Archive for November, 2009

スパコン世界一は産学協同でコスト削減せよ

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アゴラで池田氏は、二つのスパコンが示す日本の二つの未来の中で、理研による世界一スパコン開発の問題を指摘し、一方で、長崎大工学部の浜田剛助教のグループが、たったの3800万円の予算で日本一のスパコン(158TFLOPS)を製作した事を賞賛しています。このスパコンは、今年更新されたばかりの地球シミュレータ2(122GFlops)より更に高速です。

浜田教授のグループは、民生用に大量生産されているパソコン用の周辺チップであるGPU(ゲーム等で画像データ処理をハード的に行う専用LSI)を760個つなげたものだそうです。GPUやDSP、あるいはゲーム用マシンのCPUのような民生用チップを用いるアイデアは、ゲーム産業や組み込み機器産業が活発な日本では、非常に導入しやすい環境かもしれません。

一方のソフトですが、この超低価格スパコンの成功の鍵となったのは、GPUを大量に並列接続させるプログラムの開発であったそうです。学生プログラマの人件費は開発費の中に含まれていないでしょう。プログラム開発に何年かかったのかわかりませんが、優秀なプログラマ(院生)が学費を払って集まり、開発してくれる大学・大学院は、人材のサプライヤーとしては大きなアドバンテージがあります。

民生用、産業用の計算チップや組み込み用CPUを大量生産している民生機器メーカーと大学が提携し、ハード予算や計算用(または組込用CPU)チップの提供をメーカーが受け持ち、設計は産学協同で、プログラム開発リソースは大学側が提供して、産学協同で世界一のスパコン開発を行う事を検討しては如何でしょうか。


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/29 at 22:16

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医療費削減と町の薬局の役割

今日のサンプロは、事業仕分けで話題にされた「勤務医と開業医の給与格差」について、長妻大臣に意見を聞くコーナーが面白かった。この話題は、医療崩壊阻止に関する課題の一つと認識しています。

長妻大臣の意見を要約しました。
 2002年から、診療報酬が下がり続けているのが医療崩壊の原因だ。
 現在の診療報酬(34兆円)は増加させる必要がある。
 診療報酬の配分の見直しと適正化も必要。

番組中で田原氏が示した数字を下記に列挙しました。

診療報酬:
 年間34兆円
 計画経済で配分している。

医師の給与:
 勤務医年収 1479万円
 開業医年収 2458万円
  但し:
   医師の給与はまず病院へ払われる。
   勤務医は給料だが開業医は病院の利益を含む。
   勤務医と開業医は平均年齢が違う。

診療科ごとの給料の比較:
 整形外科  4200万円
 眼科    3100万円
 皮膚科   2800万円
 産婦人科  2500万円
 内科    2300万円
 神経科   2000万円
 外科    1900万円
 耳鼻咽喉科 1800万円
 小児科   1700万円

医師の数:
 人口1000人あたりの医者の数が2.1人で先進国最低。
   ちょうとアゴラで、井上氏が医師増員のため、医学部を廃止せよを投稿し、コメント欄で医学部の是非で盛り上がっています。私は、医学部を廃止する必要はないが、医学部卒を国家試験受験の必須条件にする必要はなく、弁護士の試験のように、誰でも受験可能にするべきではないかと考えます。また井上氏は、薬剤師に薬学はいらないとの主張を展開されていますが、同意します。薬剤師の主な就職先である薬局では、病院近くの薬局を除き、医師の処方箋の不要な薬の販売がほぼ全てです。私の親類があるドラックストアチェーンで長年、店長をしていますが、彼は必要な業務知識として薬の勉強はたくさんしていますが、薬剤師ではありません。そして、薬剤師ではない事で、日常の薬局業務を行う上で特に問題はないようです。(もちろんお店には薬剤師もいるそうですが...)

このように形式だけを求める不必要な規制は、すぐに緩和するべきでしょう。近所の薬局で、薬剤師の指示も医師の処方箋も必要なく購入できる薬の種類がもっと広がれば、税金による医療サービスが減少する可能性はあります。

18 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 13:49

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ダビング10解除は違法なのか

今日の朝日新聞に、ダビング10解除ソフト販売容疑 東芝社員を逮捕という記事がありました。

「テレビのデジタル放送のコピーを10回までに制限する「ダビング10」などを解除できるソフトを販売したとして、愛媛県警は25日、大手電機メーカー東芝社員の増村哲哉容疑者(39)=長野県佐久市岩村田=を著作権法違反の疑いで逮捕した。県警によると、ダビング10を解除する違法ソフトの摘発は全国で初めて。ソフトがどのように開発されたか調べる。」

私的利用(家庭内で家族が録画を視聴)を目的として、テレビ放送を録画する事は法律で認められていると思っていました。wikiのダビング10を読むと、その目的は録画装置を作成しているメーカー側への「縛り」であり、それを使うユーザー側への「縛り」ではないようです。ならばユーザーが独自に入手した「解除ソフト」を私的利用の為に行使する事は違法ではないし、その為の「解除ソフト」の制作と配布も違法ではないように感じます。

この辺について、著作権に詳しい業界の方のご意見を聞きたいものです。

6 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/25 at 14:29

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スパコン予算が復活しても...

