Archive for October, 2008

素人でも解る「ゼロ金利政策の罪」解説

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麻生首相のメールマガジンによれば、「今、世界は、「百年に一度」とも呼ばれる金融危機の中にあります」という事になっている。先進国による利下げの後、90円台の超円高が始まった。その理由を、池田信夫blogのゼロ金利政策の罪は、ファイナンシャルタイムスの記事をもとに、主要な原因は円キャリー取引の巻き戻しだと述べている。大事な内容だというのは直感的に解るのだが、金融用語が多すぎてよく理解できません。そこで、用語を調べながら記事の内容を自分なりに解説してみる事にしました。

●まず、「円キャリー」って何でしょうか?wikiによれば、

円キャリートレード(円キャリー取引)は、円資金を借入れて様々な取引を行うことを指す。国際的にみて低金利である円を借入れて、円を売ってより高い利回りとなる外国の通貨、あるいは外国の通貨建ての株式、債券などで運用して「利ざや」を稼ぐ行為は、円キャリー取引と呼ばれている。内外の機関投資家 のほか、個人投資家もこの取引に参加している。個人がこの取引に入る形として注目されているものに外国為替証拠金取引(FX)がある。証拠金取引では、証拠金に比べて大きな取引をすることが可能だが、それは資金を借入れているのと同じ状態である。このような円借り取引の拡大もあって、本来は経常収支の黒字によって円高が進行するはずの日本で、円売りが多いために逆に円安が進行して注目されている。背景には日本の金利が2006年7月日本銀行によるゼロ金利政策の 解除以降も、なお絶対的にも国際的にも相当に低い水準にあることがある。

つまり、欧米の大規模な投資家が、欧米よりより遥かに金利が低かった日本で円を(銀行など)から大量に調達し、それをもとに欧米通貨を買い、そのお金で欧米の株や通貨などを購入して投資する事を「円キャリー」というようです。日本は、(実感は無いものの)いざなぎ景気を超えるといわれる好景気が続いていたにもかかわらず、池田氏blogで言及しているように、この5年ほど円安をキープしていました。(下図をご覧下さい)

5yr-usd-yen-exg-rate-table-2008-10-30.JPG
●次に「円キャリーの巻き戻し」ってどういう意味でしょうか?同じくwikiによれば、

しかし今後、日本の金利が上昇したり円高が進行したりすると、円借り取引を継続し ていると為替差損が拡大するリスクが高まるので取引を解消(手仕舞い)しようと、早めに円を買い戻す動き(巻き戻し)が出て円高が加速され急激な円高とな ることが懸念されており、円借り取引の問題は日本銀行の金融政策の新たな制約要因となっている。

円キャリー取引の資金の多くは日本の金融機関が用立てしている。そのためアメリカの株価が急落すれば、日本の金融機関は円キャリー取引の清算に失敗 した海外の投資家達の不良債権を一気に抱えることになり、最終的なババを引かされる可能性があるため、円キャリー取引の行方は日本経済にとっても重要な問 題である。

リーマン倒産などの金融不安により米国の株価が暴落を始めました。更に、金融不安を落ち着かせようと欧米の中央銀行が強調して大幅な利下げを行ったので、「円キャリー」の前提条件になっていた金利差が一機に縮小してしまいました。これは「円キャリー」で投資していた投資家にとって悪夢のような状況です。そこで投資家は、悪夢に対処する為に、いそいで投資を清算しようとします。その為に投資国の通貨(ドルやユーロ)を売って円を買い戻し、円キャリーを清算しようとします。このような動きを、「円キャリーの巻き戻し」というようです。

● 「円キャリーの巻き戻し」により、どのような事が起こるのか?
池田氏の記事によれば、

キャリー取引の実態はよくわからないが、Gold Researchは1.2兆ドルと推定している。Economistも昨年、1兆ドルと推定しているので、それぐらいの規模だろう。これは経済的には合理的な金利裁定で、このため低金利国(日本)から高金利国(アメリカ)へ資金が流出し、ここ5年ぐらいの円安バブルをもたらした。

この1兆ドル相当のキャリー取引が急激に「巻き戻した」結果が、下記の図にあるような、90円台の急激な円高であろう。

5days-usd-yen-exg-rate-table-2008-10-30.JPG
もう一度、池田氏blogを引用すると、

しかし金融危機でドルが暴落すると、キャリー取引によるインカム・ゲインより為替のキャピタル・ロスのほうが 大きくなるので、巻き戻しが起こる。10年近くにわたって蓄積してきたキャリー取引が一挙に解消されるとドルが暴落し、それがさらに巻き戻しを呼ぶ・・・ という正のフィードバックが起こっていると考えられる。Gold Researchは、この円キャリーの逆流が株安を世界の市場に伝播させる「破壊兵器」だとしている。

