ハウスプアが日本の経済を失速させている

『アン・ヨンヒの韓国レポート』第291で、韓国のハウスプアが取り上げられました。マンションを買う為に高額ローンを組んだ260万世帯が、銀行ローンを返済する為に生活苦に陥っているそうです。そして、これらの人をハウスプアと呼んでいるらしい。そういえば日本には、不動産バブル崩壊以降、そういう人がもっと沢山いるのではないかと思います。

日本のサラリーマンは不動産バブル崩壊以降もマイホーム神話に固執し、換金性の低い「自宅用」の家やマンションをウン千万円のローンを組んで購入し、給料の月給の半分以上をローン返済(と子供の教育費)に充て、生活苦に喘いでいるという内容をTwitterで先週つぶやいたところでした。ローンをやっと返済し終わって、名実ともに自分の所有物になった頃には、子供達は巣立っており、広い家には老夫婦がいるばかり、という訳です。巣立った子供達が結婚して30代になると、再びマイホーム熱に取り付かれるという「悪循環」に陥っています。

もしもサラリーマンの多くがマイホームを購入せず、銀行ローンで失われる「可処分所得」を週末の飲食や家電製品や車の購入や旅行に使っていたとすれば、国内経済がもっと活性化される可能性は極めて高いと感じています。

池田信夫blogでは、日本の直面している最大の問題は投資(資金需要)の不足だと述べていますが、都市部で賃貸住宅がメジャーとなれば、国内外の投資マネーが都市部の賃貸住宅へ集まり、個人のマイホーム需要が減少しても、それを補って余りある建設需要が生まれると予測します。

ゆえに政府は個人がマイホームを購入するハードル(税制面)を高くし、賃貸住宅の利便性を高めて(敷金の上限を低くし、退去時の現状復帰の条件を緩和し、借りる側に有利に法改正して)、サラリーマンが賃貸住宅を利用する方向へ、経済を誘導するべきではないでしょうか?

都市部で賃貸住宅への投資が盛んになり、競争が生まれて賃貸料金が「そこそこ」になれば、通勤時間が片道2時間以上の郊外へ無理してマイホームを建てるより、便利な都市部に多くの人が住むようになり、日本の都市成長が再び始まるのではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/9/3 Friday at 10:40:00

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電子教科書否定論者が教育を歪める可能性

経済101の青木理音氏は、「電子教科書」巡りホットな論争を批判して、教科書は人格を歪めないと述べていますが私も同感です。私も青木氏と同じ様に、この記事を批判してみます。

「ついに学校でまで、かけがえのない人間形成期の子どもたちが多くの時間を電子機器とばかり向き合う時代になった時、ゲーム感覚そのままに、自己中心で勝ち抜くことばかりを考える人間を生み出すことにならないか、今こそ教育現場で議論すべきだ」

ここでは「ゲーム感覚」という言葉をネガティブにとらえていますが、学習を楽しくして、子供に興味を持たせる事は、年少者への教育の基本テクニックと思われます。幼児への教育教材の大半は、学習課題を歌や踊りに混ぜる事で教育という目的を実現しようとしています。ベネッセの小学校教材にも、あちこちに「ゲーム感覚」をちりばめる事で、子供が家でひとりで勉強する事を容易にしています。ゲーム感覚の導入により、多くの子供達がより効率良く学べるのであれば、それは良い事ではないでしょうか。

次にゲーム感覚=自己中心で勝ち抜く事ばかりを考える、という印象操作も頂けません。味方と協調しながら戦うゲームや、いろいろなゲームがあるのに、そういう事がすべて無視されています。

「教育とはコミュニケーション能力や想像力を高めることです。電子教科書は検索で答えを引き出す事が出来、自己完結型になってしまいます。今の教育のまま電子教科書を導入すると教育の欠陥が助長される事になってしまいます」

紙の教科書でコミュニケーション能力が高まるとは言えず、薄っぺらな教科書に、想像力を高める効果があるとも言えません。それとも、わざと粗末な絵を見せる事で、子供達の想像力を刺激しようという意図があると言いたいのでしょうか?想像力を刺激する目的であれば、鮮やかな写真や動画の埋め込みができる電子教科書は、十分にそのような効果が期待できると考えられます。

自分で検索する=自己完結型のどこが悪いのでしょうか?紙の教科書を使っている子供は、予習する時には、参考書や辞書を「検索」してきました。ネット検索に親しむ事で、沢山の情報の中から適切な情報を選択する情報リテラシーを高める事ができます。また、リンクを辿る事により、短時間により多くの周辺知識に到達できます。

上記のような理由で、電子教科書の導入は、学校教育の欠陥を補う効果があり、子供達が学習するモチベーションを高め、学習効率を高める事が期待できます。

ちなみに、「検索=自己完結」を否定する方には、「ググレカス」という言葉を謹んで進呈させて頂きます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/8/20 Friday at 19:06:00

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非駐在員の為の日本人ソサエティー

Railsで行こうのelm200氏は、日本から社命で海外駐在している日本人ではなく、本人の意思で海外へやってきて、自分の力で生きてゆこうとする日本人を集めて、独立日本人の会をつくろうとサイゴンで呼びかけています。興味深いので、記事の一部を引用して紹介します。

私は、「独立した個人の日本人のネットワーク」を提案したい。華僑にならって、和僑(日僑)と呼んでもいいかもしれない。別に商売人である必要はない。学生・技術者・ジャーナリスト・芸術家・サラリーマンでもいい。「自分の腕一本で食っていくんだ」という心意気のある日本人であればいいのだ。

独立日本人といえば、実は私も、会社の同僚も、私の友人のほとんども独立日本人です。香港は古くから商業(貿易)が発達しており、治安も良かった事から、自力で工場や貿易会社を営む日本人がおり、そういう会社には現地雇用された日本人社員がけっこういました。私が来港した85年に、最初に入社した日系メーカーの上司(日本人)は二十年選手でした。最近、弊社の新設部門に入社した日本人女性も現地雇用です。香港は昔も今も、独立日本人はかなりたくさんいるようです。

というわけで、香港でも独立日本人の会をつくるのはなかなか面白そうですが、残念ながら和僑会というは既に別の趣旨(日本人で起業を目指す人の集まり)で存在しているので使えません。やるにしても、もっとカジュアルで良い名前はないかなと思案しているところです。

補足:
ベトナムと中国を股にかけるアスカル氏は「阿邦人」を提案しました。
先ほどまでTwitterで、elm200氏とアスカル氏と3人でネット会議を開いておりました。私が会議中に提案したのは、「大洋浪人」、「千鳥の会」、「蒼天の会」の3つです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/8/19 Thursday at 17:40:00

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市場原理が世界の貧困を解消する

金融日記の藤沢数希は、ネクスト・マーケットの書評記事で、先進国の多国籍企業の多くが途上国へ進出し、その安い労働力を利用する事で住民を豊かにしてきたが、貧しい人々を哀れむ温情主義的な試みの全てが失敗してきたと述べています。この文章を読んで目から鱗がポロッと落ちた感じがしました。思わず私の脳裏に浮かんだのは、広東省の深圳市と東莞市の大きな発展を目の当たりにしてきた20数年に記憶でした。

89年の旧正月にはじめて羅湖国境を越えて深圳国境前の赤土を踏んだ時、そこにはおおきな空き地と、猥雑なバラックの店に群がる人々の姿があるだけでした。羅湖国境前から長距離ミニバス(マイクロバス)に乗り、東莞市を通って広州市までの道程の大半は高速道路ではなく、綺麗に舗装された国道でもなく、赤土が広がる一般道路を5時間くらいで走破しました。その翌年の旧正月に広州旅行した際は、羅湖国境前から鉄道で広州まで3時間ほどで着きましたが、ボロボロの客車を引くディーゼル機関車でした。それから20年経った今、深圳と東莞はどうなったでしょうか?