アゴラで西氏が投稿したスパコン予算復活の次に来るものは、気持ちは伝わってきますが、パソコン少年を対象としたアスキー記事のように、多分に夢想的であり、改革案としても現実的でないところが多分に含まれているように思われます。その例として、細かいところでいくつか指摘させて頂きます。

>その成果としてのCPU、SPARC64シリーズのCHIPや基板を外部に安く販売するということをするようにという指導を、国にお願いしたい。

こんな事まで行政指導に頼る日本のIT業界の体質は如何なものでしょうか。富士通のスパコンが高コストの理由の一つは、SPARC64を使ったWSの販売台数が少ないからではないでしょうか。富士通さんには、まずは世界でWSの販売台数を一桁か二桁増やすように努力して頂きたいものです。香港では、富士通がWSの営業をしているところを見た事がありません。

繰り返しになりますが、NECのSX-4は補助金一切無しで、日米貿易摩擦を起こすほど強い製品でした。このような自助努力あってこそ、世界一という名誉が販売の役に立つのではないでしょうか。

>SUN 余裕が段々なくなってきて・・・

富士通のSPARC64を搭載したWSはSUN互換ですから、NECのSXシリーズより、世界市場で製品としての売り易さでメリットがあると思います。しかしSUNがジリ貧の現在、戦略的にSUN互換を続ける事が正しいのかどうかを(富士通は)再考すべきではないでしょうか。

>日立に特融してAMDを買えばいい。
私が大学生の時に起きたIBM産業スパイ事件を思い出します。当時、米国内では米アムダールがIBM互換機を製造していました。もしAMDが日本企業になれば、米企業から訴訟の狙い撃ちに会う可能性は極めて高いでしょう。しかも日立のような、いかにも日本的で保守的な企業が、米国のハードな特許交渉で勝てるとは思えません。やるとすれば、日立がAMDとCPU製造技術などでクロスライセンスを結び、次世代CPUの共同開発などを通して技術を蓄積し、最終的にAMD互換CPUの製造をしながら、日立製のハイエンド・サーバーやスパコンの製造を行う事でしょうか。それにしても、いまの日立が、出来上がった最終製品を、世界のコンピュータ業界で販売台数を伸ばすというイメージが浮かんでこないところが、この会社が現在抱えている最大の問題点ではないかと思われます。AMDと技術提携しながらスパコン用CPUの開発を狙うとすれば、日立よりNECの方優れた選択ではないでしょうか。CPUの開発力も海外市場での競争力もNECの方が格段に高いと思われます。

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/24 at 11:30

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勤務医と医療についての問題

私の親族が入院するので、2週間ほど帰国しました。毎日、病院へ通い、患者の病状や手術・治療の方針などについて、何回か複数の医師(若い勤務医と、中年の勤務医の二人が担当)と話す機会がありました。

二人の勤務医は常に忙しくて、私の親族をじっくりと時間をかけて観察し、診断や治療について考える時間が絶対的に不足しています。ですから、限られた回数および時間の診察時間内で、患者が訴える症状を聞き、検査結果の資料(レントゲンやCTの写真、血液検査や心電図などの結果、ウイルス検査など)を見て、一人の患者の診断と治療について考えて、限られた時間の中で結論を下さなければいけません。患者はあとからあとから入院し、手術の予定は1ヶ月先までいっぱいになっており、そのうえ外来患者の診療にも時間を割かなければいけません。勤務医から見た入院患者への対応は、必然的にある程度ルーチン化せざるを得ません。

ところで多くの患者は、自分の症状を的確に医師へ伝える事ができません。患者と長い時間を過ごす親族は、患者から「あそこが痛い」とか「こんなところに水泡が出た」とか「こんな咳が出る」とか、おおくの生情報を見聞きします。そこで感じた事は、診察時間に患者の口から出てくる症状は、実際の症状の中の一部分しかありません。患者側は、言い漏らした情報がそれほど重要だとは思っていないし、検査の結果があるから、医師ならわかる筈だと考える傾向があるようです。

しかし、医師が一人の患者に割く時間は限られており、患者からの情報が足らないと、間違った結論を下したり、正しい結論にたどり着くまでに回り道をする事がしばしばあると実感しました。

ところで現代ではインターネット上にたくさんの医学や医療情報が溢れており、多少の医療リテラシーがあれば、医師でなくとも自分の親族の病気や診断や治療方法について、多くの情報を得る事ができます。診断された病名と治療薬が、自分がネットで取得した情報とくらべてどうなのか判断する事は難しくありません。

