくなり、市場が接続される。
 中国側で価格優位な工業製品や農産物が流入して、日本の物価が安くなる。
4)経済発展して賃金が上昇する。
 中国は非常に大きな経済市場を持っており、上記3の理由で、日本企業は大きな市場を獲得する。
 中国大陸の市場へ進出を行う企業は大きく業績を伸ばすので、経済発展して、日本企業の賃金が上昇する。

一般の日本人から見て、変わらないのは下記の6点であろうと思われます。
1)生命財産。
 新政府があなたの土地や財産を接収するような事は、一般人には起こらないでしょう。
2)人権。
 香港の例に倣い分離統治を行う事が予想され、「日本特別行政区」一般国民の人権については何も変わらない。
3)治安。
 中国政府が面子にかけて、日本の治安維持を行うと予想される。
 もし、分離独立運動が起きた場合には、テロや暴動や過剰な暴動鎮圧により、一時的な治安悪化の可能性はある。
4)社会保障。
 日本の統治政府は大きな自治権を維持するので、社会保障制度が短期間で大きく変わる事はない。
5)文化的な行事。
 日本は現在も政教分離されており、天皇制も進駐軍によりに政治的に無力化されているので、文化的な行事に大きな制約を受ける事はないと考えられる。
6)選挙権と被選挙権。
 一般の日本人に影響の大きい地方選挙は基本的になりも変わらない。

それでは、日本が国家=政府を守る為に、国民を動員して防衛戦争を行った場合には、どのような事が起こるのでしょうか。勝って独立を保つにしろ、負けて併合されるにしろ、政府(体制)を維持するために、多くの日本国民の生命・財産が失われる事が予測されます。

本記事の主題である「国を守る」とは何か、という事について考えて見ます。人民主権国家の理論上の主体は、その他大勢の、一般の国民です。これら国民の生命・財産を守る事が、国を守るという事と同じ意味となります。その結果、政府=体制の「看板」がすげ変わる事になったとしても、「国を守る」目的は達せられた事になります。

中国に併合されたら長期的に日本固有の文化が失われるので、「大和民族の文化を守る」為に防衛戦争を行うべきという意見もあるかと思います。しかしながら日本の文化は、長い歴史の中で大きく変化してきました。縄文時代から弥生時代に大きな変化を遂げ、明治維新で大きな変化を遂げ、第二次大戦後に大きな変化を遂げました。たとえ他国に併合されたとしても、日本人が日本語と日本文化を保持しようという個人的努力を放棄しない限り、国籍や体制がどうであるかは問題ではありません。

誤解の無いように強調させて頂きますが、本記事の主旨は、積極的に中国(あるいは他の国)に併合される事を勧めているのでは決してありません。(故に、その点を誤解したコメントについては、今回は一切無視させて頂きます)しかしながら政府=体制の維持を目的とした防衛戦争は、人民主権国家においては本末転倒であり、そのような戦争は行うべきでは無いという事を、本記事の結論として述べさせて頂きます。

人と物が大規模に移動し、グローバリゼーションが進む21世紀において、民族主義的な考え方に基づいて国家を維持しようとする事も、日本文化の維持を日本国という枠組みに依存しようとする事も、時代に適合しずらくなっているのではないかと考えます。

グローバリゼーションを駆動する石油や電気エネルギーが枯渇しない限り、その進路の先には、EUの目標である経済ブロックが統合された巨大政府があり、その果てには世界がひとつの大きな政府へと統合されてゆくのであろうと推測します。そのような大きな流れを意識すれば、日本国という看板を維持する為の戦争というのは、実に無意味な損失ではありませんか。

この記事はアゴラと同時に投稿しています。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/02/21 at 12:08

Categories: 1.政治・経済   Tags:

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