5.閑話休題

「人間は生まれながらに平等」は絶対の真理だろうか

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これは思考実験です。かなりの期間、記事がご無沙汰になっています。日本国の憲法は、「すべての人は生まれながらに平等である」という考え方にもとづいています。欧米先進諸国も同様です。この考え方は欧州で生まれ、北米を経由して日本へ渡りました。いまでは先進諸国の多くの国民が、「すべての人は平等である」という考えを絶対的な真理として受け入れているように見えます。もし日本や欧米先進国の社会で、「人は平等ではない」と大声で発言すれば、馬鹿か気違いが変人とおもわれ、袋叩きに会うか無視される事でしょう。しかし、本当にこれは絶対的な真理なのでしょうか。実は、近代に生まれた国民国家を安定させる為の「発明」だったのではないのか、という事について考えてみます。

もしこの考え方が普遍の真理であるのなら、人間の社会は何千年も昔に、王様も奴隷もいない国家が多数生まれて、現在に至っていたでしょう。しかし歴史を紐解くと、近代の国民国家(共和制と立憲君主制を含む)が出現するまで、王も奴隷もいない平等な国や地域はときどき現れますが、全体的には極めて例外的な存在だったようです。現代においてすら、米国がせっせと中東やアフリカの独裁国家を謀略や戦争で潰して民主主義体制(*1)を植え付けようとしましたが、まともに成功した例があるのでしょうか。皮肉な事に、米国が支援していたパーレビ(パフラヴィー)王朝が革命で倒れた後のイランは、外形的には、選挙で大統領をえらぶ共和制になってしまったようですが。(*1民主主義国家とは、人間平等を固定パラメタとする国民国家の形態のひとつと定義しました)

さて、ここからいよいよ思考実験の本体に入ります。

君臨する王様(特別な身分の人間あるいは神の代理で国によりいくつかの呼び名がある)も貴族(王に準じた身分で王の身分を守る)も奴隷(人間だが人間としての権限の一部を奪われた身分)も、歴史を紐解けば、人間が一定の文明を獲得して集団社会を築くようになって以来、いない国や時代を探す方が難しいでしょう。つまり、人間の歴史をみればむしろ、「人は親の身分により不平等に生まれてくる」という考え方の方が普遍的だったと言えます。では何故、近代になって「平等」の考え方が生まれたのでしょうか。

私は、「神のもとにすべての人は平等である」と説くキリスト教が普及した欧州で、国民が主権者たる国民国家の正当性を維持するために、「人は生まれながらに平等でなければならない」という思想を再発明したのではないかと推測します。(思想自体はもっと昔からありました)

日本や北欧やローマには、多くの神々がいましたが、すべての神が平等だという事ではありませんでした。民族の思想の元となる宗教上の神が平等でなければ、どうして人間社会に平等という考え方が広まるでしょうか。その点でキリスト教(イスラム教も同様ですが)の原点は、神のもとではすべての人間が平等という事になっていますので、その人間社会の中に身分をつくらないという考え方は筋が通っています。(シーア派のイランの宗教指導者も、コーランには「統べる王は出てこない」と言ってサウジを批判しているようですね)

キリスト教が人間社会の身分制度を廃する下地がある事を述べましたが、その実現までには時間を要しました。その理由は、1つにはキリスト教が欧州へ広がるに際して、王様が国家を統べる道具としてキリスト教を利用した事が理由ではないでしょうか。ところが、近代になって欧米先進国で立憲君主制あるいは共和制へ変わる為に、王様を廃する事を正当化する理論的裏付けが必要になったのでしょう。

以上のような理由から、欧米先進国が考える民主主義国家(法の元にすべての人は平等を憲法で保障する国)は、キリスト教が普及した国では受け入れやすく、他の宗教や思想の影響下にある国では、似て非なる民主主義になるか、独裁国家に戻ってしまうのではないかと思われます。

蛇足ですが、中国・日本・韓国・台湾は儒教文化圏と言われています。日本と韓国と台湾は民主主義ですが、細部を良く見ると欧米の民主主義とは微妙に異なっていると感じられます。例えてみれば、同じ野球でも大リーグと、日本のプロ野球、韓国のプロ野球、台湾のプロ野球がすべて微妙に違うといえば良いでしょうか。


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2015/08/05 at 22:56

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国会議員の適性とフィルタリングについてのメモ

司法、立法、行政という言葉があり、その中で立法というのは国会の事です。国会議員とはすなわち、国民の為に法律を作る事に責任を負っている人の事である筈です。しかしながら日本の現状を見ると、法律を作る能力どころか、その背景にある社会情勢を勉强して理解するだけの能力をもっていない(不適正な)国会議員が多いように感じています。

このような状況はいま始まった事ではないのですが、親が議員で地盤があるとか、全国的な知名度があるという理由で、国会議員としての適性に欠ける人が議員になる事を防ぐ適性な方法はないものでしょうか。

国会議員は20歳以上の成人であれば誰でもなれる訳ではありません。いまでも参議院で25歳以上、衆議院で30歳以上という「条件」があります。であれば、もう少し条件(フィルターオプション)を増やしてみてはどうでしょうか。

1)国会議員になる為の資格試験を設ける。
選挙に加わる条件として国会議員の資格試験(合格から1年間有効)を設けては如何でしょうか。内容としては、高校卒業程度の国語、数学、地理、歴史、公民に法律の基礎的な理解を加えたような試験内容としてはどうでしょうか。60点以上を合格とします。

2)総理大臣・大臣・副大臣になる為の資格試験を設ける。
大臣や副大臣になる為には、対象となる省庁の専門知識が不可欠です。省庁別に4年制大学卒業程度の専門的な試験内容とし、60点以上で副大臣、80点以上で大臣となる資格(1年間有効)を得られるものとします。

上記の資格を1年間有効とする理由は、つねに勉强し続ける事を国会議員に強いる事により、気力の衰えた老人議員を自然淘汰して新陳代謝を促す事が目的です。まったく事なる職業ですが、キャビンアテンダント(いわゆるスチュワーデス)は、乗客の安全に責任を負う職業である事から、毎年かならず社内の試験を受けてクリアし続ける必要があるそうです。国民の安全と幸福に責任を負う国会議員であればこそ、その資格を維持する為に努力し続ける必要があるのではないでしょうか。

あと、上記の試験の他に精神的な問題を抱えてる人をフィルターアウトする為に、心理テストや精神科医との面接を行ってはどうかと思います。

上記は国会議員について述べたものですが、最近話題の兵庫県会議の事を考えると、地方議会についても同様の事が必要ではないかと感じています。

7 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/07/07 at 01:22

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日本代表チームの方向性についてのメモ

今回のワールドカップ日本代表については、心の底から「予測を裏切る素晴らしい展開」を期待していたのだが、結局は予測の通りの結果になってしまって残念です。このような結果を招いた問題はの原因は監督でも選手でもなく、ただただサッカー協会にあると言えます。夢のあるサッカーとか決勝リーグで勝てるチームとか言う前に、まずは予選リーグを順当に勝ち上がれる底力を付けることが必要ではないでしょうか。

前回の南アフリカでは、大会直前に岡田監督の英断にて、引いて守ってカウンター攻撃する戦略がとられましたが、あれは日本人には向いている戦い方だと感じました。引いているので守るエリアが狭く、体力的に劣る日本人でも最後まで動き続ける事が出来ます。決められた練習の通りに組織的に動けば良いので、個人の能力差を集団でカバーする事ができます。

そして最も重要な事ですが、素早いカウンター攻撃は敵側の薄い守備を崩すだけなので、メッシやネイマールのようなファンタジスタが居なくても、どの世代にも居る並に優秀な日本人選手で点を取る事ができます。だいたい夢のあるサッカーって、本田や香川や長友を前提にしているのだと思いますが、こういう人材が毎大会必ずいるとは思いえません。人材的に谷間の大会でも、予選リーグを順当に勝ち抜けるようなチームを作るのがサッカー協会の役目ではないでしょうか。その上で、逸材が揃い戦力が高まった大会では、一発、優勝を狙うというのなら話しはわかります。

上記の話しを踏まえた上で、今回の初戦とギリシャ戦を考えてみてください。守ろうと思えば1点を守りきれる(南アの時のような)チームであれば、初戦に勝てた可能性は高いと思います。逆にギリシャは、引き分けで十分と思えば、10人のチームでもそれを可能にする事ができました。だからこそ予選リーグを勝ち抜ける事ができたのではないでしょうか。

それから、セルジオ越後氏も繰り返し言ってますが、チームを強くするのなら強い相手の敵地へ乗り込んで、逆境の中での練習試合をもっと沢山やるべきです。ホームでの練習試合なんて要るのでしょうか?

ぜひ南アの時を思い出してほしい。その上で、1点をきっちり守れる「引いて守ってカウンター攻撃」のチーム作りへ舵を切り直してほしい。そのようなチームを作るのなら、岡ちゃんで良いじゃないですか、岡ちゃんで。日本サッカー協会さん、たのみますよ、まったく本当に。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/07/06 at 02:31

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日本の学校って軍隊教育?

記事の表題はもちろん撒き餌ですが、欧米式のインター校を見ていると、そう感じてしまうところが多々あります。ちょうどいま、息子が通う香港のインター校のスポーツデイ(運動会)の会場となっている私営運動場のスタンドからこの記事を書いています。日本の学校(特に公立の小中高)は、どちらかといえば左寄りの方が多いのかと思われ、こんな記事をみたらびっくりして反発されるかもしれませんが、ちょっと辛抱して記事の続きを読んで頂けないでしょうか。

日本は学校側が生徒に対して、授業や行事に規律のとれた団体行動を比較的強く求める傾向があると思います。たとえば授業の開始に起立・礼とやったり(もしかしてそんな学校は減っているのかもしれませんが)、中高生に詰め襟の入った軍隊のような制服を着せたり(黒い制服もだんだん減っているのでしょうね)というのは比較的わかりやすい例です。こういう行為は軍隊を連想するので嫌がる先生がいるのではないかと思います。

ところがそういう先生方でも、指摘されるまでわからないのが、下記のような例です。

1)大勢が整列し、行進曲に手足の動きを揃えて歩く入場行進。

2)大勢が傘などを持って行う演技。(一例

3)大勢が一斉に動きを揃えて行うピラミッドや組体操。(一例

大勢の生徒が同じタイミングできれいな動きを見せる事を、日本の学校では、生徒と担任教師が一緒になって熱心に練習するのではないでしょうか。ところがよく考えてみると、手足をピシっとそろえた行進というのは軍隊行進です。また、集団で演技、ピラミット、組体操などは、中国共産党や北朝鮮が国家行事の出し物でやるマスゲームを非常に強く連想させます。(私はそのものだと思っております)私は軍隊式の教育が悪いと言っているのではありません。日本の(特に公立校の)教育はそのように見えると指摘しているだけです。

私の息子は幼稚園と小学校は北米カナダ式、中学からは英国式のインター校へ通っています。私はこれまで息子の学校行事に「そこそこ」参加してきましたが、体育イベントであれ文化イベントであれアウトドア・イベントであれ、教師は行事の大枠と進行を管理しますが、基本は生徒の主体的行為に任されているようです。主体的行為というのは、たとえば生徒会が生徒の行動を自主的に管理して規律のとれた団体行動をさせるという意味ではありません。私の経験したインター校の行事では、率直に言って、入場行進もマスゲームもありません。団体演技がないので、運動会の為の練習時間というのもほとんどありません。それだけではなく、進行中のプログラムと関係ない生徒は、邪魔しないようにしながらも、生徒の待機場所だけでなく、グランドの中でも自由に時間を過ごしています。

この違いは「規律」という言葉が鍵になるのかもしれません。

日本語の「規律」は、秩序という意味合いが強いようです。教育の場で秩序を守る事を教えるという意味で、行進やマスゲームが導入されているのかもしれません。ところが規律の英語の意味である「Discipline」は鍛錬・統制という意味が強いようです。柔軟な思考や主体的なリーダーシップを身につけさせる事を目標としている英米のインター校では、教師が介入して鍛錬や統制の練習は必要最小限にしたいと考えているのかもしれません。

私は、日本の教育は軍隊みたいで駄目だと言いたい訳ではありません。ただ、多くの小中高の多くの教師が、運動会ともなれば生徒と一緒に行進やマスゲームを熱心に練習しているが、実はそれが軍隊式であるという事を自覚しているのか、あるいは無自覚にやっているのかという事にたいへん興味があります。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/15 at 17:40

Categories: ブログ評論, 5.閑話休題, 海外子女教育   Tags:

ここ最近の中国ネット事情

週末でブログを書く時間があるというのに、ハードに響くようなネタがありません。という訳で、今日も閑話休題的な中国の身辺記事です。今日は、最近特に海外へ繋がり難い中国のネット事情について、つれずれなるままに書いてみます。

今年は北京で政権の入れ替えイベントがあったせいか、10月くらいから香港へVPNが繋がり難くなったり、ライブドアやヤフーなどのサイトが数日間アクセスできなかったり、弊社の香港サーバーから提供している業務用クラウドシステムが、ある特定のお客さんで数日間くらいアクセスが不安定(速度が遅くなり、特定のJavascriptが動作しない、PDFレポートがダウンロードできない等)になったり、いろんな事が起きていました。それが12月中旬から現在まで、更に厳しい状況になっています。それもこれも、中国の公安内にあるネット監視部門の警戒レベルが高まっているからと考えています。

日本で公安というと、思想犯やテロ組織を追いかけるような特別な警察組織です。ところが中国で公安というと、街を巡回しているような普通のお巡りさんの事を指します。事件が起きた時に出てくる刑事なども、もたぶん公安組織に含まれます。ちなみに街中にいる警察には、他に交通警察と武装警察があります。交通警察は大きな交差点で人間信号機をやったり、速度違反や右折禁止違反などを取り締まったりを専門にする警察官です。武装警察というのは喧嘩がめちゃ強い(脳みそまで筋肉で出来ている)荒くれ男の集団で、大規模な喧嘩や暴動の鎮圧が専門です。上海の日本領事館前でデモ隊が押し寄せた時に、ヘルメット被って盾をもってずらっとならんでいるのが、武装警察官さんたちです。

横道に逸れましたが、この公安組織の中にネット公安(仮称)の人達がいて、ネット上を飛び交うデータパケットの中から、社会秩序を乱す輩の通信がないかどうかを見張っています。中国には法輪功や先日の新興宗教騒ぎをはじめ、共産党を敵視する非合法結社がいくつかあり、中国政府はそういう団体の活動を大変恐れています。それで、そういう人達のものと思われるデータ通信を傍受して手がかりを見つける為に、ネット公安所属の金盾(グレートファイアーウォール)という自動監視装置がインターネット・プロバイダーのルータの向こう側に設置されています。この金盾は、私の知る限り誰も実物を見た事はありませんが、ネット業界では周知の事実となっています。

この金盾の図を見ると、すごいファイアーウォールがネットの中央にデンと居座っているように感じられますが、私の経験では、非常に沢山の台数の量産型の監視専用ファイアーウォールが、各地のプロバイダーのマシンルームに分散して設置されているのであろうと推測しています。たとえば、事務所ではVPN接続をブロックされるのに、数キロ離れた自宅では問題ないとか、そういう状況が多い事が経験的にわかっています。ADSLの線は最寄りの基地局から3−5キロくらいが限度です。また地区が異なると、物理的に近くても別の基地局に接続されます。たぶん、金盾はADSLの各基地局ごとに設置されているのだろうと思われます。

そういう意味で、昨日は興味深い経験をしました。東莞市長安鎮のあるお客さんから、うちの香港サーバーで提供しているクラウド型の業務システムでPDFレポートのダウンロードが遅くて使えないと連絡がありました。電話を受けた時にたまたま近所にいたので、帰り道のその奥さんに寄り、中国移動(携帯電話会社)のポータブル3G Wifi モデムを持ってゆきました。そのお客さんは事務所では中国電信のADSLを使っていて、中国内のサイトへのアクセスはまったく問題ありませんが、うちのクラウド型業務システムにアクセスするとめちゃ遅いのです。私のMACを社内のLANにつなぎ、香港のサーバーにPingを打つと100ミリ秒(わりと速い)の反応があります。ところがウェブ画面、PDFファイルとエクセル表のダウンロードはめちゃ遅です。そこで、先に述べたポータブル3G Wifiモデムをユーザーさんのパソコンの1台に接続したところ、普通の速さでファイルのダウンロードができるようになりました。中国移動は中国電信とは別のしくみの金盾をつかっていて設定内容も異なるので、問題なくアクセスできたという事だと推測しています。

いろいろ書きましたが、公安(中国政府)は、海外との通信には常に神経質になっているが、いまは特に警戒レベルがとても高いので、海外サイトへのアクセスはIPSecVPNを使う事を検討された方が良いと思います。更に、駐在員の方は、日本本社のメールサーバーへ直にアクセスするのではなく、中国内のメールサーバーへ転送してもらった方が良いとおもいます。その方がメールの送受信が速いし障害が少ないでしょう。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/12 at 00:09

Categories: 3.中国ネタ, 5.閑話休題   Tags:

中国のビジネスホテル事情

ここのところ連続でBLOGOSへ転載されたおかげで、年初から今日までの訪問者数の平均が毎日1000人を超えるようになりました。せっかく読者が増えたのに、これを書きたいというネタは毎日のようにある訳ではありません。ネタがみつかるまで書かないと、読者はだんだん減ってしまいます。そこで、経済や政治や地球温暖化など以外に、私が普段仕事および生活しているチャイナの周辺事情のネタも、混ぜて行こうかと思います。まずは中国のビジネス・ホテルについてです。

私は日系工場のお客さんの生産管理の改善やシステム関係の仕事が多いので、広東省のあちこちを移動して廻ります。普通は香港と深圳市(シンセン)と東莞市(トンガン)を行ったり来たりして、月に何度か、拂山市や恵州市などへも足を伸ばします。というわけで、行く先々で廉価なビジネスホテルを利用しています。

私はいつも7Days Innという全国チェーンのビジネスホテルを利用しています。料金は、同じチェーン店でも個々のホテルの立地や人気度により値段が若干異なります。立地の悪い場所の一番安い部屋で一泊127元(約1800円)。立地の良いホテルだと157元(約2200円)からです。私がいま泊まっているのは167元の広めの部屋です。

中国には他にも全国チェーンのビジネスホテルがいくつもあります。有名なところで、MOTEL168如家酒店錦江之星などです。一応この辺のホテルは全部会員になっています。初回利用時に100元から200元くらいの入会金を払うとその場で会員カードをくれて、会員割引値段で泊まる事ができます。全国にあるチェーン傘下のホテルは何処でもネットで予約や支払いもできます。7Days Innが他と比べてちょっとだけユニークなのは、会員カードが(昔はあったようですが今は)ありません。会員カードの代わりに自分の携帶電話の番号を登録して使います。7Day Innのロビーには必ずパソコンが何台か置いてあります。予約無しでロビーに来ても、みんなフロントではなくパソコンの方へ行って自分でネットから予約します。これはなかなか興味深いやり方です。フロントから予約業務を取り去る事で、お客は割引値段をゲットでき、会社側は従業員の業務効率を少し高める事ができますね。7Days Innはホテルの他にレンタカーのサービスもやっており、ホテルで車をピックアップできるメリットがあります。レンタカーの値段は、安い車で1日100元以下のようです。今度実際に使ってみたら、ここで記事にしたいと思います。

さて、ホテルの中の状況についてですが、7Days Innの場合には新しくても古くても、中はほとんど同じです。各部屋にIPTV式のテレビ、固定電話、インターネットのLAN線(壊れている事が多い)、お湯を沸かすポットと紙コップ、シンプルな木の椅子、暖房機能のついた各部屋独立式エアコン(中国も広東省や香港など南に下ると冬が短いので暖房のつきてないエアコンが多い!)、浴室は洋式トイレとガラスで仕切られたシャワー室、バスタオルは必ずビニール包装されている、などです。洋服ダンスの代わりに、壁からハンガーを4つ吊るせる棒が付いています。かなりシンプルな構成です。あと、7Day Innの特徴としては、蛇口をひねってからお湯が出るまで10秒とめちゃ早いのをウリにしています。真冬のめちゃ寒い時でも15秒もあれば熱いお湯が出てくるのは確かです。ベッドのマットレスが寝心地が良いのもウリの一つにしているようです。地方の無名の地元ホテルに泊まると、一番酷いのがベッドのマットレスです。板みたいに硬いのから、完全に死んでいるのようなベコベコのマットレスとかの経験があります。7Days Innは、ベッドのメーカーのシモンズとタイアップしていて、良いマットを安く調達しているようです。

7Days Innに比べると、MOTEL168や錦江之星は建物の新旧や地方によりかなり室内の様相に差があるようです。以前に上海古北のできたばかりの錦江之星に泊まった時は、300元と高目の部屋(上海の繁華街では7days Innも地方都市より値段が高い)でしたが、内装や調度がチェーンホテルにしてはデラックスで快適でした。そういえば上海万博の時に、全国どこでも168元がウリのMOTEL168で、1泊400元もした事があります。流石は上海の商売人だと思いました。

7Days Innや他の全国チェーンのビジネスホテルの部屋の出入りはカードキーを使います。7Days Innはチェックインタイムの時間制限というのが特にないようで、部屋さえ空いていれば午前中早い時間からチェックインできます。しかし、早目にチェックインした場合には、夜に部屋に戻る前に、フロントへカードキーを渡して、再度、アクチベーションしてもらう必要があります。たぶん連泊客がお金をきちんと支払っているか確認するのが目的ではないかと推測しています。

部屋はカードキーを差し込まないと電源が入らないようになっています。夏の暑い時など、食事などで外出する時にもエアコンをつけたままにしておきたいですよね。私の同僚はカードキーを紛失したと偽って20元で再発行してもらい、自分で余分に1枚もっています。そのカードを挿してエアコンつけたまま外出していると言ってました。チェックアウト時間は、普通は12時ですが、ゴールド会員は13時、プラチナ会員は14時という感じて多少の差別化がされています。

私のように常にあちこち移動していると、下着の洗濯は悩みの種です。7Days Innは各部屋にそれぞれエアコン室内機がありますが、室内の送風機にハンガーを掛けて、暖気の吹き出し口にシャツ、靴下、パンツを順番にかけて乾かしています。シャツはユニクロのヒートテック(化繊)だと1時間くらいで乾きます。食事が終わって8時か9時に部屋に戻ってから洗濯して乾かし始めても、12時までにはほぼ全部乾いています。

思いつくままに書いてみたので、記事としてはまとまりのない冗長な感じになってしまいましたが、中国のビジネスホテルの感じを掴めていただければ幸いです。

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/09 at 01:29

Categories: 3.中国ネタ, 5.閑話休題   Tags:

幸せに生きるコツ

私は幼少の頃から(親譲りの)けっこうユニークな性格だった為か、中学校くらいまではかなりのいじめられっ子で、どちらかというと幸福とはいえない人生の滑り出しでした。大学時代にメンタルトレーニング的な本を読んで実践をはじめ、またシステム屋に特有のデスマーチを凌ぐ過程であるコツをつかむ事ができ、以降の人生をわりと幸福に生きる事ができるようになりました。昨日読んだ、不幸な人生を送る10の方法(*1)というブログ記事に触発され、ではどうすれば人生を幸福にする事ができるのかというコツについて書いてみたくなりました。この記事はあくまで私見ですが、不幸な人生で苦しんでいる読者の参考になれば幸いです。

 

1)幸福も不幸も単なる脳内の化学作用であると割り切る

最初に極論を述べます。幸福というのは純粋に主観的なもので、まったく同じ環境にいても幸福と感じる人もいれば不幸と感じる人もいます。もし今、非常に大きな問題を抱えている訳でもないのに、自分が比較的不幸だと思っている人がいるとすれば、それは単に、あなたの「感じ方」に問題があるだけです。よく言われるところの、楽観的な人と悲観的な人の違いです。では楽観的な人と悲観的な人の違いは何でしょうか?私は、人間が脳内で幸福と感じるある種の化学物質(以下ホルモンと仮称する)が出やすいか、出にくいかという体質の差だと思っています。不幸感も同じです。(これはあくまで私の個人的な仮説です)(*2)要するに、あたなが幸福と感じる時、それは単に脳内で化学反応が生じているだけです。生理的にいえば恐らく、麻薬中毒者が麻薬を欲するのと本質的な差はありません。どうですか、これであなたも、幸福でない事を悲観するなんて馬鹿らしいと思えるようになったでしょうか?駄目?やはりそうですか。では次に進みましょう。

 

2)問題解決の期待値を大幅に下げてみる

幸福感というのは、自分が設定した期待値あるいはそれ以上に達した時に生じると(私の仮説では)考えています。仕事なんでどうでも良いと思っている人は、仕事で上司に褒められてもあまり幸福ではありません。人間関係なんてどうでも良いと思っている人は、誰かに嫌われても不幸とは思いません。仕事にしろプライベートにしろ、思い通りにうまく行かずに幸福感を得られないと感じている人は、まずは問題とおもっているところの期待値の設定を下げて見てはどうでしょうか。小さな期待値には小さな幸福感しか得られないとしても、それを継続的に積み上げる事ができれば、不幸な人生とおさらばする事ができるかと思います。