担当の医師が私の親族に割ける時間は限られていますが、私がネット使って、診断内容や治療内容について調べる事ができる時間は圧倒的に多いのです。そこでもし、現在の診断や治療について疑問が発生した場合、それを担当の医師と話し合う必要性が生じます。いまの診断と治療が最適で、何の問題もなく治癒する可能性はありますが、そうならない可能性もあります。そうならなかった時に後悔するよりは、自分の疑問が杞憂である事を確認できた方が、後々に後悔する事がありません。ですから、私も看護師の方に連絡して、「医師と話したい」という意思を示し、機会をアレンジして頂きました。

ところがここで、更に別の問題を感じました。前にも述べたように、勤務医は時間に追われる毎日で疲れており、更に、素人相手に「プロが一度下した」診断や治療について、患者の親族である私の質問に応答する事は、更にイライラさせられる事に違いありません。ゆえに私は、病室に呼び出された医師とのコミュニケーションの難しさを感じさせられました。以下は、細部をぼかしてありましが、私が医師と話した2回の経験についてです。

最初はまず若い医師の方へ、治療方法について私の疑問を向けました。彼は、素人がプロの診断に文句をつけていると感じて気を悪くしたのか、「患部Aは状態Bであるから(私が質問した)薬Cは不適であり、薬Dを投薬する事が正しい」と、不快そうな表情で、大きな声で言いました。私は、この医者と議論するつもりはありませんでしたから、患部の状態がBであるのなら、薬Dは合理的だとその場は納得しました。しかし後からもう一人の医師に聞くと、状態Bは状況からの推定であり、それを裏付ける検査はしていないといわれて驚きました。そこで私の疑問は、振り出しに戻りました。

次に、別に機会をとらえてもう一人の医師と話しました。前回のように、単純に治療方法について話すのではなく、患者がまだ医師に話していないと思われる情報があり、その内容は客観的にみて治療の方法に影響を及ぼす可能性があり、合理的に考えれば別の治療方法を選択する余地がある、という事について、対面している医師の自尊心をなるべく傷つけないように、やんわりと説明しました。

その医師の回答は、現在の投薬は5日間(その日の翌日まで)の指示であり、症状が改善しなければ、その後で状況を投薬を変える可能性もあると話しました。その場では、医師は何もコミットしませんでしたが、私はこの医師が、私が話した「患者の症状に関する追加情報」を受け取った事を感じたので、話はそれで終わりにしました。

上記の経験で感じたのは、患者自身と親族にとって、患者の病気は100%であるが、担当医にとっては、ひとりの患者の病気は、その医師が抱える患者全体の1/nにすぎないという事です。特に大病院の専門医は、いかに専門知識や経験があっても、患者に関する全ての情報を入手していない可能性が常にあります。その場合、診断と治療は必ずしも正しいとは限りません。その場合、患者あるいは親族は、正しい診断・治療に行き当たるまで待つか、あるいは自分で勉強して自己防衛するしか方法がありません。

専門的治療を行う勤務医が、患者ひとりひとりとより濃厚なコミュニケーションを持ち、ひとりの患者に割ける診断・治療方針の決定にゆっくり時間をかけられるようにする事ではないかと考えました。ひとりの医師の作業時間数を増大させる方法はいくつかあると思われます。アゴラで井上氏が医師増員のため、医学部を廃止せよで述べているような方法で、医師の絶対数を増員する事は一つの方法です。私は別の方法を考えました。開業医の対応で十分な病気や怪我は、基本的にすべて開業医が看るようにします。開業が看て、専門的治療が必要だと判断された患者だけが、紹介状を持って大病院で専門的な診療や治療を行うようにすれば、勤務医の時間は増えて、もっとゆったりと仕事や勉強をする事ができるようになると思われます。

このように少ない患者数で十分な病院経営ができるようにする為には、勤務医(特に専門医)の診療報酬を大きく上げ、その代わりに開業医の診療報酬を下げる事が必要です。先週のテレビで、事業仕分け担当の政治家が、勤務医の給料を上げて、開業医の給料を下げる事について話したところ、開業医の側から「設備投資の金額が大きい」という話がありました。いまの開業医は、だれもかれもがレントゲン装置をもっていたり、沢山の設備を当然のようにもっています。少なくとも開業医の多い都市部では、診療する開業医と、検査専門のラボを分ければ、すべての開業医がたくさんの高額設備を自前で揃える必要がなくなります。私の住んでいる香港では、そのようなしくみなっていて問題はありません。開業医の少ない田舎は、診療制度がそれに対応すれば良いと思います。

また開業医が押し寄せる患者でパンクしないように、政府は国民に対して、風邪で病院へ行く事を思いとどまらせるように啓蒙すべきです。ちょっとした熱や咳や鼻水だけで医者にかかるのは税金の大いなる無駄です。現在の医学では、ウイルスによる風邪に有効な治療は「安静にして寝る事」です。これは自宅でできます。

