Archive for March, 2010

SIMロック排除は効率的なビジネスモデルの再構築を促進する

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SIMロックの排除を国が強制するかもしれないという事について、松本徹三氏が「恨み節」を長々と詠っているようです。確かに、何事によらず国に強制されるのは心情的には不愉快ですが、(外から見て)日本の歪なケータイ電話市場を是正する為に、今回は、国による市場への干渉が正当化されるケースかもしれません。

松本氏は、日本のケータイ市場はもともと「特殊な背景」で成長したので、(東芝やシャープのような)メーカーでなく(ドコモやソフトバンクのような)キャリア主導でケータイの仕様決めや販売が行われているのであって、そのビジネスモデルが成立する為にSIMロックは必要である、と述べています。SIMロックを外すと、キャリア毎の独自サービスの互換性が「無い」ので、販売側もユーザーも混乱するだけで、ユーザーのメリットにならないと主張しています。

では視点を変えてこの問題を眺めてみましょう。ドコモやソフトバンクが、他社と接続の互換性の無い「サービス」構築をしたり、販売奨励金を出せるのは、SIMロックという前提条件が出発点です。逆に言えばSIMロックがあるからそこ、集客の為に独自サービス構築に投資しなければならず、その為に「我社専用仕様」のケータイをつくる事になり、その為に製造原価が世界一高いケータイを売る為に販売奨励金や特別な割引制度が必要になってしまうと考える事ができます。この状況を改善するきっかけが、SIMロック排除です。

ドコモやソフトバンクの事業目的は、通信による利益の追求です。SIMロックや、独自サービスや、販売奨励金に固執する必要がどれだけあるでしょうか。ノキアやサムソンの普通のWCDMAケータイを売って、今までと同じように利益を得られるのであれば、そちらの方が事業効率がより高いと言えます。ケータイを供給する業者も世界中から選択できるようになります。

もうひとつ、SIMロックを外して海外へ輸出する問題ですが、これは松本氏が述べているように販売奨励金や特別割引による不自然な安売りが原因です。これがなくなり、国内でのキャリア間移動ができるようになった時点で、激減すると断言できます。なぜなら、そのような状況では安価に調達したケータイには「縛り期間」が導入されて、購入即中途解約すると正規購入額を一括支払いする事になるでしょう。調達コストが増して旨みがなくなれば、それを行う者が減ると考えるのは合理的でないでしょうか。

以上のような理由から、国による「SIMロック排除」は、お互いの首を絞めあっているキャリアの問題を解決して、世界標準かつ効率的なビジネスを再構築する機会を与えてくれるものと考え、松本氏のSIMロック批判は再考の余地有りとご指摘させて頂きます。


4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/30 at 23:29

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カーボンナノチューブで宇宙産業の幕を開ける

高リスクの有人宇宙船による宇宙開発に消極的な日本で、軌道エレベーターによる宇宙開発が盛り上がっているという記事がダイヤモンド・オンラインで紹介されました。カーボンナノチューブは日本が最先端のようですし、これが実用化されれば宇宙への物流革命となり、宇宙産業が短期間で飛躍的に発展するでしょう。しかし、物資搬送を行う軌道エレベータの膨大な質量を支える強度を得るには、いったい何年かかるでしょうか。

しかし、それほど落胆する必要はありません。実質的な質量がほとんど無いエネルギーを搬送する電力ケーブルであれば、必要な強度は何桁も少なくて済みます。そうです、宇宙に巨大な太陽光発電所を建造し、電力を軌道ケーブルで送電するのです。

ホリエモンは産業用低コスト宇宙ロケットの事業に熱中していますが、ロケットを使う現実的な「キラーアプリ」がいまのところ産業界にありません。そこで提案ですが、太陽光発電施設を軌道上に建設し、発電した電力エネルギーを軌道ケーブルにより地上へ送電するのです。軌道送電ケーブルは、軌道エレベーターより質量が何桁も少ないので技術的難易度も必要な建造コストもずっと少なくて済みます。