 

3)決断から悩みと後悔を取り除く

人は悩み後悔する事で不幸を感じます。人生は日々、判断や決断の連続ですから、悩みやすい人は優柔不断、後悔し易い人は不幸を感じやすいと言えます。では、いままで通りに日常生活を続けながら、悩みや後悔から遠ざかるにはどうすれば良いでしょうか。その為には、他人や書物に相談する事は良いとしても、最終決断は常に自分で行う事。そして決断した理由を記録しておく事です。後悔する理由は、「なぜあの時にこちらを選んだのか!」という判断のプロセスを事後から見て、一定の合理性が感じられないか、あるいは曖昧になってしまっているからです。また、人が決断で悩み疲弊する理由は、どの選択枝にもメリットとデメリットがある時に感情が邪魔して合理的な判断ができず、心の中の閉ループを何十回、何百回と思考を繰り返し、そこで膨大なエネルギーを消耗するからです。決断で悩まない為に、決断プロセスに感情をなるべく入れないようにするひとつの簡単なテクニックとして、私が知人へ進めている方法があります。1枚の白い紙の上に、それぞれの選択をした場合のメリットとデメリットについて思い浮かぶかぎり書き出し、紙に書いた項目の中から決断理由を決めるようにします。こうすると、感情で曇っていたメリット・デメリットがはっきりと見えるようになり、合理的に判断するにはどれを選ぶが見えやすくなります。ここで一番大事な事は、この手順を自分で納得して実行する事です。

 

上記は、日常的な仕事や生活の中の、比較的ありふれた問題へ対処しながら幸福感を増すコツについて述べました。

 

しかし人生には、とても重大な問題というのも時々起こります。激しいイジメに会った時、仕事が死にほど厳しくて心が折れそうな時、借金が膨らんでどうしようもなくなった時。そういう時、人はノイローゼになったり、自殺を考えたりします。こういう大きな問題に対して、私の経験をもとに、わりと即効性のある対処法についても述べてみたいと思います。

 

1)誰にも言えない問題は自分自身に相談する

誰にも相談できない問題で悩んでいる時には日記を書きましょう。心の中の問題を誰かに話すだけでも、精神的なストレスを一時的に下げる事ができるものですが、他人には絶対に話したくない問題というのも世の中にはあります。また、相談する友人が身近にいない時もあるでしょう。そういう時には、自分自身に話してみましょう。つまり日記です。紙の日記帳でも良いし、ブログを非公開モードで書くという手もあります。ただ書くだけでも良いのですが、問題が生じた原因、過程、現在の状況、どのように解決したい等、問題を整理しながら解決方法を書いてみましょう。今日の日記を書いた後で、余裕があれば過去のページも読み返してみましょう。書いたものを読み直す事で、合理的な思考が戻ってきて、どうするべきがが見えてくるものです。

 

2)どんな問題や失敗でも死ぬ訳ではないと言い聞かせる

仕事にしろプライベートにしろ、失敗したらほんとに命を取られるような問題は現実世界ではほとんどありません。私は長くシステム屋をしていますので、デスマーチで精神的に追い込まれた事も何度かあります。中にはヤクザ口調で脅すお客さまもあり、小心者の私にはけっこう効きました。精神的に追い込まれているときには、普段の冷静な判断ができず、視野がどんどん狭くなります。しかし、そういう時にはいつも、「たとえ失敗しても命が取られるわけじゃない」と自分に言い聞かせる事で、心を落ち着かせていました。あなたもぜひ試してみて下さい。

 

3)夜逃げは死ぬよりマシ

サラリーマンや会社経営者にとっては、死ぬほど辛い事というのはたまにあります。為替で失敗して帳簿に大穴を開けたとか、資金繰りがつかなくて社員の給料や取引先の支払いができなくなってしまった時とかに、首を括るか電車に飛び込むかと考えるかもしれません。しかし、実行する前にもう一度よく考えてみてください。クビになったり夜逃げする事になったとしても、べつに死ぬ訳ではありません。会社や従業員や取引先や家族や親類や銀行に迷惑をかける事になったとしても、あなたが生きていれば、いつかは借りを返せる時がくるかもしれません。ここは一つ、多少なりとも前向きに考えるようにして、死ぬよりは逃げる事を考えて見て下さい。

 

この記事がなんらかの参考になりますように。

 

引用記事

1)不幸な人生をおくる10の方法

2)幸福は個体差の大きなベクトル量である

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/01/03 at 16:03

Categories: ブログ評論, 健康   Tags:

添加物は危ないか?

最近はスーパーへ行くと、合成保存料が入っていない無添加食品がもてはやされているそうですね。ところがこれには、大きな落とし穴がありました。食中毒です。ちょっと前にドイツで病原性大腸菌で大規模な食中毒が発生して、死人が出ました。日本でも、ユッケで同様の事が起きました。リアルな無添加というのは、実は危険なんだそうです。

無添加はかえって危ない ―誤解だらけの食品安全、正しく知れば怖くない、有路昌彦

うちの息子がまだ1歳未満の頃、歯が生えてきたので、夜中に起きた時に飲ませるミルクをジュース入りの水に切り替えた時の事でした。飲みやすくするためにりんごジュースを混ぜた哺乳瓶の水は、数時間のうちに発酵をはじめて、味や匂いが劣化するんです。

発酵を止める為にどうしたかというと、スーパーの加工食品でよく見かける保存料に使われるビタミンCを使いました。液状のビタミンCを購入し、夜寝る前に、りんごジュース入りの水が入った哺乳瓶に、液状のビタミンCを一滴たらします。すると、一晩くらいは味が変わりませんでした。

ご存知の方も多いかと思いますが、ビタミンCは酸化防止剤です。酸化防止の機能は、食物を腐り難くしてくれるのです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/09/07 at 14:25

Categories: 1.政治・経済, 健康   Tags:

息子が株を始める

以前に、10歳の息子に株のディーラーを勧めてみましたが、見事に失敗しました。理由は、そもそも株や資本の概念が理解できず、株の売買の入り口でつまずきました。あれから3年、いまだに株の概念は理解できていないようですが、株式投資の師を得て、株の売買でお金を儲けられるという事は理解したようです。

息子が株式投資をはじめたきっかけは、クラスメイトの父親と知り合った事です。息子の入学した中学では、男子生徒の間でウォーゲームが流行っており、彼も誘われて、クラスメイト数人と始めました。

実際のウォーゲームでは、大人の参加者に混じってゲームを行います。その中にクラスメイトの父親も含まれていました。彼の事を仮にW氏と呼びましょう。W氏は毎週のように息子とウォーゲームに参加し、家には何十もの高価なエアガンを持っています。ウォーゲームに夢中の息子にとって、W氏は夢のような存在、つまりヒーローです。そこで彼は、「W氏のようになるたい」と考えるようになりました。

W氏は55歳。中国で繊維関係の工場を経営していましたが、98年の通貨危機で商売が難しくなり、それを機会にすっぱりとリタイヤ。それからは得意の数学能力を生かして、株式投資で生業を立てているそうです。

このようなW氏をコピーする事に決めた息子は、野村のバーチャル株式投資倶楽部を半年前に始めました。もちろん、株とは何かという概念は理解していませんので、彼にとって株はゲームと同じです。適当に売り買いを始めましたが、それで儲かる訳はありません。毎回、損をします。一時期、「どの株が上がるか」と毎日のように聞かれましたが、そんな事は「神のみぞ知る」です。

息子が中学2年になり、週末はW氏の家に泊まりに行く事が増えました。W氏の息子は彼の親友で、しかもクラスの同じ学習グループに所属していますから、W氏の家に集まって、学校の課題を作成するようになりました。W氏と過ごす時間も増えて、株式投資のやり方を学ぶ機会が増えたのでしょう。

最近はじめたケイゾンのトレーディングダービーの47回大会で、1317人中で6位に入っています。(まだ終わっていない)

47回大会は19日目ですが、実を言うと彼は、大会初日から参加していたアカウントは損を出して使用を止め、新しく作ったアカウントで再挑戦中です。他の参加者の大会日数が19日なのに、彼だけ8日なのはその為です。

新しいアカウント(B-52)で好成績を出せた理由は下記の要因だそうです。
1)地震で下がっていた東電を買い、1時間後に値が上がったので売って、100万儲ける。
2)原発は福島第一の事故で「終わった」と思ったので、安全な発電という事で日本風力開発を買い、ストップ高を記録した時に売って500万円儲ける。
3)後は細かい取引を重ねて、儲けを1000万円台に乗せる。

短期で利益を出す売り買いが多いようです。

半分はまぐれ当たりのような感じですが、トレーディングゾーンで好成績を出しているのでブログネタにしてみました。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/04/24 at 10:07

Categories: 失敗から学ぶ株式投機体験談, 海外子女教育   Tags:

オール電化って不利ですね

今回の地震は130キロ沖の海底という事で、直下型の神戸の大震災にくらべると地震それ自体の被害は少ないように感じますが、大津波の被害がかなり甚大であるという印象を受けています。津波の到来が地震が1時間後と聞いていますので、沿岸の住民のおおかたが避難してた事を願っていますが、テレビの死傷者数を聞いていると、全部で1万を越すのではないかとの不安を感じています。

妻の実家が青森の某所にあって、津波の被害はないが停電は続いているそうです。電力会社さんには申し訳ないですが、こういう大規模災害の場合、たいがい電気が広域で長期間止まるので、オール電化の家って料理もシャワーもできないので、非常に不利だなって感じました。妻の実家には、なぜか小型の発電機があるそうですが、そういう家はめったにないですよね。ガスであっても、都市ガスは途中のパイプが破損すると広域で供給が止まる事が予想されるので、バックアップとしてプロパンガスが有るか無いかは、けっこう重要かと思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2011/03/12 at 01:52

Categories: 5.閑話休題   Tags:

結納の起源

スパーム・ドナー(精子提供)―人工授精の子供達(1) のコメント欄で、ap_09さんと結納の起源について話す機会がありました。この記事は、その時のコメント内容をまとめたものです。

結納の起源を調べると、

「結納の起源は4世紀から5世紀頃、仁徳天皇の時代に遡る。仁徳天皇の皇太子(のちの履中天皇)が黒媛を妃に迎えるときに贈り物(納采)を贈ったことが最初とされ、宮中儀礼の「納采の儀」として脈々と受け継がれている」

とあります。日頃炉路お世話になっているwikiですが、日本の結納が国内で単独で発生した文化であるとは、なかなか信じる事ができません。私は香港に長年住んでいますが、香港人同士の結婚式には結納と良く似た儀式があります。香港の結納が日本から伝わったとは思えません。

中国で結納は何と言うのでしょうか。wikiで日本の結納のページを開き、ページの左側にある中文(結納の中国語の説明)をクリックすると、納徵のページが開きます。納徵は、「三書六禮」とい中国の伝統的な結婚の儀礼を定めたルールブックの中の主要な儀式のひとつのようです。三書六禮のルーツは、西周(紀元前11世紀から紀元前771年)まで遡る事ができる大変古いもののようです。

さて、三書六禮で納徵(又稱過大禮)の内容を見てみましょう。

納徵(又稱過大禮):即男家把聘書和禮書送到女家。在大婚前一個月至兩週,男家會請兩位或四位女性親戚(須是全福之人)約同媒人,帶備聘金、禮金及聘禮到女方家中;此時,女家需回禮。

(以下、意訳)
夫側の家は「招聘状」と「贈り物リスト」を妻側の実に送ります。「大婚」の1ヶ月前から2週間前までに、夫側の実は女性の親戚が仲人を伴い、結納金と贈り物を持って女性側の家を訪れます。この時、妻側の実は返礼が必要です。

これはどうやら、日本の結納に非常に近い儀式のようですね。ところで三書六禮にはもうひとつ、納采という儀式があります。その内容は、

納采:當兒女婚嫁時,由男家家長請媒人向物色好的女家提親。男家在納采時,需將大約達三十種有象徵吉祥意義的禮物送給女家;女家亦在此時向媒人打聽男家的情況。

(以下、意訳)
息子の縁組み相手の女性を探す時、夫側の実の家長が仲人に、妻になる良い女性を探してもらい、縁組を持ち込んでもらいます。夫側の実は「納采」(仲人経由で縁組を女性の家に持ち込んでもらう)の時、大体30種類に達する「めでたい贈り物」を女性の家に送ります。女性の側の家も、この時、仲人に夫側の家の情況を尋ねます。

これって、息子を持つ家の親が、仲人さんにお願いして、縁組相手の女性を探してもらう手続きの事ですね。この時に、男性側の家から女性側の家へ、30種類の目出度い贈り物を贈って、「どうかうちの息子をよろしく!」と売り込む為の儀式のようです。

さて、日本の結納の起源である「納采の儀」が、三書六禮の納采と同じ文字である事は、偶然の出来事でしょうか?何の物的証拠もありませんが、本来は納采というべきであった結納の儀式が、翻訳ミスあるいは伝達ミスによって、同じく結婚の儀式である納采という名称で宮中の儀式として定まったというのが、私の推理です。

みなさんはどう思われますか?