また、中学や高校は生徒に対して「医療リテラシー」を高める教育を行い、ある程度の病気は自分で簡易的な診断を行い、薬局で薬を自分で購入して、治療を行えるようにするべきです。その為に薬局があり、多くの薬を自己の判断で買う事が法律で認められています。ここで更に提案ですが、薬局にはプロの薬剤師がいるのですから、医者の処方がなくても、薬剤師の判断だけで販売できる薬の幅(抗生剤やステロイド軟膏など)を増やしたら良いと考えます。患者が自己責任で薬局へ行き、薬剤師の意見だけで治療できる治療の種類が増えれば、(既得権を奪われる医者は猛反対するでしょうが)税金で行う医療費は更に縮小させる事ができます。

自己判断・自己責任で行う治療は、症状が改善しない時に、どの時点で病院へ行くかの「切り替え時」さえ間違わなければ、統計的に重大な問題を生じさせる事はないと考えます。日本のすばらしい医療制度を存続させ、専門的な治療を改善する為には、これらの案は合理的に考えて効果的であると思います。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/22 at 18:51

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事業仕分けの目的

今朝のサンプロを(寝坊したので途中からで恐縮ですが)みました。枝野氏と辻氏が事業仕分けの目的について、語っていましたが、なるほど、と感じるところがありました。

事業仕分けは、「予算編成の中で、各省庁が計上してくる予算の合理性について判断しているので、その予算が国の将来に必要かどうかは判断しない。それは戦略室の菅さんの仕事です」というような内容を、枝野氏が述べていました。

なるほど、と思いました。事業仕分けで落とされた予算も、国の将来の為に「今必要」だと戦略室が判断すれば、国民に対してきちんと説明して復活させれば良いという事です。

新政府になって、枝野氏と岡田氏は仕事をしているようです。菅氏がこれからどう仕事をしてゆくのか、見守りたいと思います。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 09:47

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Roadrunnerにも入っているソニーPS3のCPU

国産CPUのスパコンにこだわる西氏に対して、税金を使った国産世界一スパコンの開発に否定的な池田氏は経済合理性を主張しています。

日本はもはや「官僚たちの夏」の時代ではないし、かつてNECは自力でスパコンの時代を切り開いた事もあったわけで、やはり企業の自律的な努力なしには世界一になったとしても、それを継続的な企業利益につなげてゆく事はできません。

ところでスパコンランキング1位のRoadrunnerに使われているCPUのひとつであるCellは、wikiによれば、「ソニー、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)、IBM、東芝によって開発されたマイクロプロセッサである」という事です。

SPARC64を国産と言うのであれば、PS3の為に開発したと言えない事はないCellも、国産CPUと言えるのかもしれません。IBMが使えば米国産でしょうが、日本メーカーが使ってスパコンを作れば、国産スパコンと言えなくもない気がします。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/20 at 23:35

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SPARCを国産というのは無理がある

池田信夫 対 西和彦で、西氏は「とくに富士通はCPUを自分で作っている。これが大きい。買うだけだったら、誰でもどうぞ、誰でも出来る。」と言っています。ここで言うCPUとは、恐らくSPARC64 VIIIfxの事だと思います。

SPARCはwikiによれば、「サン・マイクロシステムズにより、1985年に最初に開発された」、「カリフォルニア大学バークレー校の RISC I & II の設計に大きな影響を受けている」CPUであり、「SPARC64™ はHAL Computer Systemsならびに富士通が開発したプロセッサファミリであり、SPARCシリーズのハイエンドのプロセッサ」です。

さらにwikiによれば、SPARC64の基本的なデザインやRISC architectureのノウハウのほとんどは、富士通ではなくてHAL Computer Systemsによるものであるようです。もちろん、開発費を出したのも、製造したのも富士通ですから、富士通が果たした役割は小さくないといえますが...これを国産CPUと言うには、すこし引っかかるところがあるような気がします。もちろん、富士通が製造している事を否定している訳ではありません。

池田氏がスパコン保護政策がIT業界をだめにするで、「富士通に国際競争力があれば、300億円以下で落札できるでしょう。そうして世界に通用するコストで製品開発できない限り、日本のIT産業に未来はない」と述べています。

実は、富士通ブランドのSPARCワークステーションは、私も以前に見積もった事がありますが、お客の反応はイマイチでした。残念ながら市場ではあまり有名ではないようです。せっかく高性能CPUを持っているのに、マーケティングで損をしているのでは、宝の持ち腐れです。こういうところにも、作るのは上手だが売り方で損をしている日本メーカーの特徴が現れているのでしょうか

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 22:13

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地球シミュレータが122.4TFLOPSにアップグレード