静止軌道上での大規模かつ無人の太陽光発電設備(太陽光発電衛星)は、地上に比べて発電時間と発電効率を高める事ができます。太陽電池と軌道送電ケーブルの寿命を十分に伸ばす事ができれば、発電単価が下がり、人類が平時の電力で苦労する時代は終わるでしょう。

太陽光発電衛星と、ホリエモンのロケットと、軌道送電ケーブル。この組み合わせで、日本の産業を、もう一度世界に羽ばたかせてみたいですね。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/24 at 12:08

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スパイシーな日々

一昨日の夜、東莞のアパートに着いてシャワーを浴びようとすると、お湯が出ません。以前の記憶が呼び戻され、「ガス料金がなくなった」事がすぐに判明しました。私のアパートがある東莞市内や、その他、中国の一部の地域では、ガスはプリペイド方式になっており、専用ICカードにお金を払込み、そのカードをガスメーターに差し込む事で、ガス代をメーターへチャージするようになっています。料金の不払いが不可能で、業者的には合理的な方法といえます。お客にとっては不便この上ないですが。

その夜は、未練がましく30分くらいあがいた後に、諦めて就寝。翌朝は電子レンジで沸かしたお湯を水道水で増量して、とりあえず寝癖のついた頭を洗うだけの「ぬるま湯」を確保。シャンプーだけして、家を出ました。

午前中は不動産屋(兼いろいろ雑務屋さん)に寄り、ガス料金のICカードに100元をチャージするように依頼してから、客先へでかけました。夜はガスのプリペイドカードを回収し、知人と焼き鳥屋で飲んで、夜中過ぎに帰宅。で、ICカードをガスメーターに差し込んでみると、期待に反してメーターは反応無し。ええっ、駄目ですかー!ショックで100ナノセカンドほどおろおろとパニック。

気を取り直して不動産屋さんに電話してアドバイスを乞う。彼いわく、ガスメーターの電池切れではないかとの事。メーターの上部に電池ボックスがあるので探してみろ、と。たしかに単三電池4本が格納されているのを発見。しかし家にある電池(単三)の買い置きは2本だけ。2本足りない。試しに2本だけ新品に入れ替えてみたものの、ガスメーターは依然として無反応。時計を見ると夜中の1時近いですが、仕方なく近所のコンビニへ電池の買出しを決定。

アパートの門を出ると外はまっくら。近くのコンビニはみんな雑貨屋に毛の生えたローカルブランドで、12時過ぎると即閉店。3軒まわるもみんな閉店。かなり遠くまで歩き、やっと開いているコンビニをみつけて、誇りを単三電池2本の購入に成功。帰宅して、期待に胸を踊らせながら新品電池に取り替えると、今度はLO(ロー)という表示が出て、ピーピーと警告音が鳴り出す。4本とも新品電池のはずなのに、何故かローバッテリー表示です。ええ、マジですか!今度は10ミリセカンドほどアボート。

再起動後は、床に蓮座して1分ほど沈思黙考。冷静に考えた末、結論が出ました。最後の奥の手。電池の順番を入れ替えてたところ、やっとガスメーターに残数が表示され、温水が出るようになりました。ホッと胸を撫で下ろしました。ICカードを差し込むと、残数が2.xxから30.xxになりました。これであと1年くらいOK。

ローバッテリーの原因は、電池のどれかが(お店で長期間在庫されて)電圧が下がっていたのか、あるいは電池ホルダーの中の電極が錆びていて、接触抵抗で電圧降下していたのか。原因は不明。とにかく、やっと正常にガスが点火するようになったので、これ以上の追求は即時中止。真相を闇に葬り、潔くシャワーを浴びてベッドに入ると、枕元のiPhoneは夜中の2時を廻っていました。眠い。

中国の生活は、このような香ばしいハプニングの連続で楽しさ100倍です。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/17 at 23:54