大きな地図で見る

羅湖国境前にはシャングリラホテルが建ち、国境ビルの下に地下鉄電車が通り、市内から郊外にかけて、いくつもの地下鉄が建設ラッシュを迎えています。羅湖から地下鉄で一駅の国貿駅周辺は、「ここは香港か?」と目を疑うほど、高層建築のオフィスビルやホテルが建ち並び、欧米の高級ブティックが軒を連ねています。深圳から広州までのだだっ広い荒地は、広深高速や莞深高速などの高速道路網でつながり、深圳から広州までを1時間程度で結ぶ新幹線が開通し、深圳市と東莞市は中国沿岸都市の中でも特筆すべき発展をとげました。

その発展の原動力となったのが、(一部の人達には蛇蝎のように嫌われている)市場原理とグローバリゼーションである事は間違いありません。日本・台湾・韓国・香港の企業が、このエリアに無数の進料加工工場を建て、単純労働の組み立て作業に従事するワーカーを20年以上に渡って「搾取」した結果、工業区の周辺に街が出来、それがどんどん成長して、ビルが建ち並ぶ大きな鎮(日本の地方都市に匹敵する規模の地方自治体単位)が、東莞の代表的な鎮だけでも長安、虎門、厚街、常平、石龍などに出現しました。

そして今の中国は、いわゆる3K的な職種である工場ワーカーの成り手が急速に減少しています。多くが出稼ぎである工場ワーカーの内陸部出身地が急速に発展をはじめたので、若者が(楽に稼げる)地元のサービス業に吸収されているからです。

途上国の政府(あるいは地方政府)が、長期にわたる意図的なワーカーの賃金抑制を行わない限り、会社は労働者を奪い合うので賃金は年々上昇し、チープレイバーの国が消費市場へ進化するのは時間の問題だと思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/8/17 Tuesday at 12:39:00

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

人生における天敵とは

最近、韓国ドラマを良く見ます。大王四神記、イルジメ、ホンギルトンと続けて見て、出来の良さに感動し、今晩はチュオクの剣を見終わりました。さて、このドラマを見て考えされられた事があります。主要な登場人物は3人いるのですが、みんな「異性への恋愛感情」によって身を滅ぼすのです。(ネタバレ注意)

主人公のチャン・チュオクは左捕盗庁(2つある警察署)の取り締まり方なんですが、盗賊の頭領であるチャン・ソンベクに惚れて何度も左捕盗庁への裏切り行為を働き、最後はソンベクと一緒に(自ら)死にます。

チュオクに想いを寄せるファンボ・ユンは左捕盗庁の所長のような重職であり、「わが国に敵なし」と言われる剣士なんですが、チュオクへの想いで精神が不安的になり、部下を窮地に追い込んだり、敵前逃亡したりして、最後はチュオクの為に死にます。

チャン・ソンベクも(実の妹とは知らずに)チュオクに惚れて、何回も仲間を危機に陥れたり、チュオクの為にたくさんの仲間が死に、以後には惚れた妹の手にかかって死にます。

上記のパターンは、理性的に考えれば恋愛対象としてはいけない人になぜか惚れてしまい、その相手が非自覚的な「天敵」となって実を滅ぼすようです。実社会でも(ちょっと極端な例かもしれませんが)真面目で誠実な女性が悪い男とくっついて、周囲の反対を押し切って結婚して苦労したり、真面目なサラリーマンが水商売の女性に惚れて仕事も家族も投げ出して、最後には相手の女性からも捨てられて何もかも失ったりという事があるようです。

もっと一般的な例でも、惚れして結婚したが、数年が経って恋愛感情が消えてみれば、配偶者の性格が自分の性格とまったく合わない事に気がつき、離婚を決意するまでの長い期間、お互いに悲惨な生活を送る夫婦は少なくないと思われます。

そもそも恋愛感情というのは体内で生み出されるホルモンによるただの化学作用ですが、ひとたび恋愛感情が高まると理性が狂わされ、化学作用をあたかも「天啓」のように思い込み、間違った判断をし、自分の人生をどんどん難しい方向へと進めてしまう人がいます。

そういう訳で私はこのドラマを見て、人生における天敵とは、自分の恋愛感情の引き金を引く要素を持つ異性であろうと結論付けました。惚れてしまうような異性をなるべく遠ざける事が、平凡な人生におけるリスク管理の一つかもしれません。結婚するのなら、常に理性を失わないでいられる、「惚れない相手」が良いでしょう。今日はちょっとトンデモな話になりましたが、あなたはどう思われますか?

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/8/16 Monday at 0:10:00

Categories: 健康   Tags: ,

iPhone用アプリのご紹介

1)BLOGOSリーダー
池田信夫ブログとアゴラを愛読していますが、iPhoneのサファリでは読みづらいと感じていました。どちらのブログもラブドアのBLOGOSで読めますので、ライブドアが提供しているiPhone用BLOGOSリーダー(無料)をインストールしてみました。

使ってみた印象は、iPhone画面でブログ記事が大変読みやすく、快適になりました。いま読んでいる著者の最近の過去記事も、ヘッドラインをタップして、次の画面の下側に一覧表示されて便利です。

インストール方法:Apple Storeを開き、検索画面でBLOGOSで検索します。

2)エキサイト英語翻訳
ちょっと英語のスペルを度忘れした時や、普段使わない言葉を英語で知りたいとき、ウェブ版のエキサイト翻訳を愛用しています。英和辞典より英語翻訳の方が簡単だからです。そのiPhone版です。当然ですが、オンラインでないと使えません。

インストール方法:Apple Storeを開き、検索画面で翻訳と検索します。

3)TransMeマルチ言語翻訳
Windows Mobileマシンを使っていた時は、KODENSHAのJ北京V6の姉妹ソフトであるトラベルウォーカーで、意味不明の中国語のSMSを翻訳していました。WM6のスマートフォンからiPhoneに乗り換えて以来、サファリでエキサイト中国語翻訳サイトをむりくり使っていましたが、お世辞にも便利とは言い難い状況が続いていました。

このTransMeは多言語対多言語翻訳ソフト(無料)ですが、日本語・中国語翻訳で設定して使用しています。翻訳ウォーカーほど翻訳精度やボキャブラリは無いようですが、無料だし簡単なのでとりあえずの代用としては使えるようです。これも、オンラインでないと使えません。

インストール方法:Apple Storeを開き、検索画面で翻訳と検索し、一覧表示された中から探してください。

4)Japanese Chinese machine Translator(旅行用中国語例文集)
中国語翻訳ソフトかと思い、USD1.99払って購入したのですが、翻訳ソフトではありませんでした。しかしながら、オフラインで使える便利さがあるので、緊急用としては使えるかと思い、この記事の末席に入れる事にしました。

アプリを開くと、空港、交通手段、飛行機、商店、ホテル...といった旅行の各場面で、よくある状況での中国語の文章(と音声)で意思表示できるようになっています。旅の初心者向けと思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/8/1 Sunday at 23:07:00

Categories: 1.政治・経済   Tags: , , ,

日本の未来の為にベネッセを買収せよ

ソフトバンクの孫社長と松本副社長は、原口総務大臣の「光の道」構想を強力にプッシュしています。私はベンチャービジネス経営者として孫氏を尊敬していますし、孫氏の提案にロマンを感じています。しかしながら細部において、ソフトバンクの「光の道」提案の前提条件であるトラフィック増大に関する質問に、未だ回答を頂いておりません。孫氏は私に対して、何らの義務を負っている訳ではありませんが、少なからぬ人が私と同様の疑問を感じていると思われますので、前向きにプロジェクトを進める為にも、いづれ何らかのカタチで回答を頂けるものと期待しております。

さて、孫氏が「光の道」提案の中でキラーアプリとして取り上げられたからでしょう、電子教科書が俄かに脚光を浴びているようです。斎藤隆博氏は全ての人に公平な教育 (電子教科書) の真の狙いという記事をかかれ、私もその記事に早速TBさせて頂きましたが、そのあとでふと思いついた事があります。

ソフトバンクがiPadを電子教科書のプラットフォームとして全国の学校へ普及させたいのなら、iPadを電子教科書として成功させたいのなら、その為のキラー・コンテンツが必要です。

iPadの素晴らしいU.I.に負けないような、生徒が学習するモチベーションを高められるリッチな教科書コンテンツを開発し、iPadにバンドルして学校へ配布できれば、敵(アンドロイド端末に既存の退屈な教科書アプリをのせた競合各社)に勝つのは容易かもしれません。ベネッセは、生徒が楽しく学ぶ為の様々なコンテンツとノウハウを持つ興味深い企業です。光の道構想を一歩進める為に、ソフトバンクはベネッセを買収して、iPadの為のキラーコンテンツを開発するべきです。

うちの息子は幼稚園からずっと、英語学校へ通っていますので、日本語の読み書きを覚える為に、自宅で「こどもチャレンジ」と「チャレンジX年生」をやらせていました。それで、自分で教材の中身をよく見ていたので分かりますが、子供が勉強のモチベーションを高める工夫が随所に見られ、すごいノウハウを持つ会社だと驚きました。このような会社がiPadの為の教科書コンテンツを開発すれば、きっとすごいものができるのではないかと考えています。

松本氏は国際競争力の作り方を述べられています。幼稚園入園前から高校卒業まで、楽しく学習でき、興味を刺激し、探求心を高め、教科書の内容から周辺の知識までを網羅したすばらしいソフトバンク自身が提供する事ができれば、日本の子供たちの学力が向上し、必ずや国際競争力の向上に役立つ事でしょう。

企業戦略的な見地からだけでなく、日本の未来の為に、ぜひ孫氏と検討されては如何でしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/7/29 Thursday at 21:40:00

