民主党政権時代の獣医師議論

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加計学園の獣医学部新設問題で、今日は安倍首相が閉会中審査に出席され、民進党からの質問に答えました。

あちこちで述べられておりますが、民主党政権時代の2011年2月25日(6年前)の予算委員会第四分科会にて、民主党議員の白井洋一氏が「獣医学部の定員をふやすべきじゃないかという観点から質問」したのに対して、文科省副大臣の鈴木寛氏が「獣医師の確保に懸念がある」と述べております。

以下は国会議事録から、獣医師に関する部分の引用です。ちょっと長いですが、以下の詳細をめげずにご一読下さい。

(引用開始)
○白石分科員 愛媛県の白石洋一です。
 まずは、高木大臣、鈴木副大臣、政務三役、そしてその方々を支える方々の御精励に敬意を表したいと思います。
 本日、私、幾つかあるんですけれども、まず、他省庁にかかわること、獣医学部の件です。獣医学部、この定員をふやすべきじゃないかという観点から御質問したいと思います。
 獣医学部の定員は、これは文科省の告示によって決まっているんですけれども、三十六年前、一九七五年から九百三十人で一定であります。その間どういうことになっているのか。社会状況は大きく変わっております、三十六年たっているわけですから。その中で、大体、獣医学部を卒業して獣医師になられる、三つの分野が大きくあります。一つは小動物、ペットですね、それが一つ。もう一つは産業動物。酪農、畜産、養鶏、こういった事業を営む、そこに雇用される、これが二つ目。そして三つ目は公務員。特に検疫あるいは殺処分、屠殺、この辺は厚労関係になるんですけれども、主として農水さんが所管しているところでございます。
 一九七五年に九百三十人になってから、その直後と言ってもいいでしょう、八二年には二万六千人の獣医師、それが二〇〇八年、三万五千人に一応ふえております。しかし、そのうち、一番最初に申し上げました小動物の獣医師さんは四千人から一万三千人と三倍超に伸びているのに対して、産業動物は五千四百人から四千五百人に減少、公務員獣医師は一万人から九千百人に減少ということになっております。
 そもそも獣医師さんの役割は大きくて、家畜の健康を守ることのほかにも、獣医師さんじゃないとできないこと、ウイルスの病理検査とか殺処分の注射、ワクチン注射、そして食肉加工場での衛生検査、こういった措置は獣医師でなければならないということであります。
 最近、とみに出てきたのは、BSEであるとか口蹄疫、そして鳥インフルエンザ対策、この重要性が非常に大きくなってきております。さらに、これから食肉を、おいしい肉を輸出しようということになると、検疫の役割というのが大きくなるわけでありますね。ですから、いずれにせよ、産業動物医師そして公務員獣医師というのは、もっと充実させていかなければならないというところだと思います。
 それに対して、今どういう状況になっているのか。獣医師さんを必要としているところ、まずは公務員獣医師、都道府県でございますが、先月発表の毎日新聞の調査によりますと、都道府県で定数枠や必要枠を設定している三十四道府県のうち、二十一道県が定員割れをしているということであります。三分の二ですね。都道府県の獣医師の確保に困難を訴える自治体というのが二十二道県あって、約半分です。そして、獣医師業務、必要とされる獣医師のニーズがふえたとする自治体が九割を超えているということでございます。
 そして、これまでの経緯なんですけれども、文科省さんが獣医師学部の定数を所管しているんですけれども、一方、やはり農林水産省そして厚労省、特に農林水産省の意見を聞きながらそれは定数を決めていくよというスタンスかと思います。
 それで、農水省さんが、その枠組みについて基本方針を平成二十二年八月に出しておりまして、これによりますと、産業動物医師は将来大幅に減少する、そして公務員医師についても確保が困難になる懸念が示されている、こうはっきり書かれているわけであります。
 しかし、それの対策というのは、これはいわゆるやりくりすると。つまり、小動物のところに行く人たちを産業動物、公務員分野で誘引を図ると。どのようにというと、それは、就職情報の一元化とか、あるいは休職・離職中の獣医師の再就職を支援する措置を拡充する、こういったところでとどまっております。しかし、私の問題意識というのは、それで本当に大丈夫ですかということであります。もうそういうやりくり、あるいは公務員分野の誘引、職業あっせんだとか、あるいは給与、待遇を充実させるというところ、もちろんこれも大切なんですけれども、限界が来ているんじゃないかなということでございます。
 このことについては、私、地元愛媛・今治で、毎年、年二回、構造特区で申請しているということをきっかけにこの事実を知ったんですけれども、やはり、そのことはおいておいても、これは全国的な問題ではないかなというふうに思います。
 愛媛県知事も陳情に上がっております。鈴木副大臣にもお願いを申し上げました。その後、文科省さんの対応、好意的に受け取ってくださったという印象なんですけれども、どうなっているのか、ちょっとフォローアップの質問をさせていただきたいと思います。
○鈴木(寛)副大臣 御指摘をいただきましたように、昨今、口蹄疫や鳥インフルエンザの問題がございまして、産業動物獣医師や公務員獣医師の役割は重要になっておりますし、その確保について懸念があるというのは私どもも承知をいたしております。
 現在、協力者会議を設置して議論を重ねているところでございます。十回会議をいたしまして、まず、その偏在を修正するということの観点から、モデル・コア・カリキュラムの策定や、教育内容、方法の改善や分野別の第三者評価の導入、それから共同教育課程の導入、大学間連携を図ることによって教育研究体制の充実を行おうといった点については、議論が進んできております。
 加えまして、昨年の六月にまとめました新成長戦略の中で、ライフイノベーションへの対応など、今後の獣医学教育のあり方について検討を新成長戦略によってすべし、こういうことになっているところでございまして、そのことに沿って、今まさに検討を行っている、こういうことでございます。
 こうした検討の途上の中にありましても、口蹄疫の問題や鳥インフルエンザの問題が昨今頻発をいたしております。こうした事態も踏まえて、まずは協力者会議での御検討ということでございますけれども、それを注視しつつ、きょうの御議論も踏まえて対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○白石分科員 ありがとうございます。
 従来どおりの対応というふうに私はとらえました。つまり、偏在をなくす、やりくりする、そして、教育の中で公務員、産業動物、この辺に重心を置いていく、もっと重きを置くということだと思うんですけれども、やはり文科省さんとして動きづらい部分がある。つまり、実際にそれらの人が働いているところの所管が農水さん、厚労省ということもあると思います。農水さんの方は、これは伝え聞くところによりますと、今、農水省の獣医事審議会計画部会というのが立ち上がって、そして二〇二〇年度を目標年度とする新たな方針の策定を進めているということでございます。
 そこで、医師も不足して、その実態調査のために、医師のヒアリングだけじゃなくて、医師を必要としているところに調査をしました。それは、必要医師数実態調査というのを都道府県にやって、それの積み上げを出した。それと同じようなことを、私、獣医師についてもやるべきじゃないかなというふうに思うんですね。
 これは厚労省さんも関係ありますけれども、やはり一番多くかかわりがあるのは農水省さんだと思います。その農水省さんでそういう審議会がある、それで文科省さんにもデータを出さないといけない。そのデータの重要な柱として、やりくりじゃなくて現場の悲鳴。もう相当、新聞記事、雑誌で獣医師が足らないという声が伝えられております。
 ところが、私、何度も農水省さんにヒアリングさせてもらいましたけれども、いやいや、改善している、そうでもないというようなところで、非常に国民の意識、現場の意識と農水省さんの認識とギャップを感じるものですから、これはぜひ、我々民主党政権、国民の声を聞くということでありますから、必要獣医師数実態調査を都道府県、これは畜産とかだけにかかわらず、公衆衛生、動物園、こういった所管外のところも含めて、加えて、酪畜事業者の供給側ではなく需要側、このあたりに行うべきだと思うんですけれども、農水省さんの御意見、お願いします。
○筒井副大臣 昨年八月、獣医療の提供体制の整備を図るための基本方針というのを策定して公表しておりますが、それは御存じかと思います。その基本方針に基づいて各都道府県計画をつくるということで、その過程に今入っているところですが、都道府県において都道府県計画をつくる際に、今先生が言われましたような実態調査を、それぞれこういうことでやれということを指導しておりまして、実態調査をやった上での都道府県の基本計画を上げてもらって、それを全体として農水省でまとめていく、これを今は図っているところでございます。
 そして、農水省自身も、今先生が言われました実態調査に関しては、一つはアンケート調査、これもホームページで公表しておりますが、やっております。それから、共済関係の獣医師あるいは開業の獣医師、それらのことについて、直接面会をして状況を聞く、こういう調査もやっておりまして、これもホームページで紹介をしております。
 これらを調査することが必要なことはまさに先生がおっしゃるとおりですし、さらには、この前の口蹄疫の問題やら現在もあります鳥インフルの中で、産業動物獣医師の不足が痛感をしたところでございます。各県ごとにばらつきが非常に大きいですし、ああいうふうに、例えばこの前の口蹄疫のように、一定の地域に集中している場合には、全国の獣医師さんを動員して何とか賄うことができたわけでございますが、鳥インフルはもっと範囲が広がっているのと、あるいは全国的な範囲に広がっていくと、もうそういう動員を、全国の獣医師を動員するということもなかなか難しくなってくる、こういう状況であることは確かでございますので、獣医師の体制整備、これが本当に緊急の課題だというふうには認識しております。
 先ほど先生が言われたような農水省の答え、どこでそういうふうにされたかわかりませんが、そのために全力を挙げていかなければいけないというふうな認識はございまして、現在行っております家畜伝染予防法の改正、ここでも、各都道府県における獣医師の整備充実、これを法律の中で規定する、こういう方向で今作成中でございます。
○白石分科員 ありがとうございます。
 その実態調査の中で、ぜひ需要側、獣医師さんの話を聞くのも大事です。待遇がどうか、教育はちゃんとされているか、そういうことも大事ですけれども、やはり必要とされている側の声を聞いていただきたいなということであります。
 そしてもう一つ、二つ目は、その結論を、見えたところから、ぜひ文科省さんに、足らないから定数をふやしてほしい、こういう声をちゃんと伝えていただきたいということですね。整備も大事です。質と量、質も上げることも大事です。一方、質だけでは限界が来ているという私の認識です。その場合は量の引き上げ、これをぜひお願いしたいと思っております。
 獣医師については以上でございます。ありがとうございます。
(引用終わり)

獣医師問題を持ち出したのが愛媛県出身の議員だというのは偶然ではないのでしょう。

それだけ、愛媛県としては獣医師の不足が問題だったのでしょう。

さて、上記の議論を読むと、デジャブを見てるみたいで目眩がしませんか?

