4.教育

大学が有能な人材を輩出する方法

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大学教員の10人に6人が、学生の学力低下を問題視しているそうです。(*1)アゴラの辻元氏は、今の大学生に足りないのは主体的に考える能力であり、マニュアルの無い事が苦手なのだと指摘しています。(*2)この問題を教育論的な視点ではなく、統計的な視点から考えてみたいと思います。

私は最初、この問題は単純に小中高校の教育方法の問題であろうと考えました。しかし、調べてみるとそうではない事がわかります。詰込教育の弊害、ゆとり教育の弊害などの教育論を持ち出す人がいますが、実はトップ学力の生徒達の能力が「それほど」変化していない事は、OECDのPISA調査(*3)および国際数学・理科教育調査(*4)をみれば明白です。日本の順位は上下していますが、10位以下の圏外へ落ちるというような明白な落差はありません。人間の能力というものは、たとえばサッカーのトップ選手をみれば明白で、香川真司や柿谷曜一朗のような選手が毎年平均的に出てくる訳ではありません。

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また、ゆとり教育の一環として導入された「総合的な学習の時間」というカリキュラムは、生徒が自発的に考える能力を開発する事を目的としているようです。(*5)であるにも関わらず、大学生の「主体的に考える能力」が低下という現象が本当に見られるするならば、それは教育方法の改善では対応できない問題と言えるのかもしれません。

トップ学力の生徒達の能力に大きな変化はないが、全体としての学力が低下している理由として、他にどのような事が考えられるのでしょうか。実はネット上を調べていて、興味深い資料を見つけました。

まず、世界の国での大学進学率のグラフ(*6)をご覧ください。日本の大学進学率は先進国あるいはOECD平均と比べてもそれほど高くありません。

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日本の大学進学率は、国際的にみればそれほど高い訳ではありません。大学生の学力低下の議論の一つに、大学が多すぎるというものがあります。(*7)これが「正解」となる為には、世界的に見て、進学率の増大と大学生の学力の低下に明白な因果関係が必要であると思われます。しかし、進学率が日本より高い韓国は、国際数学・理科教育調査(*4)の直近2回のランキングで1位となっており、必ずしも因果関係があるとは言えないようです。(この件は興味深い話題であるので、いつか別の機会に掘り下げたいと思います。)

次に、日本の大学進学率と18歳以下の人口推移を並べたグラフをご覧ください。(*8)大学進学率は1990年(平成2年)前後で少し凹みますが、そこから増大し続けています。一方で18歳以下の人口は同じ時期を境に減り続けている事がわかります。つまり、大学進学者は増大する一方で、受験生の年齢層の人口は減り続けています。
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最後に大学進学者数の比較イメージの図をご覧ください。(*9)1993年の19歳から22歳人口は816万人、その中で大学生数は240万人。大学生と同年代の人口に占める大学生数は約25%。ところが2009年になると、19歳から22歳人口は513万人に減少し、大学生と同年代の人口に占める大学生数は約50%になっています。人口減少と進学率増大は継続していますので、2013年現在、大学生と同年代の人口に占める大学生数は約50%を超えているでしょう。
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私はこのグラフを見て、下記の正規分布図を思い出しました。(*10)いつの時代にも優秀な生徒・学生は一定のパーセント数いるが、その絶対数は母数の大きさに比例して増減します。そして、生徒・学生の能力は、分布図の左側へ行くほど減少します。

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1993年には、トップから25%までの能力の人達が大学進学していたのに対して、2009年ではトップから50%までの能力の人が大学進学しています。ならば大学生の平均学力が低下すると考えるのは、統計的に見て合理的です。

また、大学生の進学率が大学の収容人員の増大ではなく、大学数の増大で吸収されており、すべての優秀な大学生が東大を目指す訳ではない事を考えれば、優秀な学生は一つの大学に集まるより多くの大学へ分散する傾向があると考える事もできます。(下図は*9より)

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これまでの話しをまとめると、大学生の学力が(主体的に考える能力も含めて)過去との比較で相対的に低下している事が正しい場合、その理由として考えられる事は、小中高校の教育方法の悪化、大学の質低下は(あったとしても)大きな要因ではなく、主な原因は単純に、受験生世代の人口減少と進学率増大が同時に進んだ結果、正規分布図における「より能力の低い受験生」が大量に大学生になっているからだと考える事が合理的であると考えます。

ここまで話しが進めば、大学が有能な人材(大学の本質は勉強と研究であるので、ここでは成績が優秀な人材=有能な人材と定義します)を以前のレベルで排出できるようにする為の方法は単純で、

1)大学数を減らして、1つの大学に、より多くの数の優秀な学生が集まるようにする。

2)大学進学率を25%(あるいはもっと少ない%)にする。

この2つの教育政策を同時に行う事で、少数の優秀な大学により多くの優秀な学生が集まるようになり、それ以外の大学の学生もそれなりにレベルアップする事ができるようになるでしょう。

受験生世代の人口減少が続き、進学率は50%より増大、という条件をキープしながら大学生の学力アップを行うというのは、政治家のお題目としては聞こえ良いし、理論的には可能かもしれないが、現実に日本で行う事は困難であろうと考えます。大学生全体の学力を改善する為には、全国津々浦々の学校の受験生達全員がレベルアップしなければなりません。大都市に居住する高校生のレベルアップというのは、ある意味でそれほど難しくないと思われますが、地方の高校生の平均学力レベルを都市部と同等に引き上げるのは、そんなに簡単ではないと思います。高校生の学力アップのモチベーションは大学受験ですが、都市部と地方部では進学率に差があります。(*11)地方部の高校生全体の平均学力をアップするには、進学率もアップする必要があります。しかし地方部の高校生の進学率が都市部より低いのには、学力の問題の他に地理的な問題、経済的な問題などいろいろと絡んでおり、進学率を引き上げるのはなかなか難しいと思います。

そんな事が日本で可能なのかといえば、現実には無理ではないかと思いますが、さて、みなさんはどう考えられますか。

 

引用資料:

1)[調査]深刻な大学生の学力低下 教員の6割問題視 (ベネッセ)
2)大学が有能な人材を輩出するには (アゴラ)
3)図録学力の国際比較  (OECDのPISA調査)
4)国際数学・理科教育調査 (wiki)
5)総合的な学習の時間 (wiki)
6)世界の高等教育機関の学生数と大学進学率の増加 (文部科学省)
7)日本の大学は多すぎるのか? (独立行政法人労働政策研究・研修機構法)
8)大学・短期大学への進学率の推移 (文部科学省)
9)「なぜ大学進学率が50%を超えたのか? (小樽商科大学教育開発センター)
10)正規分布 (wiki)
11)学校基本調査 進学率に都市部と地方で明確な差 (全国私塾情報センター)


3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/02/17 at 14:07

Categories: ブログ評論, 4.教育   Tags:

日本の学校って軍隊教育?