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/11/09 at 16:00

Categories: 3.中国ネタ, 5.閑話休題   Tags: , ,

人生における天敵とは

最近、韓国ドラマを良く見ます。大王四神記、イルジメ、ホンギルトンと続けて見て、出来の良さに感動し、今晩はチュオクの剣を見終わりました。さて、このドラマを見て考えされられた事があります。主要な登場人物は3人いるのですが、みんな「異性への恋愛感情」によって身を滅ぼすのです。(ネタバレ注意)

主人公のチャン・チュオクは左捕盗庁(2つある警察署)の取り締まり方なんですが、盗賊の頭領であるチャン・ソンベクに惚れて何度も左捕盗庁への裏切り行為を働き、最後はソンベクと一緒に(自ら)死にます。

チュオクに想いを寄せるファンボ・ユンは左捕盗庁の所長のような重職であり、「わが国に敵なし」と言われる剣士なんですが、チュオクへの想いで精神が不安的になり、部下を窮地に追い込んだり、敵前逃亡したりして、最後はチュオクの為に死にます。

チャン・ソンベクも(実の妹とは知らずに)チュオクに惚れて、何回も仲間を危機に陥れたり、チュオクの為にたくさんの仲間が死に、以後には惚れた妹の手にかかって死にます。

上記のパターンは、理性的に考えれば恋愛対象としてはいけない人になぜか惚れてしまい、その相手が非自覚的な「天敵」となって実を滅ぼすようです。実社会でも(ちょっと極端な例かもしれませんが)真面目で誠実な女性が悪い男とくっついて、周囲の反対を押し切って結婚して苦労したり、真面目なサラリーマンが水商売の女性に惚れて仕事も家族も投げ出して、最後には相手の女性からも捨てられて何もかも失ったりという事があるようです。

もっと一般的な例でも、惚れして結婚したが、数年が経って恋愛感情が消えてみれば、配偶者の性格が自分の性格とまったく合わない事に気がつき、離婚を決意するまでの長い期間、お互いに悲惨な生活を送る夫婦は少なくないと思われます。

そもそも恋愛感情というのは体内で生み出されるホルモンによるただの化学作用ですが、ひとたび恋愛感情が高まると理性が狂わされ、化学作用をあたかも「天啓」のように思い込み、間違った判断をし、自分の人生をどんどん難しい方向へと進めてしまう人がいます。

そういう訳で私はこのドラマを見て、人生における天敵とは、自分の恋愛感情の引き金を引く要素を持つ異性であろうと結論付けました。惚れてしまうような異性をなるべく遠ざける事が、平凡な人生におけるリスク管理の一つかもしれません。結婚するのなら、常に理性を失わないでいられる、「惚れない相手」が良いでしょう。今日はちょっとトンデモな話になりましたが、あなたはどう思われますか?

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/08/16 at 00:10

Categories: 健康   Tags: ,

マーカーワクチンは口蹄疫対策のイノベーション

山内一也氏の「人獣共通感染症 第116回追加 口蹄疫との共生」によれば、ワクチンと感染の抗体を判別できるマーカーワクチンの技術は、1970年代後半に開発されているそうです。

(引用開始)
新しいタイプのワクチン開発は1970年代後半に組換えDNA技術が生まれた際に、その応用問題第1号としてベンチャーのGenentechが試みたことがあります。これはウイルスの被殻の蛋白VP-1を大腸菌で産生させた、サブユニットワクチンでした。しかし、1980年代初めにできてきたワクチンは現行のワクチンよりも免疫力が弱く実用化には到りませんでした。
 その後は、殺処分という国際方式が存在している中でワクチン開発をしても企業利益にはつながらないために、企業によるワクチン開発はこの30年間ほとんど試みられていません。その間にほかのワクチンでは第2世代、第3世代ともいえる新しい技術が試みられていますが、口蹄疫は取り残されたわけです。一部の国立研究所でDNAワクチンやベクターワクチンなどの新しいワクチン開発の試みが細々と続けられているだけです。
(引用終わり)

山内氏も、人とモノのグローバル化が進む現代に、殺処分だけで清浄状態を保つ事はますます困難になっていると指摘しています。口蹄疫という恐ろしい感染力を持つウイルスへの対策は、科学的かつ合理的なリスク管理が必要です。政府と地方自治体は、可及的速やかに、この疾病への本格的な対策組織を発足し、発生予測、迅速かつ経済的な予防ワクチン摂取、自衛隊による地域封鎖、発生時の客観的なリスク評価など、経済的なダメージコントロールを容易に行えるように法律を整備するべきです。

参考記事:口蹄疫殺処分は、食肉輸入の非関税障壁を維持することが目的である  井上晃宏(医師)

19 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/06/08 at 10:27

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済, 健康   Tags: , , , ,

リスク管理から見た口蹄疫対策

井上晃宏医師がアゴラで

口蹄疫に関する現在の対策を批判して以来、同記事のコメント欄では様々な意見が議論されています。ところで、動物衛生研究所の資料によれば、2009年から2010年にかけて、中国ではこれだけの広い範囲で頻繁に発生しており、この状況は素人目にも、中国政府はウイルスの封じ込めに失敗していると言う事ができます。韓国では8年ぶり、日本では10年ぶりの口蹄疫発生ですが、日本をとりまく東アジアの状況から見ると、悪化する口蹄疫禍の「はじまり」と見るべきです。


日本や韓国が国内でいくらウイルス封じ込めをして、清浄国化を行っても、中国で口蹄疫が拡大している以上、ウイルスが日本や韓国へ持ち込まれるのを水際で阻止する事は、現実的に不可能と言えます。不可能な前提を無視して、一国だけで清浄国を維持する政策は、まったく合理的でも現実的でもありません。少なくとも、東アジア全域で、口蹄疫が数年以上沈静化するまでは、いつでも発生する事を前提とした「リスク管理体制」を敷くべきです。

日本の政府と地方自治体が行うべき対策は、具体的には、再発する事を前提として、発生時の経済的被害を最小限に抑える為の、ダメージコントロールとしてのワクチンの予防的使用です。私は疫学の専門家でも獣医でもありませんが、ネットで入手した情報を総合的に判断して、下記のような対策を提案します。

1)ワクチンを全国の家畜へ機械的に4ヶ月から半年毎に摂取するのは、ウイルスが国内の野生動物へ拡散してしまった場合の対策です。

2)野生動物への拡散が確認されるまでは、日本に比較的近い東アジアの国口蹄疫が大規模に発生したタイミングで、国内の摂取対象地区を絞ってワクチン接種を行う。

2)国内でワクチン接種を行う対象地区は、発生場所と地理的に近いか、発生箇所との人や物の交流が大きい、畜産エリアを検討する。

3)ワクチン接種した地区では、ワクチンを接種しない識別用の家畜を配置し、定期的に抗体チェックを行い、ウイルス到来の有無を確認する。

4)国内でウイルス感染が確認された場合、ワクチン接種を周辺全てに広げ、かつ、自衛隊による汚染地区の物理的な封鎖を即時行う。自衛隊の医療資格者もワクチン接種できるようにする。

5)摂取ワクチンで感染が抑制されている場合は、発病した対象動物だけをと殺する。

6)ワクチンによって感染を抑制できないと判断された場合にのみ、封鎖地区の対象動物を全部と殺して自衛隊により焼却する。

ワクチンを使用する事で、隣国から非難される事を恐れる人がいるようですが、口蹄疫研究の先進国であるオランダは、ワクチン使用により口蹄疫の沈静化に成功しています。そのオランダ人を、ワクチン使用により入国拒否している先進国があるでしょうか。合理性のある対策を恐れる事は愚かな事です。

ワクチン摂取する事自体で、不活性化されなかったウイルスによる発病を恐れる人がいますが、技術的に未熟であった過去の例であり、現在の高い技術では、不活性化ワクチンでそのような事は起こらないと、人獣共通感染症で有名な山内一也氏は述べています。

同じく山内一也氏によれば、口蹄疫ワクチンの下記問題は、OIEが1957年に殺処分の国際条約を作った為に、企業が積極的に投資せず、その為に旧世代に取り残されていると述べています。ワクチン接種と発病の抗体を見分けられるマーカーワクチンの技術は既に存在しています。予防的ワクチン接種を行う国が増えれば、ワクチンの問題は改善されると考えます。
1)ワクチン接種と感染とで、抗体を見分けられない。
2)効果が半年しか持続しない。
3)ワクチン接種後に感染した動物がウイルスを撒き散らすキャリアとなる。

口蹄疫が家畜の恐ろしい伝染病であるのなら、政府は過去の法律にしがみつくのではなく、最新の知見に基づいた科学的かつ合理的なリスク管理の手法について、もっと研究を行うべきです。

6 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 07:54

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電子カルテは道具である(1)

日本では既に、電子カルテの導入が始まっていますが、電子カルテの問題はなかなか複雑です。電子カルテは導入事例がまだまだ少ないので、IT業界としてノウハウの蓄積が少ない事は間違いありません。また、井上晃宏氏の医療情報電子化は手段であって目的ではないと、医療関係者らしき方々による否定的コメントを読むと、医者=職人の気質的な問題が大きなウェイトを占めている可能性も否定できません。

電子カルテに否定的な医療関係者の多くは、当然の事ながら医療業界の事しか知らないでしょうから、医療とは特別な業界であるとの前提に立ち、そもそも医療情報の電子化なんて無理があり、現場の医者や看護師の生産性を下げるだけである、という固定観念に囚われておられる方が多いようです。しかしシステム屋の私の経験から言うと、あらゆる業界が他業界と比較すると特別であり、普通の業界など一つとしてありません。医療業界も、無数にある「特別な業界」の一つに過ぎません。この点で、システム化について医療を特別視する医療関係者の認識は間違っています。

業界それぞれに特別な問題がある訳ですが、電子カルテの問題で一番大きいのは、医者が診断時に記入するカルテ本体情報を、どう電子化するかです。

単純にカルテを電子化して紙の保管スペースをなくし、受付でカルテを探す時間を省くだけなら、タッチスクリーン画面にペン入力でカルテ本文を記入し、イメージ情報のまま管理すれば良いでしょう。これだけのシステムなら、小規模の院内サーバーを置き、受付はデスクトップパソコンで、お医者さんは(最近流行りの)電子ブック型アンドロイド端末の組み合わせでシステム開発すれば、数ヶ月程度で開発完了でしょう。(受付や医者の端末を直にクラウド接続すると、ネットが切れた時に現場が混乱するので、間接的なクラウド接続が運用的にはベターです)

全国の開業医を対象とすると、電子カルテの需要は非常に大きな反面、小規模開業医は何百万円もIT投資するのは厳しいでしょうから、ハード+システム+導入人件費込みで100-200万円程度に納まる必要があります。その為には、ITゼネコンや医療に特化したソフトハウスではなく、あなたの街の零細ソフトハウスやフリーランスがシステム導入できる必要があります。

これを可能にするには、電子カルテの本体機能をGPLライセンスでオープンソース化して無料で配布できるようにすれば良いでしょう。(最初に誰かが、それを無償で開発する必要がありますが...)フリーランスプログラマが、オープンソースによる電子カルテシステムを収入源にできるようになると、小規模な開発が全国でたくさん発生して、導入事例が一桁か二桁増えるでしょう。導入数が増えると、オープンソースのメリットであるシステム全体の機能や安定性が飛躍的に高まります。そこまで到達すれば、電子カルテはありふれたシステムになり、導入事例は更に増大し続けるでしょう。電子カルテが一般化すると、IT業界にノウハウが蓄積して、電子カルテの本体情報を少しずつ、ペン入力によるイメージから分離して、検索可能なコードやテキストへ置き換える事ができるようになると予測します。

医療業界とは関係ありませんが、ウェブショップ用のソフトは、一頃は数百万円以上の開発費を要したものです。しかし今は、オープンソースの無料ウェブショップソフトがいくつも入手可能になりました。その為に、数十万円程度で、自前のウェブショップを開く事ができるようになっています。

