1.政治・経済

ステルス破りの技術

<スポンサーリンク>


防衛省がステルス機を丸見えにする技術を開発するという報道に対するコメント記事がありました。ステルス技術というのは要するに下記の2つの技術で構成されているようです。これについてもう少し考察してみたいと思います。

1)機体表面にレーダー電波を吸収する塗料を塗り、レーダー電波をできるだけ吸収する事で、レーダー装置へ戻る電波を少なくする。
2)機体表面の構造により、レーダー電波を来たのと違う方向へ反射させる事で、レーダー装置へ戻る電波を少なくする。

上記を見れば分かるように、ステルス機といってもレーダー電波を完全にレーダー装置へ戻らなくする事はできません。既存のレーダー装置でも機影を受信しているのですが、下記の2つの理由でノイズか野鳥と誤認して、レーダー画面に表示されません。

1)ステルス機から反射して戻るレーダー電波の量が少ないので、実際よりかなり小さな大きさで認識する。
2)ステルス機の表面構造の為に、飛行機の機影とは異なる形で認識される。

上記から、防衛省が「ステルス機を丸見えにする技術」というのは、下記の範囲に入るものと推測します。

1)特定のステルス機の機影をノイズや野鳥と分離できるように認識技術を高める。
2)認識技術を高める方法として、機影分析ソフトの改善、レーダー出力の増大、レーダー解像度の改善などが考えられる。

ところで、以前から不思議に思っていたのですが、ステルス機というのはそんなに脅威なのでしょうか。ステルス機の優位性として一般的に知られているのは下記の2点かと思われます。

1)自分(ステルス機)は相手(非ステルス機)のレーダーに映らないので、先に相手を見つけ、先に(できるだけ遠くから)相手を攻撃する事ができる。
2)自分(ステルス機)のレーダー誘導ミサイルは相手(非ステルス機)に有効であるが、相手のレーダー誘導ミサイルは自分へは有効ではない。

ステルス機の優位性とは、自分の機体だけがレーダー装置から無効化される事で成り立っています。であれば、戦闘空域のレーダーを含めた無線装置そのものを無効化してしまえば、その点では互角になるのではないでしょうか。

空自は米国のステルス機の導入に固執しているように見えますが、中国やロシアのステルス機に対抗する手段として、日本領空の無線無効化を前提とした上で、ユーロファイターのような非ステルスだが対空戦闘能力が高く低コストの機体による運用戦略を考えるのも1つの方向かと思われます。

さて、既存のレーダー無効化技術としてノイズ・ジャミングがありますが、高度な技術が必要となる理由の1つは、敵のレーダー波だけを選択的に妨害しようとするからではないでしょうか。数百kHzから数十GHzまでの広帯域を等しく強力なノイズで埋めてしまえば、その空域は敵味方問わず、レーダーもGPSも無線通信もすべて無効化されます。広帯域ノイズの発生装置はローテク技術で簡単に製作できますし、民生用の無線業界では昔から機器の調整用として広く用いられてきました。

現代の精密誘導兵器が無線技術の上に成り立っている事を考えれば、戦闘空域の無線の無効化は安価かつローテクにパラダイムシフトを起こす可能性があるのではないでしょうか。

蛇足ですが、ガンダムや銀河英雄伝説など未来物の戦争アニメでは、戦闘エリアの無線を一次的に無効化する技術の存在を前提として作られています。


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/09/21 at 10:13

Categories: 1.政治・経済   Tags:

猛烈な台風19号(2013/09 – 915hPa )

大型の猛烈な台風 第19号   9月21日 6時現在 オキナワノミナミ 北緯20.5゜東経122.1゜ 西北西 20 km/h  中心気圧 915 hPa  最大風速 55 m/s  最大瞬間風速 75 m/s  暴風半径(25m/s以上) 170 km  強風半径(15m/s以上) 560 km
9月21日現在の衛星画像

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 08:31

Categories: 1.政治・経済   Tags:

大新聞の世論誘導事例:異常胎児選んで減胎手術

今日の読売新聞に、「異常胎児選んで減胎手術」という見出しの記事が掲載されました。(ネタ元の記事はこちら)その記事を読んでいて、読者をある方向へ誘導する常套句的表現があったので報告します。 まず、ニュースの本体の要約を紹介します。多胎児を妊娠した場合に、出産のリスクを下げる為に減胎手術というのを行なっている事を公表しているマタニティー・クリニックが長野にあるそうです。その多胎児の中に異常児が見つかった場合、その胎児を選んで減胎している事例が36件あった事がわかりました。母体保護法は減胎手術について定めていないそうです。 で、読売新聞は「こうしたケースが明らかになった事で、今後、議論を呼びそうだ」と記事中に「新聞社の意見」をさらりと挿入しています。(下記の赤線部分) スクリーンショット 2013-08-05 10.21.39 AM   しかし、実際にはそのような議論は未だどこにも無く、将来に起こるかも不明な状態で、火のないところに煙を立てようとしています。しかも、煙の立て方が非常に姑息です。弊誌の意見はこうだという意見を堂々と述べるのではなく、「誰かの議論を呼ぶ」という表現によって、あたかも客観的であるかのように「読ませ」ようとしています。 以前に、総務省は新聞報道の意図的な印象操作を法律で規制するべきだと述べましたが、今日の記事はその事例の1つです。 多くの読者は、新聞記事の中の事実と意見を分離して理解する事ができません。すべてを事実として誤認してしまいます。これを意図的かつ巧妙に行なっている既存の新聞社の報道姿勢はぜひとも法律により規制されるべきです。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/08/05 at 11:53

Categories: 1.政治・経済   Tags:

歴史を修正した李承晩大統領

wikiの慰安婦ページが韓国により情報操作されている事を記事(*1)にしましたが、慰安婦問題を調べていて、ほかにも驚いた事が2つありました。今日はそれについて述べたいとおもいます。(歴史上の人物や条約などがたくさん出てきますが、我慢して最後まで読んで頂ければ幸いです。また、それらには番号を振って文末に参考資料として示しました。個々の詳細はそちらの方を熟読して頂ければ幸いです。) 1つ目は、韓国は日本の植民地ではなく、保護国だったという事です。植民地(*2)と保護国(*3)はどう違うのかという厳密な定義をするのは難しいのですが、説明を試みたいとおもいます。 李氏朝鮮の最後の国王である高宗王(*4)は、日清戦争(*5)の後の下関条約(*6)にて日本のおかげで李氏朝鮮が清国から完全に独立を果たした後、1897年に大韓帝国(*7)の初代皇帝に即位します。しかし、生まれたばかりの大韓帝国は依然としてロシア、清、日本の間で風前の灯火のような状況であったので、アメリカ、英国、ロシアの承認を得て、1905年に第二次日韓協約(*8)が行われ、1910年に大韓帝国は大日本帝国の保護国として併合されたそうです。 日韓併合は日本による強制と一般に理解されていますが、原田環氏(*9)(広島大学の教授で朝鮮近現代史が専門の歴史学者)は、「李完用らの「五大臣上疏文」を再評価して、皇帝高宗が率先して日本の条約案を修正して受け入れたことを「第二次日韓協約調印と大韓帝国皇帝」(『青丘学術論集』24、韓国文化振興財団、東京、2004年4月)において明らかにした」(*10)と述べ、日韓併合は大韓帝国皇帝の高宗が皇族の利益を優先して行った政策であり、条約反対運動は条件闘争の手段に過ぎないと述べています。 要するに日韓併合は、周辺国からの圧力や国家財政の崩壊という圧力のもとで、大韓帝国の皇帝である高宗が自分の意思により実現しました。故に、日韓併合が強制であるとか、日本の植民地であったというのは間違いだったのです。(n*chito氏のBLOGOSコメント上で指摘あり。日韓併合時の状況については「呉善花 - 韓国併合への道 完全版」を読んで理解をより深める事ができたので、下記のように修正します。) 要するに日韓併合は、日本による政治的・軍事的な圧力だけでなく、周辺国からの圧力や国家財政の崩壊という圧力のもとで、大韓帝国の皇帝である純宗と内閣の決定により実現しました。故に、日韓併合が不法な強制である事も、日本の植民地であったという事も間違いだったのです。 2つ目は、日韓併合時代の朝鮮半島は、韓国人の生活は台湾以上に静かで平和であり、日本人と韓国人は尊重し合って仲良く暮らしていたという驚きの事実です。私はかねてより、大日本帝国は日韓併合時に朝鮮半島で悪政を行い、朝鮮人を弾圧したと聞いていましたので大変に驚きました。 呉善花氏(*11)が日韓併合時代を知るの韓国人にインタビューして書いた生活者の日本統治時代(*12)という本と、その内容を紹介したウェブ記事(*13)で、普通の人の視線で見た当時の生活を垣間見る事ができます。 では、現代の韓国ではなぜ、日韓併合時代が完全に否定され、公的な場で親日的な発言をすると法律違反に問われ、徹底的な反日教育を行ってきたのでしょうか。その答えは、第二次大戦後に独立を果たした大韓民国の初代大統領の李承晩氏(*13)にあるようです。 李承晩氏(*14)は独立協会(*15)に関わって投獄され、第二次日韓協約前に高宗皇帝の命を受けてアメリカへ交渉に向かうが失敗してそのままアメリカに亡命。その間に日韓併合がはじまったので大韓民国臨時政府(*16)の結成に関わったりした後、第二次大戦が終了した1945年にアメリカに管理されている朝鮮半島の南側へ戻り、アメリカの後押しを受けながら左派による内乱寸前の総選挙を乗り越えて初代の大韓民国の大統領に就任しました。 李承晩氏はもともと強烈な反日主義者だった為、大統領就任後は反民族行為処罰法(*17)を作って親日的な人々をすべて追放し、日韓併合中の歴史を反日的に修正し、国民にも反日教育を行い、もはや反日でなければ韓国では生きられないようにしたようです。李承晩大統領が作った歴史修正主義を第18代の朴槿恵大統領(*18)に至るまで延々と受け継いでおり、経済的には日本に対して韓国製品や文化の輸出を行いながら、その一方では未だに日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法(*19)のような反日法を作って国内の親日派を公然と弾圧している事は残念でなりません。 私は個人的には韓国が嫌いではなく、韓国のドラマを見たり、K-POPを聞くのが好きですし、韓国料理も好きです。私のような日本人は、実は日本の中にはたくさんいると考えます。また韓国の中にも、実は日本が好きだという人は少ないくないとおもいます。そんな韓国民に間違った歴史と価値観を押し付けて、間違った方向へ進むのはこの辺で止めにしませんか。 朴槿恵大統領は米韓首脳会談の時に「北東アジアの平和のためには日本が正しい歴史認識を持たねばならない」(*19)と 述べたそうです。私は韓国の大統領と政府に対して、日韓の長期的な関係を真に改善する為には、李氏朝鮮時代末期・大韓帝国時代・日韓併合時代の正しい歴史を掘り返して国民全体へさらし、親日・反日ともに認めて自由な議論をさせて、その中から日韓関係について再考するべきではないかと提案します。 お隣の国である韓国と日本が、正しい認識を共有できる日を待ち望んでいます。   参考資料: 1)wikiの慰安婦が情報操作されている件(Mutteraway) 2)植民地(Wiki) 3)保護国(Wiki) 4)高宗(Wiki) 5)日清戦争(Wiki) 6)下関条約(Wiki) 7)大韓帝国(Wiki) 8)第2次日韓協約をめぐる大韓帝国の動向(京都大学文学研究科 第12回研究会) 9)原田環(Wiki) 10)第二次日韓協約(Wiki) 11)呉善花氏(Wiki) 12)生活者の日本統治時代(Wiki) 13)日韓併合時代の真実(レムナント出版) 14)李承晩(Wiki) 15)独立協会(Wiki) 16)大韓民国臨時政府(Wiki) 17)反民族行為処罰法(Wiki) 18)朴槿恵大統領(Wiki) 18)日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法(Wiki) 19)対日配慮で温度差 朴氏は連携国に加えず「正しい歴史認識」要求(産経ニュース)

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/05/18 at 00:18

Categories: 韓国, 1.政治・経済   Tags:

レイプ国家は不当である

橋本大阪市長が5月13日に、登庁時と退庁時のぶらさがり取材で話した従軍慰安婦発言(*1)(*2)が物議を醸しており、ネット上の話題の一角を占めていますね。橋本氏はあいかわらずチャレンジャーだなと思いながら、日々アップされるみなさんの記事をを眺めておりましたところ、今日になってぶら下がり取材の(ほぼ)全文書き起こし記事(*3)がアップされたので、通勤電車の中で通読しました。 新聞記事や全文を通して読むと、橋下氏はおかしな事を言っているとは感じられませんでした。発言の趣旨を短くまとめると、だいたい下記のようになるかと思います。 1)日本はレイプ国家ではない。 2)軍とともにある慰安婦(公娼、民間業者、私娼)はどの国の軍にも存在した。 3)軍が強制した証拠の無い現時点で、日本だけがレイプ国家だというのは不当だ。 4)たとえ敗戦国であれ、間違った認識は世界に対して正してゆくべきだ。 思うに、橋下氏の発言は極めて妥当であり、かつ合理的ではないでしょうか。この発言の中で、戦う軍において慰安婦が必要が否かという発言は、あえてそこだけを取り出して騒ぎ立てるほど重要とは感じられませんでした。 私は先に、新聞社が報道記事の中に事実を選択的に書く事で印象操作を行い、世論誘導を行なっているとか書きましたが(*4)、これはその好例ではないでしょうか。   参考資料: 1)「慰安婦は必要だった」「侵略、反省とおわびを」橋下氏(朝日新聞) 2)従軍慰安婦問題(BLOGOS) 3)大阪市長・橋下徹氏ぶらさがり取材全文文字起こし(SYNODOS) 4)新聞報道の印象操作について(Mutteraway) 5)橋下氏、慰安婦「日本だけ非難不当」 ツイッターで持論 (日経新聞) 6)日本の慰安婦制度を正当化するつもりはないが、しかし、日本「だけ」が慰安婦制度を持ったレイプ国家だと言われるものではない。 - 5月15日(水)のツイート(BLOGOS)

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/05/15 at 11:32

Categories: 1.政治・経済   Tags:

育休よりベビーシッター(3)育児は3年で終わらない

片親・共働き家庭の母親がフルタイム正規社員としてキャリアを継続するには、育休や保育所の待機児童問題の解消では大幅に不足しており、月額5万円の住込みベビーシッターをフィリピンやインドネシア等の途上国から労働輸入するべきだという事を2回に渡ってのべました。 1)育児よりベビーシッター 2)育児よりベビーシッター(2) さて、上記の記事は子供が生まれてから3年間の育児期間について述べたものですが、今回の記事は子供が一人で家で留守番ができる年齢(中学校高学年または高校生)までの期間について述べます。 私が4歳(1968年)の頃、愛媛の田舎から神奈川県西部の新興住宅地へ家族で引越して来ました。母は田舎では看護師をしていましたが、家の近くの保育園は満杯で私を預ける事ができず、妥協して保育園への送迎バス付きの町工場にて工員の職を得ました。子供(私達兄弟)は先にバスで家(団地)の下まで送り届けられ、家の鍵を首から紐でさげた「鍵っ子」(*1)として、近所の悪ガキ(彼らの多くも鍵っ子)達と子供ばかりで群れをなしてみかん山や建築現場などで遊んでいました。あの時代、多くの家庭で共働きと鍵っ子は当たり前の事であり、そういう状況の中で兄弟姉妹を事故で失う事は稀ではありませんでした。社会もそういった織り込んでいたと思います。 しかしながら現在の日本は、母親が自分のキャリア維持の為に年少の子供を「鍵っ子」にして家に放置する事を容認し難い社会へ向かっており、鍵っ子を積極的に増やすような政策を行う事は許されないでしょう。安倍政権は育休や幼稚園の待機児童問題にスポットを当てていますが、母親がある程度安心して仕事に専念できるためには、(子供にもよりますが)中学生か高校生くらいまで育つのを待つ必要があります。私の母がフルタイムの正看護婦として復職したのは私が中学校高学年になってからでした。子供が生まれてから少なくとも12年から16年くらいの間は、子供の保護責任を考えれば、育休や保育園の期間だけではまったく不足しており、母親はフルタイムの職を続ける事は極めて困難と言えます。     住込みのハウスヘルパーは、このような問題の解決策として効果的です。   子供が小さい時には、ベビーシッターを行いながら、母親に代わって買い物や掃除洗濯などの家事を行いますので、母親が仕事の上に更に家事まで押し付けられる事をかなりの度合いで防いでくれます。 子供がある程度大きくなれば、親の代わりにハウスヘルパーが子供を幼稚園や保育園へ連れて行き、連れ帰る事ができます。子供が小学校に通うようになっても、帰宅した時にハウスヘルパーが家にいて子供を迎えてくれ、世話をする事ができます。子供の様子がおかしければ、ハウスヘルパーが親(父親または母親)へ連絡して帰宅を促さす事もできます。 大卒でそこそこ以上の会社で正規社員の職を得た女性が、結婚して出産してもなお、仕事を辞めずにキャリアを継続させる為には、父親が仕事を辞める(ノマドワーカーになる)か、住込みのハウスヘルパーを雇用するのがもっとも容易かつ世界的に実績のある方法であろうと考えます。 離婚や死別によって片親だけになった家庭でも、ハウスヘルパーが住み込む事で家の中に大人が二人になり、外に働きに出る親は、より安心して子供を家に残す事ができるだけでなく、家事全般の労働から開放され精神的にも楽になると考えます。   月額5万円(香港での相場を参照)の途上国から来た住込みハウスヘルパーなら、普通のサラリーマン家庭(世帯収入が月額30万円くらいあれば)十分に雇用可能です。   フィリピン人などの住込みハウスヘルパーは香港やシンガポールでは1970年代に普及しはじめて現在に至っており、(*2)べつに新しいものでも特殊なものでもありません。(*3)安倍政権の第三の矢は規制改革の方向性になるようです。働く女性を支援する為の規制改革を、ぜひとも断行して頂きたいと思います。 これで一応、育休とハウスヘルパーの記事は終了します。       参考資料: 1)鍵っ子(wiki) 2)香港のドメスティックワーカー(英文wiki) 3)ドメスティックヘルパー事情(レージーの香港村暮らし)

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/05/14 at 14:01

Categories: 1.政治・経済   Tags:

新聞報道の印象操作規制について

新聞に掲載されているニュースは読者のリテラシーの低さを利用したギミックで世論誘導が常に行われているなと、時事ネタの批評記事をブログで書くようになって感じるようになりました。 ギミックの1つに、事実を選択的に書く事で、読者へ印象操作をするという方法があります。その例の1つとして、日本へ帰省中に入手した8日付けの愛媛新聞の社会面にあった記事を紹介します。「オスプレイ3機 岩国基地へ飛来」という見出しの記事中に「防衛省によると、米軍は飛来の目的を明らかにしておらず」という記述があります。目的が不明だというのが事実だとして、それが今回だけなのか、普通の事なのかによって、導き出される内容は異なりますが、そこは「あえて」記述がありません。記事中に盛り込む「事実」を書き手が選別する事で、読み手の印象を特定の方向へ誘導するのは、意見主張を行う時の代表的な手段の1つです。私は自分でブログ記事を書き、いろんな人とネット上で議論するようになって、こういう「卑怯」な手段もあるのだとはじめて知りましたが、茶の間で新聞を読んでいる多くの方はご存知ないのではないかと思います。 よく見かけるもう1つのギミックに、事実の中に新聞社(記者)の憶測を混入して印象操作をする方法があります。本日(10日付け)の朝日新聞ネット版(*1)の記事からその例を紹介します。 「国民一人ひとりに番号をふり、納税や年金などの情報を管理する「共通番号制度」法案が9日の衆院本会議で可決され、今国会で成立する見通しになった。成立すれば、2016年1月から制度がスタートする。政府や自治体は国民の情報を把握しやすくなるが、国民のくらしがどれだけ便利になるかはいま一つ見えない。」 上記の文章の最後に「国民のくらしがどれだけ便利になるかはいま一つ見えない」とあります。これは事実ではなく新聞社(記者)の意見です。しかし、ニュース文章の中に意見を混入させる事で、ニュース文章全体が事実であると読者に誤認させ、意見の方向へ読者の印象を誘導する事が可能です。この他にも、ニュース文章の中にしばしば「☓☓となりそうだ」という表現を見かけます。これも新聞社(記者)の意見ですが、そのように理解している読者がどれだけいるのでしょうか。 また、新聞社はニュース記事の事実部分がほんとうに事実である事を紙面上で十分に担保していません。新聞社のような社会的信用の無い我々ブロガーは、記事中で取り上げた事実が読者に自明でない場合に、その引用元の記事や文書をリンクや記事末の引用などで明らかにする事で、それが書き手の妄想でない事を担保する必要があります。新聞社においても、ニュース記事の事実部分が取材によるものか、通信社から配信された伝聞であるかを明白にする責任があると考えます。 社会的な責任を負っている新聞社であるからそこ、その新聞記事においては、読者を卑怯な手段で印象操作して世論誘導を行わないように法的な規制がを設ける必要があると感じています。私の考える規制内容について以下に提案します。 1)ニュースの中心となる事実方法と新聞社の意見を分離する。(形式に関するルール) 「何月何日何時何分に何処で誰にどんな事がありました」という事実部分と、よって「☓☓となりそうだ」「☓☓であるべきだ」等の意見の部分を1つの文章中に混在させる事を禁止して、事実報道部分と新聞社の意見部分を明白に分離して明示的に表記します。 2)事実の入手に対する責任を明確にする。(形式に関するルール) 大新聞社のニュースというだけで、記事の中で事実とされている事を、読者は無条件に事実と認識してしまいます。しかし実際には、事実の仕入れ先が別の通信社である事は珍しくありません。そこで、中心となる事実部分について、☓☓通信社からの配信であるとか、☓☓記者による取材である等、誰がその事実に責任を持つのかを文末に記述して明白にします。通信社からの配信をもとに、あたかも自社取材であるかのような記事作成は行わない。これは新聞社がニュースの入手方法について定めたもので、そこから先のニュースソースを明示する事を求めたものではありません。 3)意見部分の文責を明白にする。(形式に関するルール) 意見部分を書いた記者名を文末に記述して、文責を明白にします。 4)事実を選択的に書く事で印象操作を行わない。(内容に関するルール) ニュース記事の事実部分と意見部分の双方において、意図の有無に関わらず、事実を選択的に書く事で読者に誤解を与える事を行わないようにします。これは個々の記事の内容に関するものであり、掲載する記事の選択を特定の思想に基いて意図的に行う事は認めます。右寄りの記事を多くするとか、既得権擁護の記事を多くするなど、新聞社が独自の主張を行う事それ自体には関与しません。 5)その他の方法による印象操作の禁止。(内容に関するルール) ここに明記していない方法であっても、記事の内容の中で、事実でない事をあたかも事実であるかのような記述方法を用いて、印象操作を行う事を禁止します。 6)規制の方法(しくみ) 総務省の下に、新聞報道をチェックする委員会を設けて、上記の条項について日常的な独自調査のほか、新聞読者からメール等のクレームを受け付けて、調査して総務省へ意見を述べます。それをもとに総務省は新聞社へ是正勧告を出します。総務省は事前に、新聞社の宅配事業を政府による許可制とし、是正勧告に従わない場合には新聞の宅配許可の取り消しを可能とする事で新聞社に対する強制力を持ってはどうかと思います。(他に良い案があればコメント欄等で教えてください)   安倍首相は前回政権の時に新聞報道による世論誘導で痛い目にあっていると思います。新聞は第四の権力とも呼ばれているようですが、権力が暴走しないように、上記のような、あるいはもっと良い案があればそれについて検討して、ぜひ導入をして頂きたいと考えております。 参考資料: 1)共通番号制、成立見通し ○…役所手続き一部簡略化 ×…高い費用・情報漏れ心配(朝日新聞) 2)新聞協会の編集権声明 3)安倍官房長官印象操作事件(wiki) 4)偏向報道(wiki)  

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/05/10 at 12:50

Categories: 1.政治・経済   Tags:

育児よりベビーシッター(2)