つまり、円キャリーで欧米の株式市場へ投資していた投資家は、「巻き戻す」必要から市場でまず株を売って資金を調達しなければならない。みんなが一機かつ大量に売れば、どこの株式市場でも株価は暴落するのは当然の帰結です。これを池田氏は、株安を世界の市場に伝播させる「破壊兵器」と言っているようです。

また、「今回の危機は、グローバルな資産価格のひずみが訂正される過程なので、日本だけでできることはほとんどない。」というのもうなずけます。ゆえに麻生総理が一般大衆へいくらヘリコプター・マネー(血税)をばら撒いても、ポイントが完全にずれているので、まったく効果が無いだろうという事です。


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/10/30 at 19:28

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デジコンがB-CASの代わりに新方式検討

CNET Japanによれば、デジコン(デジタル・コンテンツ流通の促進に関する検討委員会)の第45回会合が10月14日に開催され、「B-CAS」を、見直すべき項目の議論や改善策の検討が進めらており、専用チップをハードウェアに内蔵する「チップ方式」と「ソフトウェア方式」が検討されているとのことだ。

10月8日の池田信夫blog「B-CASの違法性」で池田氏は、B-CAS見直しとは廃止の事であるという意見を述べられました。霞ヶ関のリテラシー無しの私ですが、今日の新しい記事でも、B-CASを見限るというシナリオへ傾きつつある事を感じました。そこでの問題は、コピー問題をどうするかという事でしょうか。

現在のコピープロテクト信号は暗号化されたコンテンツデータの外にあるので、Friioのように受信機側で無視する事が容易です。コピープロテクト信号を暗号化データの中へ移してFriioのような機械を排除するには、恐らく、現在のデータの仕組み(仕様)の全面的全体な変更を行う必要があると思われます。つまりB-CAS受信装置のしくみが大幅に変更になるので、既存のB-CAS受信機との互換性がなくなるでしょう。多数のユーザーが使用中の地デジテレビを粗大ごみにする事はできなので、仕様変更は技術的には可能でも、現実的に全面的な変更は行えない。そうなると逃げ道として最も容易な方向は、これ以上の無駄な仕様変更を行う事ではなく、方針を改めて、地デジ放送をコピーフリーにしてしまい、放送データのスクランブルキーを公開して、暗号化を事実上放棄する事かと思われます。

これは大きな方向転換です。しかし、いきなりコピーフリーの話しをすると、文化庁と著作権団体につぶされるので、とりあえす新方式を検討する姿勢を見せながら、少しずつ世論を見方につけてコピーフリーの動きをつくり、地作権団体の壁を崩して行こうという事ではないかと推測しました。実際、スクランブルキーを固定して公開し、集積回路の中に埋め込めば、2000円以下の安価な地デジチューナーを中国あたりのメーカーが速攻で作ってくれそうです。そうなれば地デジ普及の最後の壁を乗り越える事が容易になり、総務省も大喜びするでしょう。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/10/16 at 00:36

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MOTOZINE ZN5

歩行者天国になっている土曜のモンコックの西洋菜街(電気街)の路上で、モトローラのZN5を、綺麗なお姉さんが二人、プロモーションしてるのに遭遇。

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友人にモバヲタが多いので、私も真似して、プロモガールの写真をブログにアップしてみました。

しかし、このZN5は、いまさらのGSM/EDGEケータイなのであまり興味は沸いて来ません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/10/12 at 00:31

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iPhoneは年内に1000万台達成するか?

iPhone 3Gが世界で発売されてから、その状況はどうなっているのでしょうか。私は池田信夫blogのiPhone 3Gはジョブズの敗北宣言のコメント欄で、iPhoneの台数について賭けをしました。来年6月までにiPhone 3Gが1000万台と予測しました。そういう訳で、iPhoneの戦況が大変気になっています。そこで、Apple以外の記事を拾いながら、iPhoneの戦況について調べてみました。

9月24日のCNET Japanの「iPhone 3G」の販売台数、500万台に–Piper Jaffray調べという記事は、かなり注目です。私がblogのコメント欄で「マーケタ」さんとした賭けでは、私の12ヶ月の予測は1000万台でした。しかし、すでに500万台に届いているとすれば、来年6月までには2000万台に近づいているかもしれませんね。

