Archive for September, 2010

普天間基地を尖閣諸島へ

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中国漁船が尖閣諸島であばれてくれたおかげで、沖縄の米軍基地の必要性が一気に再確認されるという皮肉な結果となりました。中国がかなり民主化されたという印象を持っていましたが、ここへ来て再認識せざるを得ません。鄧小平は改革開放により表世界での経済成長という結果を残しましたが、海洋戦略も改革して、沿岸からより遠くの海域へと防衛ラインを広げました。

その結果、南沙諸島の西方にあるベトナム領の永暑礁を奪取、南沙諸島の東方にあるフィリピン領のミスチーフ礁を奪取。その一方で、拡張する防衛ラインを守る為に、原子力潜水艦や空母への投資を粛々と行っているようです。

さて、これから日本はどうすべきでしょうか。一番まずいのは、尖閣諸島が通州事件のように、国民全体が情動に動かされて右傾化し、日中戦争への引き金になる事です。いまの中国であれば、最悪の事態(チベットのように占領され同化政策が始まる)であれ、戦争で多くの民の命を犠牲にするよりマシです。

戦争をせずに尖閣諸島を守り、独力で日本国を現状維持をするにはどうしたら良いでしょうか。軍事力という後押なく「正論」を吐いても、負け犬の遠吠えにしかなりません。しかし、拡大する中国海軍と空軍に負けないだけの軍備拡張を行うには、膨大な費用が必要ですし、今から軍拡計画を発動しても、十分な装備が整うまでは何年も十何年もかかります。その間、経済や医療や福祉を犠牲にせざるを得ません。そのような耐乏生活を、国民は望むでしょうか。

ところで日本は、米国と日米安保条約を結んでいます。そして、冒頭で述べた沖縄の米軍基地が沖縄に「なければならない」理由は、台湾を中国から守る為(米軍海兵隊をヘリで送る為)です。台湾の政府や国民も、それは十分に理解している筈です。尖閣諸島の日本領有が台湾にとってメリットとなる唯一の状況は、そこに米軍基地があって、台湾防衛に役立つ時です。

ゆえに、かなり冒険的ではありますが、沖縄と台湾と日本の為に、米軍基地の一つを尖閣諸島へ置くという提案をしたいと思います。海兵隊基地そのものを、あのような無人島に作るのは難しいかもしれませんが、米軍の恒久施設を建設し、離党奪回演習などを始終行うだけでも、中国への抑止効果がかなりあると思います。(中国への刺激もたっぷりあります。)もっとも、米国政府が「虎穴に入る」度胸があれば、という前提ではありますが。


2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/09/29 at 10:21

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

毒餃子犯人が中国で起訴

フリーペーパーKANAN MONTHLYの10月号によれば、

中国製ギョーザ中毒事件で、中国検察当局は8月10日、危険な方法で人に重症を負わせたなどとして、危険物質投与罪で、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)の元臨時従業員呂月庭容疑者(36)を起訴した。中国公安省から連絡を受けてた警察庁が同日、発表した。

起訴事実には、中国・天洋食品製の冷凍輸入ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の3家族10人が中毒症状を起こした事件も含まれるとみられる。千葉の事件では、女児が一時重態となった。

中国公安省は4月、危険物質投与の疑いで呂容疑者を逮捕。同容疑者は「勤め先の待遇に不満があり、注射器で殺虫剤を混入した」などと容疑を認めていた。

危険物質投与罪は、毒物を投棄するなどの方法で人を重症または死亡させた場合などに適用され、法定刑は10年以上の懲役、または死刑。

一方で、PB後進国日本の現実は、

犯人は拘束されたようだが、われわれが忘れてはならないのは、問題のギョーザ「CO・OP手作り餃子」が日本生活協同組合連合会(生協)のPBであったことだ。生協が輸入業者のジェイティフーズ(日本たばこ産業子会社)に丸投げし、中国の天洋食品につくらせた製品が事件を起こした。

と述べ、自社のPB商品の問題を委託生産メーカーであるJTフーズへ押し付けた生協の当事者意識の希薄さを問題視しているようです。もし天洋食品が労働環境及び待遇の悪い状態であり、毒入りギョーザは氷山の一角であるとしたならば、自社PB商品の委託メーカーの管理をきちんと行わなかった生協の「罪」は重いと言えるかもしれません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/09/28 at 23:31

Categories: 1.政治・経済   Tags:

尖閣諸島における合理性

アゴラに立て続けに投稿された記事を見ると、領土侵犯の問題は、普段は合理的な判断力を持つブロガー達をも、盲目的な愛国心(=間違った愛国心)に駆り立てる危険なエネルギーを持っていると感じています。その中で池田信夫氏は、愛国心とは異なった視点で、船長釈放は「合理的」な判断であると述べておられるのが印象的でした。

以前に愛国心の種類について書いた時、政治的な意味での「国土」を愛国心の対象にする事で、国家という仮想利益団体の「利益」が優先され、人民のリアルな利益が紛争により失われるリスクが高くなると述べました。今回はそれに該当するケースかもしれません。