育児休暇より廉価な外国人ハウスヘルパー(ベビーシッター)を家庭内に導入する事に対する反対意見を頂きましたので、私の反論を下記のようにまとめてみました。   1)保育所と住込みベビーシッターの住み分け 保育所は擁護と教育が目的であり、一般的な営業時間は7時から19時まで(*1)なので、職務上の責任を要求される正規雇用労働者のニーズに十分に対応できません。保育所の営業時間で対応可能な労働条件を得られるとしても、家庭内での家事・育児の負担の軽減の役には立ちません。逆に、ハウスヘルパーを導入しても子供の教育や社会性を付与する意味で、保育園や幼稚園が併存する意味はあります。 (私の個人的意見としては、企業内の労働環境の是正を行い、企業が十分な労働者を雇用して慢性的な残業を解消する一方で、雇用の流動性を高める事で育児の為に離職した女性が以前と同様の職種および待遇で容易に再就職できるようにする事に賛成するものです。しかしそれが可能だとしても、そのような変化には時間を要するという事、また女性の企業内の地位向上と管理職への登用が増加しないと女性の労働市場での価値向上が望めないという「卵が先か鶏が先か」という問題を解消できないのではないかと懸念します。この2次的な問題を解消する為に、働く女性を増加させる対策としてハウスヘルパーの導入は有効だと考えます。)   2)24時間保育園という異常な環境 子供にとっても保育士にとっても、24時間保育園という環境そのものが異常だと考えます。また、夜間の労働に従事する母親(片親)家庭において、24時間保育園が親の責任を補完する事はできません(たとえば熱のある子どもの受入を保育所が拒否した場合に、親は仕事を休まなければなりません)が、住込みのハウスヘルパーは親の代理として子供と家の管理に対する一定の責任を負わせる事ができます。(もちろん、親の責任を完全に補完する事はできませんが)   3)公立保育園の増大は福祉行政を税制的に圧迫する 公立保育園は大きな税金補助がなければ市場で存在する事が不可能です。母親の雇用が増大するほど政府の会計を圧迫します。しかし、民営のハウスヘルパー導入は税金補助を必要としません。   4)外国人ヘルパーの法律は別枠で設ける 企業労働と家庭労働は目的も環境も異なりますので、別のルールや基準で考える事には一定の合理性があります。香港ではハウスヘルパーは移民法(外国人労働者の就業ビザ)でも労働法(就労条件)でも別枠を設けて運用されています。   5)5万円で割りに合うか? 香港の住込みハウスヘルパーは月額5万円ほどの最低賃金が法律で決められています。食住の経費は別途に雇用者負担ですが、大した追加費用にはなりません。大卒新卒で企業に就職し、出産時に月額で20数万円以上の所得を得ている共働き家庭の女性が子供をもうけた場合、出産して3ヶ月程度で職場復帰し、以前とほぼ同じ条件で就業して給与を得る方が、退職してあとからパート職につくよりも、企業にとっても家庭にとっても結果としての負担は小さいと考えます。 離婚や死別による片親家庭の場合は更に、24時間保育より住込みハウスヘルパーの方が、親として安心して家を空けられます。 更に、ハウスヘルパーは子守だけでなく家事(掃除、選択、料理、公共料金の支払いや買い物)を行いますので、月額5万円はフルタイムで働く片親・共働き家庭の母親にとっては5万円の投資価値は十分にあると考えます。   6)福祉の改善 住込みハウスヘルパーは親にかわって家事を行う事ができるので、片親・共働き家庭の母親が就業と育児の肉体的疲労による疾病、精神的疲労による育児ノイローゼ、その結果生まれる家庭内暴力、育児遺棄などを一定量抑止する事が期待できます。また、従来なら生活保護に頼らざるをえなかったような家庭でも、住込みハウスヘルパーによりフルタイム就業が可能になるケースが期待できます。     良いことばかりを書くのはフェアではないので、デメリットについても書きます。 1)香港、シンガポール、中東などで、雇用主からハウスヘルパーへの家庭内暴力事件がしばしば発生します。 2)雇用主がハウスヘルパーへ辛くあたると、ハウスヘルパーが子供に仕返しする事件がしばしば発生します。 3)ハウスヘルパー目的で来た外国人労働者が、目的外の職種(企業の事務、飲食サービス、売春)で利用させる事件がしばしば発生します。 4)特にフィリピン人のハウスヘルパーは、休日である日曜にカトリック協会でミサの後に公園等に大勢で集まって過ごす習慣があり(たとえば香港島のセントラルには毎週日曜に大勢のフィリピン女性が地面にゴザを敷いて、食事をしたり歌ったり、おしゃべりしたりという光景を見る事ができる)日本の文化に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。(彼女たち自身が治安を乱す行為をするという事はあまりありません。)     参考資料 1)保育所(wiki) 2)福祉行政報告例(平成24年3月分概数)

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/05/03 at 13:36

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

育休よりベビーシッター

最初に、日本の生産年齢人口の減少の原因は、経済や育児環境の問題ではないという事を知るべきです。戦後の日本で、出生率が低下を始めたのは1973年(こちらを参照)です。失われた20年も、正規雇用の減少とも関係ありません。 次に、政府債務が1000兆円を超えなお増え続けており、GDP、生産年齢人口ともに減少しているいまの日本で、女性が働きやすいように公営幼保育園(税金による補助金)を大幅に増やすとか、育休を長期化させて雇用保険(平成21年度から連続で赤字)の収支を益々悪化させるとか、そういう政策が持続可能でないばかりではなく、日本経済の衰弱を早めるだけだと考えます。 ではどうすればよいか。 香港・シンガポールでは、月額5万円ほどの給与で住込みのハウスヘルパー(家事全般・ベビーシッター)をフィリピンやインドネシア等から呼び寄せて雇用し、女性は出産して1月か2月程度でもとの職場へ復職する事がかなり一般的となっています。その結果、香港では女性の就業率が高く、管理職の4割以上を女性が占めており、香港の経済発展を支えています。 母親が子育てより仕事を優先する事にはいろいろな意見があるでしょうし、安倍首相といまの政権が望む姿ではない事は承知しています。しかし、政府債務の減少と、経済成長の為の女性の労働力確保という両方の目的を同時に叶える為には、税金や企業の負担増によらない解決策が必要です。 途上国の外国人を住込みホームヘルパーとするこの制度は、日本の文化へ適合させるには多少の時間を要しますし、法律の改正も必要かもしれませんが、検討する価値はあると考えます。  

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/28 at 16:03

Categories: 1.政治・経済   Tags:

深夜アニメのビジネスモデル

最近に始まった事ではないと思いますが、深夜に放送する大人向けのアニメが盛んです。夜中の1時とか2時に放送するんです。確かに、この時間帯だからアニメを見る視聴者というのはそれなりにいるのだとは思いますし、深夜枠でしか放送できないという大人の事情(エロや残酷な描写と放送料金の予算)もあるとは思います。しかし、視聴者層全体からすれば微々たるものでしかないでしょうか。これらのアニメは放送枠は深夜でも、実際の視聴はビデオ録画や、もっと多いのはネット上へアップロードされたものを別の日に、というのが大多数ではないかと思われます。 アニメ制作のスポンサーはバンダイ、ブシロード、ソニー・ミュージック、アニプレックス、スクエアエニックスなど何らかの商品を売る事が目的です。深夜枠とはいえ首都圏のテレビ放送ですし、13回の放送で4千万円はすると思われます。(放送料金についてはこれを参照し1話で300万円強としました)これにアニメの制作費用が13話で最低1億3千万円くらいかかると思われます。(アニメ制作料金はこれを参照して1話で最低1千万円としました)この放送時に、スポンサー企業が別途料金でコマーシャルを入れているのでしょう。 ざくっと全体の予算の2割以上をテレビ放送に使い、別途にコマーシャル料金まで払っているのに、大多数の視聴者はネット上にアップされコマーシャルまでカットされたコンテンツを視聴していると考えれば、アニメ制作に関わる主要なスポンサーとしては実に非効率なお金の使い方であるかと思われます。 さて、違法にネット上へアップされているアニメについてです。これはテレビ局にとっては1文の得にもならず災難ですが、商品を販売したいスポンサー企業にとっては、実はおおきなメリットがあります。スポンサー企業の目的は商品の販売です。制作したアニメは、たとえどんな媒体を介してでも、より多くの視聴者に見られ、より多くのファンを獲得する事が、より多くの販売へ繋がります。 そこで結論ですが、発想を180度かえてテレビ放送を止め、はじめからオリジナル画像を自社でアップしてはどうでしょうか。大人向けアニメ関連商品の主要な顧客層は、テレビの前ではなくネット上に多く生息しています。放送コストがゼロになるので、プロジェクトの損益分岐点を最低2割は下げられます。英語、中国語、フランス語等の字幕を入れて、世界中へ商品をネットショップから販売する事もできます。DVDを売るつもりのない作品は、はじめから低解像度で制作すれば、多少とも制作費の削減ができるかもしれません。そして、テレビ放送では放送期間と商品の販売期間を重ねていましたが、ネット上に多数の作品を蓄積する事で、商品がロングテール化できます。過去作品の関連商品の在庫や発送は、費用の安い国から行えば良いでしょう。 これからアニメ制作の企画を行う方、ぜひご検討下さい。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/16 at 08:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

TPPと日中韓FTAの相互関係

米国主導の通商協定であるTPPについて、日米政府間で事前協議がまとまったようです。TPPでは、「交渉にすら参加するべきでない」という不思議な意見が議員や民間の中に多くあり、大きな違和感をもって様子を眺めておりました。それが安倍政権になって、やっとまともな方向へ舵取りができるようになり安心しています。 TPP日米事前協議で合意…7月にも交渉参加へ ところで、TPPは日本の輸出入産業とってどれほどのメリットがあるのでしょうか。日本から見たTPPにおける主要な大市場は米国だけです。米国の景気は上向きのようですが、民間の極端な消費傾向がみられなくなった現在、米市場はそんなに魅力的なのかという疑問があります。おおきな下請構造をグローバルに展開している自動車や電機メーカーにとって、生産国としてマレーシアとベトナムしか交渉参加していないので、どれほどの利用価値があるのかもやはり疑問です。 やはり日本がTPPに参加する真の目的は、米国の対中政策という政治的な目的が強いのではないかと感じられます。 その一方で日中韓FTA交渉がつい先日、3月28日に行われたようです。こちらの方が、自動車・電機・鉄鋼など製造メーカーにとってはより関心の高い通商交渉ではないかと思われます。日本のグローバル製造メーカーが工場を展開している中国とASEAN諸国には、中国主導でACFTAが存在しており、以前に書いた「中国が仕掛た東アジア経済ブロック圏」(ここをクリック)で紹介したように、参加国間の関税はかなり下がってきています。このACFTAにとって重要だが除外されているのが日本と韓国です。日本と韓国は、このエリアにたくさんの工場をもっていますが、ACFTAでは日本と韓国は商品を経由する事しか許されていません。 しかし日中韓FTAが成立すると、日本・韓国から中国工場へのコア部材の輸出の関税がゼロまたは低減され、製品のコストをより低減させる事ができます。また、中国工場で製造した製品をASEAN諸国へ無・低税率で輸出する事もできるようになります。 最終的に日中韓FTAがACFTAに融合すると、東アジア経済圏の下地のようなものが出来上がるのではないでしょうか。 ところで、日中韓の国家間関係はかならずしも良好とは言えません。そんな状態で、日中韓FTAの交渉がまとまるのでしょうか。そこで鍵になるのがTPPの交渉です。日中韓FTA交渉とTPP交渉は相互に影響を及ぼし合っているようです。米政府はTPPを中国に対する牽制に使いたいようです。中国から見ると、日本が米国に取られる前に日中韓FTA交渉を早く成立させたいようです。そういった綱引きをうまく利用して、日本政府は通商および外交的な政策を進めるべきではないか思いました。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/09 at 14:41