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日本の労働者の絶望的な状況

日本の労働者の最大の問題は、サービス残業でも賃金搾取でも新卒採用偏向でもありません。労働者自身が「転職しない社会」を正しいと信じている事です。それ故に、自らを企業という檻の中へ閉じ込め、その結果として雇用の流動性が低下し、様々な労働問題を生じさせています。

労働者が自らの利益の視点で考えた時、不況時は解雇反対の長期雇用が「利」となり、好況時は転職して待遇アップが「利」となる事は明白です。私の住む香港では、労働者は自分の利益に対して比較的合理的に行動するので、景気循環サイクルが1回か2回来る毎に、景気の立ち上がり時に多くの労働者が転職します。

行動に合理性がある時、人は理屈によって説得が可能です。非合理な信念に基づいて行動している人を、理屈で説得する事は困難です。Joさんが度々、日本の労働問題を説いても、馬耳東風なのはその為だからでしょう。池田信夫氏が述べている正しいセーフティー・ネットによって、大企業以外の労働者を救えるようにする事が、来るべき日本の労働者を救う唯一の処方箋かもしれません。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/16 at 16:27

Categories: 1.政治・経済   Tags:

民主主義国家間の侵略戦争は成立しない

愛国心と政府機能のアウトソースについて4回ほど述べました。その間にTwitterでいくつかコメントを頂きました。その中で愛国心に対する突っ込みコメントが印象に残りました。

1)日本で永住している韓国人の帰属意識はどちらにあるか。
2)日本と韓国が戦争する時、日本に永住する韓国人はどちら側で戦うか。

上記の疑問は、永住外国人の地方参政権問題でもよく取り上げられます。この質問は、一見すると痛いところを突いているようなのですが、実は前世紀の価値観を引きずった情緒的なものであり、合理的でない事がわかります。

私が4回の記事で述べてきたように、国の本質とは人民を中心にした文化です。文化の視点から見たばあい、たとえば家庭内で韓国文化を保持している日本生まれの在日韓国人の心の中では、日本と韓国の文化が共存しています。文化的な帰属意識を、韓国と日本と、同時に持つ事は可能であり、韓国人が日本で生きていく上で、それは合理的です。それを、どちらか一方だけ選択するべき、という考え方は合理的ではありません。

また、北朝鮮のような「無法者国家」の侵略から守る場合を除き、現代の民主主義国家間の戦争に人民を兵士として参加させ、防衛戦争を行う事は無意味であると述べました。21世紀においては、民主主義国家による他国の占領は、新しい民主主義政府を生み出すだけであり、日本の人民の生活を脅かしません。

たとえば日本と韓国は、どちらも既に民主主義国家ですから、どちらかの国によるもう片方の国への侵略は、植民地化による戦争コスト回収ができないだけでなく、戦争により破壊した相手国のインフラ再建などを持ち出しで行わなければならず、経済的に極めて非合理的であると言えます。

ゆえに愛国心を持ち出して、「どちらの側で戦うのか」と問う事は時代錯誤であり、多くの場合には無意味であると言わざるを得ません。

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/14 at 15:28

Categories: 1.政治・経済   Tags:

政府機能を民間団体へアウトソースする

国の意味を下記の3つの要素に分解すると、国の本質は(2)の文化的な意味での国と人民であるとのべました。

1)政治的な意味。
2)文化的な意味。
3)物理的な意味。

北朝鮮やイラクのような「蛮族」の侵入を防ぐ必要はありますが、先進国の国家間戦争は、占領された後も同じ生活レベルが維持される事を考えれば、「政治的な意味での国家」を守る為に防衛戦争をして、その結果、人民の戦死者を出す事は本末転倒です。国の本質が文化的な存在であり、主権在民が保証されるのであれば、政府機能を他国の政府や経験者にアウトソースする事は検討可能と考えられます。