記事の表題はもちろん撒き餌ですが、欧米式のインター校を見ていると、そう感じてしまうところが多々あります。ちょうどいま、息子が通う香港のインター校のスポーツデイ(運動会)の会場となっている私営運動場のスタンドからこの記事を書いています。日本の学校(特に公立の小中高)は、どちらかといえば左寄りの方が多いのかと思われ、こんな記事をみたらびっくりして反発されるかもしれませんが、ちょっと辛抱して記事の続きを読んで頂けないでしょうか。

日本は学校側が生徒に対して、授業や行事に規律のとれた団体行動を比較的強く求める傾向があると思います。たとえば授業の開始に起立・礼とやったり(もしかしてそんな学校は減っているのかもしれませんが)、中高生に詰め襟の入った軍隊のような制服を着せたり(黒い制服もだんだん減っているのでしょうね)というのは比較的わかりやすい例です。こういう行為は軍隊を連想するので嫌がる先生がいるのではないかと思います。

ところがそういう先生方でも、指摘されるまでわからないのが、下記のような例です。

1)大勢が整列し、行進曲に手足の動きを揃えて歩く入場行進。

2)大勢が傘などを持って行う演技。(一例

3)大勢が一斉に動きを揃えて行うピラミッドや組体操。(一例

大勢の生徒が同じタイミングできれいな動きを見せる事を、日本の学校では、生徒と担任教師が一緒になって熱心に練習するのではないでしょうか。ところがよく考えてみると、手足をピシっとそろえた行進というのは軍隊行進です。また、集団で演技、ピラミット、組体操などは、中国共産党や北朝鮮が国家行事の出し物でやるマスゲームを非常に強く連想させます。(私はそのものだと思っております)私は軍隊式の教育が悪いと言っているのではありません。日本の(特に公立校の)教育はそのように見えると指摘しているだけです。

私の息子は幼稚園と小学校は北米カナダ式、中学からは英国式のインター校へ通っています。私はこれまで息子の学校行事に「そこそこ」参加してきましたが、体育イベントであれ文化イベントであれアウトドア・イベントであれ、教師は行事の大枠と進行を管理しますが、基本は生徒の主体的行為に任されているようです。主体的行為というのは、たとえば生徒会が生徒の行動を自主的に管理して規律のとれた団体行動をさせるという意味ではありません。私の経験したインター校の行事では、率直に言って、入場行進もマスゲームもありません。団体演技がないので、運動会の為の練習時間というのもほとんどありません。それだけではなく、進行中のプログラムと関係ない生徒は、邪魔しないようにしながらも、生徒の待機場所だけでなく、グランドの中でも自由に時間を過ごしています。

この違いは「規律」という言葉が鍵になるのかもしれません。

日本語の「規律」は、秩序という意味合いが強いようです。教育の場で秩序を守る事を教えるという意味で、行進やマスゲームが導入されているのかもしれません。ところが規律の英語の意味である「Discipline」は鍛錬・統制という意味が強いようです。柔軟な思考や主体的なリーダーシップを身につけさせる事を目標としている英米のインター校では、教師が介入して鍛錬や統制の練習は必要最小限にしたいと考えているのかもしれません。

私は、日本の教育は軍隊みたいで駄目だと言いたい訳ではありません。ただ、多くの小中高の多くの教師が、運動会ともなれば生徒と一緒に行進やマスゲームを熱心に練習しているが、実はそれが軍隊式であるという事を自覚しているのか、あるいは無自覚にやっているのかという事にたいへん興味があります。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/15 at 17:40

Categories: ブログ評論, 5.閑話休題, 海外子女教育   Tags:

中国は高速バスが安くて便利

昨日の記事で、私が広東省をあちこち移動するので中国のビジネスホテルを頻繁に利用するという事をお話しました。今日は、広東省のあちこちへどのように移動するかについてお話したいと思います。

以前に2年ほど長期コンサルタント契約で、ある日系企業の上海事務所に勤務していた事があります。その時は上海の事務所から上海郊外、蘇州、無錫あたりまでは社用車を使って移動していました。ある程度以上の規模の会社なら、会社から半径数十キロ程度の範囲は社用車を使う事が多いと思います。

しかしながら弊社のような零細企業だと、社用車はコストが高いので使えません。車の購入費用だけで10万元から15万元、毎月のガソリン代が4000元程度、更に駐車場代や修理代などが必要です。運転手付きの長期レンタルだと、ガソリン代別で毎月1万元くらい必要です。交通費がその金額以上にならないと、社用車を使う経済的メリットがありません。

社用車を使わないならどのようにして移動するかというと、中国はどこでも高速バスが発達しており、事務所から車で1時間くらいの距離まではタクシーで、それ以上の距離の場合は高速バスを使って移動しています。高速バスの移動時間と値段はどれくらいかというと、深圳の羅湖から恵州市まで1時間40分で50元程度、東莞市南城まで1時間30分で50元程度、拂山市まで2時間30分で100元弱くらいです。

高速バスはその名の通り市街地をぬけると高速道路を使って目的地のすぐ側まで移動します。しかも、常時100キロ以上の速度で走るので、速度違反で切符を切られるのが怖い社用車やタクシーよりよほど早く目的地へ着く事ができます。速度違反を検知するレーダーをものともせずに走る事ができるのは、もしかしたら地元の警察と裏取引でもあるのかなと推測しています。

