Archive for November, 2008

自分の面倒を見る権利

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大麻の問題が騒がれている。それに対して、池田信夫blogは大麻で逮捕するのならタバコを禁止せよという意見を表明した。J-CASTでは更に、大麻は本当によくないのか内外からの異論で話題沸騰というフォローアップ記事を書いている。

大麻はアルコールやタバコに比べて害が少ないという説があり、欧米では個人で大麻を吸引する事に比較的寛容であるが、慢性吸引すれば大麻精神病やがんの原因になるという説を紹介し、最後に編集者が森本教授の口を借りて、下記の意見で締めくくっている。

「確かに、タバコやアルコールが危ないというのには賛成します。しかし、大麻は海外で規制が緩いからと言って、日本でもそうすべきということにはなりませ ん。無害ということはないからです。私個人は、歯止めがきかなくなるので、規制すべきだと思います。自己責任を重んじる欧米との文化の違いもあるでしょ う。日本では、大学の責任まで問われるのですから」

ここでまず、大麻・麻薬・覚せい剤が政府から嫌われる理由を考えてみよう。大麻にしろコカインにしろ、リスクを承知で個人が吸引するだけで、どうして重い罪に問われるのか?それは政府が社会を管理(統治)するために、おおいに邪魔な存在だからであろう。大麻・麻薬・覚せい剤は人々の生産性を下げ、治安を悪化させて、管理コストを増大させてしまうと考えられているからだと考える。

欧米ではなぜ大麻の規制が緩いのか。麻薬や覚せい剤は、身体と精神に非常に悪いという大義名分で政府の規制が容易であるが、大麻はアルコールやタバコより体や精神に対して悪いという科学的根拠が無い。規制する根拠が薄弱なものを、「貴方たちに良くないから」という理由だけで無理やり規制しようというのは、民主主義社会の考え方に反する。ゆえに欧米では、大麻の規制が緩やかなのであろうと思われる。

一方で日本の政府が、「歯止めがきかなくなるので、規制すべき」だという考え方が強いのは、日本(政府も国民も)は基本的に民主主義の文化が十分に根付いていないからではないか。だれか偉い人がルールを決め、人々はそれを無批判に受け入れるべきだという江戸時代的な考え方が未だに心の底に染み付いているようである。

もしこの考えに異論があるのなら、以下の問いに答えてほしい。

【問い】 あなたはなぜ、大麻は規制すべきだと思うか?

体に悪いと答えた人、大麻の何が体に悪いか説明してほしい。大麻は酒やタバコより悪くないといわれている。そのほかにも、スポーツカー、バイク、登山、ダイビングなど死ぬリスクを高める要素はこの世界にたくさんあるのだが、それをどう思うか聞かせてほしい。

より強いドラッグへの入り口だ答えた人、既にアルコールという入り口がある事を思い出してほしい。そして、大麻がハードドラッグへの入り口であるという根拠も示してほしい。信用できる統計がどこにあるのか示してほしい。

法律に違反しているからと答えた人、あなたはその法律の必然性をまず考えるべきだ。冷静に考えて十分に合理的な根拠がみつからないのなら、その法律は単に政府があなたを管理する為のものでしかないという事を知るべきだ。それが分からないあなたは、北朝鮮に生まれた方が幸せだったかもしれませんね。


2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2008/11/18 at 23:25

Categories: 1.政治・経済   Tags:

手段が目的に置き換わる時

昨晩、監査法人というNHKドラマを(ネットで)見ました。監査人の仕事ぶりは、システム屋という仕事柄、しばしば立ち会う機会があります。ドラマのように「命を削る」ような状況には立ち会った事がありませんが、私が華南のメーカーさんへ行っているシステム・コンサルの仕事と、監査人の仕事には類似性があると、常々思っていました。

塚本高史演じる主人公(若松)は、会社存続の為に、粉飾決算で銀行から借り入れしているクライアントの、不正な帳簿のからくりを見抜き、経営者へ改善の是非を問います。そこから更に発展して、どうしたら会社を再生できるのか、クライアントと再建案を模索する努力を始めます。

私が華南で行っている業務コンサルも、有る意味、ドラマの中の彼らの仕事に似ています。政府が定めた理不尽な通関ルールを、 ある経営者は知りながら無視し、ある経営者はまったくの無知から違反を繰り返しながら、いつかは莫大な罰金を科せられるのではないかという不安を抱えて、工場経営しています。