国益=民益と定義すれば、尖閣諸島を領有する事により生み出される経済的利益が、中国と紛争状態になる事により失われる経済的利益に比較して十分に大きければ、政府は海上防衛力へ投資して、尖閣諸島の領有と実行支配を行う事に合理性が生じます。その逆であれば、日本が尖閣諸島を領有して実行支配する経済合理性は有りません。国家のハードな分裂リスクを有している中国と違い、社会が十分に安定している日本では、国益(=民益)とは経済交互理性の観点から十分に定量的な判断が可能であると考えます。

政府あるいは民間のメディアまたはシンクタンクは、尖閣諸島周辺の海洋および海底資源の市場価値(現在価値)を数値化して、これと防衛力投資 + 遺失利益の総額とを比較して、人民へ提示するべきではないでしょうか。

経済合理的に十分な価値があれば、日本政府は早急に、尖閣諸島に海上自衛隊の基地をつくり、周辺海域を外国船の立ち入り禁止海域にして、「実行支配」を行うべきです。もし自衛隊の基地が人民解放軍の襲撃を受ければ、間違いなく「日米安保」の対象になります。もし十分な価値がないと判断すれば、尖閣諸島を中国と共同管理の提案を行う等、中国政府の面子を立て、日本の経済的メリット(=民益)を重視した政策に転換するできではないでしょうか。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/09/26 at 22:49

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags: , , ,

臥薪嘗胆

私が深圳で雇用した弟子(業務コンサルタントの仕事を仕込んでいる)と、中国や日本の政治問題についてしばしば議論します。彼女は江西省の弩田舎の農村出身の高卒で、工場の事務系の職種についた後、苦労して日本語を習得しました。故に、頭が良くて柔軟な精神を持っているが、社会の知識がかなり偏っているのです。いわゆる政治教育による洗脳の影響がかなり強く残っているのです。そこで、中国人にとっては「常識」であるいろいろな事について、彼女と議論しながら教育しています。

ある日、食事をしているとき、彼女が私に言いました。日本も韓国も、もともとは中国です。そこで私は彼女に言いました。ある国が、歴史上もっとも広かった領土を「もともとわが国の領土」と言うならば、吉林省と遼寧省は韓国のものだという事になりますよ。このようにして国同士が「もともとわが国の領土」といって争うならば、国家間で戦争が絶える事はないでしょう。

ちょうどその時の話を彷彿とさせるのが、今回の尖閣諸島の問題です。中国は(こちらのブログによれば)尖閣諸島は日本の南西諸島の続きではなく、台湾島の離島であるので、故に中国の領土であるという理屈で、領有を主張しているようです。日本と国際世界に対して主張しているだけでなく、国内的にも魚釣台(尖閣諸島)は中国のものだと宣伝しています。よって尖閣諸島付近で中国の漁船が日本の海上保安庁に拿捕され、船員が逮捕される事は、中国の国内的な視点では「ありえない」状況になり、放置する事はできません。

私の弟子が「日本の警察の船が中国の漁船に体当りして壊しました」と教えてくれた時、私は弟子に言いました。合理的に考えて、その可能性は低いでしょう。日本の海上保安庁の人は公務員のはず。公務員は「愛国心」のようなもので不必要に自分が個人的に不利になるようなリスクを積極的しません。何故なら、尖閣諸島の近くで中国船にぶつければ外交問題になって、担当者の責任問題になります。逆に中国船の側からみれば、船をぶつけて外交問題になれば、メディアもネットも大騒ぎになり、日本国政府を困らせる事ができるので大きなメリットがあります。故にこれは、漁船の方が海上保安庁の船にぶつけた可能性が非常に大きいでしょう。

海上保安庁がビデオ撮影をしていたようで、事態は私が想像した通りの展開であったようですが、中国人の心情としては、たとえ映像を見せられても納得できない状況でしょう。

ところで早川忠孝氏はブロゴスで、今回の事態について「臥薪嘗胆、という言葉を用意した方がよさそうだ」と述べています。「中国政府に尖閣諸島の領有権を主張されて、日本政府として黙って引っ込むわけには行かない。と言って、中国政府と一切の外交関係を断ち切る、などという選択肢もない。この問題の棚上げを、上手にやるしかない。」要するに関係者を国外追放して妥協すという事のようです。

私は、尖閣諸島の領有を巡って中国と戦争をしても良いとは考えていません。というか、一定レベルに民主主義に到達している国家(中国も含む)との、日本国という仮想的組織の利益の為に、個々の国民が戦争に参加して損耗する事には、私は断固反対の立場です。しかしながら、漁場や地下資源として経済的価値が見込める尖閣諸島を中国へ渡すという事にも反対です。ではどうすれば良いでしょうか。