それで、政府機関を外国へアウトソースしてはどうかという提案をし、またその条件について述べました。政府の仕事は政府にやらせろ、というのは直感的にわかり易いですが、外国の政府にはその国と企業の利権を守る必要があり、日本の利権と競合する場合が考えらますので、アウトソース先として選択する対象国が限定されます。

そこで、政府機能のアウトソース先の対象団体として、既存の他国政府以外に、企業や民間団体が検討可能かどうかについて考えてみました。

1)国内の政治経験者と民間の専門家を集めた団体:
日本の国内には、もと首相、もと大臣、もと事務次官という人が沢山います。各分野には、官僚に負けない民間の専門家がいます。そういう人達を集めて、政策集団ならぬ行政集団をつくり、アウトソース先として名乗りを上げる事は可能かと考えます。

2)上記の案を世界に広げると、一国の首相や大統領経験者、閣僚経験者、世界的に有名な専門家などはたくさんいます。日本国民が提示する政策目標に沿って、その政策を行うにふさわしい人材を世界の政府や企業の現役や経験者から集めて、行政集団をつくり、アウトソース先として名乗りを上げる事は可能かと考えます。

上記の懸念事項は、

1)行政集団に強いリーダーがいないと、寄せ集めの集団が烏合の衆になる。
2)各国政府の利益誘導の意図を持つスパイが、複数の国から混入しないか。
3)特定の国や企業へ利益誘導を図る、隠れた意図がないか。
4)日本を乗っとる意図はないか。

1)については、首相役となる中心人物が、自分の(もと)政策スタッフを中心に組織すれば、リーダーシップの問題は起きないと考えます。

2については、組織のガバナンスをしっかりさせる事と、それぞれの案件での決定の仮定を透明化する事で対応可能かと考えます。

3)については、利益誘導の有無それ自体は重要ではなく、この行政組織が日本人民の要求した政策目標をどれだけ実現し、人民に利益をもたらしたかで判断するべきです。結果が悪かった場合には、中途解約や、利益誘導に関する損害賠償を適当な司法へ起せば良いかと考えます。

4)については、前の記事で述べました。

他に懸念事項があれば、コメント欄へご指摘ください。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/12 at 11:54

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政府機能をアウトソースする条件

愛国心という言葉の真ん中にある国の意味を紐解きながら、政府機能を外国政府へアウトソースする可能性について言及したところ、オーツの日常生活さんから8つの質問を頂きました。その質問に答えながら、政府機能をアウトソースする場合の状況について掘り下げて行きたいと思います。

(1)日本人の考え方・文化をきちんと把握してくれるか

  内向きの行政については、アウトソース政府内に、民間人によるアドバイザー組織を入れて、民の文化的行事や行動がなるべく阻害されないようにすれば良いかと考えます。

(2)日本とアウトソース先とで利益相反が起こった場合、うまく調整ができるか

  利益相反の対象は、外地で企業間の経済利権の競合や、国連・国際会議での交渉、他国との条約提携などでしょうか。利益相反が起こりやすい国を考えると、まず地理的に近い国、経済的な結びつきの強い国、これらの政府とは、利益関係の調整が難しいので除外されるべきでしょう。加えて、社会体制や文化・宗教などのバックグラウンド条件を検討し、なおかつ経済発展や社会福祉で実績のある国というと、北欧のどれかの国は候補として悪くないのではないでしょうか。

(3)どこまでをアウトソースするか、大量の公務員を外国人に置き換えてしまうのか

  政府機能のアウトソースをし易いように、国内の行政形態を、予め地方主権的道州制にかえておくべきと思います。そして、内閣、防衛省・外務省以外の、ほとんどの省庁の中央機能は最小限化され、大半の出先機関は地方自治体へ移管されるでしょう。アウトソースする対象である中央省庁の組織を最小限に絞り込み、機能を単純化しておく事で、外国人へ置き換わる国家公務員は最小限になると考えます。そして地方公務員は原則として置き換えないものとします。

(4)アウトソース先の人々と十分なコミュニケーションができるか(日本語が使えるか)