池田氏西氏のスパコン記事をきっかけとして、理研にある世界一のスパコンスパコン予算を復活させる条件という記事を書きました。記事を書くためにいろいろ調べていて発見したのですが、wikiによれば、NECが製造したSX-5ベースの地球シミュレータが、いつのまにかSX-9ベースにアップグレードされているようです。

wikiによれば、2002年版地球シミュレータは:
SX-5をベースとした旧システムでは、1ノードは8GFLOPSのCPU8個、16GBのメモリからなり、640ノード(5120CPU)を単段クロスバースイッチで接続、最大理論性能は40.96TFLOPSであった。旧システムのCPUチップはスカラープロセッサ、ベクトルプロセッサ数十チップからなるSX-5を1チップLSI化したもので、SX-6は地球シミュレータをベースに開発された。

そして2009年版地球シミュレータは:
102.4GFLOPSの性能を持つCPU8個と128GBのメモリを持つベクトル計算機ノード(地球シミュレータではPNと呼ばれる)160台を2段のクロスバースイッチでファットツリー状に接続し、最大理論性能131TFLOPSを実現している。

コストを抑え、さらに性能向上を図るため、2008年度に維持費とは別に5億円を計上し、6年間185億7600万円のレンタルにより新機種のSX-9/Eに更新し、ピーク計算能力を旧システムの3.2倍となる131TFLOPSに引き上げた。これにより、設置面積は半分の650平方メートル、電気代は従来の7-8割程度となる[5][6] 。さらに、2009年6月にはLINPACKベンチマークで122.4TFLOPS(実行効率93.38%)を達成した。これは2008年11月発表のTOP500リストで実行効率世界1位、実行性能日本1位、世界ランキング16位に相当する[7]。また、性能世界一の奪還を目指して、新たな国産スーパーコンピュータ(汎用京速計算機)の開発も進められている。
2009年版地球シミュレータの計算ノードとは、SX-9/E1台分の事だと思われます。速度差は旧型で40.96TFLOPS、新型で131TFLOPSとの事です。

NECが今回の世界一スパコンプロジェクトからおりたのは、海洋研究開発機構 (JAMSTEC)の地球シミュレータのアップグレードを受注・納品していたので、わざわざ新たにプロジェクトに参加する必要がなかったから、と邪推できるかもしれません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/18 at 12:54

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スパコン予算を復活させる条件

池田氏は沈没した「スパコンの戦艦大和」で、経済学的観点から世界一のスパコン開発を否定しました。一方で西氏はスーパーコンピューターを復活してほしいで、IT業界的観点から世界一のスパコン予算復活を願っています。

私もIT業界に属する者として、日本のスパコン世界一の復活を願っているのですが、政府予算での開発については条件があります。IBMやクレイのように、最高性能のプロトタイプマシンの技術を用いて、世界中に売れる量産モデルを生み出して欲しいという事です。もしも富士通が、今回の予算を使って世界一のスパコンを生み出し、その技術やノウハウを用いた量産モデルを、日本メーカーが世界中にたくさん販売できるようにるのであれば、政府によるターゲティング政策には、それなりの意味が生まれると考えます。

かつてNECが自前で開発したSX-4(地球シミュレータに使用されたSX-5の前のモデル)は、米市場でクレイのスパコンと立派に戦って通商摩擦を引き起こし、1996年に米政府によりSuper301条を発動させるほどの商品力がありました。

初期型の地球シミュレータに使用されたSX-5は、クレイ社にベクトル型スパコンの開発をギブアップさせて、NEC製品をOEMで米市場で販売するほどの勢いがありました。

これらのスパコンは、政府の援助無しで、製造メーカー独自の技術開発と苦労によって生み出されました。

それから10年近い歳月が流れ、スパコン業界はクレイもIBMも、世界中がスカラ型に軸足を移してしまいましたが、いまだにNECはベクトル型CPUという要素技術にこだわり続けて、世界の潮流から取り残されてガラパゴス化しているように見えます。

現在のスパコンの潮流はCPU単体の速度(半導体要素技術)アップではなく、OpteronのようなCPUをどれだけ沢山、効率よく並列接続させるか、というシステム化技術がキーになっているようです。

スパコンというのは、いってみればコンピュータの中のスーパーカーです。フェラーリやマクラーレンは、F1で優勝する事で、世界中でスーパーカーを売っています。IBMが自動車業界のトヨタである事は間違いないですが、NECや富士通が業務用ハイエンド・コンピュータを製造・販売している事は、残念ながら世界のコンピュータ市場では忘れられています。(トヨタのF1撤退とF1文化に関するこちらの記事は、参考としては面白い)

私企業である富士通やNECが、税金を使って技術開発を援助してもらうのは褒められた話ではありませんが、それで日本に一流のスカラ型スパコン技術が根付き、スパコンランキングの上位に名を連ねるようになり、量産モデルが世界中でたくさん売れて、コンピュータ業界が再び活性化する事を「目的」とするのであれば、「やってみたい」と考えています。