9 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/05/26 at 16:09

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開業医の収入を維持したまま外来患者を減らす方法

原口総務大臣は今日のTwitterで、「ネットゆりかご、遠隔医療相談による健康見守り。みんなで励ましあって健康増進という遠野市の取り組みを見させていただきました。日本橋の先生とネットでつないでの試みです。永続的支援が出来るようにお願いをしました」と遠隔医療について述べています。

遠隔医療は、過疎地の医師不足を解消する他に、都市部の病院の外来患者を減らす手段にも活用できる可能性を思いつきました。

ミクシーの「mixi総合医療センター」コミュ(会員でないと見れません)で、コミュのメンバーである医者(と思われる人)に、医療相談をお願いする人が多いのをみなさんご存知でしょうか。

病気かもしれない。いまの治療が正しいのか。病院へ行った方が良いのか。そういった不安や疑問がネットによるコミュニケーションで解消できれば、安心する為に来院する外来患者は、かなり減るのではないでしょうか。患者数の少ない開業医がネット診療を行えば、収益の確保にもつながるかと思います。更に医師間でも、専門医が開業医に対してネットによるコンサルを保健医療の枠内で行えるようになれば、一般診療のレベルアップにもつながる可能性があります。

また、ネットで診療し、処方した薬を医者専用の医薬品ウェブショップ(*1)経由で患者へ送れば、薬がほしい為に来院する患者も減らす事ができます。

ネット(メールやskype)での診療行為が保険医療に組み込まれれば、医者不足と病院の外来を減らす2つの効果が同時に得られる可能性があります。原口総務大臣と長妻厚生労働大臣のコンビで、早急に実現して頂きたと思います。

*1:厚生労働相が医者専用のウェブショップを認可して、処方箋の必要な薬の販売ができるようにする事が前提です。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/02/13 at 14:05

Categories: 1.政治・経済, 健康   Tags:

リスクを適切に評価する能力

昨日に非続き、医薬品のネット販売規制の問題について、ap_09さんとの議論(こちらの記事のコメント欄を参照ください)から派生した「厚労省と過剰規制」に見るリスク評価の問題について考察してみたいと思います。

これまで日本では、薬局の店頭で顧客が意図的に質問知ない限り、薬剤師が医薬品の説明を行う事は無く、それで大きな問題も起きず、そういう状態がかなり長期間続いていました。このような状況の中で、厚労省はあえて昨年、一般医薬品を第一類から第三類までに分類し、ネット販売では第3類に限るという新しい規制を打ち出しました。

厚労省の役人がリスクを正しく想定し、そのリスクを正しく評価して、リスクから国民を守る適切な「制度」が、規制といえます。(厚労省の役人が天下り先の企業と癒着して、企業の既得権を新参者から保護するという、裏の目的があるとするならば、それについては、また別に機会に考察したいと思います)

厚労省がリスク評価を正しく行い、適切な制度(規制)を構築すれば、経済活動を妨げる事なく、適度に国民の安全を守る事ができますが、リスク評価が過大であったり、過少であると、いろいろな問題が発生します。

厚労省が行った一般医薬品に関する規制の変更について、薬剤師の他に一般人が登録販売業者という資格を取得する事で対面販売を可能にした事を、私は評価します。これは(高等学校卒業、かつ、満1年以上の実務経験のある者に門戸が開かれたという意味で)一種の規制緩和であると考えます。但し、そこから第一分類の医薬品を除外し、ネット販売においては第三分類のみとした点は、リスク評価が過剰であり、この制度を設計した役人は、リスク評価において「無能」であると言わざるを得ません。

私はシステム屋として、銀行のディーリングルーム設計や、大きなシステム導入のプロジェクトリーダー等でリスク管理を行って来ました。その知識と経験からの意見ですが、リスク評価というのは、過大であっても過少であってもいけません。

過少であれば想定リスクが現実化する可能性が高まるし、過大であると現場が必ず不適正な運用や抜け穴探しをするので、やはり想定外のリスクが発生します。ゆえにリスク評価とセキュリティーの設計・導入は、導入対象となる現場にとってもある程度はリーズナブルある必要があります。

上記で、過少評価の実例が薬害エイズ事件であり、過大評価の実例がネット販売規制です。薬害エイズについては周知の事件ですから、ここでは述べません。ネット販売規制については、これにより企業活動に大きな支障が発生し得る事となりました。(ネット販売業者による行政批判の記事は、ググればいくらでも出てきます)その結果、どうなったかというと、ケンコーコムは早速、規制の抜け穴探しを実行し、シンガポールのネットショップを立ち上げました。

この国外のネットショップは日本の法律による規制が及ばないだけでなく、万一、医薬品被害が発生した時に、日本の法律で国民を救済する事も難しくなります。結果としてこの規制は市場を歪め、国民のリスクを高めてしまった可能性があります。

ところで、ここでケンコーコムの企業活動を非難する人がいれば、それは筋違いというものです。ケンコーコムは好んでシンガポールに行った訳では有りません。行政の間違った制度設計の結果、国外に押し出されたと見るべきです。たとえば、米が100俵しか取れない田んぼに、殿様が100俵以上の年貢米を出せと強制すれば、一揆で死ぬのもの嫌、餓死を待つのも嫌な農民は、隣の藩に夜逃げするのが合理的な選択となります。

厚労省が国民の安全を正しく守りたいのであれば、規制という制度設計は、業界にとっても国民にとってもリーズナブルである必要があります。リスク評価を正しく行う為には、対象への正しい理解が必要であり、その為には、広い視野で、先端の知識、最新の知識を収集し続ける必要があります。

いやいや、たとえ東大医学部卒の、厚労省のエリート役人でも、そんなスーパーマンにはなれないし、たとえ居たとしてもほんの少数だよ、という意見の方は、Zopeジャンキー日記さんの「超人」を求める「ワルモノ論」をやめて、「凡人でも回せるシステム」を考える「制度論」を、をご参照ください。

業界にとっても国民にとっても、合理的でリーズナブルである事、制度論もそうあるべきだと考えます。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/01/27 at 15:17

Categories: 1.政治・経済, 健康   Tags:

民主主義と似て非なる

To be determinedのap_09さんは米国在住の医師です。厚労省(厚生省)の行政のあり方について、薬害エイズ事件 (5) -医薬品のネット販売規制との接点- のコメント欄で彼と議論しています。ap_09さんは現状のネット販売規制にどちらかというと賛成、私は規制反対の立場です。

私が医薬品のネット販売規制に反対する理由は、既に長い期間、特に大きな問題もなく行われてきた医薬品のネット販売について、厚労省は合理的な根拠なく規制しようとしているからです。

ap_09さんの「疑わしきは罰せよ」に対して、私は「行政に合理的なリスク評価ができるかどうかが、線引きの能力だと思います。無能な厚労省は、線引きが厳しくなり、有能な英米の行政は、合理的に線引きできるという事ではないでしょうか? 」と述べました。過剰なリスク評価は無能の証、という訳です。

それに対してap_09さんは、「逆にbobby さんにお伺いしたいんですが、厚労省を無能と断定する根拠はなんですか?官僚が無能だとしたら、民主主義としてはそれを無能にしてしまった責任の一端は社会を構成する我々の側にもあるはずなんですが、それとも民主主義というのは情報操作によるまやかしで、日本は支配者と被支配者で構成されてる社会なんでしょうか?」と反論されました。

さて、ここからがこの記事の本文となります。遅れましたが、この記事は医薬品のネット販売の是非の議論ではありません。上記の「民主主義」という言葉を読んで、ものすごい違和感を感じました。その違和感の理由を少し掘り下げてみました。

>民主主義としては

私は最近、しばしば感じるのですが、日本の民主主義と英米の民主主義は同じものなのでしょうか。民主主義が生まれた背景には、それを可能とする宗教や哲学があり、更にその宗教・哲学を生み出した文化と歴史があります。ヨーロッパと北米の文化はだいたい同じルーツですから、民主主義の定義にそれほどの差はないと思われます。

日本の戦後民主主義は、進駐軍によって接木(文化移植)されたものであり、その後ろには民主主義を生み出した哲学も宗教も歴史もありません。はっきりと記録された日本の歴史の中には、かつて一度も民主主義政府というものはありませんでした。池田信夫氏のこちらの記事では、「日本社会には根深くしみついた家父長主義がある」と述べています。親方日の丸文化の日本に米国民主主義を接木しても、そこから育った枝(日本)は、似て非なる別の民主主義になってしまったように感じられます。

そういう日本が生み出した厚労省なればこそ、民主主義という名の家父長主義行政から抜け出す事ができないのではないかと想う次第です。

このように考えれば、リスクを「自己責任」として民に渡さず、行政が規制という名でリスク抱え込んで手放さず、民も上から統治される事で安心してしまう現状は、非常に納得できます。

しかしいま、この記事を読んでいる、日本しか知らない読者には、盲人に光がわからないように、この記事の意味もわからないのでしょうね。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 01:56

Categories: 1.政治・経済, 健康   Tags:

死ぬほど痛かった注射

昨日の日曜は、東北六県+北海道県人会というのに参加してきました。(私は愛媛出身だが妻が青森出身)海辺にあるバーベキューサイトで、北海道式ジンギスカン鍋をみんなで食べたのですが、おなか一杯になっておしゃべりしていると、ノラ猫が寄ってきました。私は猫も犬も好きなので、残りもののホッケをあげながら、猫にかまっていました。ノラ猫というのは、なかなか人の近くには寄ってこないものですが、さっきとは別のノラ猫がやってきて、しかも私の足もとまでよってきます。こいつは人に慣れているなと思い、首の後ろをなぜようとしたところ、突然にガブッと噛まれてしまいました。噛まれたのは右手の人差し指の、指の腹と反対側の爪の付け根(上下の歯で一度に噛まれた)です。かなり強く噛まれたようで、指の腹に大きめの穴があき、指の奥の方までジンジンと痛みました。ほんの数分くらいで、噛まれた場所が腫れてきました。浜辺なので水道が無く、とりあえずミネラルウォーターで洗い、止血をして、絆創膏を貼りつけました。念の為に携帯している薬入れにあったアモキシシリン500mgのカプセルと、痛み止めのサリドンを服用しましたが、指はどんどん腫れを増し、夜には第一関節全体が腫れました。

翌日は月曜で会社に出社しましたが、指の腫れは納まるどころか夕方までに第二関節まで拡がってきました。どうやらアモキシシリンはあまり効果がないようです。ネットで検索して、猫に噛まれて抗生剤を服用した記事をいくつか見つけましたが、どんな抗生剤を服用したのか、薬の名前まで入った記事を見つけられません。

そこで、夕方の5時頃になって、事務所近くのクリニックへ行くことにしました。猫に噛まれたと説明して腫れている指を見せると、医者はまず、狂犬病のリスクにについて説明を始めました。私は前日に、香港では1987年以来、狂犬病は発生していない事(こちらの記事)を確かめているので、その注射は不要と伝えました。では、という事で、まず右腕に破傷風の注射を腕に打ってくれました。この注射は、あっという間に終わりました。次に、腫れが酷いので、内服の抗生剤だけでは良く効かないかもしれないという事で、抗生剤の注射を打つという事になりました。(薬の名前をメモするのを忘れました、残念)医者が中くらいの大きさの注射器を用意し、目の前で粉の抗生剤を水と混ぜ、注射器の根本近くまで薬を吸い込んで、「これはちょっと痛いのだが、なるべく痛くないように打ってあげよう」といいながら、お尻に注射針をプスリと刺しました。

私は立ったままでズボンを下ろし、右の腰のちょっと下の臀部に注射を始めると、臀部から太ももにかけて、重い痛みと違和感がズーンと走りました。お尻の注射では、まあそういう事はよくあるのですが、そこからが大変。注入する薬の量が多いので、痛みがどんどん大きくなり、ついには立っていられない程になりました。注射針が抜けたなと思ったとたん、我慢が限界に達して、半ケツ出した状態で、すぐ横にあったベッドに倒れこんでしまいました。その時点で、右足全体が激痛で、しかもショック状態になったのか、全身の力が抜け、瀕死の重症者のような最低の気分になりました。

注射針を抜き取ったあたりのお尻に、医者はアルコールの染みた脱脂綿をあてて、自分で押さえてよく揉めと言うのですが、私はベッドの上で、右足を押さえながら激痛で身動きできません。それで医者と看護師は大変びっくりしたようです。体の姿勢を変えようとするだけで激しく痛み、自分で右足を動かそうとすると、足の付け根からもものあたりまで激痛が走り、動かせない訳ではないが、ぜったいに動かしたくありません。どうしても動かさなければいけない時は、両手で右足をもって動かさなければならないほどでした。

数分ほど唸っていると、医者は「マッサージした方が良い」と言って、医者と看護師が、私の臀部を筋肉痛用のマッサージクリームでマッサージを始めました。しかし、はっきり言って、注射したあたりは触られるだけでも激しく痛い。しばらく我慢していたのですが、我慢しきれません。慰謝に、自分でマッサージすると伝えて、自分でマッサージを始めました。自分で触れば、痛くないぎりぎりの圧力がわかるからです。とにかく注射されたあたりの臀部だけでなく、太もものあたり(マッサージで言うところの坐骨神経のあたりでしょうか)に痛みが集中しているので、そのあたりを集中的にマッサージしました。

しばらくはいくらマッサージしても激痛は緩和せず、これは何か悪い副作用ではないかとかなり心配しました。もしかして、このまま救急病院まで担架にのって搬送してもらうべきだろうか...