  契約期間中、日本に駐在するアウトソース組織団に、日本語を期待するのは諦めましょう。彼らが行うのは、考えて判断する仕事です。政府内の会議や公式文書は、ぜんぶ英語にします。それを国民や地方公務員へ伝えるスポークスパーソンや組織スタッフ(つまり日本人)が、日本語での放送や、外部組織への日本語文書を作成して指示すれば良いでしょう。その為にも、中央省庁で雇用される日本人国家公務員は、資本主義社会の世界共通語である英語でのコミュニケーションができる事が前提となります。どうしても置換えができない職人的生き字引のような下級スタッフについては、特例として、その部内に日本語通訳をつければ良いでしょう。

(5)適当な報酬を受け取ることで、他の国の経営を引き受ける主体があるのか

  報酬の額と、費用対便益と、その国の国民の理解とによるでしょう。

(6)アウトソース期間が終わったときに、国の体制を元に戻せるか

 (3)で説明したように、中央省庁の大幅縮小と、地方主権的道州制の導入を行って、中央政府のポータブル化が実現している事を前提とします。この場合、中央政府のしくみも、地方自治体とのインターフェイスも単純化され、マニュアル化されているので、別の外国政府団であれ、国内で再編された組織であれ、仕事の引継ぎは容易であろうと考えられます。ちなみに、現在の政権交代では、引継のインターフェイスは各省庁の役人が人的に吸収しているので、政権交代による官僚依存からの脱却が困難な原因となっています。

(7)アウトソース先が日本の不利になるような政策をとった場合、それを拒否できるか

  契約の条件設定で対応できると思われます。中途解約の条項を盛込めば良いでしょう。

  アウトソース政府が警察や自衛隊の指揮権を掴んで暴走した場合は、米政府(あるいは米軍)の一時的な介入による暴走阻止の条約(もちろん発動した時は対価を支払必要があるでしょう)を結んで、それを保険とする事は可能かと考えます。

  その米国が日本政府を乗っとったら、という質問に対しては、私の記事を再読願えれば明白ですが、「それも結構」という考えです。日本が米国の信託統治領になった場合は、日本人による政府に戻るでしょうし、米州のひとつとなった場合には、日本国政府が州政府になるだけで、民の生活に大きな変化があるとは考えられません。

(8) 賢明な王様がいたら、一切をその人に任せてしまうというのも一つのアイディアです。しかし、その王様が「賢明」かどうか、事前に判断できるでしょうか。(記事中より抜粋して筆者が追加)

  王様は、一旦選ぶと辞めさせるのが大変ですが、アウトソースは期間を定めた契約だし、(7)で説明したように中途解約も可能にできます。事前の判断材料はある程度可能かと考えます。日本国民が望む政策(経済や社会福祉)について、アウトソースを検討する対象国の、政策実施状況や、政策実施能力を検討すれば良いでしょう。契約期間が過ぎて、満足する結果が残せなければ、まだ考えれば良いのだと思われます。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - at 11:04

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政府機能を外国へアウトソースする

表題を単純に説明すると、政府機能(司法、立法、行政、および外交と防衛)を適切な外国政府へアウトソースする事の可能性について考察します。

前の記事で、愛国心を3つの種類に分類し、そのうちで、政治的意味を主体とした愛国心は、人民に戦争という悲劇を与える大きな危険性を有する事を指摘しました。他国による日本侵略は、日本人民の生命や財産や自由が失われる事を意味し、それを防ぐ為に夫や息子達を戦地へ送る事は当然の事であると、一般的には考えられています。しかしそれは本当に正しいのでしょうか。

まず、日本の直近の負け戦である太平洋戦争について考えてみます。負けた日本を待っていたのは、鬼畜米英の日本蹂躙などではなく、進駐軍による平和憲法と、米国政府による経済復興の支援であった事は歴史的な事実と言えます。