発売開始後の最初の週末における全世界での販売台数が100万台ということはすでに明らかになっていた。Piper Jaffrayが米国時間9月22日に発表したリサートノートによると、400万台がその後販売されたという。Appleは、同社第4四半期の決算をこれから約1カ月のうちに発表する予定で、そこで正式な合計台数も明らかになるだろう。

発売当日の問題やiPhoneの2.0ソフトウェアのバグにも関わらず、同携帯電話への関心は高いようだ。また、現時点での大きな要素として、発売当初に比べ、iPhoneを正式に発売している国が大幅に増えている点がある。

注目すべきは1000万台という数字で、これはAppleが2008年の目標として一貫して掲げている数字だ。もし500万台という見積もりが正確ならば、1000万台は十分狙える範囲にあると思われる。Appleは、2008年前半で約250万台を販売しており、当時、初代iPhoneは売り切れ状態となっていた。

10月9日のIT media NewsのiPhone 3G、米スマートフォン市場でシェア17%に――NPD調査という記事は、iPhoneの米国スマートフォン市場シェアは11%から17%へ跳ね上がり、ATTが競合他社からユーザーを獲得している様子を伝えています。

6月から8月にかけてAppleのスマートフォンiPhone 3Gの米国での購入者の30%が、携帯電話会社をAT&Tへと切り替えている――。調査会社の米NPD Groupは10月6日、報告書をまとめた。AT&Tは米国でのiPhoneの販売権を独占している携帯電話企業。

AT&Tに乗り換えたiPhoneユーザーのうち、47%はVerizon Wirelessから、24%はT-Mobileから、19%はSprintからの移行だった。ちなみに6月から8月の間に、携帯電話ユーザー全体で携帯電話会社を乗り換えた人の割合は約23%だったという。

NPDは、値下げしたiPhone 3Gの登場で、一般ユーザー向けスマートフォンの売り上げが全体的に伸びたとしている。またiPhoneの販売台数はiPhone 3G発売前はスマートフォン全体の11%だったが、発売後、17%に上昇している。

6月から8月に販売されたスマートフォンの平均価格は174ドルで、前年同期の236ドルから26%下がっている。6月から8月における台数ベースの売り上げ順位は、1位がAppleのiPhone 3Gで、以下Research In Motion(RIM)のBlackBerry Curve、Blackberry Pearl、Palm Centroと続く。

10月9日の、同じくCNET Japanのアップル、米高校生の間で人気上昇–iPhone利用者も着実に増加中という記事では、iPhoneがこれからも着実に高校生のユーザーを増やして行くだろうという嬉しい予測を述べています。しかし、高校生の財布は親の財布とつながっているので、現在騒がれている大不況になれば、ばら色の未来が絵に描いた餅になっていまう可能性もあり、ちょっと心配です。

Appleは、ティーンエイジャーという、最も気まぐれだが、大きな影響力を持つ、テクノロジ分野の消費者層で、引き続き成功を収めている。

Piper Jaffrayは、携帯電話や音楽プレーヤーといったデバイスに関する、769名のティーンエイジャーの購買意識などを対象とした、半年ごとの調査を実施し、その最新調査結果を、米国時間10月7日に発表した。もっともなことだが、ポータブルデジタル音楽プレーヤー市場をけん引するAppleは、高校生の間でも、やはりマーケットリーダーである。調査対象者の84%はiPodを所有しており、この割合は、2007年調査時の82%から上昇した。

おそらくは新たに2008年より導入された、199ドルという初期費用も幸いして、iPhoneへの人気も高まってきている。現在のところは、調査対象となったティーンエイジャーのうち、わずか8%のみがiPhoneを所有しているものの、「iPhone 3G」がリリースされる前に実施された、2008年春の前回調査結果の6%から増加している。また、今後半年以内にiPhoneを購入する予定であると回答したティーンエイジャーは22%に上っており、他にも、iPhoneが欲しいと答えた人が33%に達した。

しかしながら、ZDNetでLarry Dignanも指摘していた点だが、こうしたiPhoneの購入予定者および購入希望者の今後は、主に保護者の経済状況にも依存していると言えそうだ。初期購入費用は199ドルで済むかもしれないが、iPhoneや、他のどのデータ通信対応の携帯電話にも言えることとして、毎月の利用料金は、現在のような経済不況の時期には、単に贅沢品とみなされかねない。

今回の調査では明らかにならなかったこととしては、高校生の間で、どれほどMacの利用が進んでいるのかという点がある。Macは、大学生に非常に人気があるものの、Piper Jaffrayは、Macが高校生の間でも人気があるのかに関しては、何ら調査データを提供していない。