追伸:ターゲティング政策というものは、企業側に「積極的なやる気」がある場合にのみ成功する可能性があり、政府の提案に企業が乗る場合には「予算消化」が目的になるので成功しない可能性が極めて高い。ゆえに今回も、企業側にどれだけ「自主的なやる気」があるのか、キーになると思われます。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - at 08:19

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理研にある世界一のスパコン

理研がインテル、日本SGIと共同開発したMDGRAPE-3は、wikiによれば、「スーパーコンピューターの演算性能をはかる標準ベンチマークソフトであるLINPACKを動作させられないため、スーパーコンピューターの世界ランキングTOP500には名を連ねていないものの、理論性能では、IBMのBlue Gene/Lの3倍の演算性能を保有している」そうです。

池田氏の沈没した「スパコンの戦艦大和」で紹介されているスパコンTop500によれば、IBMのBlue Gene/Lの3倍の速度は、現在1位のRoadrunnerを若干凌ぎますので、理論性能は世界一という事になります。

世界一のスパコンが既に理研にあるですから、そんなに気負い込む必要があるのか、と疑問に感じました。

6 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/16 at 22:43

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帰省緩和で経済振興 幼稚園と保育園と習い事教室の区別撤廃

私の家族が神奈川へ出てきて間もなく、父は物流関係の会社で正社員として、母は工場の非正規労働者として働きはじめました。そこで私と弟は、母の工場の近くにある保育園に預けられました。保育所では、文字の書き方や線の引き方など、いわゆる勉強も習いました。

それから数十年後、私の妻(もと幼稚園の先生)にその頃の話をすると、幼稚園では文部科学省でカリキュラムが決められていて、先生が幼稚園児に、勝手に算数や国語や英語を教えてはいけないと言われました。

しかし考えてみると、小学校入学前の幼児に対して、教える内容を国が決める必要があるのが疑問です。また、おなじ年齢の幼児が通う幼稚園と保育園のカリキュラムを区別する事に合理性があるのかも疑問に感じます。

そこで下記のような区別に改めてはどうでしょうか。

1)託児所は、ゼロ歳以上の幼児と児童を預かる業務とする。託児所の責任者(営業中はかならず1名が常駐する)は大学の専門課程を卒業して、一定年限の経験を積み、管理知識と能力を有する者を必要とする。責任者以外の、子供の面倒を見るスタッフは試験不要の簡単な講習等で必要最低限の知識を習得し、あとは現場で知識を習得する事で就労する事を認める。幼稚園内への容易な併設を認める。

2)幼稚園は、カリキュラム内容や運営時間などは基本的に自由とし、英会話教室やピアノ教室などの広範囲な付加的サービスも認め、24時間の運営も可能にする事で、事業の幅を広げて利益確保を容易にする。幼稚園教師保育士の区別を無くし、同じ業務を行えるようにする。

3)幼稚園、保育園に課されている建築規制(床から天井までの高さ等の規則)を緩和して、既成のビル内を改造無しで利用できるようにする。

乳児のオムツを替えたり哺乳瓶でミルクをあげる事は、子供のいる家庭ではだれでも普通に行います。ハイハイする乳児が怪我をしないように面倒を見る事に、資格が必要とは思えません。園内の衛生や危険防止の知識は、保健所が講習を行うなどで知識を習得するか、有資格責任者が新人教育すれば十分と考えます。

幼稚園でいろいろな習い事教の課外教室を行う事については、海外の日系幼稚園の一部で既に行われ、園児が減少する中で利益改善の効果を上げているようです。こちらの例をご参照ください。

都市部では託児所のニーズが高いので、既存の幼稚園の施設内で(施設の大きな改造無しに)託児所の営業ができるようになれば収益が高まる事が期待できます。

また幼稚園の施設内で教師がクラスの時間外にピアノ教室やバレエ教室や英会話教室など課外教室が自由にできるようになれば、これも幼稚園の収益向上が期待できます。

幼稚園・託児所・習い事教室が一つの施設を利用した事業として開業でき、高い収益が期待できるようになれば、既存の幼稚園の収益改善の他に、積極的な新規参入が期待でき、養育事業が振興される事が期待できます。また都市部の託児所が増える事により、幼児を抱える母親の就労が容易になり、世帯所得が増す事で、経済が振興される効果も期待できます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 09:55

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規制緩和で経済振興 理美容師の区別撤廃

理容師になるには、wikiによれば下記のような国家試験に合格する必要があるようですが、私が過去に居住した香港、上海、フィリピンでは、だれでも国家試験無しで理容師になる事ができます。新人君がお店に入ると、最初は洗髪要員として修行開始し、アシスタントになって先輩がカットする後ろで勉強し、しばらくするとお店が暇な時間にカットの練習を始めます。