6年前にもいまと同じ議論がされていたんですね。

前回は獣医学部の新設ではなくて、既存学部の定員増の話のようですが、産業動物の獣医師が足りないというのは当時からの認識です。

現在、民進党から政権への議論の中には、「獣医師自体は足りている」というものがありますが、どの口が言っているのか、民進党の議員は自分の顔を鏡に映して確認されるべきではないかと。

くわえて、獣医学部を増やそうにも、そもそも教員が確保できないという指摘をされていますが、これは為にする議論のように感じます。

教員がなぜ少ないかと言えば、1つの大学の教員ポストは限られているのに、長らく獣医学部が新設されなかったからです。

どの学部でも同じですが、将来に他所で学部が新設される(教授が他所へ引っ張られてポストが空くかもしれない)事が予見できれば、学部生や院生は将来のポストを目指して、大学に残って教員の道へ進む人も増えるでしょう。

憲法違反とも言える文科省の獣医学部申請の門前払いが撤廃されれば、時間を要するでしょうが、獣医学部の教員候補が増える事は間違いないと思われます。


Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2017/07/25 at 00:08

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真のリベラルなメディアへの道を考えてみた

先の記事にはBLOGOS上で多数の支持を頂き、たいへん驚きました。

ネット上の多くの方が、既存メディアの欺瞞に不満を持っているからでしょうか。

また、BLOGOS上で多くのコメントを頂き、メディアについてより深く考える機会を頂きました。

メディアの評論とバイアス(偏向)はセットになっているようです。

かんがえてみれば、それは仕方ないですね。

また、朝日・毎日はリベラルと言えるかもしれませんが、左への偏向の仕方に欺瞞を感じます。

そこで、メディアの報道とバイアス(偏向)について考えてみました。

まず、事実報道だけを行うという事であれば、報道の「バイアス」は小さくなります。

この場合にメディアが行使できるバイアスは、伝え方による印象操作、あえて報道しない、という2つです。

評論も行うという事であれば、判断の為に立ち位置が必要になり、そこでバイアスがかかります。

立ち位置には、いくつものバリエーションと対立軸があるようです。

右(自由主義)か左(社会主義)か。

保守かリベラルか。

更に、特定の理念、宗教、思想があるか。

対案も行うという事であれば、目指す方向が必要になり、更に大きなバイアスがかかります。

成長か分配か。

経済か福祉か。

だれ(個人・企業・地域・国民・グローバル)の利益を優先するか。

メディアが評論や対案を行うのなら、バイアス無しの報道は不可能です。

こうして見ると、日本のメディアの問題の本質がわかるような気がします。

日本のメディアは建前として「公正中立な報道」を行う事になっています。

新聞社は新聞倫理綱領による自主規制、テレビとラジオは放送法によって規制されています。

大辞林によると、公正とは、偏りなく平等であること、とあります。

同じく大辞林によると、中立とは、ある特定の立場・意見にかたよらず、中正の位置にあること、とあります。

新聞もテレビ報道も、公正中立である為には、固有の立場や意見を持てない事になります。

つまり、建前と報道内容におおきな矛盾があるのです。

前回、私が感じた既存リベラル・メディアへの不満は、この辺りから来ていたようです。

この矛盾はある意味、現在の憲法9条と自衛隊の関係に似ているでしょうか。

安倍政権は憲法9条の題3項に自衛隊を明記して、この矛盾を解消しようとしているようですが、

日本のメディアも正々堂々と自分の立場に偏向した報道を行う為に、「公正中立」の看板を外す時かもしれません。

新聞は新聞倫理綱領から「公正」の削除、テレビとラジオは放送法第四条の「政治的公平」と「意見の対立」を削除。

そして、どのメディアも自分の立ち位置を明確に示すべきでしょう。

うちは右の保守です、うちは左のリベラルです、うちはノンポリの現実主義です、とか。

立ち位置を読者へオフィシャルに宣言した上で、存分に、事実に基づく偏向報道をすれば良いのかと。

それが、「真」のリベラルなメディアへの第一歩かもしれません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2017/06/22 at 17:00

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越境ECのビジネスプラン構築

6月22日のNEWSポストセブンで、大前研一氏が越境ECについて言及しておられました。
来月にこの話題でセミナーを行うので、ビジネスプランから見た越境ECについて、簡単にまとめておきます。

越境ECとは、国境を跨いだEC(電子商取引)ビジネスの事です。
ECとは、平たく言うとウェブショップによる売買の事です。

まず、ECの形態についておおざっぱに下記5つの形態に分類します。
1A:ユニクロのウェブショップのような専有形態のBtoC。
2A:楽天のように企業テナントのみを相手にしたモール業者形態のBtoBtoC。
2B:アマゾンやタオバオのように企業も個人も同様に参加できるモール業者形態のたB/CtoBtoC。
2C:ヤフオクやメルカリのように個人間取引に絞ったモール業者形態のCtoBtoC。
3A:中国WeChatのように個人間メッセンジャーがモール業者となる形態のCtoBtoC。

大きく分けて、下記の4つについて決断する必要があります。
優先順位により決断事項を列挙します。
どんな商材を売るかは、往々にして最初に決まっている事なので、下記には含めません。

1:法人をどこに置くか。
2:決済をどうするか。
3:商材調達からバイヤーまでの物流をどうするか。
4:ECサイトのサーバーを何処へ置くか。

1)法人を置く場所について。
まずビジネスの根幹について。
儲けた利益をどの通貨でどこに溜めたい(使いたい)かで、法人の設立国を決めます。
国により税制(法人税)・外為規制(送金)が厳しかったり緩かったりするので、注意が必要です。
法人の設立と年間維持の費用も、国によって異なりますので注意が必要です。

2)決済について。
ECの決済は電子決済です。
越境ECでは、効率的な代金回収は大きな課題です。
販売代金を支払うのはバイヤーの側の国で、入金は法人設置した国です。
売りたい市場(国や地域)の個人に普及している電子決済業者である必要があります。
かつ、法人設置国の銀行間ローカル送金で入金可能な電子決済業者を選びます。
該当する業者が無い場合は、法人設置国を見直す必要があります。

3)商材調達からバイヤーまでの物流について。
越境ECの主要な課題は、物流の時間とコストです。
物流コストが大きいと、利益が減るが、販売価格が高くなり、相手国のローカルEC業者との競争で負けます。
物流コストの内訳は倉庫代、国際運賃、通関コスト、相手国運賃です。
主要な物流業者は、国際クーリエ業者、郵便局、個別の物流業者となります。
商材調達の国が絞れる場合は、その国に物流倉庫を置いて集荷する事で、国際運賃と通関費用を削減できます。
商材調達が分散するCtoBtoCの場合は、運賃と通関で郵便局が優位です。

4)ECサイトのサーバーについて。
バイヤーの利便性(レスポンス速度)から、ECサイトは相手国か、そこからアクセスの良い国が優位です。
ブランド力が強く、広告予算を捻出できる企業は、顧客情報を専有できる独自サーバーのサイトが優位です。
ECサイトの独自設置には規制を高くしている国があるので注意が必要です。

以上は、越境ECのビジネスプランを作る上で重要な課題および優先順位でした。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 13:58

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真にリベラルなメディアが欲しい

大辞林によると、保守とは、古くからの習慣・制度・考え方などを尊重し,急激な改革に反対すること、とあります。

そういう思想的傾向の事です。

一方、保守に対して、リベラルがあります。

大辞林によると、リベラルとは、自由を重んじるさま。伝統や習慣にとらわれないさま、とあります。

これも、そういう思想的傾向の事です。

保守が伝統や習慣に「囚われる」のに対して、「伝統・慣習」から自由であろうとするのがリベラルです。

ただし、伝統から自由である事と、伝統だからと否定する事は違う話しです。

伝統や慣習の中には、客観的に見て、合理的なものもある筈です。

リベラルとは、伝統・慣習という理由で思考停止せずに、是々非々で合理的に考えましょう、という事だと思います。

もう一つ、右と左という思想的傾向について考えてみます。

調べてみましたが、右・左をきちんと定義するのは難しいみたいです。

日本で言うと自民党は右、共産党や社民党は左、という事になります。

民進党は、個々の議員はいろいろですが、政党としては真ん中よりすこし左みたいです。

で、世の中では、自民党は右であり保守、共産党・社民党は左でありリベラル、という事になっているようです。

自民党が保守というのはまあ良いとしましょう。

しかし、共産党・社民党はリベラルなんでしょうか。

リベラルは伝統・慣習からの自由という事になっております。

ゆえに、共産党や社民党がリベラルだというのは矛盾しています。

たとえ歴史は短くとも、共産主義・社会主義という思想に強く囚われているからです。

つまり、左であるという事と、リベラルであるという事は、イコールではないという事です。

さてここで、やっとメディアの話しに入ります。

日本のメディアは、「リベラル」という看板を掲げながら、その実はただの「左」であるものが多いようです。

たとえば、朝日新聞、毎日新聞。

「安倍政権だから」という理由で批判しているように見えます。

第二期の安倍政権は、左右に囚われない現実的な政策を行っているようで、新卒就職率などかなり改善されてますが、

安倍首相の個人的な信条が「すごく右」だろうという事で、左のメディアは目の敵にしています。

テレビの報道番組も、左が多い。

まあ、日本では、ジャーナリストを名乗る方の多くが左だから、という事なんでしょう。

あとの残りは「右」に寄っているようです。

読売新聞、産経新聞の他に、ネット・メディアに右が多いようです。

桜チャネル、ニュース女子、虎ノ門ニュースなどでしょうか。

ラジオ番組には、惜しいと思われる番組があります。

ニッポン放送のザ・ボイスと、TBSラジオのSession22です。

ザ・ボイスは全体的には右寄りですが、日替わりコメンテーターの中には、リベラルな方おります。

Session22は、わりとリベラルですが、荻原チキ氏の左バイアスが強くでた回は、残念な感じがします。

つまり、右でも左でもない、純粋にリベラルなメディアが見当たらないんです。

政治や国際情勢の問題に右のバイアスをかけると、勇ましいプロパガンダみたいになり、何も産みません。

経済や生活の問題に、左のバイアスをかけると、怒りや悲しみばかりを刺激して、気分が悪くなります。

私としては、とてもフラストレーションを感じています。

真にリベラルなメディアが、日本のどこかで産まれないものでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2017/06/20 at 16:56