10月6日の、TechCrunchのApple sold 10 million iPhones in 2008によれば、「Mac Observer’s “Apple Finance Board” found that the phone has gone through nine 1 million unit runs.」と述べている。すでに900万台を突破しており、1000万台も間近ではないかという楽観的な見通しを述べている。

By using some fairly interesting IMEI collection, the folks at Mac Observer have found that Apple sold 10 million iPhones in 2008, reaching and potentially surpassing Steve’s original stated goal. By looking at phones sold over the last few months, Mac Observer’s “Apple Finance Board” found that the phone has gone through nine 1 million unit runs. Adding this to the known sales they found the total number was far above analyst expectations.

Apple has been buffeted of late by bad news and this little gem might just pump things up a bit – but don’t count on it. After falling for blog-based news (”Steve Jobs has shed his skin and exposed his lizard-like internal carapace!”) multiple times, I suspect folks investing in Apple are very wary.

What does this mean? Well, 10 million is miniscule in the phone market but it still means the iPhone has legs. This obviously takes into account the international sales now streaming through Asia and Europe. Now if only they could implement cut and paste…

10月7日の、読売新聞(ネタ元はCNET Japan)によれば、「iPhone」の販売台数、1000万台突破はまだ?と報じている。

「iPhone」の販売台数は本当に1000万台を突破したのだろうか?何人かのブロガーはそう言っている。だが、よく調べてみると、Appleが祝杯をあげるにはまだ少し時期尚早かもしれない。

Mac ObserverのフォーラムApple Finance Board(AFB)とInvestor Villageの掲示板AAPL Sanityが、iPhoneの在庫データを収集する共同プロジェクトを展開している。このプロジェクトは、「Google Docs」の表計算ツールを利用して、GSM、UMTS、iDENといったネットワーク上の携帯電話を識別するのに使われる端末固有の番号である IMEI(International Mobile Equipment Identity)番号からiPhoneの推定生産台数を非公式に追跡している。

AFBがまとめたスプレッドシートによると、iPhoneの生産台数は919万680台となり、ZDNetのJason D. O’Grady氏は、「iPhone 3G」の販売台数は約760万台、iPhoneシリーズの合計販売台数はすでに1000万台を超えていると推測している。

だが、O’Grady氏らは、これらの数字は誤解を招く恐れがあると指摘している。

データ収集を行っているAFBとAAPL Sanityは、これらの数字は推定販売台数ではなく推定生産台数だと明示している。つまり、数字にはApple Storeの在庫や展示品、交換品など、売り上げと見なされないものも含まれているわけだ。

Appleがこの件について沈黙を守っているのはこのためかもしれない。だが、だからといって、iPhoneの売れ行きがよくないわけではない。それどころか、市場調査会社のNPD Groupは米国時間10月6日に、2008年夏にiPhone 3Gを購入した人の30%は、それまで使っていた携帯電話キャリアとの契約を解消して乗り換えていると発表した。(CNET Japan)

さて、いよいよ報告を締めくくらなければならない。今年1月からのiPhone全体の生産台数は1000万台に近づいており、iPhone 3Gだけでみても760万台の生産を行ったようである。iPhone 3Gが今年年末か来年前半に1000万台を突破する事は間違いないであろう。そして、来年6月には1500万台から2000万台の間のどこかにいるであろうと、私の予測を上方修正するものである。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/10/10 at 18:37

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags:

好況・不況をいかにして制御するか

たんなる技術屋の私から見たサブプライムローン問題を通して、景気の制御方法について考えてみる。

サブプライムローンは、そもそもの始まりは返済能力の無い米国の低所得層へ「無謀」な住宅ローンを多数行った事です。貸し出す銀行から見て「無謀」に見えないように、返済不能のリスクを切り刻んで多数の金融派生商品の中へ紛れ込ませてしまいました。そして、サブプライムローンのリスクという「毒」が混入した多数の金融派生商品が、米国の不動産景気を追い風にして世界中へ広がった事が問題を深刻にしました。さて、ここまではいろいろな人がテレビやブログで述べています。これって、いま世間を騒がせている中国のメラミン入り乳製品の問題に似ていますね。どちらも確信犯が「毒」を混入した製品や半製品をつくり、毒入りとしらない人たちがどんどん流通させて、最終的にはいろんな人が被害を(自覚しているかどうかは別として)被る事になりました。