以前に上海から寧波市までの高速バスを何度か使ったときは、4時間くらい要するので、途中で1−2度、トイレ休憩がありました。広東省で普及している高速バスは社内にトイレが付いてるものが多いので、トイレ休憩というのはあまり無いようです。もしかしたら4時間を超えるような長距離の場合には、運転手の休憩のために休息時間があるかもしれません。

高速バスを使っていると、強盗にあったり怖い目に会う事はありませんかと聞かれる事がありますが、4年以上使っていて、一度もそういう目にあった事はありません。長距離を走るバスは、原則として切符を買う時に身分証を見せる必要がある場所が多く、また出発時に(保安目的のために)乗客の顔をデジカメ等で撮影している場合もあるので、客が強盗に変身する事のはなかなか難しいのでしょう。

バスの中は普通は静かなのですが、時々すごい常識はずれの人がいて、自分の携帯電話から大音量で音楽を流している人がいます。そういう人に限って、昔のオヤジソングだったりするので、オイオイ勘弁してくれよっていう時もたまにはあります。また、それと似た例で、携帯ゲーム機で音を出しながらゲームしている人もたまにいます。自分の座席の近くにいる場合には、相手の顔を確認した上で(怖そうなおっさんでない場合には)「音を消せ」と文句を言う事もありました。幸運にも、いまのところそれで揉めた事はありません。

バスに乗っているのと、つい眠くなります。しかし中国の高速バスは置き引きがいて、パソコン入りのカバンを眠っている間に取られたお客さんがいました。一人で乗っているときは、くれぐれも置き引きには注意が必要ですね。

高速バスは日本人駐在員にはわりと敬遠されがちですが、注意していれば危険という事もないし、お客さんの工業団地のあるところはほとんどカバーしていて、料金が安いし便数も多いので、中国に駐在している方はぜひ使ってみてください。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/10 at 01:54

Categories: 3.中国ネタ, 海外子女教育   Tags:

文科省のグローバル人材の定義に大笑い

JBPRESSにどうすればグローバル人材の育成ができるのかという記事(*1)があります。そこで書かれていた文部科学省によるグローバル人材の定義を読んで、ちょっと心配になってしまいました。もしも政府や企業がこのような定義を真面目に信じているのだとしたら問題だと思ったからです。まずはその定義をご紹介しましょう。

 

「世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」

 

まずは、上記の定義ダメ出しして見ましょう。

 

1)日本人としてのアイデンティティは必要か?(*2)

極論すれば不要です。日本の知識(特に文化的なもの)は無いよりはあった方が便利です。なぜなら、日本の本社や駐在員上司の考え方を理解するのに有用なだけでなく、現地人との関係を深めるときに会話のネタとして使えるからです。しかし、これが無いとグローバル人材として仕事が出来ないかといえば、そんな事はありません。一般的に言えば、中学高校をインターナショナルスクールという無国籍文化に慣れ親しんだ人の方が、異文化との親和性やコミュニケーション能力が高いと考えられます。

 

2)教養や専門知識が必要か?

教養は不要、専門知識の有無は仕事の内容によります。教養が不要という意味は、高卒レベルの国語・地理・歴史くらいで十分なので、あえて教養と特筆する必要はないという意味です。専門知識は、たとえば財務責任者として赴任するのなら、赴任地の会計規則はある程度はフォローしておきたいところです。しかし営業、購買、総経理として赴任するのなら、業務知識と経験があれば十分で、あえて専門知識などと言う必要はありません。

 

3)言語・文化・価値を乗り越える必要があるか?

乗り越える必要はありません。日本と赴任地の文化的差異を理解して、可能な限り現地の文化を維持した状態で業務が遂行できるように本社側との調整を行うのです。何でも日本式が一番良いという訳ではありません。多くの日本企業は、日本(本社)の企業文化を現地へ教育し導入しようと日夜努力しているようですが、これは方向性が根本的に間違っています。その結果、業務効率を高めるには常に一定数の日本人駐在員が必要になります。彼らがいなくなると、たちまち社内から本社の企業文化が薄れてゆくからです。そういう意味では、日本企業でグローバル人材による改革が真に必要なのは日本本社かもしれません。(笑

 

4)新しい価値を想像する能力は必要か?

不要。それは日本側の仕事、あるいは現地雇用したデザイナーや開発エンジニアの仕事です。

 

この笑える内容の定義文は、文部科学省が大学で「どんな教育をさせたいか」というサプライ側の視点で考えられた机上の空論と言えます。さて、ダメ出しが終わったところで、アジア生活20数年、アジアで業務経験も同じく20数年、現地雇用での転職歴は5回以上、それから多数の企業の駐在員の方々を見てきた知見から、私なりのグローバル人材としての条件を以下に列挙してみます。

 

1)海外どこでも生活できる適応力

グローバル人材の必要条件の第一番目に来るのは、高級ホテルでもボロアパートでも、とにかく何処でも生活でき、何でも食べられる、人間としての広い適応力が重要です。海外生活に馴染めない人は精神的に弱ってしまうので、あとでいろんな問題が生じます。

 

2)相手と同じ目線で接する事ができるコミュニケーション能力

二番目に必要なのは、途上国だからと見下したり、尊大な態度をとったりせず、同じ目線の高さで接する事ができるコミュニケーション能力です。逆に日本人が欧米へ行く場合には卑屈にならず、やはり相手と同じ目線を保つ事が必要です。これがきちんとできれば、現地社員と良好な人間関係を構築でき、生産性をそれなりに高める事ができます。逆にこれができないと、現地社員の離職率が高かったり、労使問題を起こしたり、現地人と個人的なトラブルを起こしたりします。

 

3)日本本社に対する文化的な調整力

日本と現地とでは、文化に大きな差があります。日本のやり方を現地で押し通そうとしても、お互いにフラストレーションが溜まるばかりで生産性は上がりません。現地の責任者として赴任する人は、現地の文化がどのように日本と異なり、日本のやり方が通用せず、現地人だけで業務を達成させるには何をどうする必要があるかを、日本本社へ説明して理解させる為の調整力が大変重要です。つまり現地人を教育するのではなく、日本本社を教育するのです。これができれば、実務を行う日本人駐在員をゼロにする事ができます。しかし残念ながら、海外進出しているほとんどの企業では現地人(現地の取引先)に対して調整力を行使するという無題な努力を行なっているのが現状です。