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

日本が資源大国になる日

最近少しづつメディアやブログで取り上げられるようになって来ましたが、日本の領海および経済水域の海底には、極めて大量のメタンハイドレート(*1)があると言われています。東莞にいる私の知人は、北見工業大学の土木学科(いまは社会環境工学科?)の大学院でメタンハイドレート研究を最初に行った修士の一人で、以前から酒を飲みながらいろいろと聞き及んでいました。メタンハイドレートはこれまで、海底の砂の中に埋まっているのでエネルギー収支を合わせる事が難しいと言われていましたが、実は日本海の海底にはメタンハイドレートの巨大な氷の塔がある事が分かったという話を最近聞きました。 ネットでググって探して見ると、独立総合研究所の青山繁晴氏のYoutubeビデオ(*2)で確認できました。彼の奥さんの青山千春博士が特許を持つ方法(簡単に言うと魚群探知レーダー)で比較的簡単にメタンハイドレートの氷の塔を見つけられるのだそうです。また、東京大学等と共同で、海中からメタンハイドレートの氷を採集しているとの事です。また、現在見つかっているメタンハイドレートの氷の塔は、新潟県の佐渡ヶ島沖の「領海内」の海底にあるので、資源採掘において中国や韓国からクレームが来るようなリスクも一切ないとの事でした。 メタンハイドレートの氷の採掘にはいろいろ経済的なメリットがあります。気体のガスと異なり、氷に閉じ込められた状態で物理的にパッケージ化されているので、氷を溶かさないように冷凍船で陸まで運び、メタンガス回収施設へ運び込んで氷を溶かせば、そこからメタンガスが大量に出てくるという非常に手軽な化石燃料です。潜在的には莫大な量の埋蔵量だと言えます。 さて、ここで米国のシェールガス革命(3)に目を向けてみましょう。米政府の規制緩和と技術革新によってエネルギー収支が改善して米国をエネルギー輸出国にするとさえ「言われて」いますが、実は多数の問題を抱えており、現実はそんなに甘くないようです。それでも世界のエネルギー資源の市場に大きなインパクトを与えています。米国のこのエネルギー戦略は大変興味深い事を示唆しています。 日本政府がメタンハイドレートの資源開発を世界にエネルギー市場に向けて高らかに宣言し、国家プロジェクトとして集中投資して一定の実用化を行う事で、中東の石油輸出国はとても困った状況に陥ります。世界有数のエネルギー輸入大国の日本が、エネルギー資源大国になってしまうと、石油を買ってもらえなくなります。その心理的影響だけで、日本のエネルギー戦略は非常に有利に運ぶ事ができます。 実際にバンバン採掘する必要はありません。いつでも採掘できる膨大なエネルギー資源がある、というシグナルを世界へ向けて発信する事が、戦略的に重要であると考えます。 参考資料: 1)メタンハイドレート 2)【青山繁晴】メタンハイドレート実用化の環境効果と壁 3)シェールガス革命

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/08 at 00:42

Categories: 1.政治・経済, 2.科学技術   Tags:

ホリエモンの新しいニュース批評事業を予測する

堀江貴文氏は出所後の記者会見(*1)で、「ネットを使った新しいニュース批評を事業化していきたい」と述べたようです。これについてググると、既にKubota Hiromiという方が予測(*2)しておられいますが、ホリエモンのメルマガを読み続けてきた私は、別の予測をしてみました。 1)ニュースのネタは通信社から買う ニュース配信を事業として考えると、取材して記事を書くという事が必要だと考えてしまいがちですが、これは高コストかつ低付加価値なのでやらないと思います。ニュースのネタを仕入れるだけなら、共同通信社(*3)やAP通信社(*4)などニュース配信を専門とする会社から買う方が経済的です。 2)批評と解説で付加価値を付ける ニュースの面白さというのは、記事の中の事実そのものよりも、その記事の分析や解説にあります。テレビの報道バラエティー番組では、個性的な解説者が多く出演してそれぞれ意見を述べる事で視聴者の興味を引きますが、内容的には「砕けすぎ」で信頼性も高いとはいえません。村上龍のJMMというメルマガ(*5)では「金融経済の専門家たちに聞く」というのがあり、1つの課題について複数の専門家がそれぞれ自分なりに分析・解説するという趣向でしたが、内容がかたすぎたと思います。1つの良い例として、ニッポン放送のザ・ボイス(*6)というラジオ番組があります。その時々のニュースネタ7つを選び、青山氏・勝谷氏・角谷氏・渡辺氏などの解説者が日替わりでニュースの解説をおこなっており、Podcastでの配信も無料で行なっています。ちょうどこれの活字版を、ホリエモンの人脈で選んだ各分野の解説者が柔らか目の口調でニュースの分析と解説を行い、ニュースに付加価値を付けるのではないかと考えます。 3)メルマガ形式で配信する ホリエモンのメルマガ読者には自明の事ですが、堀江氏はメルマガというビジネスモデルを非常に高く評価しています。そしてメールで配信すると、パソコンだけでなくスマホでもタブレットでも容易に読む事ができます。おまけにメルマガは極めてシンプルかつ低コストで作成と配信ができ、課金モデルも日本では確立しています。ニュース配信は間違いなくメルマガ形式です。ただし、メルマガ配信のニュース記事を数日遅れでウェブサイトに掲載して、無料で閲覧できるようにするかもしれません。 上記を要約すると、堀江氏がやりたいのはメルマガ版のBusiness Insider(*7)ではないかと考えます。 ところで堀江氏はなぜニュース配信事業に興味をもっているのでしょうか。1つには、ライブドア事件(*8)で検察の暴走を許したのは新聞社による世論誘導があったと感じているからではないでしょうか。このような新聞業界のダークな面を体験して、新聞業界を密かに改革したいと考えているのかもしれません。   参考資料: 1)"新しいニュース批評の形"を事業化したい〜堀江貴文氏会見全文〜 2)ホリエモンの考える「新しいニュース批評の形」を勝手に考えてみる 3)共同通信社 4)AP通信社 5)Japan Mail Media 6)ザ・ボイス そこまで言うか 7)ジェフ・ベゾスの新しい戦場 Business Insiderはニュースルーム・バトルの台風の目 8)ライブドア事件  

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/04/06 at 23:15

Categories: 1.政治・経済   Tags:

システム開発が失敗する本当の理由

吉澤準特氏が公官庁のシステム開発の問題点について指摘していますが、開発失敗リスクについて感じるところがったのでちょっと書いてみます。 ITシステム開発のフェーズを2つに大別すると・・・政府調達に見るIT投資の無駄遣い   パッケージソフトなどの出来上がっているソフトにちょこっと修正して運用開始するのと違い、もとになるシステムの有無に関係なく、あるお客様に固有の業務フローをシステム化する開発プロジェクトには大きなリスクが常に存在します。 どんなリスクかという事をなるべく素人でも分かりやすく述べると下記の通りです。 1)手作業で行う効率的な業務プロセスがシステムでも効率化できるとは限らない。 多くのお客様では、現場への業務分析を行うと、現在の手作業(あるいは古いシステム)を前提としてかなり効率化(少人数化)されている事がほとんどである事が分かります。日本の文化的特徴として現場には優秀な人材が多く、出来る効率化はあらかた実行済みである為、「いまの効率的な業務プロセス」を要件定義の前提とする場合がほとんどと言っても過言ではないでしょう。 手作業による効率化された業務プロセス、あるいは個々の業務プロセスに特化して改良を重ねた古いシステムがあり、それらをプロセス間、科や課をつないで統合的に運用できるような新しいシステムを考えようとする場合、はっきり言うと、いまある効率化された業務プロセスを作り変える必要があります。 なぜなら、現在は科や課で独立して管理している情報(エクセル表や古いシステム)は、隣接する科や課が持つ関連する情報ときちんとリンクしていません。「きちんと」という意味は、人間なら許容できる範囲の時差と精度だが、統合的なシステムから見ると許容できないという意味です。 業務プロセスを統合システムに合わせて作り変える事は最重要課題ですが、実際にはこれが、要件定義やシステム設計をきちんと行うよりよほど難易度の高い問題です。最大の問題はスイッチングコスト(*1)と言われ、いままでと異なるやり方を現場が嫌がる(面従腹背で拒否する)という事です。私の経験では、システム導入を推進する組織トップが現場をきちんと指導できる強い統治力を持つ組織でない限り、この問題の解決はできません。   2)システム設計者はお客様の業務フローを生半可にしか理解できない。 あるお客様に特有のシステムを開発する場合、その業務内容に習熟した開発者側の人間がいれば、上記1で述べた業務プロセスを作り直す為の提案を行い、あらかじめ業務プロセスの改善に着手すると同時に、その着地点を前提とした要件定義を行なって、システム設計を行う事ができます。 ところが現実には、あるお客様に特有の業務プロセスに習熟する為に、優秀なシステム設計者を1つのお客様へ半年も1年も派遣して貼り付ける事は困難です。そのような優秀な人材は、どんな大企業でも人数に限りがあり、その一方で企業規模に応じた受注額をこなすために、1つの案件に貼り付けられる時間には限りがあります。 有名になった特許庁システムの開発破綻(*2)では、業務内容を習得するべき担当者が期間中に何回も入れ替わって、何をどう理解したのかもわからないような惨状であったと思われます。これは極端な例ですが、毎週何回も業者側のシステム設計者が業務担当者や係長や課長と打ち合わせを行ったところで、たかだか数週間とか数ヶ月でまとめられるのは主要な業務プロセスと主だった例外処理項目だけであり、どれだけの例外処理項目を見逃していたかはシステムを開発した後にならないと判らない事がほとんどです。 これを後の祭りと言います。 では、どうしたら開発失敗のリスクを減らす事ができるのでしょうか。 真正面から答えるならば、要件定義の前に業務分析と業務改善(ビジネスプロセスリエンジニアリング)(*3)のフェーズを挿入し、ここへ最も大きな時間と予算を投入する事です。そして業者側でエース級のシステム設計者に、主要な業務から年数回の例外処理まで、実務の担当者以上に業務内容を理解してもらい、それを前提とした業務改善を業者と一緒になって行ないます。 業務改善の趣旨は、組織全体でデータ管理の改善、例外処理が発生しないように主要な業務プロセスの見直し、外側組織のデータとの関係性の改善などです。 システム導入を前提として、業務プロセスをきちんと整理する事ができれば、その後の工程(要件定義、システム設計、システム開発、テスト)のリスクはかなり低下させる事ができます。 最後になりますが、公官庁のシステム開発案件でも、業務分析・改善フェーズからシステム設計フェーズまでは、少なくとも1つの業者が責任を持って請け負うべきだと考えます。   参考資料: 1)スイッチングコスト 2)特許庁のシステム開発破綻の理由 3)ビジネスプロセスリエンジニアリング

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/25 at 15:18

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

プーチン大統領を小一時間問い詰めたい

プーチン大統領は日本・中国・韓国の資本を呼び込んで工場をたくさん作り、国内の経済停滞を打開して国力アップを計りたい(より強いロシアを実現したい)と強く考えているようです。その為には、中国が改革開放(*1)でおこなった手法が非常に良い手本になると思われます。 1)外国人の入国規制を緩和する 私がはじめて大陸中国に足を踏み入れたのは1989年の旧正月でした。当時はまだ、外国人が入れる都市と入れない都市がありましたが、そのような規制はまもなく撤廃され、チベットなど一部の例外を除いてどこでも自由に旅行できるようになりました。さらに入国ビザの取得もどんどん容易になり、最後にはビザ無しで短期滞在できるようになりました。中国の企業と取引したい外国人のビジネスマンにとって、往来が容易になるというのは必要条件だと思われます。ロシアはいま、外国人が入国するには受け入れ側からの招待状(*2)が必要です。これは個人のビジネスマンにとって非常に大きな障壁であり、それだけで視察する気も萎えるのではないかと思われます。日露の政府間でいま、日本人のビザ無し入国の交渉(*3)が行われているようですが、経済発展を望むならぜひとも早急に実現させるべきでしょう。 2)通関の規制を緩和する 中国は改革開放の初期から現在まで、輸出入の業務は限られた企業のみが行う事ができ、外貨規制(輸入する物品の支払いの為に外貨を購入する権利の規制)との組み合わせで完全な既得権となっていました。ところがそれ以降、中国の外貨準備高が増大して外貨規制が緩和され、輸出入業務への新規参入も容易になった為、市場競争の中で物品の輸出入は簡単(物流業者へ手続きを丸投げ可能)(*4)になり、料金も非常に廉価になりました。このような流れの中で、外国製品の並行輸入や国内販売を行う外国企業が非常に増えました。また、中国製品を海外へ輸出する事も非常に容易になり、たとえばタオバオ(*5)で注文して物流業者の倉庫へ直送し、輸出梱包してもらって香港経由で北米へFedexで輸出するというような小規模な輸出業務でさえ、きわめて廉価で行う事ができます。ところが現在のロシアでは、おもしろそうな商品があるのでメーカーから直接に購入しようとしても、非常に面倒な通関書類を自分で用意しなければなりません。たとえば私の知る香港人のカメラショップ経営者は、ロシアのZenit社(*6)の一眼レフカメラと交換レンズを手がけています。そこでメーカーから直に安く買おうとしたのですが、ロシアから輸出する時の通関手続きの煩雑さにギブアップし、北米へ輸出されているZenit社の製品を香港へ輸入しているそうです。このような通関障壁を残したままで、プーチン大統領がいくら外資呼び込みの旗を振り続けても効果的とは言えません。   ロシアの輸入品目を金額ベースで見ると鉱物資源とエネルギー(*7)がほとんどを占めます。これはまるで途上国の経済のようです。ロシアが経済発展するには、電機や通信など民生品の製造業を発達させて、それらの製品をアジア・中近東・アフリカへ輸出する事が必須条件であろうと考えられます。その為の最短距離は、日本・中国・韓国・台湾などの製造メーカーをどんどん呼び込み、その結果として、ロシア国内企業へ製造技術・生産技術などの技術移転を図る事が極めて重要かと思われます。   参考資料: 1)中国の改革開放 2)ロシアのビザ取得に必要な招待状 3)日本人のロシアへのビザ無し入国 4)中国の輸出入手続き 5)タオバオ 6)Zenit 7)ロシアの輸出統計