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中国から生まれる究極のエコ技術

世の中はエコブームです。再生紙、再生ペットボトル、再生プラステックなど、省資源・低炭素を目指して、様々な再利用法が開発されています。しかし世界は広い。中国では、それらを遥かに凌ぐ、究極のエコ利用法が開発され、国内外から熱い注目を集めています。

1)段ボール肉まん
 家庭でも簡単に実現でき、非食用の材料を食用に転換できるところが、エコポイントを高めています。奥様のアイデア次第で、様々な応用が可能です。

2)下水から食用油を再生(もうひとつこちら
 中華料理店の厨房から出る下水や残飯は、大量の食用油を含んでいます。誰が最初に考えたのでしょう、下水や残飯から使用済み食用油を回収するシステムが、中国全土の厨房で、静かなブームを巻き起こしています。集めた油をきれいに漂白すれば、新品と見まがうばかり。中国では既に、流通している食用油の10%が再生油と言われるほど普及しているそうです。

3)どぶ川から飲料水
 人間が何回も利用した水は、下水溝からどぶ川へ辿り着きます。悪臭漂うどぶ川は、あとは海へ流れ込むか、地面に染み込んで自然が再生するまで使い道が無いと、誰もが考える事でしょう。ところが福建省のとある企業は、大自然の再生サイクルを大胆にパスでし、そのまま飲料水に再生する事を思いつきました。下水を集めて飲料水にすれば、町単位で水の自給率が大幅に高まる事は間違いありません。

4)再生爪楊枝
 21世紀最後のエコ資源の秘境と言われる厨房の残飯から、新たなエコ商品が登場しました。その名も再生爪楊枝です。残飯に含まれる使用済み爪楊枝の再生利用は、十数億の低賃金労働者を人海戦術的に動因できる中国ならではのお家芸と言えます。

エコ競争が激化する今後、我々日本人が競争に勝つ為には、表面的なエコ利用法に満足せず、常識に囚われない柔軟な発想が求められるようです。

補足説明:
上記は事実をベースにしたフィクションとしてお読み下さい。無粋な突っ込みはお断り致します。

補足2:
この記事のコンセプトはエコに熱中する方々へ捧げる皮肉です。くれぐれも中国への誹謗中傷と誤解せず、冗談を理解する広い心でお読み下さい。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 12:48:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

電子教科書は生徒の学習意欲を高められるか?

斎藤隆博氏は電子教科書の真の狙いは「習った時期の違い」問題を軽減してくれる事だと主張しています。しかし齋藤氏はそのすぐ後で、参考書などを購入すれば解決すると自問自答しています。ほかに通信教育もあるので、地域格差は自助努力により埋める事が可能でしょう。

この記事にTBされたんがぺ氏は、電子教科書の最大のメリットは、「様々な書籍に触れやすい」ということではなかろうかと述べています。確かにそれは電子教科書の重要な機能ですが、子供自身に「触れたい」という意思がなければ宝の持ち腐れです。

ところで私の息子は幼稚園から今までずっとフィリピンと香港で過ごし、ずっと国際学校で英語教育を受けています。そこで妻の意思(日本人だから日本語の読み書きは普通にできてほしい)により、幼児から小学校高学年まで、ベネッセの学習教材を日本から送ってもらい、日本の小学生が学ぶ内容を独習していました。

ベネッセの学習教材は年間契約です。1年を通して、子供が自宅で楽しく学習を継続できるように、工夫が随所にみられます。紙に印刷された教材でこれだけの事が可能です。これを電子教科書の中の教育コンテンツとして作り込めば、子供が学習する楽しさをより高める事が可能になると考えます。

学習する事が楽しければ、子供は学習対象への興味を高めます。興味が高まれば、探求心が高まります。そのような状況において、リンクを張ったり、カラー百科事典と連動させたり、自分でググったりする事ができる電子教科書は、子供の好奇心と探求心を満足させる様々な手段を提供できるアドバンテージがあります。

逆にいえば、電子教科書の機能がいくら優れていても、子供が学習に興味を持てる教育コンテンツを提供できなければ、税金の浪費で終わるだけでしょう。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/7/28 Wednesday at 14:11:00

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 海外子女教育, 1.政治・経済   Tags: ,

海外ローミングだけでは片手落ち

SIMロック解除する代表的な目的の一つとして、海外旅行での例について松本氏が述べられています。海外出張者の視点で書かれていますので当然ですが、現地の人が松本氏へ電話する場合の「不便」さについて一切言及されていません。

松本氏が(私が事情を良く知っているという事で)香港へ出張したとしましょう。本人は、ソフトバンクの海外格安ローミング・サービスに加入していれば、ビルショックの問題はなくなります。しかし、香港の現地側の(松本氏と会う予定の)人は、おなじ香港にいる松本氏へ、国際電話でコールする事になり大変不便です。

国際電話料金の問題の他に、国際電話をわざとブロックしている固定電話の問題もあります。松本氏が、香港キャリアのSIMを入れた端末を持っていれば、現地側の人は、携帯電話であれ固定電話であれ、ローカルコールで連絡する事ができます。

この問題を解決する理想の答えは、すべての国で、固定電話と携帯電話キャリアが、国際電話と海外ローミングの料金を無料(現地側の通話料だけ)にする事です。そうすれば、このような問題はなくなるのでしょう。

たぶん、「通信」先進国の間では現実的な議論が可能かもしれず、その場合には、1つの端末、1つのSIMで他国へ往来するのはは現実的かと思います。香港では既に、携帯電話から多くの先進国への国際電話をただ同然にしている消費者向けサービスが多くあります。しかし多くの「通信」発展途上国のキャリアにとって、国際電話と海外ローミングの料金はドル箱であり、おいそれと手放すとは思えません。

3年とか5年のスパンで考える場合、やはり現実的な手段は、
1)端末のSIM入れ替え。
2)国内用端末とは別の、SIMフリーの2台目端末。

であると思われます。

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/7/21 Wednesday at 11:36:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

全国区ができればネット有名人が容易に当選できるだろう

選挙速報が始まりました。Twitterでも政治家のみなさんの気軽な「つぶやき」が戻ってきました。私も選挙速報を聞きながら、選挙ネタについて少し書いてみたいと思います。私のように外国に在留している日本人は国政選挙において、在外投票する事ができます。在外投票の詳細については、領事館からメールで頂いた「在香港総領事館]第22回参議院議員通常選挙のお知らせ」の内容を下記に引用致しますので興味のある方はご参照下さい。

さて、在外投票するには、在外選挙人名簿への登録しなければなりません。申請してから登録まで3ヶ月くらいを要します。以前は、自分で領事館へ足を運んで登録するほかに、外務省のウェブから登録できるようになっていました。しかしウェブからの登録を何回か試みたのですが、ハードルが高くてギブアップしました。日々の仕事が忙しくて領事館へわざわざ足を運ぶ時間もなく、なかなか登録できませんでした。それが昨年夏の衆院選の少し前に、領事館からメールで知らせがあり、5人以上集めれば領事館員が出張登録しますとよ、という事になりました。そこで今年4月に私が5人の頭数を集めて、ようやく在外選挙人名簿へ登録できました。

海外在留者が投票する選挙区は、本籍地になります。私も妻も香港在留期間が長く、日本に住民票はおろか自宅もありません。私の実家は愛媛、妻の実家は青森で、どちらも地方です。我が家では妻が毎年夏に1-2ヶ月間、子供を連れて青森の実家へ帰る関係で、本籍地を青森にしています。そこで、今回の選挙地は青森でした。

個人的には、河野太郎がいる自民党選挙区か、みんなの党を応援したかったのですが、青森にはみんなの党の立候補者がいません。また自民党の立候補者は63歳の高齢者なので、積極的に投票したい意欲が沸きませんでした。40歳以下の候補者を出馬させているのは共産党と民主党だけです。そこで非常に遺憾ではありましたが、消去法によって候補者を選択しました。地方の選挙区では、必ずしも自分の支持する政党の候補者がいるわけではないのだという事がわかりました。

これからの選挙についての希望ですが、全国区という選挙区をつくって頂き、どこの地方選挙区からでも投票できる候補者がいれば良いなと感じました。Twitterでフォロワーを数十万人集めているようなネット有名人が政治家になるハードルが非常に低くなるのではないでしょうか。

Read more…

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/7/11 Sunday at 21:54:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

温暖化が実感できる今年は何故か台風が少ない

地球温暖化によって台風が増えるという人がいます。もし今の地球が温暖化傾向にあるならば、今年の台風発生状況と較べてみると、温暖化による台風が増えるとはいえないようです。

こちらの表をご覧下さい。2000年から今年までの月別台風発生の一覧表です。今年は3月に台風1号が発生して以来今日までに、台風が一つもありません。これほど台風が少ないのは、2000年以来はじめてといえます。(もっと過去までさかのぼれなくて残念です)