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モサック・フォンセカとCIAの関係

パナマ文書については資産隠しや方法や、それをおこなってた人の名前ばかりが注目されており、その背景などの情報があまり目立っていないようです。そこで、既出の情報からいくつか拾って紹介します。(情報元の先の出所確認は行っておりません。下記の内容はあくまで、引用したサイトの情報が正しければという事でお願いします)

1)モサック・フォンセカとはどんな会社
創業者はユルゲン・モサック(ドイツ人)とラモン・フォンセカ・モーラ(パナマ人)。1986年2人はそれぞれの法律事務所を合併してモサック・フォンセカとなります。奇しくも今年は合併30年目になります。ところでパナマ文書のリーク先が南ドイツ新聞であった事を考えると、「ドイツ繋がり」は偶然ではないような気がします。(参考文献C・D)

2)モサック・フォンセカの営業活動範囲
同社はオフショア取引(その国以外の場所で行った取引)に関わる企業として世界で5本の指にはいる従業員500名の大手企業で、バハマ、キプロス、香港、スイス、ブラジルなど、44ヵ国にオフィスを構え、米国にもワイオミング、フロリダ、ネバダに支社があるそうです。(参考文献A)

3)モサック・フォンセカが利用したタックス・ヘイブン
パナマの他に、英国領バージン諸島、パナマ、バハマ、セイシェル、南太平洋上にある人口1300人弱の島国ニウエがあるようです。特にニウエは、同社が支援して1994年にタックス・ヘイブンの設立を支援する特別法が施行され、以後20年間は独占的に会社設立業務を行ってきたそうです。当然の事ながら、今回のパナマ文書には、それらの活動内容も含まれていると考えるべきでしょう。(参考文献A)

4)モサック・フォンセカとCIAの関係
CIAがモサック・フォンセカを利用していた事が報道されていますが、CIAとどのような繋がりがあったのでしょうか。創業者の一人であるユルゲン・モサックの父は、第二次大戦時のドイツで武装親衛隊の兵長をしており、戦後にCIAからスパイのオファーをされて家族でパナマへ移住し、キューバにおける共産主義者の動向をスパイしていたようです。成人したユルゲン・モサックが父の後を継いでCIAの協力者になっていた可能性は、現時点では否定できないと思われます。(参考文献C・D)

5)なぜタックス・ヘイブンを利用するか
一般にタックス・ヘイブンと呼ばれる国や地域は、オフショア取引(その国や地域の外での取引)の売上や利益に対して課税しないという税制をとっています。それだけだと、取引した国(ふつうは売手国)の現地で課税されます。しかし、課税後のお金(配当金や所得など)は、その国の外為規制の範囲でタックス・ヘイブンへ送金し、そこで金融商品を買ったり(譲渡時の利益に課税されない)、家族のために信託したりする(受け取ったお金に課税されない)事ができます。ところでパナマといえば日本の船会社も多くの船をパナマ船籍にしている事は有名です。いまは企業や個人がタックス・ヘイブン利用で話題になっていますが、日本の船会社は「税金が安い」という事で昔からこういった制度を利用してきました。個人や企業が節税で叩かれるなら、船会社も同様ではないかとおもうのですが、どうなのでしょうか。(参考資料B・E・F)

ところでリーク経路ですが、文書の量(2.6Tバイト)から見て、ネット経由ではなく、サーバーを新しいものと交換した時に出てきた、古いサーバーのHDDが物理的に流出したのではないかと、個人的に推測しています。パナマ市中のネットがどれだけ高速なのかはわかりませんが、オフィスの人間に不審を抱かれずにこれだけのトラフィックを発生させるのはかなりのリスク(発見され逆探知され身バレするリスク)があると思います。モサック・フォンセカでは、「不正なネットアクセス」があったと訴えたそうですが、流出経路がはっきりしない状況でのすので、あくまで自己防衛が目的だと思います。
参考資料

A)パナマ文書の主役「モサック・フォンセカ社」について
B)JETRO 外国企業の会社設立手続き・必要書類
C)モサック・フォンセカ
D)Jürgen Mossack
E)Pasesa Inc パナマで会社設立
F)便宜置籍船

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2016/05/02 at 14:22

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Padcastラジオ番組批評

最近はIT技術の進歩と普及で、日本のラジオ番組が放送したその日のうちに、海外でもPodcastで聴く事ができるようになりました。嬉しい限りです。私の関心は政治・経済・国際情勢・科学技術などですが、朝晩の通勤時間や出張時のバスの中で、先に述べたPodcastを良く聴いています。そこで今日は、良く聴く番組や、これまで聴いた番組について、簡単な批評をしたいと思います。といっても、政治・経済・国際情勢などを主題とした番組は少ないので、取り上げる番組はざっくりと3つです。

1)日本放送 ザ・ボイス そこまで言うか / 辛坊治郎のザ・ズーム そこまで言うか

ザ・ボイス(複数のコメンテーター)とザ・ズーム(辛坊治郎)は兄弟番組という認識なので、一緒のグループにしました。ザ・ボイスのコメンテーターは長谷川幸洋、宮崎哲弥、上念司、藤井厳喜、青山繁晴など。これに土曜日放送の辛坊治郎のザ・ズームと合わせて、どちらかというと保守的な論客で構成されております。番組アンカーの飯田浩司アナウンサーも、番組を聞いている感じでは、真ん中よりやや右側の保守的な考えの方と思います。番組スタッフが選んだ日々の時事ネタについて、日替わりのコメンテーターが意見を述べるという番組構成です。コメンテーターの面子を見れば明白ですが、わりと保守的な意見となっており、関西で放送されている「そこまで言って委員会NP」のラジオ版という感じがしないでもありません。(アンカー役の飯田浩司アナウンサーがわりとサラリーマン的な方なので、それほど過激な脚色にはなっていません)番組で話される意見の質ですが、個々のコメンテーターのバイアスがかなりかかっていますが、評論としてはそれなりに興味深いと感じています。

2)荻原チキ・Session-22

評論家の荻原チキが中心となっており、時事ネタの他に幅広い分野の専門家や当事者を番組に呼んで、意見を聞いたり話してもらうという番組構成となっています。荻原チキは、私の感じでは真ん中より左側でリベラルだと思います。基本的には番組が呼んだ専門家のゲストをリスペクトしており、荻原チキは番組の引っ張り役や意見のまとめ役に徹している事が多いようです。番組に出演する専門家(多くはどこかの大学の☓☓教授である事が多い)は、1つの番組で複数人いる事が多いのですが、基本的には専門家どうしが遠慮するのか、はたまた似た意見の方で固めるのか、ゲスト同士が番組中で激論を戦わすというような場面は(残念ながら)ほとんどありません。しかし与党の政治家がゲストの時には、荻原チキ自身が空気を読まずに「聞かれたくない事」をあえて押し聴く事もあります。先に述べたように、時事ネタの番組ゲストはほとんどが専門家なので、他番組にありがちな評論家による「意見」と異なり、それなりに専門的な意見が聴けるのは非常に評価できます。ちょっと残念なのは、格差ネタ・差別ネタ関係では荻原チキ自身に強いバイアスがあり、呼ばれる専門家もリベラルまたは左側の方が多いという事が「玉に瑕」と感じています。

3)荒川強啓デイ・キャッチ!
数週間ほど聴きいた後に、聴く価値無しという事でPodcastの番組リストから削除しました。荒川強啓も真ん中左側のリベラルかと思いますが、ゲストに専門家が来るでもなく、ザ・ボイスのコメンテーターのような「自分の意見」を述べるでもなく、物足りない感ばかりが印象に残りました。

そういう訳で、いまは右派・保守的な番組としてザ・ボイス/ザ・ズームと、左派・リベラルな番組としてSession-22の2つを主に聴いております。

 

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2016/05/01 at 19:51

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タックスヘイブンは不公平か?