サブプライプローン問題は世界中に波及して、いまは世界恐慌の危機が叫ばれています。ここで好況とか不況とかを、ファンダメンタルズとか、フェアバリューとか、実際の損失額とかを持ち出してきて、現実の状況はこうだからこの先はこうなる、という未来予測を行う証券や経済の関係者が多いようです。わたしもその予測を「信じて」サブプライムローン問題を見誤り、昨年夏頃に株式市場から撤退する機会を逃してしまいました。悲惨にも、それらの株価は三分の一以下に下がって、見事な「株の塩漬け」になっています。

私は5年くらい前から、経済というものは「風船に入った気体」に似ていると考えています。風船の中には空気を構成する分子が入っています。分子の数は増減しないが、中の空気を加熱すると気体分子のブラウン運動が激しさを増して、気体が膨張し、風船も膨らみます。風船が膨らむというのは、経済が膨らむという事です。これは単に好景気という意味に留まらず、経済規模自体が膨らむ事をも意味します。これはたとえば、江戸時代より現在の方が経済規模が膨らんでいるという事でもあります。一方、風船の中の空気が下がると、風船は萎みます。これは不景気という意味だけでなく、文明の後退による経済規模の縮小でもあります。

さて、それでは風船の中の空気を加熱させたり冷却させたりする要因は何でしょうか?

長期的にみると、それは文明の発達とグローバリゼーションによる経済圏の拡大です。では短期的には何が要因になるのでしょうか?それは人間のエモーション(感情)であると思います。

現在の世界恐慌の危機の原因を技術的に言うと、クレジット・クランチというらしいのですが、直感的に言うと、お金の貸し手が「積極的に貸し出すムード」でない状態という事らしいです。お金の貸し手とは、単に銀行だけでなく、銀行へお金を供給している国や、国際的な投資市場へ資金を投入している大規模投資家集団などを指します。ところで不況や恐慌の原因は、お金の貸し手だけの問題ではありません。世の中全体が、お金を借りたくない、貸したくないというムードを醸成しているのです。世の中は常に需要(お金を消費する企業や個人)と供給(銀行、政府、大規模投資家)の関係で成り立っています。このうち、供給側は組織的に短期・中期・長期に考え、お金でお金を効率よく生み出す為の投資計画を立てます。しかし、需要側である企業や個人消費者は、実はそれほど計画的ではありません。企業のうちで大多数を占める中小零細企業は、MBAを取得したCFO(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー)なんていませんから、自社のバランスシートを理解する能力も無く、銀行残高だけを見て経営している会社が多数を占めると思われます。個人にいたっては言わずもがなです。

需要と供給の関係において、供給側は計画的で理論的で効率優先であるが、需要側は無計画で非論理的で短絡的であるのではないか、というように考えました。この場合、好況・不況の原因をエモーションとした場合、需要と供給のどちらのエモーションにより注目すべきかというと、これは需要側であるといえます。なぜなら、非論理的なエモーションを動機とする需要側をどう「制御」するかで、好況・不況の制御ができるのではないかと考えた次第です。

需要側のエモーションを刺激して、消費意欲を高めるにはどうすれば良いでしょうか? 需要側が無計画で非論理的で短絡的であるならば、消費意欲を高める「引き金」は、多くの需要家が未来を楽観視するに足りる「手段」が必要になります。手段は、必ずしも経済学的理論において正しい必要はないが、Web上で叩かれない程度によい体裁を保っている必要があります。どうしても見方につけなくてはならないのはメディア(放送局と新聞社)です。社会のあらゆる層がWeb世論の影響を受けるには、あと50年くらい必要です。それまでは、既存目デイアの世論操作の力を使う必要があります。また手段は、サブプライムローン問題のように袋小路では良く有りません。好景気のあとに不景気が必然的に来るような筋の悪い手段は避けねばなりません。

いずれにせよ、需要側のエモーションをメディアの世論操作の力で刺激して、あたかもばら色の未来が来るかのごとき「幻影」を見せる事で、景気への引き金を引き、かつ持続させる事ができるのではないかと考える次第です。 (著者自ら言うのもなんですが、このような考えが荒唐無稽かつ陳腐な戯言である事を祈っています)

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/10/08 at 14:14

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Web民主主義

つまらないタイトルで恐縮ですが、ウェブ世論の強い批判を受けて、総務省はB-CASの見直し(廃止)を決めたようです。

民主主義というのは、wikiによれば「諸個人の意思の集合をもって物事を決める意思決定の原則・政治体制をいう」 とあります。現在の政治体制は、Webの世論で政治的な意思を決めているわけではないから、現状を指してWeb民主主義とはいえませんが、池田信夫氏の「サイバーリバタリアン」記事でも指摘されているように、Web世論が第五の権力になりつつある事は否定できません。