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/7/5 Monday at 22:14:00

Categories: 台風, 環境問題と地球温暖化ネタ   Tags:

地方の産業がグローバリゼーションの波に乗る方法

管首相の民主党は経済成長政策のひとつとして、法人税を段階的に25%まで引き下げる事を検討しているようです。アジアでダントツに法人税が低いのは香港とシンガポールですが、日本の国税からタックスヘイブンとして認識されていました。ところが今年の3月に港日租税条約が結ばれ、なんと香港の海外統括会社から日本本社への利益配当額の95%が無税になりました。こんな素晴らしい制度は地方の中小零細企業もぜひ利用して、海外でどんどん儲けて、日本の本社へどんどん利益配当金を送金してほしいものです。そうすれば地方にもお金がまわり、地元の飲食などのサービス業も景気が良くなって、GDPがガツッと上昇するかもしれません。

そういう訳で、仕事の営業をかねて書いている香港★起業★ブログの方に、あなたの会社は成長するという記事を書きましたので、海外市場(特に香港と中国)へ展開したいと考えている方はぜひご一読下さい。1ページ目の目次を参考としてご紹介します。

<目次>
あなたの会社は成長する

(1)海外進出の手引き
(2)海外進出の第一歩
(3)自力で海外進出する理由
(4)商品を海外でプロモートする
(5)海外進出の戦術
(6)香港の会社設立は難しくない
(7)タックスヘイブンを利用した海外展開戦略

香港へ進出したいと考えられている経営者さん、ぜひこの記事のコメント欄へご連絡ください。(笑

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/7/3 Saturday at 1:03:00

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags: , , , , ,

孫正義氏の提案への質問状

私はベンチャービジネス経営者としての孫氏を尊敬しており、光ファイバの回線会社の社長をやってもらって、日本経済を発展させてほしいと願っているものです。しかしながら「光の道」での提案について、佐々木俊尚氏との対談および池田氏・夏野氏との対談を見ても、納得できない疑問があります。孫氏によれば、どんな疑問にも答えるとの事ですので、「光の道」を実現するために、下記の疑問をぜひクリアにして頂きたいと願っております。

データトラフィックが年々倍増している状況から、5年で40倍、10年で1000倍、20年で100万倍も増大する可能性があるとの事です。これはユーザー数や一人が持つ端末数の増大、そして端末が扱うアプリケーションが画像などのリッチコンテンツになるからであると説明されています。

ところでこれらは基幹ネットワークの総トラフィック量の増大としては理解できますが、家庭単位のトラフィック増大量としては理解できません。現在の提案では、電子教科書と電子カルテなど医療用途の話をされていますが、これは学校と病院でのトラフィック増大を意味するので、そこへ光ファイバを接続すれば足りる事で、家庭での総トラフィック量をそれほど増大させません。家庭でのネット接続がADSLでは絶対に足りなくなる、説得力のあるアプリケーション(サービス)の具体例をご提示頂けないでしょうか。

ちなみに家庭内のパソコンや携帯端末が増えても、孫氏が強調するほどの家庭単位のトラフィック量の増大にならないと考える理由は、私の家庭内環境の状況を参考にしています。我が家では私を含めて3人家族の全員がノートパソコンとスマートフォン(iPhoneとXperia)を所持しており、更に息子の所有する任天堂DSとWiiとSony PSPもネット接続可能です。週末の夜には合計9-10台の端末が家庭内Wifi経由で常時ネット接続しています。家庭内で利用するアプリは、妻は、日本に設置したSlingboxから送られる地上波テレビのストリーム画像をパソコン経由で大型液晶テレビで視聴したり、息子はMacのオンライン・シューティング・ゲームを楽しんだり、私はyoutubeで日本のアニメを見たりしています。それでも我が家のネット環境は3MbpsのADSL回線でとりあえず足りているようです。

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/6/28 Monday at 0:04:00

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なぜUstream視聴者は誤解したか

孫氏と池田氏と夏野氏の討議で孫氏が示したプレゼン内容にはトリックがあるのではないかと感じました。その記事に、ソフトバンク副社長の松本氏から「アゴラの私の記事「光の道と…(まとめ)」のコメント欄をご参照ください。」とのコメントを頂きました。以下に、私の記事を引用されたはんてふさんへの、松本氏のコメントを引用させて頂きます。

(引用開始)
はんてふさんへ
「近未来の100万倍のトラフィック」の話をする前に、目前に迫っている「数100倍のトラフィック」の話をしましょう。このことを理解する鍵は、「映像」と「大容量ファイルトランスファー」です。現在静止画で満足している人が、「Videoが普通」と考え出した途端に、トラフィックは簡単に100倍程度に跳ね上がります。ローカルに仕事をする為に先ず大容量のプログラムをダウンロードしようとすれば、余程の高速回線がなければ仕事になりません。モバイル回線やADSLだけではとても不可能で、どうしても「光+802.11n/ac」の固定/準固定環境の整備が必要です。インフラの整備というものは、一般の人達の目に見えるようになってから手を打つのでは手遅れであることを、是非ご理解ください。先を見る目を持った人がリードしなければなりません。
(引用終わり)

では数100倍のトラフィックについて考察しましょう。ニコ動やUstreamのストリーミング視聴や、それら動画ファイルのダウンロード(P2Pダウンロードを含む)は若年層のパソコンユーザーではかなり普及しています。これをすべて公衆無線へ移行して、更にその数100倍のトラフィックが発生した場合、公衆無線の限界とされた450倍のトラフィック容量では確かに足りないでしょう。しかし家庭単位のトラフィックで見た場合、1家に1台のパソコンが、1人1台のパソコン+1-2台の移動端末(いまの我が家の状況)になった場合でも、トラフィックは数倍程度(10倍までは増えない)と推定されます。このような推論はちょっと考えれば誰にでも可能なのに、番組中では、それは議論されませんでした。

多くの視聴者がUST番組を見ながら、ADSLによるトラフィック吸収の議論がスキップされた事に気付かなかったのは何故でしょうか。その理由を考えてみました。電波ビッグバンとNTT構造分離を除いて、番組中での議論はだいたい下記のように進んだと思います。

1)ネットのトラフィックが10年で1000倍、20年で100万倍に増えるとした理由は過去の増加率をもとにしており、ユーザー数と端末数が増え続ける事を前提とした一般論であるので、反論し難い。
2)公衆無線の帯域計算はある意味単純なので、いくら増やしても450倍程度しか増えない事は簡単な計算を示されれば否定できない。
3)このようなトラフィック増が発生すると仮定した場合、公衆無線で対応できない事に合意するのは容易である。
4)ADSLに使われているメタル回線の保全費は年間で1900億円であるが、その70%は田舎部で発生している。
5)メタルを剥がして全部を光ファイバに代えれば維持費が安くなり、ブロードバンドサービスをメタル回線+ADSLの価格程度で提供できる。

さて、1000倍、100万倍は総トラフィック量の話であり、家庭単位ではありません。しかし、上記の1から3で、総トラフィック量の増大と家庭単位のトラフィック量の増大を巧妙に摩り替え、あたかも家庭で1000倍のトラフィック量の増大が発生するようにプレゼン相手を意図的に勘違いさせた可能性があります。

そして次に、光ファイバの回線会社をつくってメタルを全部剥がせば、ネット接続費用がADSLより安くなるとの積算結果を見せて、「光ファイバでみんな幸せ」との印象を与えたのがUSTでのアンケートの結果ではないでしょうか。

しかしここで、基地局から家庭までのトラフィック量増大は既存のADSLでも吸収できるとしたら、そもそも論としてこの議論の必然性が曖昧になってしまいます。そこでADSLを使い続けるとしたらどうなるかという(メタル回線部門の維持費以外の)議論から意図的に遠ざかったのではないでしょうか。池田氏もこの部分にはもっと突っ込んでほしかったと思います。

ところで孫氏が強調した、積算で見積もった事を強調した光ファイバの月額費用や回線会社の損益ですが、これについても注意すべき点があります。企業が新規事業を行う場合に、事業計画書なる損益プラン作成して実現可能性を示し、役員会で承認される事で開始します。実は、これが曲者です。新規事業をはじめたい人が作成するのですから、赤字にするか黒字にするかはプランを作る人の事情次第です。入手できる数字はすべて過去の実績や他部門の実績を流用しますが、しかし、選択可能な数字には幅があるので、プラン作成者の意図に従って、高め或いは低めの数字を意図的に使用します。それにより収益プランは大幅に影響を受けます。それで、実際に事業がはじまるとどのような事になるでしょうか?私の知る限り、事業計画に沿って順調に損益が黒字化するような事業はめったないというのが現実です。孫氏の過去の事業が綱渡りの連続であった事をみれば、回線会社の事業計画は、社内の役人会議を通す程度には現実的かもしれませんが、プラン通りの損益を実現可能かといえば、それは大いに疑問であるといわざるを得ません。