 

4)英語あるいは現地語の能力

経営者は通訳がいれば基本的に問題ありませんが、実務担当として赴任する駐在員は英語や現地語が話せるのがベターです。この点では、赴任地の大学へ語学留学している学生をグローバル人材として本社採用し、社内で業務教育する事を強く勧めます。業務のプロに語学を仕込むより、語学を習得した人に業務を仕込む方が簡単で効率的だからです。しかも、自主的に(特に途上国へ)留学する学生は、もともとその国の文化に興味のある人が多いので、上記の1と2の条件を満たす人を見つけやすいと考えます。

 

如何でしょうか。あなたが考えていたグローバル人材の条件とかなり違っていたかもしれませんね。もし違っていたら、ぜひあなたの意見を聞かせて下さい。

 

 

参照記事

1)どうすればグローバル人材の育成ができるのか(1)

2)どうすればグローバル人材の育成ができるのか(17)

3)産学官によるグローバル人材の育成のための戦略

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/02 at 01:32

Categories: 1.政治・経済, 4.教育   Tags:

価値観を与える事は洗脳である

直近のいくつかの記事で、洗脳について書きました。ある人に対して、特定の価値観を与えたり、価値観の構築に強い影響を与える、あらゆる教育や躾は、洗脳です。そういう意味で、洗脳それ自体は、価値中立かと思います。

道徳や躾の教育は家庭で行われるべきですが、道徳教育も躾も、親が子供に行う洗脳です。

教会で聖書を読みキリストの教えを受ける事は、まぎれもない洗脳です。

学校の教師が生徒に、右翼や左翼の思想を刷り込む事は洗脳です。

会社で新入社員教育が行われますが、これも社会人としての洗脳に他なりません。

洗脳自体は価値中立だと書きました。親が子に道徳や躾を与える事は、親としての義務とも言えます。道徳や躾は、白い子供の脳へ、価値観のテンプレートをはめ込んで、社会とのインターフェースを取りやすくし、社会への適応性を増し、子供の生存の可能性を高めます。親は子供の人生に責任がありますから、親が子供に、自分が正しいと思う価値観を刷り込む事は(正しいかどうかは別としても)許されるべきです。

会社が社員にサラリーマンとしての価値観を刷り込む事は、会社が定年まで社員の面倒を見る事を期待されている社会では、(正しいかどうかは別としても)許されるべきかと思われます。もちろん、転職が当たり前の社会になれば、これはまた別の話です。

では学校についてはどうでしょう。学校の先生は、生徒が卒業して社会へ出てからの長い人生について、何の責任を負う事もできません。そのように限られた責任しか負えない先生が、生徒の人生に大きく影響を与えるような、特定の思想や価値観を与える事については、私は否定的です。もちろん、社会での生存可能性を高める為の、普遍的な価値観を刷り込む事までは否定しません。

結論は、洗脳は価値中立だが、どのような価値観を刷り込んで良いかどうかは、その内容と、与えるインパクトによって、責任が負える範囲で行われるべきでしょう。

以上はあくまで、洗脳を与える側の話であり、受取る側はまた別の話になります。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/09/05 at 17:43

Categories: 1.政治・経済, 4.教育   Tags:

教育は洗脳か?

道徳教育は家庭で行えば良く、学校で徳育は不要と書きました。ではなぜ、学校で徳育は不要なのでしょうか。

昨日のそこまで言って委員会で、漫画家の江川達也氏が、洗脳教育の歴史を学ぶと述べていましたが、その意味は理解できます。道徳にしろ歴史教育にしろ愛国心にしろ、国が生徒に対して、一定の価値観を刷り込む事はまぎれもない洗脳です。それは国家管理にとっては良い事ですが、国の長期的な安定と発展にとってはどうでしょうか?

親の言うことをハイハイと良く聞く行儀の良い子供に育てる事で、その子供が社会生活で得るものと失うものがあります。その子供が大人になった時に、それがもとで幸福になる部分と、不幸になる部分があります。世の中には絶対的なものはなく、あらゆるものは相対的であり、損得の間のオフセット関係を持っていると考えます。

国家が管理し易い価値観を埋め込んだ教育は、思考停止した社会、なんでもお上頼みの社会を再生産してはいないでしょうか?なんにでも疑問を持ち、先生と議論する生徒を生み出す事は、たしかに教育コストを増大させ、国家による国民の管理コストを増大させます。しかし、長期的にみれば、日本が取る民主主義制度では、国民は参政意識を持ち、自分の脳みそで考えて投票しなければ、社会制度としての民主主義はいつか崩壊してしまうでしょう。

だれかに操られ難い国民、自分の脳みそで考える国民、自己責任を持った国民を生み出す為に、教育コストと国家管理コストを犠牲にして、国の長期的な繁栄を取るべきではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 11:46

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学校に徳育は必要か?

今日のそこまで言って委員会は、学校教育についての特集でした。3人の教育関係者が出てきて意見を述べましたが、評論していたいつものメンバーから、学校で徳育を期待していた事に、ちょっと疑問を感じました。

江戸時代に学問といえば、幕末に蘭学が入るまでは四書五経のような思想書を学ぶ事でした。これは学問それ自体が徳育のようなものといえます。日本人が学校教育に徳育を期待するのは、それが理由なのでしょうか。

しかし考えるに、現代の学校とは知識を習得する場所であって、徳を高める場所として相応しいとは言えません。そもそも道徳教育は、学校ではなくて、家庭で親が個別に教えるものかと思います。それで問題なければ、学校では、道徳のような科目は減らして、英語・算数・理科の時間をもっと増やすべきではないかと。

うちの息子が通う国際学校は、日本の学校の道徳に相当する、宗教教育の時間はありません。その代わり、プレゼン力やリーダーシップを高める為の科目がしばしば設けられます。東洋と西洋の文化の違いでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/09/04 at 18:55

Categories: 4.教育   Tags:

大学院の価値

小幡績氏井上晃宏氏が大学院の存在価値について議論を行っています。最近、アゴラも少しずつ投稿者同士の議論が増えてきた感じです。アグレッシブかつスマートに議論をふっかける小幡績に注目しています。ところで大学院については、実は私も意見があるので以下に述べます。

中国にある私の業務アプリ・チームは私と現地採用の2人だけでしたが、昨年暮れから本格的に人員増強を開始して、いままでに3名を採用。うち2人は大学院卒と大学院在学のインターンです。この期間の経験から、学卒と院卒を比較して感じる大きな点は、専門教科の知識の理解度です。学卒は、専門教科と実務が直結している場合でも、かなりベーシックなところから再教育する必要があります。大学院(在学と卒を含む)の場合には、理論面で教える必要性を感じる事はほとんどありません。

わたしが中国でやっている事は、工場の生産性向上や中国特有のリスク低減の為のコンサルを主目的として、その為の道具としてERPや通関管理ソフトなどの導入を行っています。ですので、担当するコンサルの「知識」の深さは非常に重要です。

知識の応用(≠技術の応用)を職業とするあらゆる業種では、専門教科の教育レベルはより高い方が良いと断言できます。恐らく、工学・理学・化学・農学・海洋学など自然科学を実社会へ応用する分野では、同様の事が言えるのだと思います。

その一方で、自然科学でも実社会で利益向上に直接的に役立たない分野(たとえば蝶の研究)、人文などの非自然科学分野においては、「高度な教育や研究」は個人の道楽の延長線上にあり、就職のアドバンテージも皆無である事から、必要最小限で十分であろうと考えます。

判断が難しいは、臨床医療と弁護士と学校教師(小から高まで)でしょう。

臨床医療は、専門的に高度な診断を行う一部の医師には、大学院の修士あるいは博士課程でより専門的な教育と研究を行って、深い知識が要求されるべきだと感じますが、外来患者と直接対面する一般の意思は、学卒程度の知識に、専門的な臨床経験を上乗せするだけで十分ではないかと考えます。

学校教師はそもそも、非協力的な対象に対して知識を与えて理解させる事を目的する職業なので、「教科」の内容を高度な次元で理解している事だけでなく、対象である生徒・学生の心理や挙動、教育そのものについての最新の知識、深い理解がある事が望ましいと考えます。しかし、すべての公立学校の教師を高度な専門化にする事は非現実的な気がします。私学の場合には、院卒や博士をたくさん採用する事は経営判断に任せて良いと思いますが、公立学校の場合、管理職教師は少なくとも引率か博士レベルであるべきかと感じます。

短く結論を述べると、大学院は存在する価値はある。しかし定員については、各分野が持つ知識を売るマーケットの市場規模に応じて、大学院の定員の増減を行うべきかと考えます。増員して市場を膨らまそうという行政や大学による「根拠のない願望」によるPUSHではなく、市場の求めに応じで増員するPULLで対応するべきです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/08/07 at 08:41

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ, 4.教育   Tags:

義務教育の自由化を考えてみる

アゴラ 教育の自由化をかんがえる

  さらにすすめば、学校に行かずとも、一定の年齢にたっした子どもに学力テストを課して、それに合格することだけを「国民の義務」にすべきかもしれない。

これは面白い発想です。おもわず目から鱗が落ちました。

私は、国家が教育重視政策を行って経済発展に大きな効果があるのは、発展途上国か、米国のように途上国からの移民が多い国に限られると考えています。故に、日本のように全国民の教育水準が極めて高い成熟した国家において、大学進学率を今より高めるような政策を国家が行う事が、日本をより発展させるとは思えません。その一方で、赤沢氏が述べている義務教育の自由化は、違う意味で効果があるのではないかと感じました。

小学校の1年から6年までと、中学校の1年から3年までについて、国家が学力認定試験を行い、小中学校への就学自体は義務化しないというのは非常に面白いアイデアです。国家は教育バウチャーを配布します。親は教育バウチャーを使って、公立あるいは私立の小中学校へ子供を通学させても良いし、私塾で勉強させるだけでも良いし、家で自習するだけでも良い。小中学生の学校への就学を任意とするのです。日本のいまの状況を考えれば、親が貧困や無教養を理由に、子供から教育を奪うという事は、例外を除けば考慮する必要はありません。故に義務教育を自由化する事が、日本では可能だと思われます。

また、学力認定試験は年に1回ではなく、2回以上実施できるようにすると面白い。落第した子供は翌年の試験まで受験させないようにするが、合格した子供は年内に次の学年の試験を受験できるようにします。すると早熟の子供は飛び級が可能になります。知能の高い子供は、どんどん飛び級して、短期間に小学校と中学校を卒業できるでしょう。こういう制度は、いまの日本の教育制度では導入が困難かと思います。

親の視点からこれを考えて見ます。子供に普通の教育を与えたい平凡な親子は、いままで通り、公立の小中学校へ子供を通わせる事を選択可能です。その一方で野心的な親や、非凡な知能を持つ子供は、どんどん飛び級に挑戦でき、教育の幅が広がるかと思います。

自由化のメリットは競争や選択の幅が広がり、やる気や能力のある者がより多くを手にする事ができるという事ではないかと思います。日本が硬直化している主要な原因のひとつは、世代が新しくなるほど、野心や競争心が減少している事かと考えます。義務教育の自由化は、そういう意味で、新しい世代に激しい野心と競争の種を植え付ける事が可能ではないでしょうか。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2011/05/28 at 17:18

Categories: 1.政治・経済, 4.教育   Tags:

息子が株を始める

以前に、10歳の息子に株のディーラーを勧めてみましたが、見事に失敗しました。理由は、そもそも株や資本の概念が理解できず、株の売買の入り口でつまずきました。あれから3年、いまだに株の概念は理解できていないようですが、株式投資の師を得て、株の売買でお金を儲けられるという事は理解したようです。

息子が株式投資をはじめたきっかけは、クラスメイトの父親と知り合った事です。息子の入学した中学では、男子生徒の間でウォーゲームが流行っており、彼も誘われて、クラスメイト数人と始めました。