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/23 at 22:06

Categories: 1.政治・経済   Tags:

中国で地下原子炉

北京共同によれば、中国が小型の原子力発電施設を地下に建設するプランがあるようです。2014年に着工して2017年には完成したいとの事。まずは下記にニュースを引用します。(ネタ元はこちらをクリック【北京共同】中国国有企業が原子力発電所の主要施設を地下に設置する同国初の「地下原発」の建設を計画していることが11日、分かった。 小型原子炉を想定しており、2014年にも着工、17年の完成を目指す。 国有企業「中国核工業集団」の子会社「中核新エネルギー有限公司」の関係者が共同通信に明らかにした。  既に建設計画の策定を終え、政府に建設許可を申請した。政府の担当部門が審査している。  中国は原発を「クリーンエネルギー」と位置付けて推進する構え。 だが全人代では、原発の安全対策が不十分として法整備強化を求める声も出ている。 原子力発電施設を地下(あるいは半地下)に建設するというのは良いアイデアです。 地下の施設は施設全体が地震の揺れに応じてほぼ同じ方向へ揺れるので、局部的なストレスがかかり難く壊れにくいので、地震大国の日本ではおおきなメリットです。 ほぼ全ての設備を地下につくり、地上部分の出入り口や排気口に津波対策すれば、大津波による影響を受けにくくする事もできます。 施設周辺の地下水が少ない場所を選べば、仮に放射能漏洩事故が発生しても、環境中への放射線排出をコントロールし易いというメリットもあります。 デメリットとしては、地上へ建設するより工事費用がかなり高くなる事と、内陸部に建設した場合に放射能漏洩事故による地下水汚染が深刻な問題となる事が考えられます。 上記であげたメリットとデメリットを天秤にかけて考えると、都市部に近い海辺に複数の小型の地下原発を建設するのはメリットがデメリットを上回るように考えられます。 如何でしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/19 at 19:01

Categories: 1.政治・経済   Tags:

ユニクロ・ワタミの攻略法(1)

生島勘富氏のブラック企業関連記事をたいへん興味深く記事をフォローしておりました。生島氏の意見は、大げさに表現すれば企業内労働の価値観にコペルニクス的転回をもたらすものであり、就活を行なっている大学生が就職戦略を練り直す為の新しい指針をもたらしてくれるでしょう。しかしながら来月からサラリーマンになる(或いは就職している)人たちは、自分の置かれた立場を認識できるだけであり、「どうすれば良いか」という具体的な展望が良く見えません。そこで、大卒で店長候補になった諸君の為の攻略法を考えてみました。 まずは生島氏の関連4記事を要約しながら、新しい労働価値観を復習しましょう。 1)ブラック企業のすすめ 労働基準法が保護の対象としている「置き換え可能な労働者」の未来は、機械に置き換わるか海外流出するかアジアの人件費に収斂してゆく。「置き換え不能」な企業はみなブラック化せざるを得ない。ブラック系企業でやってゆく秘訣は「やらされている」と思わない事である。 2)ブラック企業のすすめ - 就活生に向けて 企業が欲しいのはあなたの時間でなく成果である。成果は人によりばらつきがある。2:8の法則(パレートの法則*1)によれば、全社員の8割が、成果を出す誰かから搾取している。入社して数年は、「創業者から今に至る先輩諸氏が、営々と築いてきた利益を搾取している」という事を理解していれば、就活生や新入社員が、自分が搾取されていると心配する必要はない。 3)ブラック企業のすすめ - やりがい搾取 成果に対して報酬が少ない事を搾取というのだとすれば、本田由紀氏の主張する「やりがい搾取」という言葉は意味不明。恐らくは「成果を出す誰か」から搾取している8割の人の主張ではないか。だとすれば、8割の人に「やりがい」を与えようとするのは、「もうちょっと頑張れよ!」という事をマイルドに表現した当たり前の教育。そして、「搾取されている」と思ってストレスを溜めるより、「やりがい」を感じてストレスを減らす方が健康的。 4)日本に生まれたことは能力じゃない 同じ労働で、同じ成果を出せば、労働報酬も同じはずだとすれば、日本人だから途上国より高い賃金だというのは如何なものか。日本人が途上国より高い賃金を得ているのは途上国を搾取しているから。しかも、この幸運は長く続かない。これからは純粋な能力で優劣が決まる時代になるのだから、「ブラック企業かどうか」ではなく、「入社して自分の能力が上がるかどうか」で選ぶべき。 5)ワタミからブラック企業を考える シバキ体質は自分でつくった限界を超えさせて短期間に成長させる為。肉体的、精神的なタフさは新人時代の最初に課せられる一番小さなハードルに過ぎず、ワタミの経営を見ると精神論とは全く逆で、超が付くほどの合理主義。どんな大企業でも「若者の一生を保証できる」と言い切れない時代、他所で使えないしがみつくスキルしか身につかない大企業の方が若者を「使い捨てにしている」と言える。何処を志望しても問題ないが、「入って何をしたい」という目標だけは明確に持つべき。   要約すると、新入社員のあなたは搾取する8割の側から出発します。そこから成果を出す2割へ到達する為には、「やらされている」という感情から脱して積極的に仕事へ取り組み、仕事を好きになるように努力し、純粋な能力を高めて成長しましょう、という事です。 自分をプッシュする精神力を養い、長時間労働に耐える体力を身に付けたとして、「優秀な店長」に留まらず、その先へ昇進する為にはどうすれば良いのでしょうか。 この続きはユニクロ・ワタミの攻略法(2)へ続きます。   参考資料: 1)パレートの法則

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/03/17 at 19:46

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

日本式の生産管理はグローバル化に適応できるか?

日本が戦後に飛躍的な成長を遂げたのは1954年から1973年までの19年間です。そして1968年に国民総生産が当時の西ドイツを抜いて2位になりました。(*1)この期間に貿易赤字から貿易黒字に転じた事から、経済成長が輸出主導で行われたことは異論のないところだと思います。(*2)輸出主導とは、経済成長の主な源泉が、製造業の製品(完成品や中間財)を海外へ輸出して稼いだお金が、国内の経済発展を牽引したという意味かと思われます。2002年から2009年のいざなみ景気も、輸出主導であったと考えられます。(*3)この事から、日本の企業の中で、海外と比して優位であるのは製造業であろうと考えられます。では、日本の製造業は何が優秀なのでしょうか。   スクリーンショット 2013-02-24 6.26.15 PM   1)製品開発力で優れているか: 日本のメーカーが自社開発して販売している製品(完成品や中間財)の多くは、先行する欧米メーカーの製品をキャッチアップしたものやその発展形に過ぎません。トランジスタラジオ、商用ビデオレコーダー、ウォークマン、青色発行ダイオードなど創造的な製品開発力が無いという訳ではありませんが、それは一部企業の特徴であって、日本企業全体の普遍的特徴とは言い難いと思われます。ただし、既存製品を改良してより良い製品を生み出すという意味での開発力は、普遍性があると考えられます。 2)技術力で優れているか: 日本が輸出で稼ぐ事ができた主要な理由は、欧米の先行メーカーに比して低価格・高品質であった事から、工場における技術力が高いレベルである事は間違いないと考えられます。 3)経営力で優れているか: 日本は国際的に見て収益性が低いようです。(*4) 政府も経営者もオワコンの具体例で説明しましたが、経営者は、せっかくの高い技術力と品質を収益力の向上に結びつける事が苦手です。(*5)長い間、日本製品の競争力は低価格と高品質の組み合わに依存していました。経営者は技術力を販売価格へ転嫁する為の経営力で劣っていたと言えます。また、プラザ合意から現在に至るまでの円高の流れの中で、経営努力として評価できるのは中国その他の東アジアへの工場移転です。その結果、国内工場から消費国への輸出は減少しましたが、特に中国工場から消費国への輸出がどんどん伸びました。(*6) スクリーンショット 2013-02-24 8.07.45 PM   上記をまとめると、日本の製造業は技術力や製品開発力では優れているものの、経営力では劣っており、欧米企業と比べて低収益であるという事になります。更に近年、日本の製造業は韓国や中国メーカーとの激しい競争に晒され、サムソンの液晶テレビやスマートフォンなどが日本製品をデザイン・機能・価格で日本製品を凌駕している事を見ると、商品開発力でも日本の優位性は徐々に失われている可能性があります。では、技術力ではどうなのでしょうか。 日本の技術力には、高密度実装のような技術力、品質を高める技術力などがありますが、特筆するべきは製造におけるオペレーション効率(生産する時の効率)であったと言われています。しかし、欧米企業だけでなく中韓などアジアを代表する製造業もオペレーション効率の向上に務めた結果、それほどの差はなくなっています。(*7) 工場で製品製造の品質・原価・工程を管理する為に生産管理という概念があります。(*7)そして、日本国内の工場では、生産管理の作業を現場がボトムアップで支援して成立させる企業文化があります。これを外から見ると、顧客の納期に間に合うように「阿吽の呼吸」で製造が行われているかのようです。私が思うところ、日本の製造業がオペレーション効率で他国に優っていた最大の理由、日本の技術力の正体とは、まさに製造現場の労働者の総合力(技術力と管理力)であったと考えられます。(故にでしょうか、日本の大学で生産管理やSCMを学部や大学院で教えているところは非常に少ないようです。また、日本の本社から来た生産管理の方の話しを聞くと、生産管理は現場で覚えるものであって大学で生ぶものではないという考え方が強いようです。) ところが日本の製造業は、円高の進行に背中を押されて、1990年代から工場をアジアへ移転させ始めます。特に2000年以後はこの流れが加速し、いざなみ景気を背景として、日本の製造業の空洞化と、特に中国への工場移転が進みました。私は1990年代後半から広東省へ移転した日本の工場の生産管理システムに関わり始めて現在に至っていますが、一貫して感じている事があります。中国に移転した工場は、合弁先の現地企業が主体で製造を行う以外、先に述べた日本式の企業文化を持ち込んでオペレーションしている為に、継続的かつ根本的な問題を内在させています。 中国(アジア)の工場では、労働者の転職率は非常に高く、たとえば中国華南エリアでは一般的にラインワーカーの半数以上が1年から2年で新人に入れ替わります。いくら日本式の企業文化を刷り込んでも、短くて数ヶ月、長くても数年で大半の労働者が転職で入れ替わるので、日本式の企業文化を維持する上で、日本人の技術者の駐在が不可欠になります。これは工場経営にとって大きなコストアップとなり収益を低下させます。 更に、日本の企業文化に不可欠な、現場の労働者による自発的なボトムアップでの管理というのが海外ではうまく機能しません。日本と中国(他のアジアの国でも)では労働者の気質(文化的背景)が日本と大きく異なり、管理と製造の分業が明確になっているのです。「ところ変われば品変わる」あるいは「郷に入りては郷に従え」で、中国の文化に適合した生産管理と製造のやり方が求められます。しかしながら私の知る限り、日本企業が主体的にオペレーションしている全ての日系工場の経営者や管理責任者が、「日本式生産管理」を行なっており、その結果として在庫の問題や生産性が改善しない事で悩んでいます。 それでは中国の工場はどうしているのかといえば、工場のオペレーションは経営者によるトップダウンで行う事が一般的です。大企業では更に、経営者はマネージャーを管理し、マネージャーは部門配下の労働者を管理するというヒエラルキーが存在します。(日系企業にも名目上のヒエラルキーは存在するが、権限と責任がきちんと定義されておらず、その一方で結果責任を追求される傾向があり、効率的にワークしているとは言えない会社が多いと感じています。) 生産管理(品質・原価・工程)も中国の工場では生産管理課のマネージャーが「司令塔」としての大きな権限を持っており、製造計画や日々の製造の指示などは生産管理課が明示的な指示を出し、製造課はその指示に従って製造する事だけに集中しています。日本のボトムアップな方法とはかなり異なるやり方です。その為に、中国では2000年代のはじめから生産管理や狭義のSCM(工場内の受発注在庫管理)を教える大学が増加しはじめ、現在では100校を超える大学が学部や大学院で教えています。中国の企業も、大学や大学院で生産管理を専攻した学生を積極的に採用する事で生産管理のレベルアップを図り、10年前と比べてオペレーション効率を飛躍的に高めています。中国では生産管理の人材は豊富であり、私の会社でもERPチームのコンサルタントとして生産管理やSCMを専攻した大学院の修士をどんどん採用しています。 現在、日本の電機メーカーの弱体化が懸念されています。これらの企業の収益悪化の原因のひとつとして、中国をはじめとするアジアへ工場を移転したが、現地工場のオペレーション効率を思うように上げる事ができない事が、収益の足を引っ張っていると考えます。日本式の生産管理手法は、日本人の工場ワーカーがいる事が前提条件であり、世界中でユニバーサルに成立する方法ではないという事を1日も早く自覚するべきです。私の会社では、そういった問題意識を持った日系の中小企業工場に対して、中国に適した工場オペレーションの標準化と効率化を行うコンサルテーションを行なっています。(最後は自社の宣伝になってしまいました、すみません。) 参考情報: 1)高度成長期 (wikiより) 2)対GDP比で見た輸入・輸出・純輸出の推移(1955-2010年)(三度の飯より統計データ) 3)いざなみ景気 (wikiより) 4)年次経済財政報告 (内閣府) 5)政府も経営者もオワコンの具体例 (Mutteraway) 6)世界市場における日本の輸出シェア(内閣府) 7) 生産管理概要(中小企業診断士 藤原敬明)