B-CAS廃止の記事についてですが、放送業界を批判する池田信夫blogの姿を現した抵抗勢力・民放連という記事で、著者自身がコメント欄で、更にこのように述べています。詳しくは記事本文を読んで頂きたいが、要約すると、

技術の進歩で放送電波の周波数に未使用の「価値ある」余剰スペース」が沢山出来たのに、放送局はこれを既得権として手放さず

ASCII.jpの記事(http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381)について、あちこちのブログで関係者が驚いてコメントしているので、ここで補足しておきます。私が「B-CASの廃止が事実上決まった」と書いたのは、一次情報にもとづく話で、推測ではありません。

「霞ヶ 関文学」のリテラシーがない人が多いようだけど、「見直す」というのはこの場合、やめることしかない。何もしない場合は「検討する」と書きます。総務省も 「2011年問題」対策としてつぶそうとしており、公取委も出てきたので、B-CASを延命したら強制捜査が入るでしょう。公取委が事情聴取をやっている ことは絶対に間違いありません。私が聴取を受けたのだから。

池田氏自身が、本件で公取委から聴取を受けた事を明かして、本件で公取委の調査が始まった事を裏付けています。ここまでくれば、B-CASが潰れるのは時間の問題でしょう。

さて、池田氏の記事では更に、放送業界が死守しようとしているホワイトスペースと800MHz帯の問題を取り上げています。技術の進歩によって、放送電波のチャンネルには多数の「貴重な」余剰スペースが生まれたので、新規参入や別用途への転用を考え始めたところ、放送局は既得権である余剰スペースを手放そうとしない、という事のようです。

B-CASカードは、ユーザーが目で見て、手で触れる(お茶の間のデジタルテレビにはかならずついている)ものでしたので、Web世論は「なぜ不要なのかを」理解し易かったと思います。ホワイトスペースと800Mhz帯の問題は、こちらは一般のブログ著者達には理解するのが難しいかもしれませんね。

ここはひとつ、誕生前から「ばらまき政治」と非難を浴び続けている麻生首相が古典的な経済政策とのバランスを取る意味で、ホワイトスペースへの新規企業参入を容易にする法律改正と、著作権法を報酬請求権にする法律改正を政権の目玉にしてはどうでしょうか。

実現できれば、メディアとITを融合させ、放送業界を再編させて、新興メィデア企業群の興隆により内需を拡大させた首相として、日本の歴史に名を残す事ができるでしょう。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 11:39

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東莞は求人が難しい

以前から聞いていた事ではあるが、東莞(中国華南)は求人が難しい。求人をはじめて1ヶ月になるが、未だに1人も面接まで到っていない。東莞特有の状況という事もあるだろうがあまりに酷い。そういうわけで、今日はひとつ愚痴を聞いてもらいたい。

東莞に求職者がいないかというと、これは沢山いる。転職する人も沢山いる。しかしながら、「これは」という人材がなかなか居ないのである。私の要求は、日本語検定2級程度の読み書き、あるいはそれに相当する英語力のどちらかを習得していて、会計か購買か通関の業務経験と知識を持っていて、明るい性格の30歳未満の男性または女性である。新卒の場合は、業務経験は無いので、大学(本科)卒業以上の学歴と十分な学習意欲があれば良いと思っている。そんなに高望みをしているつもりは無い。(記事末の*1参照されたし)

弊社のわが部門は、東莞の日系メーカーへ業務ソフトを販売し、同時に会計、購買、生産や通関に関するコンサルテーションを行って、東莞へ進出している日系メーカーが嵌りそうな落とし穴(おもに通関と税務署にかんする高額ペナルティー)をリスク管理しましょう、という業務を行っている。昨年4月に私自らが部門新設して、ようやく1年半が経った。いままでは香港事務所の人材(香港人)をつれてきていたが、その香港人が転職した事を良い機会ととらえて、地元の東莞で私の部門の将来を担う人材を探そうと考えたのである。

仕事の内容は、技術色よりも業務色が強くて、外国独資工場の来料加工生産で、通関と税務署にからんだ会計、購買、通関、生産、在庫などの管理において、「このようにやった方が安全ですよ」とアドバイスしなければいけない。語学力が必要なのは私(またはお客の会社の日本人担当者)とコミュニケーションする時に必要なのだが、実際の仕事で必要なのは業務知識の方である。だから、どんなに優秀な人材でも、一人前になるには最低数年を要する。だから、最初は2千から3千元の範囲で雇って、一人前になったら4千元以上の給料にしたいと考えていた。私の(現場での)仕事をぜんぶ任せられるくらいになれば、1万元払っても安いくらいだと思っている。