私が居住している香港を考えてみましょう。97年に中国政府へ返還されるまで、香港居民は返還に反対し、英国政府による統治の継続を望んでいました。99年間の香港植民地の歴史は、北京政府の面子を失わせましたが、英国政府による安定統治と治安維持、そして経済発展について、香港居民は高く評価していました。いまでも英国パスポートを持つ香港人は多いようです。

国を巨大な企業に例え、侵略戦争を競争相手企業による敵対的買収に置き換えてみましょう。国政を預かる政治家は企業経営者で、人民は雇用者(かつ持株会を通した株主)とします。買収を仕掛ける企業は、現経営陣にとって紛れもない敵です。買収を受け入れる事は、経営陣の失職(あるいは降格)を意味するので、雇用者や株主へ訴えて買収阻止に動きます。しかし雇用者と株主にとっては、現経営陣より上手に会社を経営してくれるなら、給与アップと株価アップをもたらしてくれる可能性があり、必ずしも敵とは言えません。買収を仕掛ける企業が、ハゲタカファンド(北朝鮮)か白馬の騎士(米国)かで、状況は大きく異なります。

国を巨大なレオパレス・マンションに例え、政府をマンション管理組織、人民はアパート住民と置き換えてみましょう。人民にとっては、マンション内の清掃や修繕が行き届き、住民が快適に暮らせるサービスを提供できれば、自国議員による管理サービスを止め、外国政府に管理サービスのアウトソースをする事について、重大な問題があるでしょうか。もしかしたら米国やノルウェー政府の方が、鳩山民主党政権より何百倍も上手く日本国を経営してくれるかもしれません。

いくつかの例を挙げて、国防という文脈における「愛国心」の妥当性について、21世紀の視点で述べてみました。この記事を読んだあなたは、私の事を、政治的に偏向した価値観を持っていると考えるかもしれません。そうかもしれませんし、違うかもしれません。私個人としては、単に、国というものを本質的な視点において合理的に考えた場合に、どのようにあるべきかという事をこの記事で追求してみました。私の考える国の本質とは、政府や国体ではなく、そこに居住する人民とその文化であると考えます。「国敗れて人民あり」です。

現政府を守る事は、いかなる場合にも最優先事項とするべきであるのか。あるいは、社会体制が大きく変わったり、人民の生活が脅かされたり、価値観の変更を強制されたりしない限り、だれが政府をやるかという事は、最重要な事ではないのではないか。その事を、みなさんに問うてみたいと思います。

追記1:国民という言葉には「国」という文字が含まれ、その場合の国の定義は何か、というややこしい問題になるので、文中ではあえて人民という言葉を意図的に使いました。

追記2:日本には天皇制という、政治と文化が融合した制度があります。しかしながら日本国憲法では、主権在民です。天皇制を維持したまま、民が政府機能を外国政府へ委任(アウトソース)する事は可能ではないかと考えています。

追記3:政府機能のアウトソースは、平時における政府機能委託のほか、ブラックな外国から侵略されそうな場合の対抗措置として、軍事的に強力な民主主義国家に政府機能をアウトソースして、防衛と外交交渉をおこなってもらい、侵略を回避するというケースも想定されるかと考えます。

追記4:政府機能のアウトソースには、対価の支払が当然として発生します。支払い方法としては、経済成長時の税収増大分から出来高払いで支払ったり、郵政やNTTのような半国営企業の株式で支払って、経済成長時の株価の値上がり分を成功報酬としたり、当該政府国企業の国内進出を優遇して、間接的な税収で回収する方法など、いろいろな方法が考えられます。

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/09 at 21:16

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「愛国心」の種類

最近、テレビの討論番組だけでなく、ブログやTwitterでも愛国心という言葉をよく目にするようになりました。外国人参政権の問題が注目を浴びている事が、その主要な理由であると思います。愛国心はwikiによれば、「、国民が自らが育った、あるいは所属する社会共同体や政治共同体などに対して愛着ないし忠誠を抱く心情である」とあります。単純化すると、「国を愛する心」という意味です。