美容師又は理容師になるには、それぞれの免許の取得が必要であり、そのためには、大学に入学できる者(高卒者)が厚生労働大臣が指定するそれぞれの養成施設に2年以上通い、それぞれの国家試験に合格する必要がある。試験は財団法人理容師美容師試験研修センターが行い、各都道府県の受験会場や指定の学校で年2回実施されている。

ところでwikiによれば、規制によって理容室と美容室を一つのお店で同時に開業できないようです。これも合理的な根拠が不明な規制であり、この区別を撤廃する事で、ひとつのお店で男性客と女性客にサービスできるようになり、市場への参入を容易にするのでないかと考えます。

ちなみに私がいつも散髪に利用するお店(香港、東莞)は、男女どちらのお客へのカットやパーマなどのサービスを行っています。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/13 at 12:54

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規制緩和案 理容師の免許制撤廃

病室で老人ふたりと世間話をしていて、ふと思いつきましたが、日本の理容師は専門学校へ行ったり通信教育などで資格をとらないといけません。しかし考えてみると、散髪という仕事で資格が必要かというと大いに疑問を感じます。実際、私の住む香港では資格は無くて、だれでも就職できます。(散髪のスキルはお店で先輩から教わるようです)

衛生面の問題を指摘する人がいるかもしれませんが、資格ではなく短期の講習で済むと考えます。

理容師の免許を撤廃する事で、リソース(従業員)の調達がいまより容易になり、開業する人も増える可能性があるのではと考えます。また、理容師を規制している行政機関も不要になって、行政コストも低減させられると思います。

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/12 at 13:02

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病院の事務効率

近親者が日赤病院へ入院して手術する事になりました。そこで入院と手術に必要な書類を書く機会を持ったのですが、書類の枚数の多さに驚きました。入院の書類、入院に関連する書類、手術の書類など、その多くに重複する内容(氏名、住所、保証人や連絡先など)がありました。

1枚の書類にかならず事務処理が発生し、書類の枚数だけの事務処理が発生しています。記入する書類の枚数が多いという事は、1回の入院と手術に際して、非常に多くの事務処理が発生している事を示してます。

病院の事務に関する知識はありませんが、日頃から業務の効率化について考えている立場として、これらの書類を少なくする(ように組織や責任を整理する)事により、病院内の業務効率を高める事ができるのではないかと考えています。

医療関係の方がこのような門外漢の意見を見ると、きっと「すべてに意味があるのだ」という事を言われる方もいると思います。しかし、組織は責任を整理する事で、現在必要となっている前提条件が変わり、業務や責任の統合と簡単化ができると考えています。

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 12:36

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Googleが国内の中小企業振興支援

内需拡大と中小企業の振興は、行政に課せられた緊急課題のひとつですが、民主党政権はいまのところ、経済を上向かせる政策があるように見えません。

ところが今日、日経新聞のこちらの記事で、Googleがやってくれました。下記に引用した記事内容をご覧下さい。

グーグル、中小にネット広告指南 東商の会員企業向け

 検索サービス大手の米グーグルは11月2日、東京商工会議所の会員企業にインターネット広告の利用を促す取り組みを始める。「アドワーズ」と呼ぶキーワード連動型広告配信サービスを、無料で使える1万円分のクーポン券を配布。効果を高める手法も指南する。ネット広告のすそ野を中堅中小企業に広げたいグーグルと、会員の売上高を押し上げたい東商の思惑が一致した。

 東商は約8万社の会員のうち、アドワーズを利用したことがない企業にグーグルのクーポン券を配布する。期間は2010年3月末まで。 (08:30)

中小企業の経済振興も、「官から民へ」の時代なのかもしれません。

ウェブ広告といえば、うちの会社ではいま、日本でいくつかの会社が成功しているネットちらし広告を掲載する広告サイト(実物はこちら)の企画を立ち上げました。既存メディア(新聞、雑誌やフリーペーパーの広告やチラシの折込)の費用はいまもかなり高いので、低価格で効果の高いウェブ広告サービス提供できれば、成功する可能性があると考えました。

そのウェブちらし広告の一部について、Googleのネット広告を利用して、香港在住の日本人へ効果的な広告宣伝を行っていますが、その効果たるや恐るべきものがあります。

1日にたった千数百円程度の費用で、香港にある日本語パソコンへ、ものすごく高い確率でGoogleの広告を表示させます。GoogleのAdSense広告を表示しているウェブサイトは、それこそ数多くありますので、ウェブを見ている香港在住日本人のほとんどすべての人が、1日に何回も弊社で出したGoogle広告を見ているのです。しかも、ほとんどのGoogle広告はオンライン自動承認されるので、広告掲載指示を行って30分以内にウェブサイトへの表示が始まりますので、即時性もかなり高いようです。何回表示されて何回クリックされたかも、いつでも見る事ができます。