地元東莞の求人ウェブサイトで募集して書類選考した結果、「これは」と思う新卒学生が1人居たが、面接をドタキャンして来なかった。もうひとり、通訳から叩上げである日系工場の生産技術課で働いているという、けっこう優秀そうな人が履歴書を送ってきたが、希望給料が高すぎて条件が合わなかった。ある程度覚悟をしていたが、これはちょっと酷すぎると思った。おもわず頭をかかえた。

東莞は良い大学が無い。それだけでなく、東莞は大学そのものが非常に少ない。中国は恐ろしいほどの学歴社会になっていて、有名校には中国全土から優秀な学生が集まるのだが、そういう大学が無いので、東莞には良い人材が少ないと言われている。良い大学がなければ、良い人材は排出されず、それを期待して研究開発型企業なども誘致されない。いきおい、組み立て加工企業ばかりが多いので、そもそも「良い人材」を吸収できる企業が極めて少ないのである。

そればかりではない。東莞は、ホワイトカラーの働く大企業群が集まる商業都市部が無く、発展している場所はすべて工業地帯だ。工業地帯は、荒涼とした荒地を整地してつくった工業区に、組み立て加工企業ばかりが誘致されてくるので、ほとんどの工員と事務真は狭くて汚い工場の寮でくらしている。工場の周辺には、工員相手の安いだけの食堂ばかりだ。そういう場所に住んで、上海、北京、大連のような文化的な暮らしができる筈もない。だから華東から北の大学を卒業した学生は、まず華南には来ない。来るとしても、「仕事が見つからないか、あるいはお金の為にしかたなく出稼ぎに行く」人なのだ。(記事末の*2参照されたし)

東莞に出稼ぎに来る大卒者は、湖南省(長江の南)と河北省(黄河の北)の人が多い。このあたりは、歴史の古い町もあり、大学がけっこうあるが、 内陸部なので沿岸部のように経済が発展していない。そこで、多くの卒業生が華南の「中国の辺境地」へ出稼ぎに行くのである。弊社の東莞事務所のプログラマも湖南出身者が多い。(記事末の*3参照されたし)

もう一つ、東莞で良い人材が得られない理由がある。政府が管理している年金や保険などがネックになっているのである。 中国にも社会保障制度(健康保険・年金・労働保険・住宅基金)とよばれる保険や年金積み立てがあるのだが、これが何と、全国の地方自治体でネットワーク化されていないのだ。東莞で積み立てた年金は東莞でしかもらえず、上海で積み立てた年金は上海でしかもらえない。現在の状況では、遠くの地で積み立てた年金は、事実上捨てるしかないのである。これも、若いときから年金の事を考えている最近の賢い学生や社会人にとって、東莞の企業へ就職・転職する事を阻む大きな壁だ。深圳や広州ならまだしも、先に述べたように東莞は骨を埋めようと考えるには、まだまだ田舎すぎるのである。せめて政府系の積立金などが1日も早く全国レベルで一元管理され、どこで払っても、どこでも年金がもらえるようになれば、ホワイトカラー労働者の東莞への流動性が高まるのではないかと思うのである。

湖南や河北の大卒者にとって、東莞はいまだに、他にどうしようもなくて出稼ぎで行くような「偏狭の地」なのである。ゆえにこの地では、管理能力が無くても、業務遂行能力が低くても、常識が足 りなくても、とりあえず大卒というだけで、容易に4千元とか5千元の給料相場が出来てしまっている。日本語検定2級程度(試験には合格していない)の語学力と、3年くらいの工場内で通訳経験があれば、既に3千元から4千元の給料相場ができてしまっている。上海や北京なら、日本語専科で数年の経験なら、高く てもせいぜい2千元が良いところである。まったく困った事である。

*1 大学には本科と専科があり、本科は4年制で入試選考で入り、専科は1年または2年の単科の職業訓練専門科でお金があれば入学できる。東莞で通訳をしている人のほとんどは日本語専科で3ヶ月から2年の日本語訓練をした人であり、日本語検定2級程度の実力がある人が多い。上海・北京で通訳をしている人は、語学や経済学などの本科を卒業して、在学中に日本語検定1級を取得した人が多く、日本語の他に英語の読み書きもかなり出来る。