ところで、多くの人が「愛国心」という言葉を使うとき、そこにはいくつかの異なる意味(あるいは感情)が混ざっているように感じます。ある時は平和的な意味を持ち、ある時は外国に対する排他的な意味で使われます。ゆえに愛国心は、誰にとっても同じ意味で理解する事ができません。その理由を考察してみました。

結論から先に述べると、愛国心が場合によって別の意味をを持ち得るのは、単語の真ん中にある「国」の定義が、愛国心という言葉を使う人の目的により変わるからであるからであろう、という事です。以下に、文脈によって変化する「国」の定義を3つの種類に分類してみました。

1)政治的な意味での国土と人民(国体)。
2)文化的な意味での国土と日本民族。
3)物理的な意味での国土とその居住者(市民)。

政治家が「愛国心」という時は(1)であり、スポーツの国際試合における愛国心は(2)であり、自分の居住地を愛するという意味では(3)であろうと思われます。

上記のうちで(1)の愛国心は、人民を戦争という悲劇に巻き込むリスクを持つ、危険な用途があるようです。

追記:国民という言葉には「国」という文字が含まれ、その場合の国の定義は何か、というややこしい問題になるので、文中ではあえて人民という言葉を意図的に使いました。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 18:22

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著者を電子出版へ引き込む方法

池田信夫氏がアゴラブックスを立ち上げた話しは既に書きました。ところで電子書籍のブログ記事のコメント欄を読んでいると、ある事に気づきます。

1)PDFフォーマットは周囲の余白が大きく読みにくい。
2)小説は縦書きで読みたい。

これらは、電子ブックリーダーの画面サイズやレイアウトに関連しています。いまどきほとんど作家はワープロを使っていると思われます。ワープロ文書を簡単の読み込んで、各社の電子ブックリーダー画面に最適なレイアウト(縦書き・横書きも含む)が簡単にできて、各社の電子書籍フォーマットへ出力できるソフトが、ベクターあたりで無料で配布されれば、このような問題は割と簡単に解決するのではないでしょうか。

また、図や表を簡単に挿入できる電子ブックリーダー対応のワープロが普及すると、私のようなエンジニア兼業務コンサルをしている者が、自分の仕事内容をネタに電子出版を行う事が容易になるのではないかと考えられます。そうなれば私も、念願の本の出版を電子出版で行うかもしれません。

また、これまでは著作権業界から無視されてきた無数のブログ著者達が、自分のブログ記事をベースに、いわゆる自費出版を行う事も、すごく容易になるであろうと思われます。1冊100円とかの値段なら、一定の読者を集めているブログでは、自費出版しても千冊くらいの電子ブックは容易に売れるのではないでしょうか。

電子出版が著者の裾野を広げ、増加した著者が著作権を出版業界から自らの手に奪って欲しいと望みます。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/08 at 01:12

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キンドールは出版著作権業界の黒船

放送や音楽業界で、著作権とその周辺利権の商業利用が多様化してきた中で、出版著作権業界が古色蒼然としたまま続いてこれたのは、出版社の著者への支配力がそれだけ強い業界であった為と思われます。その「太平の世」の眠りを覚ましたのはキンドールという黒船でした。

Twitterで得た情報では、現在の出版契約には電子出版は含まれておらず、宙に浮いているそうです。また、英米では良く聞く、小説の映画化権なども、日本ではまだ確立していないようです。それが正しいすれば、アマゾンが、販売価格の7割の印税を著者に支払うというオファーを日本でも行えば、大きな網ですくい取るようにして、多くの著者を見方に付け、日本の電子書籍ブームに火をつける可能性が出てきました。

そこでついに、日本の出版業界は戦々恐々としながらも、電子出版に向けて押し出されはじめました。講談社や新潮社など31社の出版社は、結束して日本電子書籍出版協会をつくり、黒船に対抗しようとしています。そんな中、池田信夫氏は株式会社アゴラブックスの立ち上げて、電子出版はもう始まっていると宣言しました。JCASTニュースによれば、ある出版社と提携して既刊本数百冊を電子出版できるよう準備を進めているようです。