激痛が始まってから40分ほどマッサージを続けていると、幸運にも、なんとか痛みが緩和してきて、起きて歩けるようになりました。気分も落ち着いてきたので、自力で家まで帰る事ができました。

しかし、私と医者と看護師をびっくりさせたあの激痛はいったい何だったのでしょうか。注入された薬の圧力が、足の神経を強烈に刺激したからでしょうか?これからしばらくは、お尻に注射する時は、きっとこの記憶が甦ってくるのでしょう。

追記:
ちなみに注射した抗生剤以外に、内服用のオーグメンチン1000mgを1日3回、服用するように言われました。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/01/19 at 00:51

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官僚の夏は不要だった

「官僚たちの夏」の教訓のあとで、スパコン世界一になる目的を書いていて感じたのですが、もしかしたら官僚たちの夏は不要だったのかもしれません。通産省があれだけ熱心に振興しようとした電算機(メインフレーム)産業は、ダウンサイジングによってオープン系とパソコンが駆逐し、ほぼ消滅ししてしまいました。(NECのメインフレームACOS-4のCPUはItanium 2でx86系列 、富士通ハイエンドはSPARC64でオープン系)

いま、世界有数のコンピュータメーカーといえばIBM、HP、Dell(世界で有名な日本のコンピュータはSonyと東芝のノートパソコンのみ)。3社ともパソコンのメインプレーヤーであり、IBMとHPの2社はオープン系とスパコンも作っています。

日本のコンピュータ業界には、メインフレーム業界のほかに、電卓から派生したパソコン業界がありました。仮に日本の企業が、安くて高性能の米国産(IBMとユニバック)メインフレームを輸入し、国産の電算機業界が十分に育たなかったとしても、日本がコンピュータ業界にチャレンジする機会はあったのです。

西和彦氏がアゴラでスーパーコンピュータを復活してほしいという記事で、AMDのOpetronに対して、間接的にかなり対抗意識をもやしておられるようです。しかし、たぶん西氏も同世代なのでご存知だと思いますが、x86のベースにある4004はデジコン社の嶋正利氏による国産技術でもあったのです。(着想はインテルのテッド・ホフ)

歴史に「もしも」はありません。しかし、あえて言うと、NECや富士通がx86 CPUを製造する状況が続いていれば、いまとは異なる状況が起こっていた可能性があるのではないでしょうか。

富士通は米国のRISCチップの設計メーカーを買収し、比較的短期間に、本家のSUNよりも優秀な64Bit版のSPARCの製造に成功しました。「改善」は世界に誇る日本の技です。

逆に日本の電算機業界は国産ハード主体で進んだ事により、ソフト業界はNECや富士通や日立等のハードメーカーがITゼネコンとして主体となり、ソフト開発費用をハードの付加物のようにして販売するなど、正常な競争と発展を阻害する「歪んだ」構造で拡大し、むしろ弊害の方が大きかったのではないかと推測します。その根拠は、SAPやオラクルのような世界で戦える業務ソフトのパッケージ商品がひとつも無く、いまだにITゼネコン主体の「開発もの」が主体となっている事です。

もしも官僚の夏がなかったら、HPのかわりに日本のN社かF社かT社が、IBMと肩を並べていた可能性もある、という事を考えてみてほしいと思います。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/01/02 at 10:18

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身の丈に合った医療

To be determinedのap_09さんと、「医療の市場経済化」について議論しています。ap_09さんは「医療に市場経済はそぐわない」という意見なのに対して、私は「医療は効率と経済のバランスが重要」という意見です。ap_09さんも、総論としての「バランスが大事」だという事は同じ意見のようですが、「どうすべきか」という各論では、ap_09さんからの反論記事によれば、正反対に近いものが多くあるようです。そこで、具体的な部分について検証してみましょう。

>なぜ予算を医療費から削る必要があるのかわかりません。

ap_09さんが参照された知って欲しい医療の現実―四つの誤解における、医療費抑制が不要だという主張は間違っていると思います。1993年の2.5兆円の赤字を皮切りに、現在までに865兆円にもなる巨額の財政赤字(借金)は、現象的には公共事業予算などの増大で生じたように見えますが、池田信夫blogによれば、実際には日本の潜在成長率が低下した為に、失われた20年が生じ、国が「貧乏」になったので政府の歳入(税収)が減った為と理解するべきではないでしょうか。

政府歳入が長期で減れば、医療も福祉も相応の予算とすべきで、その為にサービスレベルが低下するのは(気持ちの上では不愉快だが)合理的に考えればしかたのない事です。更に言えば、日本の場合は単年度で収支を合わせるだけでは足りず、865兆円の借金を返す為に、歳入より歳出を少なくする緊縮財政(もちろん医療も福祉も公共事業も)を数十年間行って、莫大な借金を返済しなければなりません。

>国内で認められていない治療法は、基本的に安全性が確認されていないというのが理由で、わざわざお役所が、患者がリスクをとらないように親切に規制しているのです。

ドラッグ・ラグ解消 薬価もカギにを参照願います。海外の製薬会社が、日本で積極的に新薬の申請を「行わない」理由が、製薬会社の見地から述べられています。製薬会社の意見は信用できないという事であれば、wikiのドラッグラグを参照ください。こちらでは、「現在一番問題とされるのは、法制的な問題の内、国内で承認されない状況が続いたり承認が遅かったりする場合であり、大抵は保険診療制度の上で、保険診療が受けられない患者の医療費負担の問題が最大のものである」と述べています。

wikiにもありましたが、これを改善するには、混合診療の範囲を広げて、先端治療や高額な新薬は、とりあえず「自由診療」へ移して、国家医療予算の範囲から外す事です。そうすれば、役人は先端医療や新薬が国家医療予算を減らす原因でなくなるので、承認時間の短縮やプロセスの簡素化など、制度改革を積極的にやってくれると思います。

「自由診療」へ出された医療は、民間医療保険により負担するようにして、大企業など負担力のある会社が、社員への福利厚生として加入するようにすれば、社会に広げられるのではないでしょうか。

その上で、日本の潜在成長率が高まり、政府歳入が長期的な増大傾向を示すようになれば、歳入規模に応じて、医療や福祉の予算を増やしてゆけば良いのではないでしょうか。

>そもそも欧米の臨床治験の被験者は白人中心なので、日本人とは薬の効き具合が違うのです。日本人への安全性と効用を確かめてもらわないと困ります。

これは理想論ですが、どれだけ現実的でしょうか。香港人、フィリピン人は、日本人と体格が酷似していますが、欧米で承認された薬が、簡単な手続で承認され、使用されています。地元の製薬会社が発展していない国は、だいたいがそういう承認手続きだと思われます。

>これらが5割も自己負担になったら、さっさと野垂れ死ねというのと同義です。

世界的に見ると、多くの資本主義国ではこれが現実です。英や北欧など医療費無料の国は、年間予算の範囲だけ患者を受け入れますから、予約の長い待ち行列があって、何ヶ月あるいは1年以上待たされる事があるようです。待っている間に死ぬ人も多いでしょう。高田ケラー有子氏によれば、デンマークで高齢の自殺者が多い理由の一つは、病気による身体的な苦痛だそうです。

医療費を無料あるいは低価格にすれば、国の予算の範囲に押し込めなければいけなくなり、受診できる患者数に限度が生じる。医療費をすべて自由診療にすれば、経済弱者が通常に医療すら受けられなくなります。

誰でもが最高の医療を廉価(無料)かつ公平に受けられるというのは、社会主義者の理想ですが、日本がいま、それが長期的に維持できなっているという現実と向き合うべき時ではないかと思います。

11 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/12/17 at 16:57

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医療は効率と経済のバランスが重要

To be determinedでap_09さんは、一連の医療の効率、経済性、そして医師の倫理感シリーズ記事で、「医療に市場経済はそぐわない」と結論付けているようです。

しかし私は、医療は「ある程度」の政府による社会主義的な管理と、「ある程度」の市場経済的な合理性がバランス良くミックスされた方が、長期的な視点で全体最適化された制度になるのではないかと考えています。

医療から市場経済的な要素を取り去って、現在行われている社会主義的な運営を行うとどうなるでしょうか。現在の医療では、政府が使う医療関係の予算は、厚労省の大臣と役人により年間予算が金額が決められます。すると役人は、ただでさえ不足しがちな医療費を更に高める要件(医師増員、医師の給与増大、新薬の承認、先端医療の保険適用など)を排除しようという方向で動きます。役人の一義的な仕事は、予算という決められた枠が守られるようにするからです。ゆえに、経済(税収)が縮小してゆく日本で、これまでのような行政まかせの社会主義的な医療だけに依存する事は、各論として医療の質的向上に反対する事と同じ意味となります。

ではどうするか。国税収入が減少し、税金でまかなえる医療予算が減少していゆく事を前提とすると、政府が提供する医療保険の適用範囲を、どれかの対象に絞るしかありません。たとえば、軽微な病気や怪我と、高額医療は保健医療の適用対象外(あるいは個人負担率をの増大させる)とします。軽微な病気や怪我は薬局等で自己負担で薬を購入するようにします。高額医療は、自己負担(あるいは半額負担等)として、差額は患者負担(実際には患者の加入している民間の医療保険が負担)として、生活保護者家族と年金生活をしている高齢者家族等を例外的に高額医療費の政府負担を認めるようにします。

このようにすると、病院勤務医の給与と労働環境の改善ができます。また先端医療や新薬の承認が医療費予算を圧迫する度合いが緩和されるので、役人が承認にブレーキを踏む度合いも減り、英米との新薬承認時差も緩和されるのではと思います。

そして、現在は高額医療費負担制度によって、事実上無用の長物になっている民間の医療保険が、医療費負担という真の意味で有効になります。民間保険が活用されて、高額医療や新薬の市場が日本で拡大すると、欧米の大手製薬会社も当然の事ながら、日本政府への承認プロセスの促進を働きかける事になる筈ですので、これも新薬の時差ギャップ縮小の方向へと動き出す事になるでしょう。

さて、上記のように書くと、民間の医療保険を購入できない人は、政府の医療保険適用外の高額医療(高額な新薬)を受ける事ができなくなってフェアでないのでは、という議論が起こる事が予想されます。日本は民主主義社会であり、すべての人が、民間の医療保険に加入する自由と「機会の平等」を与えられている限り、私はこのような経済格差は受け入れられるべきである、と考えています。

更にもうひとつ、上記によって医療費予算に余裕を生み出して、それにより、全国の一定範囲内に、公立の救急病院を設置し、(真の意味で緊急性の高い)救急患者の受け入れは税金によって全額無料で行ってはどうだろうかと思います。救急処置の後の、安定した状態に以降後の治療は、その患者の保険レベル(民間の医療保険の有無とレベル)によって、患者が選択可能にすれば良いでしょう。

上記の内容をまとめると、医療は三階建(一階は軽微な病気・怪我で10割自己負担、二階は国の医療保険(3割自己負担)の範囲での治療、三階は国の医療保険と民間医療保険の両方での負担(負担率は検討)を前提とした高度医療・高額医療)の制度にする。そのかわり海外の先端医療や新薬を時差無しで国内でも使用できるようにする。救急医療は、国が一定範囲内に公立救急専門病院を設置して、税金だけで運営する。病院は原則として専門的治療に絞り、勤務医の給与は大幅に増額(勤務時間は大幅に減少)。開業医の給与は減額し、良質の医師を病院の専門治療へ政策的に集める。

最後に、国民背番号製を政府の医療保険にも導入し、患者の医療情報がオンラインで厚労省の医療保険データベースに更新されるようにして、医師の紹介状の無いドクターショッピングのようなケースでは、二件目の病院からは自己負担率を上げてゆくようにする事で、医療予算の減少を防ぐようにする。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/12/14 at 11:08

Categories: 1.政治・経済, 健康   Tags:

医療サービスと経済合理性の問題

To be determinedでap_09さんは、医療サービスに経済合理性を導入した場合に起こり得る可能性について、医療の効率、経済性、そして医師の倫理感で二人の架空医師を例にとって、医師の倫理について述べています。(サマリーに誤りあればご指摘ください)

このシナリオで、B医師が良い評判(と患者)を得る為に行ったいくつかの非倫理的な「行為」の中で、「規定の倍の投薬量によって高い治療効果を得る事が、15年後に患者の1-2%に腎臓障害という副作用を及ぼす」という前提について、ちょっと無理があるのではないかと思い、こちらこちらでツッコミを入れました。

私のコメントに対して、わざわざ医療の効率、経済性、そして医師の倫理感 (3)-付という長文の回答の記事を頂きました。しかし私は、医師と薬剤師は作業として分離されている「はず」なので、まだ疑念が払拭しません。

そこで、投薬量と薬剤師の関係から生まれるB医師の長期的発覚リスクについて、もう少し追いかけて見たいと思います。

>その特定の患者には特別の量が必要ということを説明すると、それはその場で収まってしまいます。

>薬剤師さんは直接患者さんを診ませんから、カルテに軽症が重症と書いてあって、医師の判断で多量の薬が必要ということであれば、異議の申し立てようはありません。

これは「倍の投与量」を低い頻度で行う場合には、上記の説明は納得できます。しかし、もとの記事には、

「また標準の2倍の量の治療薬を処方するので、「あの先生にかかると症状が早くとれる」ということで、患者さんの評判は上々です。軽症の患者を中等度から重度ということにしてカルテに書きますので、診療請求で問題になることはありません」

とありますので、B医師は、全部の患者ではないかもしれませんが、非常に多くの患者に対して、頻繁に「倍の投与量」を適用していると理解できます。また15年後の副作用を考える場合、倍量の投与を「長期間」行っている事が推測されますので、記事中には書いてありませんが、「倍量を長期」投与という前提で考えてみます。(間違っていたらご指摘ください)

この場合、「倍量の長期投与」で副作用が出現するリスクが既知であれば、B医師だけでなく薬剤師も副作用の存在を知っているはずです。「こんなに多く」の患者へ、こんなに長期間の「倍量適用」すれば、副作用患者が未来に出現する可能性が高まる事は自明であり、薬剤師は異常に気づく、と(B医師が)考えるのが合理的です。

診療(医師)と薬の処方(薬剤師)の作業が分離されている日本の医療では、B医師が多くの患者へ「倍量長期」を適用させる事は、長期的な「発覚」リスクが大きく、発覚した場合のペナルティーはかなり大きい(医師免許剥奪、患者の集団訴訟など)可能性があるので、行っている「犯罪」から得られる利益と吊り合わないように思います。

ゆえに「医療の効率、経済性、そして医師の倫理感」の中で、良い結果を得る為の倍量投与は、前提として無理があるか、あるいは未来の副作用リスクが低い「短期投与」に限定されるのではないかと考えますが如何でしょうか。

11 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/12/08 at 11:20

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 健康   Tags:

医療費削減と町の薬局の役割

今日のサンプロは、事業仕分けで話題にされた「勤務医と開業医の給与格差」について、長妻大臣に意見を聞くコーナーが面白かった。この話題は、医療崩壊阻止に関する課題の一つと認識しています。

長妻大臣の意見を要約しました。
 2002年から、診療報酬が下がり続けているのが医療崩壊の原因だ。
 現在の診療報酬(34兆円)は増加させる必要がある。
 診療報酬の配分の見直しと適正化も必要。

番組中で田原氏が示した数字を下記に列挙しました。

診療報酬:
 年間34兆円
 計画経済で配分している。

医師の給与:
 勤務医年収 1479万円
 開業医年収 2458万円
  但し:
   医師の給与はまず病院へ払われる。
   勤務医は給料だが開業医は病院の利益を含む。
   勤務医と開業医は平均年齢が違う。

診療科ごとの給料の比較:
 整形外科  4200万円
 眼科    3100万円
 皮膚科   2800万円
 産婦人科  2500万円
 内科    2300万円
 神経科   2000万円
 外科    1900万円
 耳鼻咽喉科 1800万円
 小児科   1700万円

医師の数:
 人口1000人あたりの医者の数が2.1人で先進国最低。
   ちょうとアゴラで、井上氏が医師増員のため、医学部を廃止せよを投稿し、コメント欄で医学部の是非で盛り上がっています。私は、医学部を廃止する必要はないが、医学部卒を国家試験受験の必須条件にする必要はなく、弁護士の試験のように、誰でも受験可能にするべきではないかと考えます。また井上氏は、薬剤師に薬学はいらないとの主張を展開されていますが、同意します。薬剤師の主な就職先である薬局では、病院近くの薬局を除き、医師の処方箋の不要な薬の販売がほぼ全てです。私の親類があるドラックストアチェーンで長年、店長をしていますが、彼は必要な業務知識として薬の勉強はたくさんしていますが、薬剤師ではありません。そして、薬剤師ではない事で、日常の薬局業務を行う上で特に問題はないようです。(もちろんお店には薬剤師もいるそうですが...)

このように形式だけを求める不必要な規制は、すぐに緩和するべきでしょう。近所の薬局で、薬剤師の指示も医師の処方箋も必要なく購入できる薬の種類がもっと広がれば、税金による医療サービスが減少する可能性はあります。

18 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/29 at 13:49

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病院の事務効率

近親者が日赤病院へ入院して手術する事になりました。そこで入院と手術に必要な書類を書く機会を持ったのですが、書類の枚数の多さに驚きました。入院の書類、入院に関連する書類、手術の書類など、その多くに重複する内容(氏名、住所、保証人や連絡先など)がありました。

1枚の書類にかならず事務処理が発生し、書類の枚数だけの事務処理が発生しています。記入する書類の枚数が多いという事は、1回の入院と手術に際して、非常に多くの事務処理が発生している事を示してます。

病院の事務に関する知識はありませんが、日頃から業務の効率化について考えている立場として、これらの書類を少なくする(ように組織や責任を整理する)事により、病院内の業務効率を高める事ができるのではないかと考えています。

医療関係の方がこのような門外漢の意見を見ると、きっと「すべてに意味があるのだ」という事を言われる方もいると思います。しかし、組織は責任を整理する事で、現在必要となっている前提条件が変わり、業務や責任の統合と簡単化ができると考えています。

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2009/11/12 at 12:36

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風邪で熱が出た時の対処法

家族が見ていたキミハ・ブレイクというテレビ番組を横から聞いていたら、興味深い内容でした。番組で述べられた「昔ながらの対処方法」は、熱が出ると部屋を暖かくしたり、厚着させたり、布団をかぶったりして、とにかく汗がでるまで我慢させる事を「良し」としていたようです。本人が暑くて不快に思っても、とにかく汗をかき、着替えたらふとんをかぶってまた汗をかき...を続けるそうです。これってなんか、更に辛そうです。

以下は、風邪やインフルエンザで高熱がでた時の私の対処法です。高い熱が出るときは、悪寒でからだ全身が震えるほど寒くなる時期と、ふとんに入っていられないほど暑く感じる時期があるようです。悪寒がする時には布団をかぶってとにかく「暖かく感じる」ようにします。暑いと感じられるようになったら、今度は水を沢山飲み、汗がドッと出てきたら、濡れタオルで体を拭いて、更に扇風機に体をさらすと、とても「気持ちよく」なります。適度に扇風機にあたっていると、体表温度が下がり、熱も下がり、体が楽になります。これらは、体温が何度かではなくて、からだがどう感じるかが大事だと思います。

これらを要約すると、体温の温度には関係なく、悪寒を感じるときは暖かく感じるように工夫し、暑くなったら汗を無理してかこうとせず、気持ちよく体を冷やす工夫をします。

私は人並み以上に、自分の体調や治癒状態にたいして分析的な観察をするのが好きなのかもしれませんが、こういう事はだれでも自分で経験し分析し記憶できる事ではないかと思います。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/09/08 at 19:04

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医療と情報リテラシー

「情報リテラシー」とは、wikiによれば「情報を自己の目的に適合するように使用できる能力のことである」という事です。ネット上には様々な情報があります。以前には医者でなければ知る事ができなかった医療情報や医薬品情報や治療情報なども、専門家や経験者が多くの情報をネットにアップし、googleのような検索エンジンの発達などによって必要な情報が容易に入手できるようになりました。しかし、どんなに情報が目の前にあっても、見る事をせず、正しく理解するノウハウを身に付けなければ、それらを正しく使う事もできません。

私の息子が先週木曜から突然に39度の高熱を出して寝込み、その状況から、インフルエンザであろうと推測しました。日本領事館のホットライン(新型豚インフルエンザに対応する為)へ電話して、香港政庁の最新のポリシーを確認すると、インフルエンザ様の症状を示す病人が家族に出た場合、数ヶ月前とは異なり、政府指定の病院で検査・治療を受ける義務はもはや無く、病人は自宅療養が選択可能という事でした。息子が新型豚インフルエンザだったとしても、日本でも香港でも感染前に健常者であった人の死亡例はまだ無いというであり、病院へ行くと面倒(40度近い熱があればほぼ間違いなく入院を勧められる)だし、寝ていれば治る病気であるから、息子は自宅で妻が看護して、日曜の朝には熱が38度を下回り、家の中を動き回れるまで復活しました。

この場合の情報リテラシーとは、新型豚インフルエンザに対するリスクと治療方法を、ネット上の情報から正しく理解し判断する事。そして香港政庁の新型インフルエンザに対するポリシーを確認し、自分の選べるオプションを理解した上で選択するという事だと思われます。

さて、日曜の午後から妻も熱が39度まで上がりました。wikiによれば、インフルエンザの潜伏期間は通常1-2日(最大7日)であり、木曜夜から妻は看病の為にほとんど外出していないので、妻の病気も息子から家庭内感染したと考えるのだ妥当と思われます。息子の病気が妻に感染した可能性が高いと考え、症状とも合わせて考えれば、この病気をインフルエンザであると考えるのは合理的です。

そこから導き出されるのは、私も数日以内に発熱する可能性と、インフルエンザはA型(新型豚インフルエンザを含む)でもB型でも抗ウイルス剤のタミフルが効くという事です。そこで私は、会社内でインフルエンザを感染させないように、今週は自宅で業務をする事とし、また妻と自分(発熱した時)の為にタミフルを2箱(1箱5日分)を調達しました。

この場合の情報リテラシーとは、インフルエンザの情報(症状、潜伏期間、治療法)を理解し、妻の病気の原因を推測し、治療法としてタミフルの調達を行うという事です。

ここで日本に住んでおられる多くの日本人は、自分で病気を勝手に診断し、勝手に薬を買って服用するのは良くない事だと考えるに違いありません。この記事を読んだ日本人の医療関係者の多くは、自分勝手に診断してもしもの事があったらどうするのか、と考えるでしょう。

実はそういう方の為にこの記事を書きました。医療において、日本人は情報リテラシーの能力があまりに低いと思われるからです。私は、自分の健康は原則として自分で守るものであり、国や医者はそれを制度および専門技術で支援してくれるにすぎない(そうあるべきだ)と考えています。

我々が日常的な生活の中でかかる代表的な病気の治療は、どの薬で治療するかという定石(あるいはテンプレート)のようなものが既にあり、どの病気にどの薬をどれだけ処方するかは、ネット上で調べる事は難しくありません。難しいのは、自分(あるいは子供)が、何の病気であるか、という診断部分です。

では自己診断について述べます。まず、自分あるいは子供が病気で発熱したとして、その症状をこれまでの経験で得た病状と比較して、同じなのか違うのか、どう違うのかを自分で判断する事がどうしてできないのでしょうか。

自分が過去に経験した(自分以外にはだれにもわからない)痛みや不快感とその箇所、その強度と性質意、その継続時間や頻度などを、その時に診断された病名と結びつけて記憶しておけば、次回に自己診断はできるでしょう。ただ、自分が自分の体調変化や症状に対して注意深くあれば良いのです。

自己診断し、その薬を調達して、数日間服用し、改善が見られなければ、ネット上で良く似た症状の別の病気を疑うか、あるいはその時点で医療機関へ行きコンサルを受ける事を検討すれば良いでしょう。情報リテラシーには自己責任が伴います。我々は、「病気を治すのは医者の責任」と考えるべきではありません。医者は全知でも万能でも完全でのありません。専門知識をもった、ただの人です。そして病気を治療する主役は貴方です。ですから医者の診断や処方に対して、あなたが理解している情報や症状の中で納得がゆかなければ、医者と最後までよく相談するべきです。