「パナマ文書」の暴露以後、メディアもネット(ネットもメディアの一部ではある)もこぞってタックスヘイブン利用者を叩きに回っている感があります。この時期にこういう事を話すのは「politically incorrect」なのは承知の上ですが、どうも叩いている理由に合理性が感じられないので、一言二言述べます。

まずタックスヘイブンの定義から入ります。広い意味では法人税が非常に低い(あるいはゼロ)の国や地域を指します。もっとピンポイントには、秘密主義的で非合法的な租税回避やマネーロンダリングの温床となっている国や地域であろうと考えます。私の印象では、バミューダ、パナマ、ヴァージン、ケイマンなどがそうではないかと。これらの特徴は、人口が少なく産業基盤が無いので、純粋に外資獲得の道具として、外国人や外国企業に対して相手国では非合法となるような租税回避や、真っ黒いマネーロンダリングの支援を、国を挙げて(見て見ぬふりをして)行ってるという事が言えるのではないかと思います。

私がIT事業を行っている香港は法人税も所得税も16-17%前後の税率で、一応はタックスヘイブンと認識されております。しかし香港はれっきとした産業や金融の基盤があり、日本との租税条約があり、規制強化の結果として外国人が香港で銀行口座を開くのは年々難しくなっており、上記で述べたピンポイントなタックスヘイブンとは少し違うのであろうと考えております。

さて、本題に入ります。

まず法人税を下げて外国企業を呼びこむ事は「悪」だろうか、と一つ目の問題提起させて頂きます。同じような製品を製造販売している数社が、市場で価格競争をしている場合を考えます。人件費や経費が小さく生産性の高いA社が、高給社員を多数抱えて生産性の低いB社より「とても低い」価格で製品を販売したとしても、それはどちらが良い悪いという事ではなく、ただの市場競争の結果といえます。

国家は国民へ社会福祉サービスを提供するために一定の税金が必要です。どれだけの税金があれば十分かは国のおかれた状況により異なります。日本のように大きな社会福祉サービスを提供するには、おおきな税収が必要です。香港のように狭い地域に多数の企業が集中して、効率の良い事業を行っている地域では、17%ほどの税率でも「余る」ほどの税金収入があります。香港では、国民保険制度はありませんが、政府系の病院が「無料」に近い医療サービスを住民や旅行者へ提供しています。徴税というのはその国の中におけるドメスティックな権利であり、これを国境を超えて他国へ押し付ける行為は、はたして合理的と言えるでしょうか。

もう1点、不公平について考えます。

タックスヘイブンは「金持ち」だけが使える「不公平」なものか、というのが二つ目の問題提起です。「ケイマン タックスヘイブン 会社設立費用」でググッてみてください。私がサクっとしらべただけでも、安いところで会社設立がUSD1600、年間維持費がUSD500。正直、誰でもタックスヘイブンに会社作れる程度の金額です。でも、多くの庶民(私も含む)にとって、わざわざこの金額を払ってタックスヘイブンに会社を作る意味はありません。なぜ無意味なのでしょうか。

金持ちがタックスヘイブンを利用する目的の1つに、高額な相続税の回避があるかと思われます。たとえばもし、評価額3000万円の中古のマンションをあなたが一人息子に相続させたいとしましょう。この案件にタックスヘイブンは使えるでしょうか?

答えはNOです。

使えないのではなく、必要ないのです。多くの人の遺産相続額は控除額の範囲内でしょうから、相続税が発生しません。その場合、タックスヘイブン会社設立は、十分に可能だが何のメリットも無いという事です。

参考文献

1)タックスヘイブン
2)国税庁 相続税の計算
3)タックスヘイブンで法人設立を調査

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2016/04/29 at 16:21

Categories: 釣りネタ, 1.政治・経済   Tags:

生産技術の海外移転は容易ではない

今朝の産経新聞によれば、シャープが鴻海の傘下に入る事について、ジャパンディスプレイの本間会長は、「シャープの生産技術が海外へ流れれば脅威になる」と述べたようです。鴻海の競争相手だった官民ファンドの産業革新機構は、シャープとジャパンディスプレイを統合させる計画があったようなので、本間会長の負け惜しみとも取れますが、この発言が本気であったとするならば、日本の生産技術についてかなり誤解しているのではないかと思われます。

シャープ・鴻海の“決裂”を期待、未練隠せぬ革新機構…“成立”なら日本勢に脅威

日本の製造技術を支えているのは、一にも二にも、日本的に優秀で定着率の高い現場の作業者達です。海外の製造現場では、現場作業者の流動性が高いところが多くて、教育する端から転職して行きます。たとえば中国の華南地区の多くの工場では、1年で半分近くの工員が入れ替わると言われています。工員の流動性の高い工場では、教育を定着させるのは容易ではありません。

また、日本の生産技術は「日本の文化に根ざした」ものが多く、一般的なノウハウとして切り出す事が難しいのです。一般化しやすいものの中で、3S(整理・整頓・清潔)や5Sなどがあります。これらの活動は、既に多くの海外の製造業が導入しているようですが、形を真似るだけでは、その目的とする効果を得る事ができず形骸化しています。

上記のような問題があって、海外の日系工場の多くでは、現場の指導をする日本人技術者を常駐させなければ品質や技術を維持できないところが多いようです。もしも鴻海のような大規模EMSがシャープの製造技術を導入したいのであれば、シャープの現場技術者を大量に鴻海へ移籍(出向?)させて、現場に貼り付けるしか方法は無いでしょう。

もしそのような状況になると、鴻海の現場が日本人技術者に依存する事になり、生産技術を改善させる一方で、組織が混乱して弱体化する(中国の企業文化は強いトップダウン志向であるのに、日本の企業文化はボトムアップがベースとなっており、折り合いが悪くなる)可能性があるのかな、と推測します。

異なる企業文化を持つ2つの企業が、お互いの長所を活かして合併するというのは、過去の例でもなかなか難しいようです。鴻海がシャープをどのように活かすのか、悶え苦しむのか、今から楽しみです。

【参考文献】

1)歴史の中の5S

2)生産管理講座 – トヨタ生産方式

 

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2016/02/22 at 11:40

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

祝「慰安婦問題合意」しかし。。。

たぶん誰も信じていなかった年内合意が成されました。まずは安倍首相と岸田外務大臣そして官邸と外務省の方々の努力、そしてこの結果に対して素直に祝福したいと思います。安倍首相と朴大統領は、日韓国交回復後の政権の中で、もっとも仲が悪いと思われていましたし、韓国政府がゴールポストを動かし続けてきましたので、安倍政権において「最終的・不可逆的な解決」が成されたというのは本当に驚きでした。

このように目出度い「合意」の直後ではありますが、既に多くの方がブログで指摘しておられるように、韓国内からは既に大きな不協和音が鳴り響いているようです。特に「いわゆる慰安婦問題」を韓国内で主導している挺対協がこの解決を拒否すると言っているようです。せっかく成った日韓合意が、朴政権の間だけで終わらない事を真に願っています。

ところで岸田外務大臣が共同記者発表の席で述べた「当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」について、後から「誤解」にならないように、一点だけ突っ込んでおきたいと思います。

挺対協など韓国側では「韓国女性を日本軍が組織的かつ強制的に拉致した」事についての責任と補償を日本政府へ求めていると理解しています。その一方で、安倍首相と官邸の意図する「当時の軍の関与」とは、軍による慰安婦施設の設置要求、施設の管理、戦地への慰安婦の移送など管理面での関与に限定したものであろうと推測します。(日本政府が民間組織による人身売買など違法な慰安婦募集を黙認したらしい証拠文献は見つかっているようだが、日本軍が組織的かつ強制的に女性を拉致した証拠は未だに見つかっていないので、認めようにも認められない)

このすれ違いは、韓国側が条件としている「約束の履行」である元慰安婦たちの名誉と尊厳の回復を、日本側から「ぶち壊し」てしまう可能性が大きいと思われます。強制的に拉致された(と信じられている)女性を(日本側の理解に従って)売春婦と呼べば、「元慰安婦の尊厳は再び傷つけられた」という事になるのではないでしょうか。

このような懸念がある一方で、過去の「合意」にはない、合意が永続的に効果を及ぼす事を多いに期待させる点があります。今回の合意を第三者である米政府(日韓関係にもっとも影響を及ぼす国の政府)の「歓迎声明」がセットになっているという点です。これまでの合意は日韓の二国間での関係のみであったのに対し、今回は米国政府が合意に「裏書」する事で、成り行きとして米日韓の国際的な合意事項のようなものに成ってしまいます。

繰り返しになりますが、今回の「合意」が最終的・不可逆的な解決になる事を心より祈っております。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2015/12/28 at 23:30

Categories: 釣りネタ, 1.政治・経済   Tags:

日本はシリア難民を受け入れるべきか

以下はあくまで個人の思いつきです。結論から先に書くと、日本は国連およびシリアの周辺国に対して難民支援の経済的な援助はするべきだが、シリア難民を直接受けいるべきではないと思います。日本だけでなく、欧米各国についても同意見です。その理由を以下に述べます。

1)宗教と文化の問題
ある国の宗教と国民の宗教への態度は、その国の文化や生活習慣と深く関連しています。欧米諸国の主要な宗教はキリスト教であり、日本は神道と仏教です。シリアは90%がイスラム教徒(70%がスンニ派、20%がシーア派)で10%がキリスト教徒です。(*1)日本や欧米諸国に数万・数十万単位の難民が来て、自分たちの社会を形成した場合に、その国の既存の文化を壊してしまう可能性があります。また、食べ物や生活習慣も大きく異なります。イスラム圏ではハラール(*2)という規則に基づく食品を食べる事に強く執着する人が多くいます。インドネシアではハラール表示として販売していた味の素の原材料の一部を米国から輸入しました。米国で材料を製造する過程で豚の酵素が使われていたのですが、その事が判明して暴動が起こりました。(*3)非イスラム文化の日本人が、ハラールを厳密に守る食品や調味料をつくる事はなかなか難しいのです。

2)治安の問題
ドイツでは既に、難民の収容施設や受入れ家庭が、難民受入れに反対する暴徒に襲われる状況が発生しています。大量の難民受入れは、広範囲な文化摩擦を生みますし、収容施設の中での争いも起こるでしょう。その結果、社会全体の治安が悪化して、受け入れ国の国力低下という事態も考えられます。