実際のウォーゲームでは、大人の参加者に混じってゲームを行います。その中にクラスメイトの父親も含まれていました。彼の事を仮にW氏と呼びましょう。W氏は毎週のように息子とウォーゲームに参加し、家には何十もの高価なエアガンを持っています。ウォーゲームに夢中の息子にとって、W氏は夢のような存在、つまりヒーローです。そこで彼は、「W氏のようになるたい」と考えるようになりました。

W氏は55歳。中国で繊維関係の工場を経営していましたが、98年の通貨危機で商売が難しくなり、それを機会にすっぱりとリタイヤ。それからは得意の数学能力を生かして、株式投資で生業を立てているそうです。

このようなW氏をコピーする事に決めた息子は、野村のバーチャル株式投資倶楽部を半年前に始めました。もちろん、株とは何かという概念は理解していませんので、彼にとって株はゲームと同じです。適当に売り買いを始めましたが、それで儲かる訳はありません。毎回、損をします。一時期、「どの株が上がるか」と毎日のように聞かれましたが、そんな事は「神のみぞ知る」です。

息子が中学2年になり、週末はW氏の家に泊まりに行く事が増えました。W氏の息子は彼の親友で、しかもクラスの同じ学習グループに所属していますから、W氏の家に集まって、学校の課題を作成するようになりました。W氏と過ごす時間も増えて、株式投資のやり方を学ぶ機会が増えたのでしょう。

最近はじめたケイゾンのトレーディングダービーの47回大会で、1317人中で6位に入っています。(まだ終わっていない)

47回大会は19日目ですが、実を言うと彼は、大会初日から参加していたアカウントは損を出して使用を止め、新しく作ったアカウントで再挑戦中です。他の参加者の大会日数が19日なのに、彼だけ8日なのはその為です。

新しいアカウント(B-52)で好成績を出せた理由は下記の要因だそうです。
1)地震で下がっていた東電を買い、1時間後に値が上がったので売って、100万儲ける。
2)原発は福島第一の事故で「終わった」と思ったので、安全な発電という事で日本風力開発を買い、ストップ高を記録した時に売って500万円儲ける。
3)後は細かい取引を重ねて、儲けを1000万円台に乗せる。

短期で利益を出す売り買いが多いようです。

半分はまぐれ当たりのような感じですが、トレーディングゾーンで好成績を出しているのでブログネタにしてみました。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/04/24 at 10:07

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電子教科書は生徒の学習意欲を高められるか?

斎藤隆博氏は電子教科書の真の狙いは「習った時期の違い」問題を軽減してくれる事だと主張しています。しかし齋藤氏はそのすぐ後で、参考書などを購入すれば解決すると自問自答しています。ほかに通信教育もあるので、地域格差は自助努力により埋める事が可能でしょう。

この記事にTBされたんがぺ氏は、電子教科書の最大のメリットは、「様々な書籍に触れやすい」ということではなかろうかと述べています。確かにそれは電子教科書の重要な機能ですが、子供自身に「触れたい」という意思がなければ宝の持ち腐れです。

ところで私の息子は幼稚園から今までずっとフィリピンと香港で過ごし、ずっと国際学校で英語教育を受けています。そこで妻の意思(日本人だから日本語の読み書きは普通にできてほしい)により、幼児から小学校高学年まで、ベネッセの学習教材を日本から送ってもらい、日本の小学生が学ぶ内容を独習していました。

ベネッセの学習教材は年間契約です。1年を通して、子供が自宅で楽しく学習を継続できるように、工夫が随所にみられます。紙に印刷された教材でこれだけの事が可能です。これを電子教科書の中の教育コンテンツとして作り込めば、子供が学習する楽しさをより高める事が可能になると考えます。

学習する事が楽しければ、子供は学習対象への興味を高めます。興味が高まれば、探求心が高まります。そのような状況において、リンクを張ったり、カラー百科事典と連動させたり、自分でググったりする事ができる電子教科書は、子供の好奇心と探求心を満足させる様々な手段を提供できるアドバンテージがあります。

逆にいえば、電子教科書の機能がいくら優れていても、子供が学習に興味を持てる教育コンテンツを提供できなければ、税金の浪費で終わるだけでしょう。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/07/28 at 14:11

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サンプロ 子供の貧困と悪平等を好む日本人

サンデープロジェクトの子供の貧困コーナーで、番組ゲストの近藤氏(うさぎ保育園園長)は、離婚した後で多数の会社で面接するが就職できず、それで自分で事業(おそらくうさぎ保育園の意味)を始めたと述べていました。雇用の流動性が低い日本では、収入の高い「正社員」ローリスク・ハイリターンであり、逆に収入が特に低い「母子家庭」や「父子家庭」でハイリスク・ローリターンになっています。池田氏はこちらのブログで「私の印象では、雇用問題は金融の問題と同根だと思う。リスク回避的な日本人のバイアスを制度的に補強し、人々がまったくリスクを取らないことが合理的になるような官民のシステムをつくってしまったのだ」と述べています。政府は労働者の大多数を占める「正社員」を中心にしたリスク回避的な制度を構築したので、労働者に対するセーフティーネットが、正社員以外では正常に機能していないのです。

労働者のセーフテーネットに対するもう一つの問題は、日本人の多くが「悪平等」を好む特性です。正社員労働者も母子家庭の非正規労働者も、「同じ労働者だ」という意識が個人の意識の中に強くあり、そのために自分より弱い立場の人間に対する積極的な思いやりが足りないのではないでしょうか。この「悪平等」を好む特性は、たとえばバスや電車に妊婦、幼児をかかえた母親、老人、怪我人などの弱者が乗った場合に、積極的に席を譲る人が特にすくないところに良く現れています。このような日本人の特性は、政府が社会弱者を特別扱する法律を作成したり、窓口の役人が積極的に救済する事を妨げている大きな要因のひとつではないでしょうか

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/05/31 at 11:20

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息子に株のディーラーを薦めてみた

最近の若い世代のような無気力人間にならないように、自分の子供の教育には気を使ってきた。特に気を使ったのは、(子供だから欲しいものは沢山あるが)少しだけ買い与えるようにして、常に欲求が残るようにしてきた。そのせいだろうか、もうじき11歳(小学5年生)になる息子には強い物欲がある。

