医療

人工中絶はかく議論されるべし

<スポンサーリンク>


受精した卵子は、いつ人間になるのでしょうか。受精した瞬間でしょうか、数週間、数ヶ月後でしょうか。胎児はだんだん人間になってゆくのか、ある瞬間に器である肉体に外から来た魂がスッと宿って人間になるのでしょうか。これは生物学的にも哲学的にも非常に興味深い課題です。北村隆司氏が「人工中絶のあり方を議論すべし」と言っていますが、人類社会という価値観のフレームワークの中の議論としては、ここを外したら不毛となるという明白な大前提があると考えます。

それは何かといえば、人類社会をより良くする、より繁栄させるという大前提に立って議論を出発させるべきであるという事です。

受精した卵子がいつ人間になるのかを、人間が科学的に証明する事はほぼ不可能でしょう。その為には、人間の魂の有無や魂とはなんぞやというところを証明しなければいけないからです。その一方で、社会の秩序を保つ為には、一定の範囲内での中絶を必要悪として許容する事が求められます。

北米ではキリスト教価値観から人工中絶を悪として排除すべしという意見がありますが、日本は仏教「的」な倫理観により受胎後の生命を曖昧化する事で、一定の範囲において中絶を容認しています。しかし、倫理観はあいまい許容するが故に、人工中絶は殺人ではないかというジレンマに苦しむ事にもなります。

では、どうすれば良いのか。

まず、言える事は、「中絶された命」という視点で議論を始める事は、なにも生まず、なにも助けず、不毛です。死者の人権を残された人間と切り離して議論するが、どれほど不毛かというのと同じ事です。そういう議論は、哲学者と宗教学者と法律学者が自分たちのグループの中だけで知識を追求する為だけに行えば良い事です。

我々が社会というフレームワークの中で議論する時には、人工中絶を行う事が、残された親、家族、社会にどれだけメリットをもたらしたか。胎児を人間と認め、人工中絶を必要悪と認めて、親と社会がそれを減らす努力をする事が、社会の安定性にどれだけ寄与し、長期的な繁栄をもたらすかという建設的な視点で議論をするべきだという事です。


1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/27 at 17:13

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済, 医療   Tags:

医師免許制は必要ない?

深刻化する医師不足、疲弊する勤務医、増大する医療ニーズ。済生会栗橋病院院長補佐の本田宏氏は10年以上、「痩せガエル」が柳の枝に飛びつくように、繰り返し、繰り返し医師不足を訴え続けているそうですが、状況は悪化する悪化するばかりです。そんな折り、後輩からミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』を紹介され、なぜ医師自身が医師の増員に反対なのか、その理由がわかったそうです。

医師免許制度は必要ない?―フリードマンの名著に学ぶ 日経メディカルオンライン

そういえば医師増員の為に、医師の国家試験を資格試験にして、医大を卒業しなくても試験に合格すればだれでも医師になれるようにするべきと主張しているのは 井上晃宏氏です。

医師増員のため、医学部を廃止せよ

同業の医師から、医大で学ぶのは教科書の内容だけではないとか、死体解剖はどうするのかとか、枝葉末節だが強固な反論が飛び出してコメント欄は大荒れになりました。しかしながらもし、医師になるために医大卒業が必須でなくなるとしたら、独学で不足するところは、必ずや教育市場(要するに私塾や現役医師による家庭教師)が生まれて、ニーズを補ってくれるのではないかと考えております。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/10/16 at 12:26

Categories: 1.政治・経済, 医療   Tags:

風邪を保険適用外にする

日本の健康保険事情は複雑です。一見すると、世界に類を見ない手厚い保護がされているようですが、現実は厳しさを増すばかりです。病院の勤務医は過労死寸前だし、外来の待合室はいつでも行列ができています。高齢化が進む中で、いまの健康保険をいつまで維持できるのかという問題もあります。青木理音氏は、その辺についてエコノミストの記事を紹介しています。

日本の健康保険事情

病院の収入源である健康保険が国の予算で上限が決まっているという事は、逆に言えば、病院へ来る患者の頭数を減らせば、一人当たりの保険点数を高くでき、医者は過労死するリスクが減り、医者と患者が話す時間をより長く有意義にできます。青木氏は、予防できる病気を適用外にすれば、と述べていますが、私は、熱が39度以下の風邪の治療費を、健康保険の適用外にしてはどうかと思います。

それに風邪は基本的にウイルスによる病気なので、治療する薬がありません。頭痛や鼻水の薬なら、病院ではなくドラッグストアで買えます。

厚生省さん、ぜひご検討ください。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/09/15 at 16:58

Categories: 1.政治・経済, 医療   Tags:

<スポンサーリンク>