最後に、一般常識を持つ人の能力の範囲内で普通に使える薬(たとえば抗生剤や抗アレルギー剤、避妊薬など)を薬局で個人に販売する事を政府が規制する事は、医者と病院の利益を守る役には立っても、患者にとっての合理性は低いと考えますから、医者が処方する薬でも家庭内で服用できる薬は基本的にすべて、処方箋無しでも薬局(あるいはネットショップで)購入できるようにすべきです。1回の服用量や服用期間や効果の期待値は、ネット上で調達可能ですし、ネットにアクセスできない人でも、薬局には薬剤師(薬のプロ)がいて、そのような情報をおしえてくれるでしょう。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/09/07 at 11:08

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介護産業は日本の所得を減らすのか

こちらの記事によれば、『中央公論』の8月号で竹森俊平氏が、池尾氏のコラムを批判して、「労働者が労働時間を削って家族を介護する」事と、「介護労働を行う」事について比較し、「結果は同じはずだ。つまり、日本の所得と生活の水準は低下する。」(p.57)と述べたそうだい。

竹森氏が言わんといているのは、輸出産業はGDPを純増させる、介護産業は国内で閉じているので結果は同じだ、というように理解するのでしょうか。それにしても違和感があるので批判記事を書いてみました。

たとえば共働き家庭(夫は正規労働者で妻はパート)の例を考えましょう。今月から祖母が寝たきりになり、介護の必要が生じた事にします。ここで、

ケース1:妻がパートを辞めて祖母の介護を行う。
ケース2:妻がパートの収入を介護サービスの購入に充当する。
ケース3:妻がパートの時間を増やして、増収分を介護サービスの購入に充当する。

ケース1は、世帯収入が減るだけでなく、介護サービスの需要が減るので、介護会社は雇用を増やす事ができず、失業者が減りません。

ケース2は、世帯収入はかわりませんが、介護サービスの需要は増えるので、介護会社は雇用を増やす事ができます。しかし妻のパートの目的であった半年に1度の家族旅行が消滅して、結果として観光地の宿泊施設やお土産屋の収入や雇用が減ります。

ケース3は、増えた世帯収入を介護サービスの購入に宛てるので、介護会社の雇用が増え、観光地の収入や雇用も減りません。

上の3つのケースを考えた結果、ケース3は介護産業を振興させながら日本の所得を増大させ得ると考えます。竹森氏はケース3の例も検討すべきではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/07/16 at 15:09

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新型豚インフルエンザ 厚生労働省はぜひ参考にしてほしい

香港域内での新型インフルエンザが感染拡大しているからでしょうか、羅湖の中国国境での検疫検査が強化されました。大陸側からみると、今度は香港からの入境者が封じ込め対象者になったようです。

具体的には、パスポートで入境する人はずべて、香港を出境する時に書いた(橋の上で渡した)新型豚インフルエンザ用の検疫用紙を、イミグレーションのフロアでもう一度記入し、列に並んで検査官による一人ずつの検温確認を行い、体温を検疫用紙に記入され、最後に机に座っている検査官に入国用紙の裏に検温確認の判子を押してもらいます。この判子が無いと、パスポート入国者はイミグレを通れません。(実際にやってみました)

上記にも書いた香港政庁の緩和措置ですが、我が家の小学5年生も「休校」になり、友達の家に遊びに行ったり、プールへ行ったりと、毎日遊びまわっているようです。休校措置で興味深いのは、香港では共働き家庭が多いので、急に学校が休みになると、子供一人だけ家に残す事は(11歳未満の子供は)法律違反になります。そこで、父親が有給休暇をとって、平日の朝に、子供を朝マック(マクドナルドの朝食)へ連れて行く光景がみられるようになったそうです。日本では、父親がこういう理由で有給を取るのは珍しい事ではないでしょうか。香港では妻も夫に負けず高給取りの管理職や専門職(会計士や弁護士)である事が珍しくないので、夫婦の力関係は必ずしも夫有利という訳ではありません。

そういう私は東莞に着いた翌朝に風邪症状が出て、あわてて病院へ検査してもらいに行き(結局できなかった)、今はアパートで自宅待機しています。この話題は来週にでも記事に書こうかと思っています。

さて、新型インフルエンザ域内感染の発生(身近に感染者が出た場合)が続く香港の、政府の対応がより具体的に説明されている領事館メールが届きましたのでご紹介致します。香港政府は、SARSのアウトブレークや、毎年の鳥インフルエンザ発生と人への感染経験により、エマージングウイルス感染症で世界の最先端を行く行政府といえます。700万人が住む人口密集地での緩和措置内容を検討する事は、日本の行政(厚生労働省、東京や大阪等の自治体行政府、それら地区の病院や保健所)が参考にするべき内容かと思いますので、関係者はぜひこれらの内容を自分たちの部署で議論される事をお勧め致します。

[在香港総領事館]新型インフルエンザ(身近に感染者が出た場合)

2009年6月16日

在香港日本国総領事館

新型インフルエンザは、当地における域内感染が拡大しつつあります。身近で感染者が発生する可能性もあり、そうした場合にどのような状況になり、どのような対応が求められるかにつき、当館より香港政府に照会した結果を他の関連情報と合わせ以下のとおりご連絡いたします。  

1.御家族等身近な方に感染者が出た場合

(1)香港政府は、12日時点では、感染者の家族を含む濃厚接触者(close contacts)には、(政府による)直接観察下の医学観察と化学予防を行うとしています。(感染が確認された本人には入院・隔離措置がとられますが、濃厚接触者にはとられません。) 「医学観察」とは、医師等専門家が健康状態、病状に問題がないか定期的に確認すること、「化学予防」とは、予防を目的とする抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザ等)の投与を意味します。なお、抗インフルエンザ薬を服用しないことを希望する場合には、濃厚接触者にも入院・隔離が行われる可能性があります。

(2)感染者発生時の自宅の消毒等については、政府・病院当局の指示に従って下さい。

(3)併せ、このような事態が発生した場合は、当館(領事部)にも事実関係をお知らせ下さい(代表:(852)2522-1184)。必要な場合、当館では可能な限りの支援を行いたいと思っております。また、頂いた個人情報は、厳重に管理し、一切公表いたしませんのでご安心下さい。

(4)なお、現在政府は、濃厚接触者以外の方については追跡等の手段はとらないとの方針を掲げています。

2.職場、オフィス、マンションで感染者が出た場合

(1)香港政府は、ビルやマンションで感染者が発生した場合も、その階(フロア)全体の消毒は行いますが、建物全体を封鎖したり、該当する階(フロア)を封鎖したりすることはしない、としており、その後は同フロアも含めて引き続き通常どおりの状況となると見られます。

(2)職場において感染者に濃厚に接触した方については、医学観察と化学予防が行われる(隔離は行われない。)と見られます。職場或いはオフィス・ビルで感染例が発生した場合には、消毒等のオフィス管理方法を含め、香港政府当局、ビル管理会社等の指示に従って下さい。

3.インフルエンザ指定診療所に関する追加情報

14日付で8カ所の指定診療所につきお知らせしましたが、その後、香港政府に確認したところ、以下のとおりです。

(1)8カ所のクリニックの営業時間(週7日9:00から17:00)外に、インフルエンザの疑いがある患者が行く先は、大きな公立病院 http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/bird.html#20090616b の緊急外来(AED: Accident and Emergency Department)となります。他方、8カ所のクリニックの営業時間内にこれらAEDに行っても、8カ所のクリニックに回されます。

(2)診察費用は、(イ)香港ID保持者、香港居住者である11才未満の子供、その他医院監察局(Hospital Authority)事務局長が認めた者には45香港ドル、(ロ)それ以外の人は215香港ドル、となります。この費用は抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ等)の費用を含みます。通訳費用は無料です。

(3)ただし、以上は今の流行状況の下における措置ですので、今後変更があり得ます。

4.学校

(1)既に御案内のとおり、香港政府は、12~25日の14日間、域内のすべての小学校、幼稚園、保育所、特別学校の休校を発表しました。その間、すべての集会、課外活動、試験は中止となります(政府は、6月23日までに、学校再開か休校措置延長か等につき決定し、改めて発表する予定です。)。なお、休校期間中は、生徒は自宅待機し、人混み等に行かないよう求められています。

(2)中学校等、上記以外のその他の学校については、新型インフルエンザ確定事例が発生した学校のみ休校になる方針ですが、13日付の報道では、「中学・高校(secondary schools)の夏休み開始を早めることも含め検討されている」としており、注意が必要です。

5.その他

(1)香港政府は、会議、展示、公共のイベントについては、参加者の健康状態と消毒に留意しつつ、通常どおり開催する方針を示しています。

(2)交通機関、公共施設の運行、運営等についてもこれまでと変更はありません。香港政府は、交通手段、施設の掃除・消毒を更に徹底し、スタッフ、乗客等に不調のある場合にはマスクをかけるよう指導するなど呼びかけています。

(3)香港の出入境についてもこれまでと変更はありません。従来どおり、入境時に、健康質問票記入・提出、検温(機器によるスクリーニング)等が行われます。

6.在香港日本国総領事館は、領事・査証窓口を含め、通常どおり開館しております。

香港内での感染情報については、当館ホームページhttp://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/bird.html をご参照ください。

7.中国大陸の情報については、在中国日本国大使館ホームページ http://www.cn.emb-japan.go.jp/index_j.htm をご参照下さい。

8.外務省感染症危険情報については外務省ホームページ、http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2009T130 をご参照下さい。

*当館へのお問い合わせは http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/email_j.html にお願いします。万一現在お送りしているメールアドレスに質問等をお送りいただいても返信はできませんのでご注意下さい。 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/06/16 at 22:45

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新型豚インフルエンザ 中国の水際対策とは

こちらの記事で書いた通り、新型インフルエンザの空港などでの水際対策は科学的根拠が希薄であって効果も期待できません。日本は見事に水際対策に失敗しています。ところでお隣の中国はどうでしょうか。中国人は、個人としては日本人よりずっと合理的な性向が強い人たちです。ですから非合理的な水際対策に否定的かというと、実はアジアで最も水際対策に熱心かもしれません。それは中国政府が、何事によらず管理する事が大好きな官僚的国家だからではないでしょうか。以下は、中国政府の検疫措置等について領事館メールからご紹介致します。皆さんのご参考になれば幸いです。

[在香港総領事館]新型インフルエンザ(中国政府の検疫措置等について)

新型インフルエンザ(中国政府の検疫措置等について)

2009年5月20日

在香港日本国総領事館

現在、中国政府は、新型インフルエンザの水際対策を強化しており、感染者が発生した国からの航空機に対する検疫措置、感染疑い例者に対する医学観察措置等を実施しています。

中国本土にご出張、ご旅行に出かけられる方のため、ご参考までにお知らせ致します。

1.中国政府の検疫措置は概ね以下のとおりです。

・機内(場合によっては機外の検疫ブース)で健康申告カードが配布され、当局への提出が求められます。

・飛行機から降りた全ての乗客は、サーモグラフィーが設置されたポイントを通過し、発熱やインフルエンザ症状が確認されると、当局から指定された場所において医学監察が行われます。医学監察の期間は7日間です。

※中国政府の検疫措置の詳細(主に北京首都空港)については、在中国日本国大使館ホームページ「新型インフルエンザ問題について(No.12:中国政府の検疫措置等)http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/birdflu090512_j.htm 」をご参照ください。

2.また、検疫措置のうち、中国入境時に記入する健康申告カードが5月18日に改訂されました。健康申告カードの記載事項は以下の事項です。

・姓名、性別、生年月日、国籍、パスポート番号、目的地、到着便名(フライト、船、列車、バス)、到着便の座席

・中国国内での7日間の旅程、乗り継ぎ便名、中国国内の電話連絡先、緊急連絡先の名前及び電話番号

・7日以内に中国を離れる場合の期日、出発便名(フライト、船、列車、バス)、目的地

・過去7日間に滞在した国及び都市、インフルエンザ症状がある者と密接な接触があったか。

・その他以下の症状があるか(発熱、咳、喉の痛み、筋肉痛、関節痛、鼻づまり、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐、鼻水、呼吸困難、だるさ、その他の症状)

※健康申告カードの詳細については、在中国日本国大使館ホームページ「新型インフルエンザ問題について(No.16:北京空港での健康申告カード提出)http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/birdflu090519-2.htm 」をご参照ください。

また、健康申告カードの見本はhttp://www.aqsiq.gov.cn/zjxw/zjxw/zjftpxw/200905/P020090518497335427712.doc をご覧下さい。

*当館へのお問い合わせは http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/email_j.html にお願いします。万一現在お送りしているメールアドレスに質問等をお送りいただいても返信はできませんのでご注意下さい。     

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2009/05/20 at 16:20

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済, 3.中国ネタ, 健康   Tags:

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