この場合、一番合理的だと考えられるのは、中国側が合理的に考えて見合わないと判断できる程度に、海上自衛隊と海上保安庁の装備および人員を増大させて、尖閣諸島を含む日本の経済水域をきちんと管理できるような「パワー」を持つ事ではないかと考えます。臥薪嘗胆とは、ただ我慢する事を指して使われる訳ではありません。そのようなパワーの準備が整うまでの間の我慢の事を、「臥薪嘗胆」と言うのではないでしょうか。

しかしながらもし、尖閣諸島周辺のトータルな経済的価値が、海上防衛パワーへの投資に見合わない(投資効率が非常に悪い)と考えられる場合には、最悪、ギブアップというのも検討するべきだと考えます。価値の無い領土であれば、防衛する経済メリットが低いからです。国益とは民益の事です。民の生活を守るための政治とは、そういうものではないでしょうか。

11 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/09/21 at 22:50

Categories: 1.政治・経済   Tags:

竹中平蔵氏の評価

日本振興銀行の破綻で、当時の金融担当大臣であり認可を与えた竹中平蔵氏へ注目が集まっています。日本振興銀行を立ち上げた主要メンバーの一人である木村剛氏との関係を重く見てか、あるいは小泉竹中改革を目の敵にしてでしょうか、「クズ野郎」と激しく非難するシートン俗物記のような方がおられます。その一方で、認可の仮定に違法性が見つからないのであれば、大臣として「判断の失敗」があった事は結果を見れば明らかのようだが、それが現在の竹中氏に対する責任とどう結びつくかは「わからない」と冷静な判断を下す山崎元氏のような方もおられるようです。

池田信夫氏は「検察は経済事件に介入するな」との意見を述べておられますが、今回の件が、検察が書いた絵をはめ込むような国策捜査にならない事を願うのみです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/09/18 at 23:04

Categories: 1.政治・経済   Tags:

雇用を増やすだけなら1億総公務員にすれば良い

管首相は「1に雇用、2に雇用、3に雇用」と言ったそうです。これに対して、池田信夫氏は、「雇用を生み出せば、経済の成長につながる」というのは、因果関係が逆であると述べましたが、私もその通りだと思います。まず雇用を増やせというのなら、政府はすべての失業者を公務員にすれば良いでしょう。それで経済が発展しますか?

お隣の中国では1998年頃、国有企業の危機が叫ばれ、失業者が溢れ、景気が悪い時代がありました。その後、国有企業はどんどん株式会社に転換して上海や香港の株式市場へ上場し、気がつけば高度成長期を迎えてGDP世界第二位となり、どこの工場でも労働者がひっぱりだこの状況が生まれています。

管首相だけでなく、民主党も自民党もみんなの党も、もっと実態経済を発展させる具体的な成長戦略を考えるべきです。いま、世界でいちばん成長しているお隣の中国の経済発展をいかに戦略に取り込むべきかが、日本の経済を短期で立て直す成長戦略のヒントになるのではないでしょうか。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/09/05 at 22:46

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ハウスプアが日本の経済を失速させている

『アン・ヨンヒの韓国レポート』第291で、韓国のハウスプアが取り上げられました。マンションを買う為に高額ローンを組んだ260万世帯が、銀行ローンを返済する為に生活苦に陥っているそうです。そして、これらの人をハウスプアと呼んでいるらしい。そういえば日本には、不動産バブル崩壊以降、そういう人がもっと沢山いるのではないかと思います。

日本のサラリーマンは不動産バブル崩壊以降もマイホーム神話に固執し、換金性の低い「自宅用」の家やマンションをウン千万円のローンを組んで購入し、月給の半分以上をローン返済(と子供の教育費)に充て、生活苦に喘いでいるという内容をTwitterで先週つぶやいたところでした。ローンをやっと返済し終わって、名実ともに自分の所有物になった頃には、子供達は巣立っており、広い家には老夫婦がいるばかり、という訳です。巣立った子供達が結婚して30代になると、再びマイホーム熱に取り付かれるという「悪循環」に陥っています。

もしもサラリーマンの多くがマイホームを購入せず、銀行ローンで失われる「可処分所得」を週末の飲食や家電製品や車の購入や旅行に使っていたとすれば、国内経済がもっと活性化される可能性は極めて高いと感じています。

池田信夫blogでは、日本の直面している最大の問題は投資(資金需要)の不足だと述べていますが、都市部で賃貸住宅がメジャーとなれば、国内外の投資マネーが都市部の賃貸住宅へ集まり、個人のマイホーム需要が減少しても、それを補って余りある建設需要が生まれると予測します。

ゆえに政府は個人がマイホームを購入するハードル(税制面)を高くし、賃貸住宅の利便性を高めて(敷金の上限を低くし、退去時の現状復帰の条件を緩和し、借りる側に有利に法改正して)、サラリーマンが賃貸住宅を利用する方向へ、経済を誘導するべきではないでしょうか?

都市部で賃貸住宅への投資が盛んになり、競争が生まれて賃貸料金が「そこそこ」になれば、通勤時間が片道2時間以上の郊外へ無理してマイホームを建てるより、便利な都市部に多くの人が住むようになり、日本の都市成長が再び始まるのではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/09/03 at 10:40

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