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/02/25 at 00:26

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

プロのボランティア募集って悪?

BLOGOSの議論板で知りましたが、大阪市天王寺区の区役所が無報酬(つまりボランティア)の広報デザイナーを募集したところ、「報酬なしって世の中舐めてるだろ」「デザイナーなんぞ皆死んでしまえ、という意図にしか読めません」(こちらを参照されたし)といった批判が来て、区役所が謝罪したとの事です。 この件について、まず私の意見を言えば、区民に奉仕する区役所という公益組織の為に、特定の技能を持つ人が積極的に役務を提供する事は、良いことだと思います。このような募集に呼応して、区民の中からボランティアが出れば、区民による区民の為のという辻褄が合って理想的だったのではないでしょうか。同時に、ボランティアの役務によって区の予算を削減でき、削減した分の予算をより必要な箇所へ有益に使う事ができるのであれば更に素晴らしいと言えます。天王寺区役所で、今回の件を企画した人はこのようなストーリーをある程度考えていたのではないでしょうか。 また、本件でふじいりょうという方がプロの立場から(こちらのように)批判しておられます。言っている事はプロとしてもっともだと思いますが、ちょっと建前論過ぎるのではないという印象を受けました。たとえばふじいさんの会社が天王寺区の中にあり、経営に余裕があれば、会社の利益を区民へ還元する試みとして捉える事はできたと思います。 もう一つ、既に経営が起動に乗っているデザイナー(会社)は別として、売り出し中の若手プロデザイナーとか、プロを目指すセミプロや学生が「箔」を付ける為に、この企画を「踏み台」として利用する事はアリだと思います。肝心な事は、参加したい人が居たとして、提供する役務と、踏み台としての価値が釣り合っているかどうかに、自分で納得できるかどうかです。 今回の件で残念に感じたのは、区役所が謝罪した事です。募集要項を内容変更して継続しており、変更前と変更後の内容を併記させているという事は、区役所としては「本心」では間違っていたと思っていないのでしょう。ならば尚更、区民の為という信念があり、それなりに考えて發表したのであれば、法的な問題などの見落としが無い限り、むやみに謝罪などせずに「突っ張った」方が良かったのではないかと思います。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/02/11 at 16:14

Categories: ブログ評論, 釣りネタ, 1.政治・経済   Tags:

中国との関係改善の必須条件

このような表題にすると、「中国と付き合う必要はない」という意見が返ってきそうですが、日本の置かれた地理的状況を見れば、そういう訳には行きません。 中国の対米防衛戦略として第一列島線、第二列島線というものがあります。下記の図(こちらのブログより引用)を見れば明白なように、日本列島は中国沿岸へ接近する米艦隊に対する「塀」として、防衛戦略の中にガッチリ取り込まれているのがわかります。どこの国でも防衛戦略というのは死活問題の類ですので、日本がほっといてくれと言っても、中国政府に聞く耳があるとは思えません。 スクリーンショット 2013-02-10 9.12.24 AM 経済的な視点から見ても、巨大な市場と生産力を持つ中国と隔絶し続ける事はできません。市場となり得る途上国は急速に減少しつつあり、グローバル化の流れは、どこかの時点でブロック経済圏へ収束して行くと思われます。その時、東アジアではどう見ても、中国をコアとしたブロック経済圏となる可能性が高いでしょう。そうなれば、日本、韓国、ベトナム、ラオス、ミャンマー、タイ、カンボジアあたりまでは東アジアの経済圏へ吸収されてしまうでしょう。 上記で述べた2つの問題を回避する為には、日本列島を海底から切り離して、太平洋の反対側へでも移動させる事ができれば良いのでしょうが、そんな事は(今のところは)不可能です。逃げる事ができず、無視する事もできないならば、中国との長期的で良好な関係を構築するのは日本にとって合理的な選択です。 日本と中国の長期的な関係構築において、根本的な問題となっているのは、中国人の反日感情だと思われます。私の個人的な経験では、いままで会った中国人(タクシーの運転手や食堂の服務員も含めて)で、面と向かって「お前は日本人だから嫌いだ」と言われた事はありません。中国には13億を超える人がいますので、無条件に日本人が嫌いな人も探せばいるのでしょうが、全体としては少ないと考えています。(その証拠に、日本製品の売上は反日騒動のあと、現在は回復傾向にあります)個々の中国人は、積極的に日本人が嫌いという人は多くないとしても、それでも反日騒動という社会的な現象が発生する理由は、中国政府による継続的な反日教育が人々の心の深層へ偏見を埋め込んでいるからだと考えます。 さて、反日教育という言葉はよく聞きますが、実際に学校でそういう教育をしているのかというと、実は良く解りません。うちの会社の社員の何人かに個別に聞きましたが、高校や大学でそのような授業は記憶に無いとの事でした。学校での反日教育というのは、過去にはあったのかもしれませんが、いまは明示的には行われていないのかもしれません。では、反日教育はどこで行われているのでしょうか。 考えてみれば、13億人を超える人口の7−8割は農民戸籍の人達です。彼ら彼女らの大多数は学校の勉強には興味が無く、中卒か高卒で社会へ出て、農家を継いだり、出稼ぎ労働者となって工場や食堂や運送関係など社会の底辺の職場で働きます。その底辺労働者の最大の娯楽といえばテレビ放送です。 中国へ出張した経験のある方ならご存知かもしれませんが、中国のテレビでは毎日必ずと言って良いほど、日本の軍服を着た「日本鬼子」が登場して、可哀想な中国人を騙したり殺したりするドラマをやっています。子供から老人まで、テレビが大好きな中国人の大多数が、この手のドラマを文字通り毎日毎日見て生活しているので、ごく自然に、日本人(日本軍)は残酷な人でなしであると刷り込まれてしまうのではないかと思われます。(そういえば私が子供時代に、テレビで放映していた米国製の戦争映画やドラマには、かならず悪逆非道なドイツ軍兵士が登場していましたが、あれも米政府が米国民に向けての洗脳だったのでしょうか。) そこで安倍政権(と未来の政権のみなさん)へお願いなのですが、中国政府に対して根気よく、日本軍を悪役に仕立てたテレビドラマの放映を止めるように交渉して頂く事はできないでしょうか。中国のテレビと新聞は、特に政治的プロパガンダについては中央政府の意向がダイレクトに反映するメディアであるので、中央政府が「やめろ」と通達すれば、あっという間になくする事ができます。 とはいえ中国政府は一枚岩ではなく、面子を失えば国家主席といえども任期半ばで交代劇というのも有り得るので、方針転換は簡単にはゆかないでしょう。たとえ時の政権が理解し、内々に合意を得られたとしても、周到な準備が必要であり、実現には何年も要するでしょう。 そのような時間と手間と膨大なエネルギーを要したとしても、2国間を長期的に良好な関係に改善するという目的を果たす為には、必要な事であると考えます。  

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/02/10 at 11:47

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

神風政権は日本の救世主たり得るか

第二次安倍政権は神風とともに政権を奪回しました。えっ、何か神風かですって。言わずと知れた株高と円安というツイン台風の事ですよ。その風に押されて、自民党は12月の総選挙で294議席を獲得し、圧倒的な勝利を収めました。さて、この神風政権は、いったい日本をどこへ引っ張って行ってくれるのでしょうか。 スクリーンショット 2013-02-09 12.09.18 PMスクリーンショット 2013-02-09 12.09.50 PM 日本にはいま、いくつかの大きな国難を抱えています。 1)20年も続く経済停滞と1000兆円に積み上がった国の借金。 世界経済がグローバル化するに従い、製造業は低賃金国へシフト。日本を経由しない海外生産・海外販売によって、日本のGDPは減少の一途。製造業の空洞化を防ぐ為にあえて国内生産比率を高くしていたパナソニックとシャープは、その為に瀕死の重傷。要するにグローバル化の進展という自然の流れに逆らう事は得策ではない事が明らかに。ではいったい、安倍政権の目指す産業新興とはどんな政策になるのでしょうか。 2)中国の脅威。 野田政権が尖閣諸島の国有化を行う事により藪から大きな蛇を引きずり出してしまいました。中国はこれ幸いにと、やる気満々で領空侵犯したり、自衛隊艦にレーダー照射して挑発行為を繰り返しています。緊張が増す対中関係を反転させる為に、どのような秘策を練っているのでしょうか。 2)人口減少。 出生率の低下の理由を、長引く不況や非正規雇用の増加に求めている人がいるようですが、戦後から急激に増加しはじめた出生率が低下に減じたのはオイルショックの時からです。要するに現在の人口減少は、文化の成熟と共に「産めよ増やせよ」というフェーズから脱した結果を見ているだけなのです。これをいったい、どのような政策で人口減少に歯止めをかけようというのでしょうか。   という訳で、第二期安倍政権が国難にどのように立ち向かって逝くのか、お手並み拝見させて頂きます。

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/02/09 at 13:56

Categories: 1.政治・経済   Tags:

原発再稼働の条件

3・11の後、日本のすべての原発が法的根拠もなく、菅直人(元)首相のおかげで停止させられました。その彼が、きょうはこんな事を言っています。この人のおかげで、日本は電力が足らなくなり、大量の化石燃料を追加で輸入出ざるを得なくなり、日本の衰退がスピードアップしています。もういい加減にしてほしいと思っています。 人間というのは感情に動かされる生き物です。だからこそ、重要な判断は合理的でありたいと考えています。怖いとか不安というのは、気持ちとしては分かりますが、それで国全体の進路を曲げても良いとは思いません。分からないから不安なら、分かるようにすれば良いのです。 たとえ直下型の地震が来ても、原発は地震初期の振動を検知して自動で安全装置が働きます。3・11の時にも制御棒はちゃんと挿入されて核分裂連鎖反応は止まりました。だからそこのところは問題ありません。問題なのはその後です。 核分裂連鎖反応は停止しても、燃料棒はその瞬間から冷える訳ではありません。燃料棒はまだかなりの熱源(放射性同位体)を含んでいて、大量の崩壊熱を発していますので、継続的な冷却が必要です。3・11では全電源喪失でメインの冷却装置が機能停止してメルトスルーの結果を招きました。ならば全電源喪失しても非常用冷却機能がきちんと機能して、メルトスルーを防ぐ事を証明すれば良い訳です。証明の仕方は2つあります。 1)実際の原発で全電源喪失させて、非常用冷却装置だけでメルトスルーが防げる事を証明する。 2)スパコンで上記1の精密なシミュレーションを行なって証明する。 実機でテストする時の問題は、炉内の圧力を下げる為にベント(炉内の放射能汚染した水蒸気を外へ放出)して減圧しなければならない事です。ベントだけで大きな放射能汚染が発生するとは思いませんが、これは政治的にはクリアするのが難しいでしょう。 そこで日本が世界に誇るスパコンを使い、実機での(ベントしない程度の)テストも行なって、できるだけ精密なシミュレーションを行なって、全電源喪失しても非常用冷却装置がきちんと作動する事を証明すれば良いのです。 逆に、このシミュレーションで駄目な原発は、それを理由に廃炉と決めれば良いのです。 如何でしょうか。

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/02/03 at 21:40

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

政府も経営者もオワコンな具体例

さっき書いた「電機メーカーがオワコン」の最後のところで、B-CASっていう最強の非関税障壁で守られた国内市場なのに、国内大手メーカーがノーガードの殴り合い的な価格競争に明け暮れており、墓穴を掘りまくっているというのはどーいう事よっ、って言いたかったのですが、短くまとめすぎて不足を感じたので、追加の記事を書く事にしました。 狭い国内市場にグローバルクラスの古強な猛者的大企業が生き残り過ぎているという問題もさることながら、失敗に学ぶこと無く同じ事をえんえんと繰り返す経営者達も頭が悪すぎるのではないか、億円レベルの役員報酬が泣いているぞって感じています。 たぶん企業の中にもブログの読者にも、技術さえ良ければモノは売れて利益になると考えている方が多々おられると思うのですが、技術は無いよりある方が良いに決まっていますが、技術だけで利益を出せるかというと、そうではありません。素晴らしい技術がありながら、オイシイところはすべて他所にもっていかれているという典型的な具体例をこれからひとつ紹介します。 みなさんの会社にはオフィス用の卓上レーザープリンターの1台や2台はかならずあるのではないでしょうか。これのエンジン部分は、実は日本のメーカー数社が世界の市場をほぼ独占しているといっても過言ではありません。ところが、レーザープリンターのエンジンをキヤノンとコニカミノルタから購入しているHPが、完成品の世界市場では一人勝ちしています。なぜでしょうか? HPは、嫌なら他(の日本メーカーを)をあたるけのいいのっ?って感じで、プリンタのエンジン部分を安く買い叩いているそうです。もう一度書きますが、なぜ、そうなってしまったのでしょうか。 HPが得意とする卓上のレーザープリンターのエンジン部分は、日本のメーカーの独壇場と言っても過言ではないそうです。それなのに、HPの手の中で日本のプリンタメーカーが手球に取られたように踊っているなんて、なんて頭が悪い経営者ばかりなのか、って感じで悲しくなりました。 韓国や米国なら、世界市場を独占的に支配できそうな戦略的要素技術があれば、政府が旗を振って国内の利益調整するとかは普通にやりそうです。ところが日本の政府は、政府主導で旗振って国産技術を育てる事には熱心でも、市場で勝手に育った戦略的技術には感心が薄いようです。日本の大企業の経営者も、「戦略」という文字が欠落しているとしか思えません。 企業努力といえば購買と製造現場へコストダウン丸投げしかできない日本の経営者に未来はあるのでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 13:27

Categories: 1.政治・経済   Tags:

電機メーカーがオワコン

表題は撒き餌です。電機メーカーと書きましたが、これからDISるのは液晶やプラズマの大型テレビを製造している日本国内の大手メーカーです。以前に、ゾンビ企業は間引くベシとか、電気メーカーの生存条件などという記事を書きましたが、ひとつ大事な事を書き忘れていましたので、同じネタで恐縮ですが続きを書きます。 日本の国内には、テレビ製造の事業部を持っているグローバル・クラスの大企業が最低5社あって、常に激しく価格競争をしています。1つの国で地元の大手ブランドがこんなに沢山ある地域は他にありません(中国を除く)。市場での競争は短期間で価格競争になってしまうので、せっかく開発した付加価値の高い商品でも、高収益の期間を長く維持するのが難しく、大企業といえども体力を削っている状況となっています。 ところで北米やEUでは、サムソンやソニーのような外国メーカーも地元ブランドとある程度同じ条件で市場競争ができますが、日本の国内テレビ市場は、B-CASという非関税障壁の超高いハードルがあるので、韓国や台湾や中国の大手メーカーが日本の国内市場へ殴りこみをかける事がとてもむずかしくなっています。北米やEUでは、韓国や台湾や中国や日本のメーカーによる「安くて高品質」なテレビが地元メーカーを圧倒する事ができるのですが、日本の国内テレビ市場は、B-CASカードのおかげで外国メーカーの市場侵略を免れているのです。 つまり、日本のテレビメーカーが安値で体力を削ってしまったのは、ひたすら、国内企業どうしの削り合いの結果に他ならないという事です。 前の記事でも書きましたが、テレビにしろパソコンにしろ、日本には大手メーカーが「多すぎ」るので価格競争が常に激化するという宿命を負っています。これはもちろん、ユーザーの視点では良い事なのですが、労働者の雇用という視点からはきわめて不都合であると言えます。 雇用という視点から見た場合、こんなに沢山の大手企業が1つの市場に存在する状況は、なんとかならないものでしょうか。っていうか、B-CASがダメダメだっていう議論はどこへ沈んでしまったのでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 02:16

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

4Kテレビを違う視点からDISってみる

4Kテレビ批判の火付け役となったのは山田肇氏の「4Kテレビは失敗する」。これに、下記の論客が火に油を注ぎました。まずは4K肯定派の意見を紹介します。   1)西和彦氏の「4Kテレビは安くなる。そして売れる
  • 2Kテレビの技術を流用できるのですぐに安くなる。
  • 2K放送を見るのに最適なのは4Kテレビである。
  • 4Kの綺麗な色に慣れたら2Kには戻れない。
  2)うさみのりや氏の「何でも否定すればいいってもんじゃねーんだよ
  • 産業用途にはニーズがある。
  3)やまもといちろう氏「4Kテレビを無関係な方向からDISって壮絶に突っ込まれる
  • 4Kは世界の趨勢。
  4)青山友紀氏の「4Kテレビには未来がある
  • 家庭内で映画館のような大型高精細画面はニーズがある。
  次に、4K否定派の意見を照会します。   5)大西宏氏の「画質がよくなることだけではテレビの需要は増えない
  • テレビの機能や性能は成熟してコモディティー化している。
  6)永江一石氏の「4Kテレビは家庭用には売れないに一票
  • テレビ自体がオワコンだから。(オワコンの意味はこちらを参照)
  BLOGOSの4K特集ページをもとに、現在までの記事を上記のようにまとめてみました。各氏の意見を私の独断で箇条書きに圧縮しましたので、論点は非常に見えやすくなったと思います。さて、どちらかというと4K応援団の方が数の上では優勢のようですが、肯定派・否定派ともに、正面からとらえた場合の論点はほぼ出尽くした感があります。 そこで、記事の表題通り、ちょっと違う観点から4KテレビをDISって見たいと思います。 肯定派の複数の方が、4Kテレビが安くなれば普及すると述べておられます。では、いまの2Kテレビの普及に伴う低価格化よって、日本の電機業界(特にパナとシャープ)がどのような状況になったかを考えてみましょう。政府がエコポイントで支援した結果、店頭売価がどんどん安くなりました。 国内にはグローバルに勝負できる規模の電機メーカーが少なくとも5社もあります。ちょうと1月前に「ゾンビ起業は間引くベシ」で書いたように、国内市場が盛り上がれば盛り上がる程、大企業間での価格競争が激しくなります。短期勝負になるので、大量販売にキャッチアップする為に生産ラインをどんどん増やさざるを得ません。そして、ある時点で4K市場が飽和点に達すると、急に売れなくなります。たちまち事業の収益が悪化して、企業は体力が削られてしまうというシナリオが再現される可能性が高いと見ています。 しかも、他の方も述べているように、国内では4Kテレビの主な客層である地方の老人の絶対数は減少してゆくので、4Kテレビの客層の母数は2Kテレビよりずっと少ないのではないかと見ています。 そいいう見通しのもと、日本の電機メーカーは自爆リスクの高い4Kに邁進するべきではないと考えます。

6 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/02/02 at 12:11

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

ノマド経営者っていう記事が少ない件

さいきんノマドっていう言葉をネット上でよく見かけるようになりました。ノマドとは遊牧民を指す言葉だったようですが、最近は在宅あるいは特定のオフィスを持たない個人企業型の就労形態の事を指して使われているような感じがします。しかし遊牧民というのは、ある意味、季節により同じ場所をぐるぐる回るという固定パターンをもっている筈なので、現在のノマドワーカーが真にノマドなのかという疑問があります。 私はIT企業の経営者(共同経営)ですが、事業やっている会社や事務所が香港、深圳、東莞、セブにあり、必要に応じて週に数回から数年に1回の頻度で、ぐるぐる回りながら仕事をしています。これって実はノマドじゃねっ?と常々感じておりました。ノマド経営者って、自営業者の柔軟さとサラリーマンの安定性と経営者の社会的地位の良いとこ取りしたような感じです。 ノマドワーキングを絶賛するイケダハヤト氏は、ノマドワーキングの許容は日本社会を豊かにするで下記のようなメリットを列挙しておられますが、実はノマド経営者は下記のメリットを全て受ける事ができる上に、企業の業績に応じて高収入を得る事ができ、故に生活を高いレベルで安定させる事ができ、経営能力次第で自分の好きな事を仕事のネタにして、人生をより楽しくエキサイティングにする事ができます。
  • 親子の時間が増える
  • 生産性が向上する
  • 満員電車が軽減される
  • 働けない人も働けるように
ノマド経営の良い面を述べました。では、どうすればノマドワーカーからノマド経営者にアップグレードする事ができるのでしょうか。その辺の事について、簡単にまとめてみます。 1)最低限の生活を担保する事業をまず安定させる。 優先順位はノマドではなくて生活の安定です。しかしサラリーマンでは永久にノマド化できないので、独立して個人事業主になるとか、友達集めて起業するとか、自分で自分の生活費をかせげる主体的な事業形態であるべきです。その際に、事務所の有無は重要ではありません。事業形態や集まった人達の状況に応じて決めれば良いと思います。もちろん、固定した事務所なしで事業ができれば、月次の損益を黒字化するのが容易になる事は言うまでも有りません。 2)一点成長ではなく複数成長路線。 生活が安定してきたら事業拡大を考えますが、現在の地域での事業を大きくするのではなく、営業する地域を広げる方向で事業拡大に努力します。たとえば東京で事業開始したら、次は仙台とか大阪とか、離れた場所へ新しい拠点をつくり、2つの場所を行き来しながら両方の事業拡大と利益の増大を図ります。こうして、自分の能力に見合う規模まで拠点を作る事で、経営者としていろんな都市をノマドのようにぐるぐるまわりながら仕事をする事ができます。 3)拠点毎に責任者を育てる。 ノマド経営の基本は、自分がその仕事に必須の人材でなくても良い状況を作り出し、可能な限り緩やかな経営を行う事を基本ポリシーとして組織作りを行います。なぜかといえば、必須の経営者になると、ノマドじゃなくて、ただの忙しい経営者になってしまうからです。ノマドというからには、なるべく時間に余裕があり、お客や社員や経営上の都合ではなく、自分の都合で動きまわれるようである事が望ましいからです。また、そうである事で、自分のノマド経営を余裕をもって楽しむ事ができます。 4)どんな業種が向いているか。 これはなんとも言えません。上記の例はいろんな業種に適応可能だと思います。ちなみに、私の知っている範囲で、私以外にも、いかにもノマド経営者だなっていう実例となる知人が何人かおります。具体的には、ウェブ開発企業の社長さん(東京と大阪とシンガポールを行ったり来たり)、投資企業の経営パートナー(日本各地と中国各地をぐるぐるまわり週末はマカオの自宅へ帰る)などです。重要なのはどんな業種の仕事をするかではなくて、どんな経営スタイルで仕事をするか、ではないでしょうか。 ノマドワーカーの記事は多いですが、ぜひノマド経営者へのアップグレードを目指して頂きたいと願うものです。ちなみに、ノマドワーキングの事を書いているイケダハヤト氏は、ノマド経営者ですよね、すでに。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/28 at 00:29