アゴラブックスのような新興出版社が、ネットで直販を行えば、出版著作権業界の最大の既得権者であった流通や本屋を中抜きでき、現状並みの印税を著者に支払っても、消費者販売価格を大幅に下げる事ができると思われます。そうすると、電子出版は一気に普及する可能性が高くなります。私の周辺でも、値段が安ければ電子出版物を利用したいという人は多く見受けられます。

しかし、書籍販売への依存が強い既存の出版社業界が電子出版を主導すると、既得権保護の為に、電子書籍も本屋の本とかわらない価格になってしまう可能性が大きくなる。すると電子書籍は印刷本の「おまけ」のような市場になり、市場の急速かつ大きな拡大が望めなくなる事を危惧します。

そうならない為に、新興の電子出版社がたくさん参入して、古色蒼然とした業界を競争原理で活性化される事を望みます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/07 at 23:19

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香港は地方主権的な道州制の究極モデル

香港ポスト記事を引用したNACGlobal.NETによると、香港の百万長者39万人、主婦層広がるそうです。香港は主婦を含む女性による株や不動産への投資が盛んです。我が社の女性社員も例外ではありません。6000人程度の統計調査(香港人口は700万人)なので必ずしも正確ではないかもしれませんが、18人に1人が百万長者って、すごくないですか。ジニ係数が上昇する訳ですよね。

「香港の百万長者(流動資産が100万ドル以上の人)は前年比13%増の約39万4000人で、平均380万ドルの流動資産を持っているという。香港電台(RTHK)ニュースによると、シティバンク香港が香港城市大学に調査を委託し、2009年11~12月に21~79歳の市民6000人以上に聞いた結果を分析したもの。香港島では7人に1人、新界では17人に1人、九龍では18人に1人が百万長者である退職者が28%と最も多く、家庭の主婦が19%と前年の15%から増え、スペシャリストの16%を抑えて2番目に多かった」

同じく、香港ポストの記事を引用したNACGlobal.NETによると、香港・財政予算案、前年度の所得税75%還付するそうです。経済が回復方向にあり、税収が増加して赤字圧縮されているが、経済成長の促進を促す為にインフラ建設(広州とつながる新幹線線路建設やマカオへつがなる巨大な橋などは経済効果が大きいと期待される)や個人所得税の75%還付(商業活動が盛んなので個人消費の増大が景気に与える影響は少なくない)など、4-5%成長を目指す香港政府の決意が伺えます。

「今年度の経済成長率は4~5%、物価上昇率は2.3%と予測。「安定回復、経済発展、相互扶助」を主題に、域内総生産(GDP)の1.5%に当たる252億ドルの赤字予算を組む。前年度の同2.4%、399億ドルより赤字幅は圧縮されたが、世界経済の先行きが不透明な中、インフラ建設に496億ドルを支出するほか、教育や生活支援に約200億ドルを配分した。

具体的な措置として、09/10年度の個人所得税は約140万人の全納税者を対象に1人6000ドルを上限として75%を還付。10/11年度のレーツ(不動産税)は1期1500ドルを上限として減免することで、約90%の住宅および60%の非住宅でレーツの支払いが不要となる見込みだ。

また、商業登録費は1年間免除する。このほか、公共住宅の家賃2カ月免除、生活保護受給世帯の子女や学資補助を受ける幼稚園から大学までの学生に1000ドルの手当を支給し、さらに小中学生には世帯収入を審査した上で1300ドルもしくは650ドルをインターネット手当として支給する。」

民主党が掲げる地方主権的な道州制政府の究極の姿が、ここ香港にあると思われます。人口600万から1200万程度のコンパクトな自治政府をつくり、地域それぞれの特徴を活かした経済発展と、税収範囲で福祉を追求する事は、我々に示された解のひとつであろうと思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/03/02 at 11:37

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