*2 東莞にはいちおう市街地があり、きれいなマンション群もあるが、それらのほとんどは地元の土地成金と、東莞の周辺工場地帯で働く外国人駐在者のベッドタウンと化している。地元企業のほとんどは零細企業であり、東莞で生まれた全国区レベルの企業など一つも無いので、大卒ホワイトカラーの受け皿が無い

*3 もしあなたが神奈川で生まれて、東京都内の大学へ進学したとする。在学中に都市生活を謳歌したあなたは、東北や九州の田舎にある製造業へ好んで就職するだろうか?もしあなたが福島で生まれて仙台の大学を卒業したとして、津軽にある製造業へ好んで就職するだろうか?夢も希望もある大学生は、普通はより大きく発展した都市部へと行きたがるものであろう

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/10/06 at 14:40

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中国公安によるスカイプ盗聴

朝鮮日報の10月4日の記事によれば、「中国がスカイプユーザーの文字チャット内容を監視したり、音声通話の個人情報を把握 したりしており、政治的にデリケートな内容を含むメッセージを遮断した後、サーバーに貯蔵するシステムが存在すると指摘した。」そうである。

以下に記事の全文を引用する。

スカイプのチャット内容、中国が検閲か

世界で3億3800万人が利用しているインターネット電話サービス「スカイプ」でやり取りされる文字チャットの内容が中国で検閲されていたことが判明した。

カナダ・トロント大学のコンピューター・セキュリティー研究チームは、中国がスカイプユーザーの文字チャット内容を監視したり、音声通話の個人情報を把握したりしており、政治的にデリケートな内容を含むメッセージを遮断した後、サーバーに貯蔵するシステムが存在すると指摘した。3日付インターナショナル・ヘラルド・トリビューンが報じた。

電子商取引世界最大手イーベイの子会社スカイプは、2005年9月に香港の実業家、李嘉誠氏が保有するトム・オンラインと「トム・スカイプ」という合弁会社を設立し、中国市場に進出した。トム・スカイプのユーザー6900万人には、中国当局のインターネット検閲を避けるために登録したユーザーが多数含まれている。スカイプは通話内容を暗号化する技術が優れており、不法な盗聴などに対し安全だという評価を受けていたためだ。

しかし、トロント大研究チームは、中国で販売されるトム・スカイプのソフトウエアには「民主主義」「共産党」「ダライ・ラマ」「法輪功」など使用禁止単語リストが暗号化されて含まれていることを明らかにした。ユーザーがこうした単語を使おうとすると伝送が遮断されるだけでなく、コピーされてトム・オンラインのサーバーに送られる。このサーバーには問題となる単語を使った人物の個人情報が残り、チャットのログが全て記録される。外国からチャットに参加した人物の情報も同時に保存される。

研究チームは先月、こうしたサーバー8台を発見し、ユーザー4万4000人から収集した16万6000件のメッセージが保存されていることも確認した。研究チームは誰がこうした監視システムを運営しているのかは分からないが、推測として、中国の警察と協力関係にあるトム・オンラインが運営者だと疑われるとしている。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

また、CNET Japanでも10月3日に同様の記事を出しており、

「TOM-Skypeは、特定の問題となるキーワードが含まれたテキストチャットメッセージを検閲して、ログを保存しており、もしかすると、よりターゲッ トを定めた監視も進めている可能性がある。TOM-Skypeが、Skypeユーザーのセキュリティやプライバシーなどを軽視して、広範囲な監視行為に携 わっていることは明白である。これは、中国におけるサービス提供方針として、Skypeが公に明らかにしてきた情報と、如実に矛盾している」

そうである。

2006年の春頃に、中国公安がスカイプ通信を禁止するという噂が流れたし、スカイプ通信が不明の理由により、しばしば不安定にある事があった。そ れがいつの間にか普通にスカイプが使えるようになった。これはやはり、トム・オンラインと中国公安の間で、公安目的の盗聴システムが出来上がった為であろ うと推測される。

さて、公安盗聴への対策であるが、チャットで禁止ワードを識別するのは、TOM-Skype仕様のスカイプに埋め込まれた盗聴プログラムのようである。国外にあるskype.comサイトから直にダウンロードしたインストールプログラムを、両端のユーザーで使用すれば、中国公安による盗聴は防げるであろうと思われる。

但し、米国政府も「テロリストや犯罪者による暗号化通信」に神経を尖らせているのであるから、どこの誰からも盗聴されていないかどうかは、保障の限りではない。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/10/05 at 00:35

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