そのような工場に対して、通関と税務署の問題で、どこにどのような問題があるかを明らかにして、どのように改善してゆけば罰金の罠から遠ざかる事ができるのかを、経営者と一緒に問題を探して改善してゆきます。それだけでなく、経営の判断材料に足る製造原価になるような改善アドバイスなども行っています。

ドラマでは、帳簿を操作して不正を行うのは経営者が加担している事が多いのですが、中国での不正は末端で行われている事が多いのです。帳簿や工場伝票の分析の過程では、監査人が調べるような在庫や原価計算の根拠となる伝票の有無、運用の手順、帳簿の科目分類の方法などを調べて、適正に行われているかを確認します。中間管理者や現場責任者による不正が行われやすい環境にあるかどうかを調べて、できるだけ不正を起こしにくい記帳方式や運用方法へ改善してゆかなければならないからです。

我々システム屋の仕事は、販売したソフトの導入を成功させるのが目的だと思われています。そのように考えている人も多いのかもしれません。しかし、ソフトの導入は手段であって目的ではありません。その目的は、業務の改善や効率化、経営資料の迅速な作成です。

手段が目的に置き換わる時、ユーザーの不幸が始まります。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/11/14 at 14:34

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ   Tags:

悲観的な日本人、楽観的な米国人

今朝のサンデープロジェクトで、「緊急追跡“帝国崩壊”」という特集番組をやっていた。サブプライムローンの破綻に端を発した不況の受け止め方について、日本人と米国人の国民性の違いがよく現れていて面白かった。

テレビで連日のように放映されるネガティブなニュースを前にして、日本人は「ああ、もうだめだ」と諦め、米国人は「すぐに回復するさ」と楽観的だ。爆心地にいる米国人が楽観的な様子を見ると、この不況もそう長くは続かないのではないかと思えてくる。

日本人の悲観論も、米国人の楽観論も、どちらも理論的な根拠はないだろう。サブプライムローンが破綻した原因が、無秩序ともいえる米国の住宅販売にあった事は、もうじき80歳になる私の母親でもニュースで見て知っている。しかし、それがなぜ、世界恐慌を巻き起こしたかという理由は、難しすぎて、お茶の間のとうちゃんかあちゃんでは理解不能だ。このように多くの「一般参加者」は、十分な情報に基づいた合理的な判断ではなく、メディアの表面的な報道に煽られたエモーションを根拠にして「市場経済」というゲームを動かしているのだ。

サンプロの特集番組の最後に、いま米国ではお金を借りる事ができないという指摘があった。家を買いたくても銀行ローンが借りられず、車を買いたくても自動車ローンを借りられず、クレジットカードローンも厳しくなりつつあるそうだ。米国民は楽観的だが、銀行が悲観的なので、いまはまだ米国の消費が冷え込んでいる。

米国の消費が冷え込んでいるので、中国やアジアの日系メーカーを含む輸出型企業では、大規模な生産調整が行われている。私が毎週通っている中国の東莞市では、 これから数千社の工場が倒産するだろうと言われている。広州のトヨタでは大量に在庫が発生し、総経理を含む駐在員全員が一人1台、ヤリス(ヴイッツ)で通勤しているという噂も耳にする。

米国の一般消費が上向けば、米国の景気が回復し、米国市場に依存する世界の輸出企業の景気も上向くだろう。その為には、米国内のクレジット・クランチを早急に修復するしかない。これはオバマ政権に期待するしかない。米国内のクレジット・クランチ問題が解決すれば、来年か再来年には、米国の消費が力を回復するかもしれない。すると日本の輸出メーカー(と海外の日系工場)は景気を回復するだろう。しかし日本国内が悲観的なままだと、国内の景気回復は、結局は一部分だけで終わる可能性も高い。

麻生政権は、国内に新しい需要を生み出す努力をしなければならない。池田信夫blogで池田氏が提唱するように、ホワイトスペースの一部を免許不要で開放するアイデアは、単に新しい機器の市場が生まれるだけでなく、インターネットなど通信のインフラがいまより一段階進化して、それをベースにした新しいサービス市場が生まれる可能性がある。更に、いったん生まれた市場は、長期的に成長し続けて、国内経済をドライブする効果も期待できる。まさに最強の経済対策といえる。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/11/09 at 14:24

Categories: 1.政治・経済   Tags:

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