捕捉説明:
1)孫氏の積算による金額計算を、池田氏は「もしその計算が正しければ」と何回も言っているので、認めたというより事実上の保留と言うべきでしょう。

2)孫氏と池田氏と夏野氏が明示的かつ無条件に合意したのは、電波ガラパゴスの解消と、固定電話のIP化と、ITが日本の成長戦略に必要だという3点だけではないでしょうか。

参考資料:
1)池田信夫氏が「光の道」めぐりソフトバンク・孫正義社長と大激論(前編)
2)池田信夫氏が「光の道」めぐりソフトバンク・孫正義社長と大激論(後編)

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/6/27 Sunday at 18:25:00

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孫氏の「光の道」提案は、トリックに満ちている

孫氏と夏野氏と池田信夫氏による対談は、孫氏の130ページに及ぶプレゼンによって、光ファイバの必然性については、孫氏の圧倒的な勝利で終了したとの見方が大勢を占めているようです。私もこの対談をUSTREAMで見ましたが、孫氏の提案になぜ下記のような疑問を提起しないのか不思議に感じています。

1)20年でトラフィックが100万倍になるので電波では間に合わないという結論:
インターネットの利用帯域が20年で100万倍になるという推定は有り得るかもしれないが、それは基幹ネットワークの話である。ひとつの基地局にぶらさがる利用帯域が100万倍になれば、既存のどんな技術を用いても吸収できない。

2)主要な利用場所が屋内であるという前提:
100万倍になる利用帯域の「利用場所」について、屋内87%、屋外13%という数字を提示した。しかしながらこれは、過去のアプリをベースにした数字である。インターネット利用が移動端末へ急速に移っている現在の動向を見れば、未来に提供されるアプリの「利用場所」が屋外へどんどん移る状況は容易に推測できると考えられる。

3)電子教科書と電子カルテの無償提供で光ファイバの利用促進するという提案:
孫氏が「光の道」を有効活用するアプリケーションとして、電子教科書と電子カルテの無償提供を提案しているが、

 電子教科書のユーザーは学校に集中する。家庭での同時アクセス・ユーザーは数人である。電子カルテのユーザーは病院へ集中する。開業医での同時アクセス・ユーザーは数人である。

電子カルテと電子教科書アプリの利用帯域を吸収する光ファイバは、学校と病院(開業医を除く)に設置すればよく、同時利用ユーザー数の少ない家庭では現在のADSLでも十分でしょう。

孫氏のプレゼンは、20年でトラフック100万倍と屋内利用が87%を固定パラメタとする事により、池田氏と夏野氏とおよび対談を見ていた視聴者の目を眩ませて、そこから先のな話(100万倍のトラフィックがどこに発生し、それは電子教科書と電子カルテで可能)の議論を巧妙に避けているように感じられます。

捕捉:
全国家庭への光ファイバの必然性については懐疑的ですが、回線会社を孫氏が経営する(あるいはソフトバンクがNTTから買収する)事については、私は肯定的です。孫氏のようなベンチャー経営のプロに、日本の通信業界を牽引してもらい、日本の経済を発展させる事に賭けたい気持ちが大きい。

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 7:46:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

国民背番号の条件

民主党政権にはいろいろなサプライズがあるようです。鳩山政権は外国人参政権に取り組み、管政権では財政再建の為に消費税増税の検討をはじめました。この調子では、国民背番号の導入を真剣に議論し始めるのも時間の問題かもしれません。そこで、国民背番号に必要な条件について考えてみました。

国民背番号を導入する目的は下記の2つです。
1)公的な身分証明。
2)行政による管理の合理化。(徴税、年金、医療、住民登録、婚姻、戸籍など)

この番号で管理される対象者は、年齢や職業の有無や居住する国にかかわらず、すべての日本人が含まれなければなりません。また、日本国に居住する外国人も含まれなければなりません。

現在、日本で身分証明として使用されているものと、それが国民背番号として適していない理由を列挙します。

1)健康保険証:
  医療目的で存在するので、海外居住日本人や留学生など加入を免除される合理的な理由をもつ者が存在し、捕捉率を100%にする事ができません。

2)年金手帳:
  年金積み立てが目的であり、幼児や学童などの未成年者、就労しない日本人、就労しない外国人居住者や海外居住日本人など、加入を免除される合理的な理由をもつ者が存在し、捕捉率を100%にする事ができません。

3)住基ネットカード(住民票番号):
  地方自治体が登録者へ行政サービスを行う事が目的であり、海外居住日本人や浮浪者など、どの地方自治体にも登録しない事が法的に可能であり、捕捉率を100%にする事ができません。

4)旅券(パスポート):
  海外旅行する為に取得する事が目的であり、任意性が高く、旅券取得を義務化する合理的理由がありません。外国人居住者に適用できません。。ゆえに捕捉率を100%にする事ができません。

5)運転免許証:
  自動車の運転を目的として国家試験に合格した者へ付与するので、任意性が高く、捕捉率を100%にする事ができません。

上記のすべては、指摘した理由により対象者の捕捉率を100%にする事ができないので、国民背番号として不適切です。そこで、年齢や職業の有無、国籍の違いなどすべてに対応でき、対象者の捕捉率を100%にできる、まったく新しい国民背番号を下記に提案します。(外国人居住者を対象にする含める事から、「国民」背番号という名称は不適正ですが、通称としてこの記事ではそのまま使用します)

【法務省入国管理局が管理する身分証明カード】
1)法務省入国管理局が発行と管理を行う身分証明番号を新たに設けます。日本国籍人と外国籍人を一元的に管理するためには、今のところ、この役所が管轄する事が合理的かと思います。身分証明カードを管轄する新しい役所を、法務省の下に設置するのでもかまいません。
2)国内であれ海外であれ、日本国籍保有者として出生した者すべてに、申請して取得する義務を負わせます。
3)身分証明カードをIC化して、顔写真、指紋イメージ、その他の基本的な個人のプロファイル情報を暗号化して保存し、警察の職務質問や出入国などの時に、カード保持者が本人である事を人間でも機械でも効率的に確認できるようにします。
4)顔写真はカード表面にも表示して、銀行などの企業が本人確認に使用できるようにします。
5)日本国に3ヶ月以上滞在するすべての外国人(在日韓国人・朝鮮人、中国人、台湾人を含む)に、取得する義務を負わせます。
6)日本国籍人であれ外国籍人であれ、幼児であれ成人であれ、常時携帯を義務化し、違反者には罰を与えます。
7)ICカード化して、運転免許証などの各種国家免許証、健康保険証や年金手帳、徴税などは、身分証明番号で名寄せできるようにして、行政の管理コストの低減と効率化を図ります。
8)身分証明番号に関するプライバシー保護の法律を作り、行政や企業や個人による乱用、悪用を防ぎます。

上記の身分証明カードが実現できれば、法務省や外務省だけでなく、あらゆる省庁でこの番号による日本国民と居住外国人の管理が容易になるものと考えます。また日本に居住する多くの人が、合理的な身分証明を行う事ができるようになり、他人による預金の引き出しなども合理的に防ぐ事ができるようになるかと考えます。

26 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/6/20 Sunday at 14:32:00

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祇園精舎の鐘の声はジョブズの耳にも響き渡る

小飼弾氏はiPhoneにとってのAndroidが、MacにとってのWindowsにならなさそうな3つのPについて述べています。しかしこれら全部は、もっぱらジョブズという天才経営者の属人的な才能によって実現されたものです。そして、ジョブズ氏のここ数年の健康状態をみれば、彼が鬼籍に入る日はそう遠くない未来でしょう。

勝者必衰の理を表すといいますが、ジョブズのいないアップルがプロのCEOにより経営されはじめた時、オープン化されているAndroid系が新たな勝者の時代を築く可能性は高いであろうと思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/6/12 Saturday at 11:27:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

マーカーワクチンは口蹄疫対策のイノベーション

山内一也氏の「人獣共通感染症 第116回追加 口蹄疫との共生」によれば、ワクチンと感染の抗体を判別できるマーカーワクチンの技術は、1970年代後半に開発されているそうです。

(引用開始)
新しいタイプのワクチン開発は1970年代後半に組換えDNA技術が生まれた際に、その応用問題第1号としてベンチャーのGenentechが試みたことがあります。これはウイルスの被殻の蛋白VP-1を大腸菌で産生させた、サブユニットワクチンでした。しかし、1980年代初めにできてきたワクチンは現行のワクチンよりも免疫力が弱く実用化には到りませんでした。
 その後は、殺処分という国際方式が存在している中でワクチン開発をしても企業利益にはつながらないために、企業によるワクチン開発はこの30年間ほとんど試みられていません。その間にほかのワクチンでは第2世代、第3世代ともいえる新しい技術が試みられていますが、口蹄疫は取り残されたわけです。一部の国立研究所でDNAワクチンやベクターワクチンなどの新しいワクチン開発の試みが細々と続けられているだけです。
(引用終わり)