3)イスラム圏の難民はイスラム圏へ
先に述べましたが、イスラム教は単に精神的な拠り所という訳ではなく、生活習慣と一体の宗教です。かれらの文化を受け入れやすい場所、自分の民族(アラブ)や宗派(スンニ派、シーア派など)に近い人達が多い場所で暮らす事が望ましいのではないでしょうか。その点で、シリアの周辺国(ヨルダン、トルコ、イラク、イラン、サウジアラビア、エジプトなど)が難民を受け入れる事が望ましいと考えます。

4)経済的支援
周辺国に設置された難民キャンプでの生活(衣食住や教育)の改善、その国への定住(移民)の促進、難民キャンプから欧米諸国への「出稼ぎ者」を減らす為に、国連加盟国は周辺国へ経済的な支援を行うべきだと考えます。また、日本や欧米などの先進諸国は、そのような周辺国に対して、難民や定住者を含む、地域の雇用を促進するために、当該地域へ工場を進出させるなどのかたちで支援を行う事も有効と考えます。

ロシアがシリアの反政府軍とISへの空爆を開始しました。シリアで反政府組織が一掃され混乱を収め、政府軍が領内のISを壊滅させて、1日も早く難民が自分の家へ帰還できる事を祈っています。

資料:
*1:シリアの宗教
*2:ハラール
*3:インドネシアでの暴動

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2015/10/09 at 15:00

Categories: 釣りネタ, 1.政治・経済   Tags:

「人間は生まれながらに平等」は絶対の真理だろうか

これは思考実験です。かなりの期間、記事がご無沙汰になっています。日本国の憲法は、「すべての人は生まれながらに平等である」という考え方にもとづいています。欧米先進諸国も同様です。この考え方は欧州で生まれ、北米を経由して日本へ渡りました。いまでは先進諸国の多くの国民が、「すべての人は平等である」という考えを絶対的な真理として受け入れているように見えます。もし日本や欧米先進国の社会で、「人は平等ではない」と大声で発言すれば、馬鹿か気違いが変人とおもわれ、袋叩きに会うか無視される事でしょう。しかし、本当にこれは絶対的な真理なのでしょうか。実は、近代に生まれた国民国家を安定させる為の「発明」だったのではないのか、という事について考えてみます。

もしこの考え方が普遍の真理であるのなら、人間の社会は何千年も昔に、王様も奴隷もいない国家が多数生まれて、現在に至っていたでしょう。しかし歴史を紐解くと、近代の国民国家(共和制と立憲君主制を含む)が出現するまで、王も奴隷もいない平等な国や地域はときどき現れますが、全体的には極めて例外的な存在だったようです。現代においてすら、米国がせっせと中東やアフリカの独裁国家を謀略や戦争で潰して民主主義体制(*1)を植え付けようとしましたが、まともに成功した例があるのでしょうか。皮肉な事に、米国が支援していたパーレビ(パフラヴィー)王朝が革命で倒れた後のイランは、外形的には、選挙で大統領をえらぶ共和制になってしまったようですが。(*1民主主義国家とは、人間平等を固定パラメタとする国民国家の形態のひとつと定義しました)

さて、ここからいよいよ思考実験の本体に入ります。

君臨する王様(特別な身分の人間あるいは神の代理で国によりいくつかの呼び名がある)も貴族(王に準じた身分で王の身分を守る)も奴隷(人間だが人間としての権限の一部を奪われた身分)も、歴史を紐解けば、人間が一定の文明を獲得して集団社会を築くようになって以来、いない国や時代を探す方が難しいでしょう。つまり、人間の歴史をみればむしろ、「人は親の身分により不平等に生まれてくる」という考え方の方が普遍的だったと言えます。では何故、近代になって「平等」の考え方が生まれたのでしょうか。

私は、「神のもとにすべての人は平等である」と説くキリスト教が普及した欧州で、国民が主権者たる国民国家の正当性を維持するために、「人は生まれながらに平等でなければならない」という思想を再発明したのではないかと推測します。(思想自体はもっと昔からありました)

日本や北欧やローマには、多くの神々がいましたが、すべての神が平等だという事ではありませんでした。民族の思想の元となる宗教上の神が平等でなければ、どうして人間社会に平等という考え方が広まるでしょうか。その点でキリスト教(イスラム教も同様ですが)の原点は、神のもとではすべての人間が平等という事になっていますので、その人間社会の中に身分をつくらないという考え方は筋が通っています。(シーア派のイランの宗教指導者も、コーランには「統べる王は出てこない」と言ってサウジを批判しているようですね)

キリスト教が人間社会の身分制度を廃する下地がある事を述べましたが、その実現までには時間を要しました。その理由は、1つにはキリスト教が欧州へ広がるに際して、王様が国家を統べる道具としてキリスト教を利用した事が理由ではないでしょうか。ところが、近代になって欧米先進国で立憲君主制あるいは共和制へ変わる為に、王様を廃する事を正当化する理論的裏付けが必要になったのでしょう。

以上のような理由から、欧米先進国が考える民主主義国家(法の元にすべての人は平等を憲法で保障する国)は、キリスト教が普及した国では受け入れやすく、他の宗教や思想の影響下にある国では、似て非なる民主主義になるか、独裁国家に戻ってしまうのではないかと思われます。

蛇足ですが、中国・日本・韓国・台湾は儒教文化圏と言われています。日本と韓国と台湾は民主主義ですが、細部を良く見ると欧米の民主主義とは微妙に異なっていると感じられます。例えてみれば、同じ野球でも大リーグと、日本のプロ野球、韓国のプロ野球、台湾のプロ野球がすべて微妙に違うといえば良いでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2015/08/05 at 22:56

Categories: 釣りネタ, 5.閑話休題   Tags:

沖縄の米軍基地を考えなおす理由

今日はちょっと頭の体操をしてみましょう。

10月30日に沖縄県知事選がおこわなれ、普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する翁長雄志氏が10万票の大差をつけて前県知事の仲井眞弘多氏を破りました。今回の選挙で明白になったのは、辺野古移転はノー、沖縄に米軍基地は不要、という沖縄県民の「民意」です。

安全保障は国の領分だとしても、民主主義国家である日本では「民意」を疎かにできません。たとえば、衆参両院で過半数を取っている安倍政権ですら、法律上なんの根拠も無く停止している全国の原発を、「民意」の壁に阻まれて未だ再稼働できずにいます。日本において「民意」という壁は、かくも大きな力を有しているように感じられます。

2014年沖縄県知事選挙

日本国内の米軍専用施設の74%が沖縄県にあり、沖縄本土の18%を占めているそうです。また、沖縄本土の中央にある米軍基地が南北を分断しており、交通の利便性を阻害しているとの話しもあります。米軍基地はある意味で原発と似ているところがあります。施設のある自治体が経済的に大きく依存している反面で、その周辺にありながら直接に経済的メリットを享受できない多数の人々からは嫌われています。

在日米軍

沖縄の米軍基地問題では、歴代の政権が頭を悩ませてきました。ただ頭を抱えていただけでなく、「米軍さんに沖縄に居て頂く」ために、かなりの金額の税金も投入してきました。米軍への思いやり予算として1858億円、基地周辺対策費が1739億円、米軍再編関係費が1161億円、米軍施設の土地の賃貸料が1658億円、基地交付金が394億円。沖縄に関する特別行動委員会の関係費が101億円。合わせて6911億円。(2011年度)膨大な金額を支払っています。これだけの税金と政治的エネルギーをつぎ込む米軍基地の目的とはいったい何でしょうか。ざっくり言うと、北朝鮮・中国・ロシアに対する為という事になっていますが、海兵隊が沖縄に居る主な理由は朝鮮半島(北朝鮮)と台湾(中国)のようです。このうち台湾については、近年において両政府間がおおきく接近して政治的な緊張は緩和していますし、いまや「持てる国」になった中国は、近隣諸国と戦争するには失うものが多すぎるという意見もあります。その一方で、北朝鮮の戦争リスクは下がっていません。要するに、米軍の海兵隊が沖縄にいなければいけない理由の大半は、いまや、北朝鮮という事になります。

在日米軍及び海兵隊の意義・役割について(平成22年防衛省)

ところで、北朝鮮が軍事的に冒険を冒す最大の目的といえば、武力による南北統一かと思われます。つまり、北朝鮮が暴発して被害を被る最大国は韓国ではないでしょうか。安部首相が国民やメディアや野党か大きな非難を浴びながら、なかば強行するかたちで閣議決定した集団的安全保障が想定しているのも朝鮮半島有事だと思われます。(尖閣諸島などで中国との紛争を想定した場合、海自艦は近くにいる米軍の軍艦を個別的自衛権の範囲内で守れるという意見があります。)にも関わらず、とうの韓国では日本が集団的安全保障を発動して、間接的に朝鮮半島有事に介入する事をすら、政府も国民も嫌っているようです。

有事に韓米連合作戦区域での集団的自衛権認めず=韓国(朝鮮日報)

米軍を沖縄へ駐留させるために、日本国政府は毎年5000億以上の税金を投入し、多大な政治的エネルギーを投入し、沖縄県民も基地問題に耐えているにも関わらず、米軍海兵隊が沖縄に駐留する主要な目的である韓国の防衛においては、単に韓国政府と国民が、日本の介入を「迷惑」と思ってるだけでなく、在韓米軍の削減をも進めてきました。韓国民が「民意」として駐留米軍を削減しているにもかかわらず、日本が沖縄の米軍海兵隊の維持にやっきになっている理由は何でしょうか。沖縄の米軍基地の大半を日本の本土・グアム・オーストラリアへ移したとしても、日本の米軍基地がゼロにならない限り、中国・ロシアへの牽制としては機能するのではないでしょうか。