PSP3000などゲームマシンは当然として、スライド式フルキーボードのついたPDAとか、ソニーの最新型Pシリーズのミニパソコンのような、大人びたものも含まれている。そして、強い物欲を持っている為だろうか、将来の夢(職業)は「大金持ち」だそうである。妻は医者とか弁護士といったありきたりな職業を吹き込んでいるが、こういう職業はいまどきそれほど収入が良いとはいえない。おまけにかなりの激務になるので、稼いだ金を使う時間が無いかもしれない。

本人の希望は単純で、「身体的な危険の伴わない」安全な仕事で、給料がすごく良い職業が良いようである。昨日も息子から、「YouTubeの社長の年収は1億円ある?」と聞かれた。彼の望みはなかなか高そうだ。そこで、私が(仕事がら)あちこちの客先に出入りしながら見てきた中で、非常に良い給料の職業を薦めて見た。それは、銀行や証券会社のディーリングルームにいる、自己ポジションで株の売り買いをしているディーラーである。為替と違って株のディーラーは、地元の株式市場が開いている時にしか売り買いをしないので、実労時間は1日に4-5時間程度だ。昼飯は11時半から1時半までゆっくり食べれるし、残業も(管理職以外は)不要だ。祝祭日は100%休む事ができる。それでも良いパフォーマンスをキープできれば年収で数千万円くらいになるだろうと思っている。(もちろん、そこまで到達するのは大変だろうが...)

さて、株のディーラーと言っても、10歳の子供にはピンとこない。まずは株式会社と資本金の関係から説明を始めた。だれかが会社をはじめる為には、最初にまとまったお金がいる。そのお金が資本金で、お金を出してくれるのが投資家。しかし、身近なところで投資家を探すのは大変。そこで株式市場というものが出来て、会社のお金を出して欲しい人と、もうかる会社に出資したい人が集まって、株券の売り買いをするようになった。この株の売り買いをする人がディーラー。ところが10歳の子供には、資本金が株券になって、それが売り買いできる事が理解できない。こまった...

次に説明したのは、コロンブス船長の船。スペインから船を出して、遠い国の宝物を掠め取ってくるにはすごくお金がいる。一人の金持ちから全部のお金を出してもらうのは難しい。そこで、たくさんの人から少しずつお金をだしてもらい、無事に船が宝物を満載して港に戻ってきたら、出資額に応じて儲けたお金を払い戻すしくみができた。ところが、そこから株券の説明に結びつけられない。

最後に、ママが会社を作ったら、という非常に身近な例で説明を試みた。ママが会社を作るのにお金が10万ドル必要。でもママはお金が無い。そこで1枚10000ドルの株券を10枚刷り、農家の人が野菜を市場で売るように、ママの会社の株券を株式市場で売って、資本金を集める事ができた。ママの会社が1年で100万ドルの利益を出して、それを出資比率で分配したら、株券1枚につき10万ドルのお金(配当)がもらえた。そしたら1万ドルを出して10万ドルをもらえるのだから、この株券には10万ドルの価値になった。この株券を持っている人が、自分の家を買うためにお金が必要になり、他の人に1枚10万ドル売ったとすると、差し引き9万ドルの利益になる。このように、値上がりする前の株券を買って、値上がりした後で売れば大儲けできるだろう。

身近な例を出して説明した為か、(株券がお金になる事はあまり理解できないようだが)お金が儲かる事は理解できたようだ。息子は、「ようするに競馬のような事が延々と続くんだね」と言ってきた。ちょっと違うのだが、まあ10歳という事で大目にみよう。「だからYouTubeの社長より、倒産したリーマンの社長の方が給料が何倍も良いんだよ。ボーナスだって10億円くらいもらっているのだから」と説明すると、かなり興味を引かれたようであった。

彼が社会人になるまで、株のディーラーが魅力的な職場であり続けてほしいものである。さて、彼は将来、どんな職業につくのであろうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/01/17 at 00:21

Categories: 失敗から学ぶ株式投機体験談, 海外子女教育   Tags:

私立学校の安全と学費

オバマ次期政権の国務長官はヒラリー・クリントンになるようだ。オバマ政権が成功を収めて8年間を乗り切れば、次は女性大統領になる可能性が高くなったと思う。ところでその記事の下にある関連記事の履歴欄で、オバマ氏の娘が「名門私立校へ転校」という記事(22日に掲載)を見つけた。この記事を読んで、「ああ、日本人はきっと2つの点で誤解するだろうな」と思った。

まずは記事の本文を見てほしい。

blog-2008-12-01.JPG
この記事のまず最初の部分で記事を書いた記者は、オバマ氏の公立学校に関する政策と、家族の安全に対する配慮を意図的に混同させて、読者を「特権階級=名門校」へ誘導しようとしている。大統領の子供は、テロや誘拐の標的になり易いのであるから、そのような対策のある学校へ通わせるのでない限り、親は安心して子供を学校へ送り出す事ができないであろう。大統領の子弟だけでなく、有名人やお金持ちの子弟がみな、営利誘拐の対象になり得るのであるから、そのような社会層の子供が、一般大衆とは別の学校へ通わざるを得ないのは仕方が無いことであると思う。日本でも、皇族はみな学習院へ行くではないか。

また、名門校だから学費もこんなに高いんだよ270万円、というように読者を再度誘導しようとしている。日本でも私立高校の学費が年間で100万円以上するところはあるだろう。海外の大都市にあるインターナショナルスクールにも、高校の学が2万ドルから3万ドルくらするところはけっこうあるはずだ。たとえば上海アメリカンインターナショナルスクールは高等部の年間学費がUSD2万2千だ。ここは名門という訳ではなく、普通の駐在員の子供が通っている。しかし保安環境はとても良い。広い敷地(四角い学校敷地の周囲を、3mくらいの頑丈な鉄柵でぐるりと囲ってあり、通常の手段で壊したり乗り越えたりするのは困難そうである。全ての入り口には保安ガードが居て、出入りする大人の身分証を検査している。学校敷地の真ん中には野球グランド3つ、サッカーコートとそれを囲む400m陸上トラックがあって、有事の際には、大型のヘリコプターが数台ほど離発着できそうだし、さすがは保安意識の高い米国の学校だなと感心した。最後に、オバマ氏の娘はシカゴでも私立学校へ通っていたと説明されている。オバマ氏は大統領になる前は上院議員であった。上院議員は庶民ではない。すでに特権階級である。ゆえに、私立校に通うのは当然であろう。日本では庶民の家庭ですら、無理をして生活費を削ってでも私立学校へ通わせようとしている親が多いと聞く。子供をいじめから守り、良い教育を受けさせたいと望んでいるようだ。