山内氏も、人とモノのグローバル化が進む現代に、殺処分だけで清浄状態を保つ事はますます困難になっていると指摘しています。口蹄疫という恐ろしい感染力を持つウイルスへの対策は、科学的かつ合理的なリスク管理が必要です。政府と地方自治体は、可及的速やかに、この疾病への本格的な対策組織を発足し、発生予測、迅速かつ経済的な予防ワクチン摂取、自衛隊による地域封鎖、発生時の客観的なリスク評価など、経済的なダメージコントロールを容易に行えるように法律を整備するべきです。

参考記事:口蹄疫殺処分は、食肉輸入の非関税障壁を維持することが目的である  井上晃宏(医師)

19 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/6/8 Tuesday at 10:27:00

Categories: 医療, 1.政治・経済   Tags: , , , ,

リスク管理から見た口蹄疫対策

井上晃宏医師がアゴラで

口蹄疫に関する現在の対策を批判して以来、同記事のコメント欄では様々な意見が議論されています。ところで、動物衛生研究所の資料によれば、2009年から2010年にかけて、中国ではこれだけの広い範囲で頻繁に発生しており、この状況は素人目にも、中国政府はウイルスの封じ込めに失敗していると言う事ができます。韓国では8年ぶり、日本では10年ぶりの口蹄疫発生ですが、日本をとりまく東アジアの状況から見ると、悪化する口蹄疫禍の「はじまり」と見るべきです。


日本や韓国が国内でいくらウイルス封じ込めをして、清浄国化を行っても、中国で口蹄疫が拡大している以上、ウイルスが日本や韓国へ持ち込まれるのを水際で阻止する事は、現実的に不可能と言えます。不可能な前提を無視して、一国だけで清浄国を維持する政策は、まったく合理的でも現実的でもありません。少なくとも、東アジア全域で、口蹄疫が数年以上沈静化するまでは、いつでも発生する事を前提とした「リスク管理体制」を敷くべきです。

日本の政府と地方自治体が行うべき対策は、具体的には、再発する事を前提として、発生時の経済的被害を最小限に抑える為の、ダメージコントロールとしてのワクチンの予防的使用です。私は疫学の専門家でも獣医でもありませんが、ネットで入手した情報を総合的に判断して、下記のような対策を提案します。

1)ワクチンを全国の家畜へ機械的に4ヶ月から半年毎に摂取するのは、ウイルスが国内の野生動物へ拡散してしまった場合の対策です。

2)野生動物への拡散が確認されるまでは、日本に比較的近い東アジアの国口蹄疫が大規模に発生したタイミングで、国内の摂取対象地区を絞ってワクチン接種を行う。

2)国内でワクチン接種を行う対象地区は、発生場所と地理的に近いか、発生箇所との人や物の交流が大きい、畜産エリアを検討する。

3)ワクチン接種した地区では、ワクチンを接種しない識別用の家畜を配置し、定期的に抗体チェックを行い、ウイルス到来の有無を確認する。

4)国内でウイルス感染が確認された場合、ワクチン接種を周辺全てに広げ、かつ、自衛隊による汚染地区の物理的な封鎖を即時行う。自衛隊の医療資格者もワクチン接種できるようにする。

5)摂取ワクチンで感染が抑制されている場合は、発病した対象動物だけをと殺する。

6)ワクチンによって感染を抑制できないと判断された場合にのみ、封鎖地区の対象動物を全部と殺して自衛隊により焼却する。

ワクチンを使用する事で、隣国から非難される事を恐れる人がいるようですが、口蹄疫研究の先進国であるオランダは、ワクチン使用により口蹄疫の沈静化に成功しています。そのオランダ人を、ワクチン使用により入国拒否している先進国があるでしょうか。合理性のある対策を恐れる事は愚かな事です。

ワクチン摂取する事自体で、不活性化されなかったウイルスによる発病を恐れる人がいますが、技術的に未熟であった過去の例であり、現在の高い技術では、不活性化ワクチンでそのような事は起こらないと、人獣共通感染症で有名な山内一也氏は述べています。

同じく山内一也氏によれば、口蹄疫ワクチンの下記問題は、OIEが1957年に殺処分の国際条約を作った為に、企業が積極的に投資せず、その為に旧世代に取り残されていると述べています。ワクチン接種と発病の抗体を見分けられるマーカーワクチンの技術は既に存在しています。予防的ワクチン接種を行う国が増えれば、ワクチンの問題は改善されると考えます。
1)ワクチン接種と感染とで、抗体を見分けられない。
2)効果が半年しか持続しない。
3)ワクチン接種後に感染した動物がウイルスを撒き散らすキャリアとなる。

口蹄疫が家畜の恐ろしい伝染病であるのなら、政府は過去の法律にしがみつくのではなく、最新の知見に基づいた科学的かつ合理的なリスク管理の手法について、もっと研究を行うべきです。

6 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 7:54:00

Categories: 医療, 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags: , , , , ,

次世代無線LANは3Gbps

池田信夫氏は、IEEE802.11nの利用が許可されれば、最大600Mbps(実効速度100Mbps)が出ると指摘しています。更に言うと、IEEE802.11 vhtという次世代の規格があり、日本のNICT(情報通信研究機構)では3Gbpsに成功しているそうです。ソフトバンクの孫さんや松本さんは光ファイバを使った100Mbpsという「枯れた技術」に拘っているようですが、1Gから3Gの無線LANが可能になり、無線だから遅いという常識が覆される日が早晩やってくるようです。イノベーションは常に、人の予測を(良い意味で)裏切ってくれるみたいですね。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/31 Monday at 13:45:00

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags:

なぜ中国人はルールを守らないのか

たかじんのそこまで言って委員会の最初の話題の表題ですが、は、「なぜ中国人はルールを守らないのか」という事です。日本人の駐在員の間でも、そのような話題が良く出ます。ところでルールを守らないのは中国人だけでしょうか?実際には、アジア全般で言える事かと感じます。欧米は契約違反を裁判で争うしくみがありますし、信号無視はあたりまえと聞いています。欧米でもルールは必ずしも守られている訳ではないといえます。

では、ルールを守る理由は何でしょうか。恐らくルールを守る目的は、自分にとって利益があるからです。ルールを守る利益が、破った時の利益より上回れば、ルールを守る人は増えます。たとえば車のいない真夜中の交差点で、青信号まで待つのは、世界中で日本人だけだと言われます。

ルールには必ず目的があり、目的を達成する為の道具にすぎません。ゆえに真夜中の車がいない交差点で、交通ルールを守る事に意味はありません。それでもルールを守らせようとする日本人は、ルールを守る事が「目的化」していると言えます。

では、ルールを守る事が目的化する事は良い事でしょうか?私は自分では車の往来に応じて、交差点を渡るかどうか判断し、必ずしも信号を守りません。しかし自分の子供が小学生の間は、杓子定規に「青信号を守れ」と教育しました。車の横断の判断が自分でできるまでは、ルールを厳格に守る事が、子供にとっては正しいと考えます。自分で安全の判断ができるようになれば、自分の責任において、自分の判断で渡ればよい。だから彼が中学になったときに、横断歩道を渡るルールを変更しました。

ルールは守るもの、ルールを守っていれば問題が起きない、そういう考え方ははたして正しいのでしょうか?私は、間違いだと考えます。ルールが生まれた背景にはかならず目的があります。その目的を達成するのが最重要であって、その道具であるルールを「どうするか」は、各自が自分の頭で考えて判断するべきでしょう。

16 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/30 Sunday at 12:36:00

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政治が招いた口蹄疫禍

10年ぶり、2度目の口蹄疫禍が宮崎を襲っています。井上晃宏氏はアゴラで、口蹄疫殺処分は、食肉輸入の非関税障壁を維持することが目的であると述べています。口蹄疫の予防や感染拡大阻止にはワクチン接種が有効です。ワクチン接種すると、口蹄疫清浄国でなくなり、非清浄国である南米からの安価な畜産品が輸入されるので、国内畜産業者を保護する為に、汚染地で口蹄類を大量に殺処分する事が行われているのだそうです。口蹄疫清浄国が畜産業化の意思であり、それを自民党政権と官僚が維持してきたという事でしょう。

ところで井上氏も引用した人獣共通感染症の宮崎で発生した口蹄疫によれば、口蹄疫ウイルスは生物外に排出された後も数週間以上死にません。(ウイルスは生物ではないので死ぬという表現は妥当でないかもしれません)