在韓米軍

以上の事を合わせて考えた時、いったい日本と沖縄県民は、多大な税金とエネルギーを投入してまで、日本の関与を嫌がっている韓国のために、沖縄の海兵隊を置く必要があるのでしょうか。その点について、政府も国民も今一度良く考えてみる時期が来ているのではないでしょうか。

 

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/11/29 at 10:52

Categories: 韓国, 1.政治・経済   Tags:

雨傘革命へ至る道

オキュパイセントラルという団体が香港の政府ビル周辺を占拠し、80発の催涙弾がデモ隊に向け発射され、多数の学生を含む数十万人の香港人が参加するに至り、ついに「雨傘革命」なる名前まで付いてしまったこの騒動の本質はどこにあるのでしょうか。

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いろんなメディア関係者が香港を訪れているようですが、はっきり言って、現場を取材するだけでは、いま起きている騒動の本質を知る事は困難です。デモ隊の現場はいくつかの団体とその周辺を埋め尽くす烏合の衆的な賛同者という構成になっており、どこにも中心がありません。

いま起きている事をどう理解したら良いか頭を抱えていたところ、非常によい資料をネット上で見つけました。香港の日本人社会向けに発行している「香港ポスト」というフリーペーパーで、数ヶ月前からの解説記事を見つけましたので、時系列的にならべ、(どの記事も専門的でけっこう長文なので)私なりに要約してみます。各記事の内容はかなり専門的ですが、本騒動を追いかけておられるメディア関係者の方にはぜひ各記事の精読をお勧めします。

1)セントラル占拠の主導権を急進派が穏健派から奪う
(香港ポストの記事はこちらから)

2017年の行政長官普通選挙に関して、香港で社会的地位のある学者達が学術的な議論を重ね、平和的な抗議活動として「佔領中環」(オキュパイセントラル)が慎重に計画されました。この運動は、不法行為でありながら、極めてオープンかつ計画的に準備されている点が特徴です。主催者はまず各方面から普通選挙の実施案を募り、その中から国際的な基準に照らして民主的な普通選挙案と認められる3案を、運動の賛同者による投票で選出します。続いて、ここで選ばれた3案を市民の投票にかけ、最多の票を得た案を「佔領中環」運動としての普通選挙案として確定します。この案が政府に無視された場合、座り込みを発動するとされています。

穏健民主派からは「公民提名(市民による候補者の指名)」を含んでいないものもありましたが、3案として残ったものはいづれも、公民指名を含んだ急進的な案でした。結果として、オキュパイセントラルが目指す目標は、公民指名を含む直接選挙という事になってしまいました。

2)実現不能なスローガンを叫ぶ
(香港ポストの記事はこちらから)

香港には穏健派と急進派(本土派)の2つの民主派グループがあります。穏健派は北京政府と妥協を探ろうとしています。対して急進派は共産党打倒を叫び、穏健派を「偽民主派」と呼んでいます。

「香港を優先せよ」という急進派の主張は単純明快で、表面的にはより「民主派」らしく見えます。しかし、驚くべきことに、急進派の行動は逆に中国共産党を助けているという分析もあります。「香港人の六四集会」の参加者数は主催者側発表7000人、警察発表で3060人でした。現場は大盛り上がりでしたが、彼らが党員数9000万人の中国共産党を倒すことなど到底できません。実現不可能なスローガンを叫ぶだけの急進派は北京にとって実害が少ない一方、本来政府との対抗上団結を必要とする民主派は、分裂の危機に大いに悩まされています。このため一部からは、急進派は「北京の意を受けて中央政府を助けている」とさえ疑われているのです。

どのような中央政府との関係がより香港の利益になるのかという点において、香港の世論の多数派は極めて慎重です。スローガンを叫ぶことは憂さ晴らしにはなりますが、実利をもたらすことができなければ、市民の支持を集めることは難しいと言えそうです。

3)「袋住先」とりあえずもらっておけ
(香港ポストの記事はこちらから)

香港基本法第45条は、行政長官選挙の方法について「最終的には普通選挙で選出するという目標に到る」と規定しています。このため、これまでの議論では、2017年の普通選挙の実現は目標の達成を意味し、その時点で採用される選挙方法は香港の政治体制の最終形となると考えられてきました。2010年1月に民主党が中心になって成立した民主派の組織が「終極普選連盟」と名付けられていたことも、そのような発想の表れと言えます。

これに対し、親政府派は最近、2017年に行政長官普通選挙が実現した場合も、それが最終的な香港の政治体制として固定化されるとは限らないとの立場を示しています。7月20日、中央政府の対香港政策担当の最高指導者である張徳江・中央港澳工作協調小組長は深セン市で香港の親政府派の代表者たちを前に、「世界的に民主の発展にはいずれも過程があり、一歩一歩進めねばならない」と発言しました。在席していた范徐麗泰・全国人民代表大会常務委員は、張徳江氏が2017年の行政長官普通選挙を最終形とは考えず、2017年以降も一歩一歩改革を進めるとの意思を示したと解釈しました。「2017年は最終形ではない」ことを前提に、親政府派は民主派に対し、まずは不完全であっても妥協して政府が提案する普通選挙を「袋住先」し、その後にさらに理想的な民主主義に向けた改善を求めるよう、呼びかけを始めたのです。

4)衰退の時代到来?
(香港ポストの記事はこちらから)

「オキュパイ・セントラル」運動を主導している戴耀廷氏が、8月31日を指して香港の一国二制度と民主化運動の「最黒暗的一天」(最も暗い一日)と表現しました。同日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は、2017年の行政長官選挙についての決定を行いました。

戴耀廷氏は、すべての対話の道は閉ざされたとして、香港は正式に「抵抗の時代」に入ったと宣言しました。9月には様々な民間団体と協力して抗議活動の波状攻撃をかけ、最終的には「オキュパイ・セントラル」を断行するとしています。民主派が30年賭けてきた希望が潰えた今、確かに香港政治に新しい局面が到来する可能性は高いでしょう。

それでは、戴耀廷氏の言う「抵抗の時代」はどのような時代になるでしょうか。一つの可能性は「持久戦の時代」です。民主派に言わせれば、出馬もできない普通選挙よりも、少なくとも出馬はできる現行の制限選挙のほうがましという論理になります。5年後、10年後と、北京は民主派を排除する案を出し続け、民主派は否決を続けるという持久戦が当面続くと想定されますが、民主派は普通選挙の早期実現を望む世論に抗し続けられるのか、多様な民主派内部の団結を維持できるのか、そもそも選挙に勝ち続け、否決に必要な立法会の3分の1の議席を維持し続けられるのか、試練は相当厳しく、持久戦では中央政府に分があります。持久戦で北京が払う代価は少なく、ダメージも小さいからです。

最悪の場合、香港は「衰退の時代」に入るかもしれません。政争が香港の国際競争力を低下させるかもしれませんし、過激行動が「我慢の限界」を越えた時には、中央政府は自由の抑圧や、果ては実力行使、一国二制度の停止まで視野に入れます。こうなると、衰退を超えて香港の死を意味します。

(以上で記事の要約は終了)

上記で使用した4つの記事と、オキュパイセントラルへ至るまでの、香港ポストの関連記事を参考文献として改めて以下に列挙します。香港デモの根本原因に興味のある方はご参照ください。

1)セントラル占拠の主導権
2)「偽民主派」(ニセ民主派)
3)普通占拠は棚上げか
4)1国2制度白書の衝撃
5)民主派の一部を妥協させ可決へ
6)普通占拠の枠組み
7)香港政治の新しい局面

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/10/09 at 19:27

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

猛烈な台風19号(2014-10-08 900hPa)

10月の3連休を台風19号が襲う模様です。

スクリーンショット 2014-10-08 21.28.33

猛烈な台風 第19号

1)10月 8日21時現在

フイリピンノヒガシ
北緯18.4゜東経131.0゜ 西北西 10 km/h
中心気圧 900 hPa
最大風速 60 m/s
最大瞬間風速 85 m/s
暴風半径(25m/s以上) 200 km
強風半径(15m/s以上) 北側 500 km 南側 330 km

スクリーンショット 2014-10-08 21.25.27
2)10月 9日15時現在

フイリピンノヒガシ
北緯19.7゜東経129.9゜ 北 9 km/h
中心気圧 910 hPa
最大風速 55 m/s
最大瞬間風速 80 m/s
暴風半径(25m/s以上) 200 km
強風半径(15m/s以上) 北側 500 km 南側 330 km

スクリーンショット 2014-10-09 15.07.46

これだけ日本に近い台風が900hPaというのは、なかなか凄いものがあるかと思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/10/08 at 22:36

Categories: 台風   Tags:

雨傘革命の中心点でデモクラシーを叫ぶ

今日は土曜で学生もサラリーマンも集まるかと思い、セントラルの雨傘革命の中心点へ行ってみる事にしました。セントラル駅を下りて金鐘方向へ進むと、金鐘駅の真上あたりの道路の真ん中を塞いで、かなりの人数が集まり集会演説の真っ最中でした。大勢の人をかき分けて、演説している真下まで行って来ました。

IMG_20141004_224301

 

周りには報道関係やカメラマンばかりでした。

この周辺の様子はこんな感じです。

IMG_20141004_223411

 

民主派議員でしょうか?年輩の演説者がデモクラシー、デモクラシー、デモクラシーと叫び、みんなも一緒に叫びました。

 

いまはみんなで歌を歌っています。

IMG_20141004_225621

 

時計が11時をまわり、集会はどうやらお開きになったようです。

IMG_20141004_230635_2

その辺を一回りして、私も家に帰ります。

追記。

演説台下にいた女性に、今日の集会について聞きました。今日の集会は、4つのグループが主催しました。2つは学生グループ。オキュパイセントラルとそれに近いグループだそうです。今日の集会も、中心になるリーダーというのはいないとの事でした。

追記2:

たくさんの写真をFBの方へアップしました。興味のある方は(こちら)をクリックしてください。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/10/05 at 00:08

Categories: 1.政治・経済   Tags:

雨傘革命の現場へ行ってみたー銅鑼湾編

中環には学生たちが居ました。少し話しただけで彼らの事が好きになりましたが、この先どのように政府と戦うのかという戦略を持ちあわせておらず、「私たちは最後までここで戦います」と述べるだけでした。ちょっと暗い気持ちになりながら、最後の訪問場所である銅鑼湾へ向かいました。銅鑼湾は旺角に引けをとらない、香港島いちばんの繁華街です。中環が政治と金融の街ならば、さしずめ銅鑼湾はショッピングの街でしょうか。銅鑼湾のデモ隊の拠点は、ちょうどそごうビルの真ん前の大通りにありました。

 

 

 

CWB1

CWB2

CWB3

そごう前の通りに座り込んでいた若い女性二人連れに声をかけました。英語の文字がいっぱい書かれたノートを持っていたので、きっと大学生だろうと思ったからです。ところが話をしてびっくり。彼女たちは高校生でした。このすぐ近くの高校が、この騒ぎで休校になった為、路上でのデモに加わったとの事でした。

次に声をかけた数人の若者のグループは大学生でしたが、テントの中から救急セットをかき集めて、医療ブースへ運んでいる最中でした。医療ブースの中で、リーダー格の女性から少し話しを聞く事ができました。要約すると、だいたいこんな感じです。

「私たちにリーダーは居ません。最初はいたようですが、いまは大勢が集まったので、誰がリーダーという事にはなっていません。政府ビルの前の広場は、以前は私たちが抗議をしたりデモをする事ができましたが、新しい行政長官になってから閉鎖されました。私たちは最初はもっと少ない人数で、その広場を取り戻すためにデモをしました。ところが警察に逮捕され、48時間勾留されました。でもそれだけです。すぐにまた外に出る事ができて、デモを続けました。今度はもっと大勢の人達がネットを見て集まってきました。政府ビルの前の広場を取り戻すまで頑張ります。」

今朝から医療担当者がみんないなくなってしまったとかで、忙しそうにしているので、私はその短いインタビューを終えてその場所を離れました。大通りを湾仔方面へ数十メートル歩いていると、反対車線の側で大勢の人が集まっているのを見つけました。

CWB4

CWB5

CWB6

バリケードを背にして、中年の目つきの鋭い人達が列を組んで人垣をつくっています。その手前に10人くらいの警察官の向き合う感じで向かい合い、対峙していました。さきほどの学生たちのいた場所とは違い、ピリピリした雰囲気があります。警察官と激しく口論している中年の人も何人か居ました。そのうちに、1人と2人くらいの中年の男性が、警察官に両側を挟まれてしょっぴかれかけていました。公務執行妨害でしょうか。なんだか、89年に天安門事件が起きた時に、香港の旺角で起きた旺角油麻地騒乱を思い出しました。あの時は、この数十倍の数のチンピラ風の若者達と、10数人の警察官が対峙していましたが。

旺角・中環・銅鑼湾の3箇所のデモ拠点をまわってみましたが、どこもそれぞれ他とは違う特徴がありましたが、やはり出発点である中環の学生たちに一番好感が持てました。

以上で、今日の現場訪問を終わります。

他にも沢山の写真を撮りましたので、銅鑼湾編の写真をご覧になりたい方は(ここ)をクリックして下さい。

 

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/10/04 at 16:42

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雨傘革命の現場へ行ってみたー中環編

旺角には、学生がほとんど見当たらず、目つきの鋭い中年のおやじ達の集団が占拠していました。さて、中環ではどうでしょうか。以下に報告します。

2)中環(セントラル)

ここは政府ビルや金融街で有名な街です。その名の通り、香港の中心と言えます。そして、オキュパイセントラルや学生たちがデモと占拠を始めたのがこの場所です。旺角のデモ拠点を見た後、香港人ビジネスマンとデモについて話す為に尖沙咀で昼食を取り、午後2時半頃に地下鉄でセントラルに来ました。駅が閉鎖されているかと思ったのですが、特にそういう気配は無く、大勢の人が普通にこの駅で下車していました。駅の外へ出ると、先ほど瞬間的に大雨が降ったようで、コンクリートの地面はかなり水浸しの状態です。デモの学生たちはどこにいるのだろうかと少し探したところ、昔のスターフェリー乗り場近く、ザ・香港クラブのあるビルの側面に、デモ隊の拠点がありました。

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先ほどの大雨のせいで、最初は人気が非常に少なかったのですが、現場をうろうろしている間に人が集まりだして、雨の後の整理を始めました。ここにいる人の多くは、学生と思しき若者達です。上の写真にある物資站で荷物整理していた数人の男女に話しを聞いた内容を、Q&A形式でまとめてみました。Qは私で、Aは学生です。

Q:ネットでブログを書いている者ですが、このデモに興味があって来ました。よかったら少し話しを聞かせて頂けますか。

A:はい、いいですよ。

Q:あなた達の組織について興味があるのですが、リーダーやコアになるメンバーというのは居るのでしょうか。

A:最初は居たのですが、いまはリーダーというような人は居ません。ネットで見て応援に来てくれた人が集まって、みんなで政府に抗議しています。

Q:私はここへ来る前に、旺角に行きました。この後は銅鑼湾へ行こうと思っています。これらの離れた場所にある人達は、相互に連絡を取り合っているのでしょうか。

A:いいえ、違います。私たちはこの通りにいます。この通り中では、仲間との通信にウォーキートーキーを使っています。

Q:あなた達は政府と戦うというか交渉しているのですよね。具体的にどのような戦略があるのでしょうか。

A:そういうものは特にありません。

Q:それでは、もし交渉がうまく行かなかった場合の撤退戦略(どうやって終了させるか)というのはあるのでしょうか。

A:それもありません。政府が我々に向けて催涙弾を打ちました。その時点で、私たちが考えるポイント・オブ・ノーリターンを越えました。私たちは最後まで戦います。

聡明そうな男性と女声の学生が、だいたいこんな感じで答えてくれました。彼らはとても良い雰囲気の学生達でした。ちょっとの間話していただけですが、なんだか彼らの事が好きになりました。しかし、海千山千の古強者である北京政府が背後で操る香港政府との戦いであるにも関わらず、この学生たちには優れたリーダーも居なければ戦略も無いようです。交渉の妥協を探る事もできないし、撤退戦略もありません。

なんだか、話していて悲しい気持ちになってきました。いまからでは遅すぎるかもしれませんが、彼らの良き参謀になり、交渉の妥協点を探る手助けをする人は居ないのでしょうか。

くれぐれも、警察の催涙弾には気をつけるように伝えて、この場を後にしました。

他にも沢山の写真を撮りましたので、中環編の写真をご覧になりたい方は(ここ)をクリックして下さい。

(銅鑼湾編へ続く)

 

 

 

 

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 10:58

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雨傘革命の現場へ行ってみたー旺角編

香港の学生デモに「雨傘革命」という名前がついたようです。そこでこのデモについてですが、私も含めて、ネット上ではいろんな人がいろんな意見を述べていますが、実際の現場はどうなっているのでしょうか。家から現場まで近い事もありますし、昼間はそんなに危険ではないようなので、今日の昼前から夕方にかけて、デモ隊の拠点がある「旺角」「中環」「銅鑼湾」へ行って、様子を見てきました。中環と銅鑼湾では、学生にインタビューもしてみましたので、以下に報告します。

 

1)旺角(モンコック)

ここは九龍半島の真ん中辺にある香港有数の繁華街で、電気街や女人街などが有名です。私はMTR(昔はKCR)の旺角東駅を下車し、アーガイルストリートからネーザンロードへ向かいました。時間は午前11時半頃です。今日は国慶節のような特別の日ではなく、しかも昼間なので、道路は閉鎖されていましたが、いつものように買物客で混雑していました。ちょうどアーガイルストリートとネーザンロードの交差点の所に、デモ隊の拠点と思しき大きなテントがあり、その周辺に大勢の人が集まっていました。

MKG2

現場での学生や若者を探しましたが、どこにも見当たりません。上の写真を見れば一目瞭然ですが、その場所を埋めているのは目つき悪い中年のおじさん・おばさん達で、だみ声を発しながら早口の広東語でなにかスローガンのようなものを叫んでいました。その人達を見下ろすように、地下鉄入口の屋根の上から、報道陣やカメラマンが見下ろしていました。とても私ごとき素人がインタビューする雰囲気ではなく、すごすごと退散しました。

MKG3

 

 

ネーザンロードを油麻地方面へ歩いていると、路上に乗り捨てられた数台のバスが貼紙だらけになっていました。旺角のデモ隊がかなり「無秩序」かつ「無計画」であったかが伺える光景です。

MKG4

他にも沢山の写真を撮りましたので、ご覧になりたい方は(ここ)をクリックして下さい。

(中環編へ続く)

 

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/10/03 at 20:57

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「香港を助けて!」ってどういう意味?