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

人工中絶はかく議論されるべし

受精した卵子は、いつ人間になるのでしょうか。受精した瞬間でしょうか、数週間、数ヶ月後でしょうか。胎児はだんだん人間になってゆくのか、ある瞬間に器である肉体に外から来た魂がスッと宿って人間になるのでしょうか。これは生物学的にも哲学的にも非常に興味深い課題です。北村隆司氏が「人工中絶のあり方を議論すべし」と言っていますが、人類社会という価値観のフレームワークの中の議論としては、ここを外したら不毛となるという明白な大前提があると考えます。 それは何かといえば、人類社会をより良くする、より繁栄させるという大前提に立って議論を出発させるべきであるという事です。 受精した卵子がいつ人間になるのかを、人間が科学的に証明する事はほぼ不可能でしょう。その為には、人間の魂の有無や魂とはなんぞやというところを証明しなければいけないからです。その一方で、社会の秩序を保つ為には、一定の範囲内での中絶を必要悪として許容する事が求められます。 北米ではキリスト教価値観から人工中絶を悪として排除すべしという意見がありますが、日本は仏教「的」な倫理観により受胎後の生命を曖昧化する事で、一定の範囲において中絶を容認しています。しかし、倫理観はあいまい許容するが故に、人工中絶は殺人ではないかというジレンマに苦しむ事にもなります。 では、どうすれば良いのか。 まず、言える事は、「中絶された命」という視点で議論を始める事は、なにも生まず、なにも助けず、不毛です。死者の人権を残された人間と切り離して議論するが、どれほど不毛かというのと同じ事です。そういう議論は、哲学者と宗教学者と法律学者が自分たちのグループの中だけで知識を追求する為だけに行えば良い事です。 我々が社会というフレームワークの中で議論する時には、人工中絶を行う事が、残された親、家族、社会にどれだけメリットをもたらしたか。胎児を人間と認め、人工中絶を必要悪と認めて、親と社会がそれを減らす努力をする事が、社会の安定性にどれだけ寄与し、長期的な繁栄をもたらすかという建設的な視点で議論をするべきだという事です。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/27 at 17:13

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済, 医療   Tags:

防衛の出口戦略ってどうなっているの?

一昨日書いた「これでいいのか自衛隊」はコメント欄でたくさんの興味深い指摘を頂きました。それらを再読しているうちに、日本の防衛の出口戦略はどうなっているのだろうと気になって、本記事を書くことにしました。 出口戦略というのは、wikiによれば「軍事的もしくは経済的な損害が続く状況から損失・被害を最小限にして撤退する戦略」の事だそうです。わかりやすいように、最初に経済的な例をのべます。たとえば弊社で新しい事業を始める事にします。事業計画をつくり、予算を決めます。そして、事業(投資)を開始する前に、もう一つ大事な事を決めます。この事業が上手く行かなかった時に、どれくらい損失を出したら、あるいは何年やって成果がでなかったら、事業を止めるかという条件を役員会で決めます。 エスカレート・コミットメント(Escalation of commitment)という言葉をご存知でしょうか。簡単に言うと、事業がうまくいってない時、これまで投入した費用を理由に投資し続ける事です。人間の判断から感情を切り離す事はできません。いま撤退すると、これまでの投資が無駄になってしまうという感情が大きく作用すると、合理的な判断ができなくなり、撤退のタイミングを失って損失が拡大し続けます。故に、冷静な判断ができる事業(投資)開始前に、予め出口戦略を決めておくのです。 防衛の話しに戻りましょう。たとえば中国やロシアのような軍事大国が日本の領土を目的に侵略戦争を仕掛けてきたとします。その場合に、日本はどこまでの防衛戦争を行うのでしょうか。つまり日本の防衛の出口戦略はどうなっているのでしょうか。まさか無いという事はないのですよね。敵が押してきて自衛隊が苦戦している状況下で、たとえば下記のどこまで防衛をエスカレートさせるのでしょうか。 1)空自と海自の主要戦力が壊滅するまで。 2)敵陸上戦力の主力部隊が日本(本州・四国・九州・北海道・沖縄県のどこか)へ上陸した時点まで。 3)大量の市民に被害が出る市街戦が始まるまで。 4)陸上自衛隊の主力部隊が壊滅するまで。 5)日本の中に日本国政府がなくなるまで。 前回記事で引用した数多氏の「戦車増強論者に提示する5つの命題」の命題①(「日本は、国(政府)の意志として、敵が着上陸侵攻を行なう状況において、戦争の継続が可能である。」)は、まさに上記2の時に、日本政府は戦争継続するのか?という問いを発しています。もと陸自である数多氏がこの問いを発しているという事は、少なくとも自衛隊の下々の方は、自衛隊の出口戦略を知らされていないという事なのでしょうか。 第二次大戦の時、日本は途中から旗色がどんどん悪くなりましたが、戦争を途中で止める事ができませんでした。「ここで止めたら死んでいった英霊に申し訳が立たない」というのが理由だと聞いたことがありますが本当なのでしょうか。もし事実であれば、これはエスカレート・コミットメントの典型例です。 日本の防衛についても同様の危惧があります。もし政府と自衛隊首脳が、自衛隊はかならず敵上陸を阻止する事ができるという前提に立っているのであれば、出口戦略は無いという事になりますし、戦う必要の無い15万人の陸上自衛隊と戦車などの大量の陸戦装備は意味不明となります。 そうではなく、敵主力部隊の上陸は想定内であるので、15万人の陸上自衛隊を準備しているというのであれば、想定している出口戦略は、上記の3から5のどれかであろうと思われます。 しかしながら、そうすると政府と自衛隊幹部の持っている出口戦略は、日本国民が大量に犠牲になる事が織り込まれているとも考えられます。もしそうであるのならば、それは日本国民が事前に知るべき事ではないのでしょうか。事前に知っており、なおかつ選挙や国民投票で信任されるべき類の決定ではないかと考えるのですが、みなさんはどう思われますでしょうか。 最後に私の考えを述べます。政府と自衛隊は敵国(そんな国があったとして)からの侵略戦争から国民を守るべきであると考えます。国民を守るというのは、自衛隊ではない全ての一般国民の生命財産を守るという意味です。その為には、自衛隊の装備と戦闘能力を十分に高める事を行うべきだし、日米安保など外国との軍事条約なども最大限に利用するべきだと考えます。しかしながら日本を守る為に国民の犠牲も止むを得ないという考え方には同意できません。軍事同盟国からの援軍が無く、数多氏が問う命題①の状況が発生した場合には、その時点で防衛戦争をギブアップして、同盟国に仲裁を求めたり、相手国と停戦を前提とした交渉へ移行するべきであり、それがいまのアジア情勢における日本の防衛の出口戦略として適していると考えています。 防衛の出口戦略について、みなさんの考えをお聞かせ下さい。

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/16 at 00:19

Categories: 1.政治・経済   Tags:

そもそも論で考えてみれば

これでいいのか自衛隊が、BLOGOSに掲載されたのはチト驚きました。もとネタである数多氏は、戦車ネタと空母ネタは盛り上がりやすいとの事でしたが、この記事もそうなりそうな気配です。 実はうちの14歳の息子は陸上自衛隊に入隊するのが希望なんです。で、私の記事がBLOGOSに掲載された事を伝えると、「俺の就職の邪魔しないでね」とクギを刺されました。いやいや、陸自の中でもこういう事考えている人はいるそうだよと言ってお茶を濁すと、息子の最近の希望は戦車部隊配属なんだそうです。そういえばアニメとかでも戦車が人気なようですね。 戦車といえば数多氏の記事。敵が大挙して上陸してくる状況というのは、空自と海自が壊滅した後なので、10式だろうがなんだろうが、空から精密誘導爆弾くらって即全滅だよと言ったらがっかりしていました。気分を損ねたのか、息子が反撃してきて、「そもそも日本に大挙して上陸できる国ってあるの?」というので、私は即時反撃して、「そもそも論でいえば、中国やロシアがいまさら日本を攻撃する事なんてもうないだろうから、それを言ったら自衛隊そものが不要じゃん?」 まあ、それを言ったいろんな人が困るので、そこは大人の態度で呑み込んでみました。  

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/13 at 22:33

Categories: ブログ評論, 1.政治・経済   Tags:

トリクルダウンは詐欺か?

内田樹氏の「国民国家とグローバル資本主義について」でトリクルダウンを詐欺的理論と述べています。これはwikiによれば、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」という意味で、新自由主義の代表的な主張のひとつだそうです。1981年にレーガノミックスと言われるトリクルダウン政策を始めた米国のレーガン大統領は、大統領の2期を通じて景気や失業率を改善させたようですが、財政赤字が膨れ上がらせてしまい、トリクルダウンの効果は疑問視されているようです。 トリクルダウンの説明を読んで真っ先に思い出したのが鄧小平の「先富論」です。鄧小平が新自由主義だったとは思いませんが、なんらかの影響を受けているのかもしれません。鄧小平の先富論のもとになっている改革開放政策は、レーガン大統領より少し前の1979年の年末に開始され、およそ5年後の1985年に先富論が述べられました。しかしその効果を見るにはかなりの歳月を要しました。15年後の2000年、江沢民政権の末期には中国沿岸部の経済が目に見えて発展するようになりました。次の政権である胡錦濤の時代を通じて、中国は財政赤字をそれほど膨らませる事なく、GDP世界第二位の経済大国へと躍進しました。結果として資本主義国である北米ではなく、社会主義国であった中国が資本主義国化する過程においてトリクルダウンが実現したというのは、ある意味で皮肉と言えるかもしれません。 中国でトリクルダウンが実現した理由について素人なりに考えて見ると、 1)主な投資は外国企業の流入資本であり、中央および地方政府は財政の圧迫を免れた。 2)流入した外国資本は投資目的である工場や不動産を介して、政府、企業、労働者を同時に富ませた。 3)中国政府は市場に任せず、外資の流れを厳しく管理したので、流入した外資による富が大きく偏らなかった。 4)ゆっくり発展したので、流入した富による国内企業による実体経済の自立的発展が可能になった。 よく、中国は都市部と農村などの田舎で大きな経済格差があると言われています。たしかにそれはありますが、改革開放が始まる30年前の、みんなが平等に貧しかった時代と比較すれば、現在の貧しい農民でさえ、30年前の都市部の一般市民より遥かに良い生活を送っている事は間違い有りません。単に、比較の問題として、都市部のバブリーな生活をしている人とくらべて質素であるとううだけの事です。 しかし、経済が大きく発展して複雑化した結果、これからの中国は必ずしも実体経済の成長を伴わない富の集積が起こる事が予想されます。株式市場や保険会社など、必ずしも実体経済の成長を伴わずにお金を儲けられる経済的なしくみが導入された結果、欧米にみられるトリクルダウンの弊害(富が下から上へ流れる現象)が既に始まっているようです。温家宝の経済スキャンダルなどはまさに、その典型例かもしれません。 政府が家父長的な意図のもとに国民や社会へルールを押し付けるのが大好きな中国では、いづれ金融業界への規制が始まるかもしれません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 18:39

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

<スポンサーリンク>

« Previous PageNext Page »