「口蹄疫の最大の発生地域に日本は囲まれています。そして、口蹄疫ウイルスは物理的処置に非常に抵抗性が強いウ イルスです。藁に付着した口蹄疫ウイルスは夏では4週間、冬では9週間生存すると いわれています。家畜の飼料や 敷き藁として輸入される稲藁や麦藁に付着して入ってくる可能性もあるわけです。台湾や中国との人や物の往来を考えれば、これまで日本に口蹄疫が入ってこなかったのは、むしろ幸運だったのかもしれません。今回と同様のことは これからも起こりうるものと考えるべきです。」

宮崎に口蹄疫が再来し、山内一也東京大学名誉教授が予想した通りになりました。口蹄疫ウイルスの特性、ワクチンの存在、そして日本周辺の状況を考えると、口蹄疫清浄国である事を長期的に維持する事に合理性はありません。過去からの約束を守る必要のない民主党政権は、この機会に是非、ワクチン接種後の殺処分を止めて、口蹄疫防止に踏み切るべきです。

9 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 11:56:00

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電子カルテは道具である(2)

電子カルテの問題には、病院全体の管理システムの問題もいろいろと述べられています。また、Mixiの医療とITコミュには、こんなトピもあります。しかし、病院管理システムの問題は、医療業界の特別な問題に起因しているのでしょうか。

最初からシステム化されていない病院では、受付であれ、医療事務であれ、診療業務であれ、人間の担当者を中心として業務フローや書類がつくられます。その後で、より少ない担当者で、より多くの仕事をこなせるように現場レベルでの改善が行われます。ところが現場担当者の実作業の効率を改善する度に、管理部門や他の部署との情報の整合性は減少傾向が増し、結果として組織間での事務書類の負担はより増大します。そして最後は事務作業が手に負えなくなって、なんとかする為に病院管理システムの導入を検討します。

病院管理システムを含めて業務管理系のほぼあらゆるシステムは、リレーショナルデータベースというデータを管理する道具を利用します。これは大量の情報を管理する為の非常に強力な道具である反面、柔軟性が低くて融通が利きません。予め、必要とされるデータの定義(長さや文字の種類)や情報の因果関係をきちんと決める必要があります。そしてデータベースの構造は、業務フローと密接に関連します。病院管理システムのデータベース設計をする事は、病院の業務フローを設計する事とほぼ同じ意味になるほどです。

システム導入前に構築されていた、人間を中心とした業務フローを、システムにあわせて変更する事ができれば、(導入するパッケージソフトに問題さえなければ)その病院のシステム導入は比較的スムーズに終了するでしょう。しかし、システム導入は現場の担当者の(事務作業以外の)作業効率を改善しませんし、むしろシステム導入前よりもっと多くの担当者を必要とするでしょう。何故なら、これは事務作業を軽減する為のシステムですから、「より少ない担当者でより多くの作業を行う」事が目的ではありません。基本的に、管理系の生産性アップと、現場の生産性アップを、同時に行う事はできないのです。

多くの病院では、どんなに優れたパッケージソフトでも、それに合せて組織や業務フローを変更する事には現場担当者からの非常に大きな抵抗があるので、その方法は選択できません。その結果、管理系ソフトであるのに、現場の作業効率を維持する目的で、「現在の業務フロー」に従ってシステムの改造を始めます。するとどうなるでしょうか?管理系の生産性アップと、現場の生産性アップは、本来は矛盾した課題です。それを同時にやろうとすれば、システムは見るも無残な改造結果となり、プロジェクトが頓挫するか、バグだらけで使えない「出来損ない」が生まれるでしょう。

まさに、二兎を追うもの一兎を得ず、となります。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/26 Wednesday at 17:08:00

Categories: 医療, 1.政治・経済   Tags:

電子カルテは道具である(1)

日本では既に、電子カルテの導入が始まっていますが、電子カルテの問題はなかなか複雑です。電子カルテは導入事例がまだまだ少ないので、IT業界としてノウハウの蓄積が少ない事は間違いありません。また、井上晃宏氏の医療情報電子化は手段であって目的ではないと、医療関係者らしき方々による否定的コメントを読むと、医者=職人の気質的な問題が大きなウェイトを占めている可能性も否定できません。

電子カルテに否定的な医療関係者の多くは、当然の事ながら医療業界の事しか知らないでしょうから、医療とは特別な業界であるとの前提に立ち、そもそも医療情報の電子化なんて無理があり、現場の医者や看護師の生産性を下げるだけである、という固定観念に囚われておられる方が多いようです。しかしシステム屋の私の経験から言うと、あらゆる業界が他業界と比較すると特別であり、普通の業界など一つとしてありません。医療業界も、無数にある「特別な業界」の一つに過ぎません。この点で、システム化について医療を特別視する医療関係者の認識は間違っています。

業界それぞれに特別な問題がある訳ですが、電子カルテの問題で一番大きいのは、医者が診断時に記入するカルテ本体情報を、どう電子化するかです。

単純にカルテを電子化して紙の保管スペースをなくし、受付でカルテを探す時間を省くだけなら、タッチスクリーン画面にペン入力でカルテ本文を記入し、イメージ情報のまま管理すれば良いでしょう。これだけのシステムなら、小規模の院内サーバーを置き、受付はデスクトップパソコンで、お医者さんは(最近流行りの)電子ブック型アンドロイド端末の組み合わせでシステム開発すれば、数ヶ月程度で開発完了でしょう。(受付や医者の端末を直にクラウド接続すると、ネットが切れた時に現場が混乱するので、間接的なクラウド接続が運用的にはベターです)

全国の開業医を対象とすると、電子カルテの需要は非常に大きな反面、小規模開業医は何百万円もIT投資するのは厳しいでしょうから、ハード+システム+導入人件費込みで100-200万円程度に納まる必要があります。その為には、ITゼネコンや医療に特化したソフトハウスではなく、あなたの街の零細ソフトハウスやフリーランスがシステム導入できる必要があります。

これを可能にするには、電子カルテの本体機能をGPLライセンスでオープンソース化して無料で配布できるようにすれば良いでしょう。(最初に誰かが、それを無償で開発する必要がありますが...)フリーランスプログラマが、オープンソースによる電子カルテシステムを収入源にできるようになると、小規模な開発が全国でたくさん発生して、導入事例が一桁か二桁増えるでしょう。導入数が増えると、オープンソースのメリットであるシステム全体の機能や安定性が飛躍的に高まります。そこまで到達すれば、電子カルテはありふれたシステムになり、導入事例は更に増大し続けるでしょう。電子カルテが一般化すると、IT業界にノウハウが蓄積して、電子カルテの本体情報を少しずつ、ペン入力によるイメージから分離して、検索可能なコードやテキストへ置き換える事ができるようになると予測します。

医療業界とは関係ありませんが、ウェブショップ用のソフトは、一頃は数百万円以上の開発費を要したものです。しかし今は、オープンソースの無料ウェブショップソフトがいくつも入手可能になりました。その為に、数十万円程度で、自前のウェブショップを開く事ができるようになっています。

9 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 16:09:00

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通信のグランドデザインは独自技術を廃しオープン化の方向で

小池良次氏はアゴラで、NTT経営問題は、イノベーションの視点で、と主張されました。松本徹三氏はそれに対して、「光の道」はあくまでNTTの構造分離がされた上でなされるべきであると反論されています。

私は松本氏が以前から述べてこられた電柱や鉄塔などを共有化してどのキャリアも利用できるようにするという案は悪くないと考えています。電柱や鉄塔の多くは、NTTが公社時代に立てたものでしょうから、これをNTTが(会計上の簿価の話ではなくて)市場価値という観点での正当な対価を支払わずに民営化された会社の資産に取り込んだ事には違和感を感じています。また、独占的地位を築くに至っている光ファイバについては、民営化時に保持していた圧倒的な市場競争力の結果であると考えれば、鉄塔や電柱と同様と考えられます。

ゆえに、物理的な伝送路(電柱、鉄塔、電話線、光ファイバ)と交換機等を収容した建造物を、国策によりNTTから取り上げてアクセス会社へ所有権を移管し、更に経営分離する事は、物理的な伝送路の上にのっかる個々の通信企業の市場競争をフェアに行わせる為に、一定の合理性があると考えます。あるいは、一旦分離したアクセス会社を、NTTが(莫大な)市場価格で買い戻させ、NTTの財務に大きなハンディキャップを課すという方法も検討の余地があるかもしれません。

ところで、松本氏の下記の思想には大きな懸念を感じております。

>私の最大の関心事は「日本に理想的な(米国をはるかに超える)情報通信サービス環境を創ること」

仰るように、グランドデザインは極め重要です。あとからの調整はいろんな意味で困難を極めるので、実質的に「手遅れ」になる可能性が有る事は理解できます。ゆえに松本氏の「米国をはるかに越える理想的な」という考え方には、再び日本だけのガラパゴス技術となる事を懸念します。

長期的に勝利するのは、常に標準化されたオープンな技術です。過去を見れば、日本人が世界的な標準化組織で政治力や交渉力を行使する「能力」が無いのは明らかです。(それだけでなく、政治家や外交官の交渉能力も無に等しいといえますね)