このようなノウハウを日本の中小企業が積極的に学び、低価格で効率の良いウェブ広告を積極的に利用できるようになれば、消費者向けの製品販売やサービス提供を行っている会社の強力な販促ツールになってくれると思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/02 at 09:09

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags:

「見識が狭く」と書いた理由

私が不遜にも、「知識や経験が(国内のものに)限られていて見識が狭く」と書いた理由は、これまでのいくつかのブログの本文およびコメント欄での下記内容を読んでの推測です。但し、風竜胆さんの労働問題に関する記事やコメント内容に接したのはごく最近であり、お互いに相手について知らない事が多いと思われますので、誤解に基づく記事や表現は、それがわかり次第、訂正あるいはお詫びさせて頂こうと考えていますのでご指摘下さい。

経済学の考え方について】

>人出が余っている業種と人出が足らない業種というのは、違うと考えるのが合理的だと思いますが。

違うと考える根拠は何ですか?

>人間は、それぞれキャリアもスキルも違います。それを無視して、雇用の流動化ということを主張しても、それは現実的な事とは思えません。

欧米でも香港でも中国でも、キャリアやスキルは金を稼ぐルールであって、それ自体が目的ではありません。業界を超えての転職は当たり前にあります。超え難いのは医者・弁護士・パイロットなど資格と規制で保護されている職業だけです。私の事業部(システム開発)には、会計、貿易会社の営業、企業内IT担当者、工場の現場の通訳など、業界や職種を超えて転職してくる人が集まっています。

>個人のキャリアやスキルというのものは、その企業もしくはその業界に特有のものが多いことが一般的です。

「日本では業界だけでなく企業ひとつひとつが」という前提条件が付きます。欧米や香港は3-5年で転職する人が多いので、業界特有の知識がまったく存在しない訳ではないが、夜学に通うとか、入社後の現況でフォローできないものはほとんど無いと言えます。

>今までのキャリアやスキルはリセットせざるを得ないことになります。

ある会社で課長をしていた人は、課長という管理職務のキャリアとノウハウは生かせます。食品の営業をしていた人が、玩具貿易の会社に入れば、使えない知識というのは出てきますが、それは日本の大企業における「社内配置転換」でも起こる事なので、転職についての反論としては妥当ではありません。

>安易な雇用の流動化は、単に社会不安を増すだけだと考えます。逆に、雇用の流動性について、どうして、そんなに楽観的に考えられるのかその根拠をお教え願いたいものです。

どのような「安易な雇用」を心配されているのかはわかりませんが、楽観的でいられるのは、私が、雇用の流動性が極めて高い香港に長年住んでいて、自分でも転職を何回も繰り返した経験者だからです。

解雇自由で労働生産性はあがるのかについて】

>解雇自由となれば、不況期には巷は失業者であふれるのではないか。それがまた不況を加速するといった負のスパイラルに陥りはしないか。

欧米より不況の底が深く、未だに二番底の危機の話をしている日本と、大規模な整理解雇が行われ、日本より失業率の高い欧米が、早くも景気が立ち上がりつつある状況を見れば、むしろ雇用維持をしている日本が負のスパイラルに陥っているようにみえます。

>仮に次の職が見つかったとしても、労働者の処遇は一層悪くなり、それが新しい職に就くたびに加速するようなことはないのか。

適正な労働市場が生み出された場合、不景気での転職は待遇が悪くなり、好景気の転職は待遇がよくなるのは自明です。

>安易な解雇によって、必要以上の失業者が出る

安易という意味が、四半期決算における企業全体または特定部門の不採算を理由とする整理解雇であれば、これを安易というのは資本主義社会での合理的な経営者の行動というものを理解できていないのではないかと思われます。また、企業にとって現在不要な労働者を整理解雇し、不要な事業部を清算する事は、「必要な範囲」の失業者を生み出す事になります。

>労働者保護と景気の関係について、仮に相関関係があったとしても、因果関係があるかどうかは証明できません。

不況時に赤字企業が(不採算部門における)雇用維持する事は、残業無し、一律給与カット、ワークシェアなどで企業全体の賃金が下がる労働者が疲弊するだけでなく、赤字を垂れ流し、必要以上に株価が下がる企業も疲弊します。

逆に、企業が不採算部門の整理解雇を行った場合、失業者の生活は最低限度に落ち込むかもしれませんが、企業内に残った労働者はワークシェアも残業カットも給与一律カットも無く、正常な賃金が支給されますから、雇用維持と景気との関係についても、因果関係があるかどうかを証明できない事は同じではないでしょうか。

書評記事「経済学の考え方」に対するコメントへの回答

>日本の製造業では、現場レベルまで巻き込んでTQCやTPM活動の行えることが強みの一つだろうと考えます。

TQCやTPM活動は、欧米企業も、中国の日系企業でも導入されているところはあります。大事なのは活動に参加する労働者が転職しない事ではなく、労働者は転職しても、これら活動母体は組織として維持されてゆく事です。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 03:11

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