ちなにみに、私の息子が通うインターナショナルスクールの学費は、月1000ドルほどである。これはけっこう安い部類に入るので、保安レベルは公立学校とさほど変わらない。いつかうちの会社のソフトがバカ売れして、分不相応なお金を手にした時には、住んでいるアパートから子供の学校まで、保安の為にグレードアップしなければならない可能性も今のところゼロではない。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/12/01 at 15:46

Categories: 1.政治・経済, 海外子女教育   Tags:

答えは常に複数ある

1+1は2とは限らない。答えを2とするには、10進数という前提条件が必要である。

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1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/04/10 at 15:56

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済, 海外子女教育   Tags:

大人と子供は平等ではない、と教える

私は最近、自分の9歳の息子に対して、「大人と子供は平等ではない」と教えている。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2008/03/01 at 00:11

Categories: 1.政治・経済, 海外子女教育   Tags:

上海にあるインター校(3)

今回の記事は、2回でまとめる予定だったのですが、最後にまわったアメリカンスクールで校舎内へ入る事ができて、多量の写真を取ることが出来ましたので、別記事にまとめてみました。

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2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2005/11/11 at 18:12

Categories: 3.中国ネタ, 海外子女教育   Tags:

上海にあるインター校(2)

上海も、調べるとけっこうな数のインター校やインタークラスを持つ学校があります。(1)では市内の2校を紹介しましたが、ここでは(虹橋の街中から見て)虹橋空港の向こう側の閔行区というところに集まっている学校を3つ紹介します。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 17:36

Categories: 3.中国ネタ, 海外子女教育   Tags:

上海にあるインター校探検(1)

上海にあるインター校(と国際クラスを持つ現地校)は、10数校あります。そのうち、今回は浦西(川の西)側のインター校をいくつか訪問しましたので、自分で撮った学校の写真を紹介します。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/11/07 at 00:28

Categories: 3.中国ネタ, 海外子女教育   Tags:

上海の第二日本人学校は建設中

上海では、家族帯同の日本人駐在員が急増中です。家庭が増えるという事は、子供が増えるという事。日本人学校も溢れかえってしまいます。虹橋にある日本人学校だけではすべての生徒(小学生と中学生)を受け入れられなくなり、浦東(川向こう)へ建設中の新校舎へ移る事になるそうです。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/11/06 at 11:28

Categories: 3.中国ネタ, 海外子女教育   Tags:

インディアンの物語(学校のテキスト)

この間から、インターナショナル校の授業で使う英語のレベルについて言及してきました。百聞は一見にしかずですので、先週の宿題ででたブルーウィングフライングというアメリカインディアンのお話しを紹介します。これを読めば、小学校の1年生がどんな本をテキストにしているかご理解頂けると思います。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/03/27 at 22:41

Categories: 海外子女教育   Tags:

英語の学校へ通わせる事を考えているお母さんへ

子供をインターナショナル校へ通わせようと考えているお母さんに、英語の勉強方法について提案があります。入学準備のための英語の勉強は、会話力よりも読む力を重視すべきです。優先順位としては、まずは文章を読む力、次に大人の会話を聴く力、最後に自分から話す力をつけるようにした方が良いと思います。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/03/25 at 09:43

Categories: 海外子女教育   Tags:

塾の光景

インターナショナル校の英語は、1年生ともなるとついてゆくのが大変です。昨年は算数の補習をさせるために公文の塾へ通わせていましたが、今年からは科目を英語に変えました。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/03/18 at 22:39

Categories: 海外子女教育   Tags:

子供が作った小説

たぶん、うちのインター校だけではないと思いますが、子供たちに英語でストーリーを創作させる授業があります。

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2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2005/03/13 at 20:46

Categories: 海外子女教育   Tags:

インター校の時間割表

我が家の壁に、学校の時間割表が貼ってあるのを見つけましたのでご紹介します。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/03/11 at 10:20

Categories: 海外子女教育   Tags:

掛け算を教える

時計の針を再び昨年の夏ごろに戻します。K-2(幼稚園の年長)組みのクラスにもようやく慣れた息子は、近所に住む年上の友達の影響を受けて「掛け算」に興味を持ちはじめました。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/02/28 at 17:21

Categories: 海外子女教育   Tags:

日本人家庭における英語習得の限界

突然、最近の話題になりますが、息子の宿題を手伝っていて気が付いた事がありました。我々が中学で始めた英語と、インター校の1年生が勉強する英語にはかなりのギャップがあります。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/02/27 at 00:26

Categories: 海外子女教育   Tags:

英語教育と日本語教育

子供をインターへ通わせている日本人家庭では、どのくらいの日本語(会話、読み、書き)を習得させるかは悩むところです。

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1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/02/23 at 14:06

Categories: 海外子女教育   Tags:

苦手な算数を克服する

英語力を補強した息子は、授業にもより積極的に参加するようになり、先生のアシスタントを買って出るようになりました。ところがK-2(幼稚園年長クラス)になると、99までの足し算と引き算が算数の授業ではじまりました。授業中にじっくり座って先生の話しに集中できない為に、2桁の足し算や(特に)引き算が苦手になったようでした。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 00:02

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遊ぶ英語と学ぶ英語

うちの息子は人見知りしない性格で、砂場でもどこでも、遊びたい子供(綺麗な女の子等)を見つけると、あっという間に友達をつくります。日本語と英語しか話せないんですが、遊び場での英語では不自由していないようでした。ところがインターのK-1(プレスクール・クラス)に入学して授業がはじまると、最初はけっこう大変なようでした。

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Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2005/02/21 at 22:18

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