世界初の先端技術を目指すより、世界で最も安定して費用対効果の高い製品を目指す」のが、日本の通信業界の正しい戦略ではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/24 Monday at 15:43:00

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NHKの埋蔵金はGoogleで掘り出せ

池田信夫氏によれば、NHKには60万本にのぼる番組のアーカイブがあるそうですが、民放連が「民業圧迫だ」として妨害し、総務省が独立採算を求めるなどの規制をしたため、NHKはオンデマンドによるコンテンツ提供は実現されなかったそうです。

現在のオンデマンドは有料放送のようですが、NHKが受信料以外に視聴者から料金を取るのは納得ができません。かといって60万本のアーカイブをメディア変換したりビデオストリーミングの経費は少ない金額ではないと考えられます。

そこで提案ですが、NHKのアーカイブを編集し、メディア変換する費用をGoogleが負担し、出来上がった番組をお互いが共有するというのはどうでしょうか。これはNHKとGoogleと、番組を見るユーザーのすべてにとって大きなメリットがあると思います。

NHKオンデマンドは高解像度を選択可能とし、Youtubeからは低解像度かつ10分程度に細切れされた番組になります。最終的には、NHKオンデマンドをGoogle TVへ統合して、NHKはGoogleから番組著作権料をもらうようにすれば良いでしょう。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/22 Saturday at 11:00:00

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宝くじの天下り団体

今日の夕方のニュースで、宝くじの仕分けが話題に上りました。役人の天下り団体へ、多額の現金が流れているらしいのです。

宝くじの年間売り上げは1兆円(すごい額ですね!)だそうです。その内訳として、当選金が4761億円、自治体へが4178億円、経費が1480億円。このうち、経費から280億円が日本宝くじ協会自治総合センターへ。自治体への金額から80億円が全国市町村振興協会という外郭団体へ。この3つの団体から普及宣伝の名目で、更に100余の公益法人へお金が流れて、宝くじとは関係のないDVDや雑誌がつくられているそうです。まさに官僚OB天下りの温床になっているようです。

仕分け人からは、「なんでこんなに複雑な構造をつくって、重なりながらやっているのか」とか「あいだでいろんな団体がはいって中を抜いていますね、ほんとにこれで良いと思いますか」などの意見がありました。

これら天下り団体の官僚OBの給与が高すぎる(理事長クラスで年収2000万円)事について、宝くじの発行人の立場として出席した(総務省出身の)伊藤鹿児島県知事は、「各省庁の事務次官のOBの取り扱いはだいたいそれくらいを念頭においている」とし、仕分け人に向かって「議員さんもそれくらいもらっているでしょう」と開き直って、「天下りでこの金額が高いというのを宝くじで言うのは言いすぎで、他の団体の事も良く見てもらうとありがたい」と述べていました。

要するに、みんなもらっているのに俺たちだけ突っ込むのはフェアじゃないよ、という事でしょうね。言いたい事はわかりますが、メディアが入っているところで、そういう「本音」を言ってしまうのはどうなのでしょうか。(笑

また伊藤知事は、宝くじが一方的な仕分けの対象になる事について、「地方自治の観点からどうなのか」などと苦言を述べていました。仕分け人は天下りOBへの無駄を削減しようとしている訳です。この削減分を当選金と自治体とで分ければ、自治体の収入も増える訳ですから、伊藤知事は地方自治体側として喜ぶべきでしょう。それを反対するという事は、天下り団体に関係する既得権議員の利益とつながっているから、という深読みをしたくなります。もしそうなら、そういう人が地方自治体の知事であり、なおかつ宝くじ発行人の立場にいる事は、双方の組織の利益に背反する事になるのではないでしょうか。鈴木知事は、なんとも微妙な立場のようです。

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/21 Friday at 20:24:00

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光の道を征する者が通信業界を征する

既存の出版業界で最も成功しているのは、出版社と書店の物流を結ぶ、本の取次ぎ業者です。NTTが依然として強力なのは、データを結ぶ物理的な広域ネットワークを所有しているからです。デジタル情報における物流といえば、バックのインフラとなる「光の道」かと思われます。つまり、光の道を征する者が、この先数十年の通信業界を征すると考える人がいて当然です。

池田信夫氏は、独立したアクセス会社が税金を1円も使わず10%の光ファイバ未達エリアをカバーし、月額1400円で全国各戸へインフラを提供する事は経済的に困難ではないかと述べ、そもそもユニバーサルサービスの必要性に疑問を提起しています。リスクの高そうなアクセス会社ですが、ソフトバンクの孫さんは、総務省の「光の道」構想を強力に支持しているようです。いったい何故でしょうか。

我々は、ソフトバンクが通信業界に参入して以来、NTTによる「不公平な競争」を強いられてきた事を忘れるべきではありません。孫さんは、アクセス会社の社長をやっても良いと述べたそうですが、「やっても良い」ではなく、「ぜひ私がやりたい」が、光の道構想を支持する目的ではないでしょうか。

原口総務大臣は政府側の価値観を持つ人間ですから、通信はユニバーサルサービスだと言われれば納得するしかありません。しかし光ファイバはNTTの経済合理性の問題により全土の10%に未達であり、ユニバーサルになっていません。孫さんはそこをコミットする事で原口総務大臣の心を動かし、全国の光ファイバをNTTからまるごと「釣り上げよう」としているのではないでしょうか。

孫さんはこれまで、リスクの高い投資を繰り返して成長を続け、現在のソフトバンクを築きました。彼が過去に会社を成長させた方法を思い出せば、今回のアクセス会社は、リスクよりリターンが何倍も大きな事業だと考える事は当然かと思います。たとえば、10%に光ファイバを引く費用を捻出する方法は、税金だけではありません。孫さんなら、投資ファンドからお金を引き出す説得力はあるでしょう。光の道を使って、ソフトバンクがNTTを追い越し、世界市場へ進出する成長戦略も、とっくに考えているかもしれません。我々がまだ見えていない、隠し玉もいくつもあるかもしれません。

上記はすべて私の想像です。しかし、もし大筋で正しいとすれば、ソフトバンクは全力でアクセス会社を支援し、日本の通信バックボーンを合法的に独占するアクセス会社が大きな成功を収め、孫さんがNTTを制して、日本の通信業界のドンになる可能性は決して低くないと考えられます。

日本の通信業界を征したあとは、その力をもってグローバル市場へ参入しようとする事を想像するのは容易です。NTTのふがいない内弁慶ぶりを見れば、そういう未来が来るのも決して悪くないかもしれません。

10 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/19 Wednesday at 9:54:00

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ブロードバンドはアプリケーションである

原口総務大臣の「光の道」構想でネットが沸いています。全国で10%ほどの、光ファイバが未達の弩田舎(私の田舎とか)や離島の各家庭へも光ファイバを到達させて達成率100%とし、固定電話の銅線と取り替え、それの運営と保守を行う会社をNTTから分離して、独立したアクセス回線会社にしようという案のようです。(総務省資料はこちら

コンクリートの道にしろ光の道にしろ、道というものは、それが通る先の経済やニーズと密接に関係を持つと考えられます。人口数百人の弩田舎の村から村へ、片側3車線の立派な道路を作ったとして、誰がそれを使うのでしょうか?道路を作ったから、用途はあとから自然に生まれるものでしょうか?池田信夫氏はアゴラで、ブロードバンドは経済問題であると述べていますが、私もまったく同意見です。

私の田舎は松山市から車で1時間ほどの山中にある林業主体の町です。田舎町ゆえ若者の就職先となる地元産業がなく、人口分布は中高校生までの若年者と高齢者に偏っており、地上波テレビは見るが、インターネットの需要はほとんどありません。ADSL加入者すら少ないので、実用十分な速度でネットにつながります。こういうところに光の道(高速インフラ)を引いてきてもお金の無駄です。

光の道が既設されている都市部はどうかというと、ネット需要の高いヘビーユーザーが帯域を要求するアプリケーションのニーズは、Youtubeやニコニコ動画やustreaで画像閲覧がメインであり、600K-1Mbpsの速度が出れば十分です。自宅居間の40インチテレビで地上波番組とレンタルDVDしか見ない人には理解できないかもしれませんが、いつもネットで画像を見る人達にとっては、これで十分なのです。自宅で100M出る事より、出先でどこででも「そこそこに速い」速度でネット接続できる方が、多くのネットユーザーにとって嬉しいでしょう。

通信インフラは土管です。土管を何にするかより、土管の中に何を通すかの方がもっと重要です。これからのネット時代に、誰がどんなアプリケーションを必要としているか、それは誰がつくるのか、それをもっと良く考る必要があります。確かな事は、ネットの中心は家庭の居間からどんどん遠ざかっています。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/5/18 Tuesday at 10:46:00

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