前の記事に続き、香港の民主化運動について書きます。ハフィントン・ポストの記事で、デモを行っている学生(と思われる女性)の一人が、youtubeで「香港を助けて!」という画像をアップしました。

「香港を助けて!」デモ参加者の女性、YouTubeで訴える【動画】 <The Huffington Post>

私は香港特別行政区の民主化が進む事に反対するものではありませんが、この記事で女性がが述べている意見には、ちょっと違和感を感じました。以下に、記事中から意見の和訳した部分を引用します。

「私たちは、この動画を見ている皆さんと同じく、何の罪もありません。私たちはただ香港行政府の人たちに抗議しようとしているだけなんです。私たちは、これまで世界で一番安全だった街で繰り広げられる惨劇を見たくなんかありません。シリアやウクライナ、そして中国で起きているような惨劇はごめんです」

これの何処に違和感を覚えるかというと、

1)ただ香港行政府の人たちに抗議しようとしているだけ
セントラル、コーズウェイベイ、旺角など中心的な市街地を大量のデモ隊が占拠して機能麻痺させる事を「ただ抗議しようとしているだけ」というのはどうかと思います。

2)これまで世界で一番安全だった街
香港という街(擬似都市国家)は英国の植民地として誕生し、植民地政府の総統が統治していました。中国へ返還後は、行政長官を任命していたのは、事実上は北京政府でした。香港は昔から、経済第一、政治は二の次。多くの香港人がレッセフェール(政治が経済に首を突っ込むな)を信奉し実践する事で、「世界で一番安全な街」として発展してきました。そういう歴史をきちんと認識しているのでしょうか。

2)シリアやウクライナ、そして中国で起きているような惨劇はごめん
シリアやウクライナ、そして中国で起きているような惨劇というのは、そもそも、彼女達がいま行っているような「過激な民主化運動」が引き金となっている事を、きちんと認識しているのでしょうか。

学生たちは、台湾学生による立法府占拠の影響を受けているのかもしれませんが、台湾と香港は、政治的な環境がまったく異なります。台湾は北京政府からかなりの政治的な距離があります。香港人の自由を反保している「一国二制度」は、北京政府によって生み出され、維持されています。これ以上の運動の過激化は、「金の卵がもっと欲しくて鶏を殺す」ような状況になってしまうのではと危惧しています。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/09/30 at 15:39

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香港の民主化運動は誰の為?

香港では今、2017年の行政長官(香港特別自治行政区のトップ)を選ぶ選挙の方法を巡り、北京政府が出した条件に反発して、若者を主体とする大規模なデモが「あちこち」で発生して大騒ぎとなっています。大規模な民主化デモは、これまでも定期的に行われてきましたが、特定の時間帯に定められた径路を大勢で歩く、行儀の良いものがほとんどでした。なので、今回の騒ぎは例外的なイベントとなっています。私は香港に85年から住んでいますが、記憶にある限り、89年の6月に起きた、北京の天安門事件に呼応して発生した大規模デモに迫る「勢い」が感じられます。

今回の民主化デモの経緯をご存知ない方は、下記の記事を参照下さい。要点がよくまとまっていると思います。

香港民主化デモ、知っておきたい5つのこと <The Wall Street Journal>

昨日聞いた話しですが、知人が日曜の夜にセントラルで飲んでいました。夜の10時頃に帰ろうとしたところ、セントラル地区の地下鉄入口がデモの為に閉鎖されており、地下鉄に乗れません。1駅先の金鐘駅まで歩いて、やっとタクシーを拾って、旺角へ行きました。その時点で、既に12時を回っており、地下鉄は営業を終えています。しかし香港は、夜中まで繁華街で飲んで帰る人の為に、深夜ミニバスというのが在り、そのバス駅へ行こうとした訳です。ところが、旺角の手前でタクシーを降りてネーザン道を歩いていると、どんどん人が増えて行き、旺角の中心部はやはりデモの人で大混乱。深夜ミニバスもやってません。仕方なく、もう1つ先の太子駅まで歩き、そこでようやくタクシーを拾って、夜中の2時頃に帰宅でしました。「めちゃくちゃ大変だった」と笑いながら話してくれました。

また、昨日の昼前は、HSBCという香港の最大手銀行の(弊社に近い支店)へ行く用事がありました。綺麗なオフィスビルの12階にある、コーポレートアカウント専用のオフィスです。そのドアを入ったとたん、いつもと違う「雰囲気」を感じました。受付前の壁にある大型液晶TVで、商品宣伝のビデオではなく、旺角のデモのニュースを流していました。その前にHSBCのスタッフが6人くらい集まって、深刻そうな表情でニュースを凝視していたのです。TVの画面には旺角のHSBCのビル前に集まっている群衆が映されており、旺角エリアは閉鎖されてしまい、HSBCの旺角支店も営業できずクローズしたとの事でした。

先に、89年の大規模デモに迫る「勢い」があると書きましたが、違う点もあります。

89年の天安門事件の時には、若者だけでなく、大企業から零細企業まで、中年のヲヤヂ経営者達が社員を先導して、デモや集会に参加したり、新聞に抗議広告を出したりしていました。当時は20代だった私は、うちの社長の友人である中国人経営者達が、ミーティングの後で、「これから社員を連れてデモに行くんだ」と言うの聞いて、大きなショックを受けた事を覚えています。それまで私は、香港人のビジネスマンは政治には関心が薄いと聞いていたからです。

その中年ヲヤヂの経営者達からは、今回のデモでは共感を得ていないようです。私と同年代(中年)の友人で、レッセフェールを信奉する香港ビジネスマンにSNSで聞いてみたところ、今回のデモ騒動には「興奮」しているものの、それではデモに参加するのかというと、彼も、そのビジネス・フレンド達も「NO」でした。「あれはKIDS達のものだ」という認識のようです。その辺をうまくまとめた下記の記事も一緒に参照下さい。

香港、抗議行動で露呈した世代間格差 <The Wall Street Journal>

記事では経済的な視点から述べており、私も同感です。40歳から上の香港人では、月曜から金曜まで広東省(深センや東莞など)の工場で働き、週末に香港の自宅へ戻る生活を続けている人が多くいます。こういう人達は、中国あっての香港経済であり、政治は二の次だという事を肌で知っています。

一方で、香港の30歳前後までの若者はどうかというと、理屈の上での国籍は「中華人民共和国」ですが、アイデンティティーは「香港人」という人が多いと思います。多くの若い香港人は、香港と深センの間に横たわる擬似国境から向こう側(大陸側)へ行きたがりません。「怖い」と感じている人が(弊社の香港人社員を含めて)たいへん多いのです。

香港の中で、世代間のギャップについて述べましたが、それでは大陸側の中国人は、今回の騒動をどのように見ているのでしょうか。

ほぼ全ての大陸側中国人は、「香港は昔から中国の一部である」という価値観を持っています。香港独自の「民主化運動」は、香港を中国から分離させる運動と捉えて、心理的に反発するようです。また、香港人が大陸側中国人を「見下す」発言がしばしばあり、それに対して大きな反発心を抱く人が多い状況があります。更に、「お上」意識が強く、直接選挙や政治的な権利への関心が薄いのです。その結果として、今回の件で香港人の若者達に共感している人は多くないようです。

最後に、香港と大陸中国でビジネスをしている中年ヲヤヂ世代である、私の個人的な意見を述べます。香港がより民主化される事は歓迎します。しかし、そのプロセスとして治安を悪化させ人々の生活を脅かすような「過激な運動」が起きる事は望みません。どんな政治体制も、人々が幸せに生活する為の「道具」でしかないからです。より良い道具を追求する事で、生活が悪化したり市民の人命が失われるのであれば、それは本末転倒だと言わねばなりません。過ぎたるは及ばざるが如し、です。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 15:01

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はじめに正義ありき

米国がシリア領内のイスラム国の施設を空爆しました。この空爆では、シリア政府から米国への要請があるどころか、「空爆は国際法違反」と主張し、ロシアも「米国が国連決議を得ないままシリア空爆に踏み切れば「侵略とみなす」と警告した」そうです。

米の「イスラム国」空爆方針 イラク要請、拡大解釈も(東京新聞)

米国の空爆が自衛権の行使にあたるかについては、国際司法裁判所がニカラグア事件の判決(1986年)において、武力攻撃を受けた国による「事実の宣言」と「他国への援助要請」が必要であるとの判断を示し、国際法上、第三国が自分の判断で集団的自衛権を行使することはできないという歯止めをかけました。

シリアを空爆した米国と有志国の正当性は?(木村正人)

上記のような状況にも関わらず、いまのところ欧日の政府や議会から、シリア空爆に対する強い非難の声があがっているという話しは聞きません。その一方で、国民投票によるクリミアのウクライナ離脱や、ウクライナの正規軍と親露派軍による内戦では、第三者の検証に耐えられる明確な証拠が無いにも関わらず、ロシアは欧米政府から一方的に責められているように見えます。

これらの状況を見て感じるのは、「法治主義」というのはあくまで国家内部の事であり、国家間の関係においては、欧米先進国の「正義」という名のご都合主義が世界を動かしているんだな、というおおきなガッカリ感です。

安部政権の国連改革に多少なりとも期待しておきます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/09/24 at 16:51

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54万人に非難勧告が出た台風8号(2014-07 930hPa)

新聞によれば54万人に非難勧告が出ているそうです。大型の非常に強い台風ですが、予測されたほど(915hPa)気圧は下がりませんでした。

スクリーンショット 2014-07-09 9.18.15

しかしながら、6日から7日にかけて、非常にきれいな台風の目が現れましたので、この数日の経緯と一緒に画像をアップします。

1)7月7日 午前0時
非常に強い台風 第8号
7月 6日 0時現在
オキノトリシマキンカイ
北緯17.0゜東経135.1゜ 西北西 25 km/h
中心気圧 945 hPa
最大風速 45 m/s
最大瞬間風速 60 m/s
暴風半径(25m/s以上) 170 km
強風半径(15m/s以上) 南側 600 km 北側 390 km

07-06

2)7月7日 午後21時
大型の非常に強い台風 第8号
7月 6日21時現在
フイリピンノヒガシ
北緯18.9゜東経130.3゜ 西北西 25 km/h
中心気圧 935 hPa
最大風速 45 m/s
最大瞬間風速 65 m/s
暴風半径(25m/s以上) 190 km
強風半径(15m/s以上) 南東側 650 km 北西側 440 km

07-06-2

3)7月8日 午前0時
大型の非常に強い台風 第8号
7月 8日 0時現在
ミヤコジマ 南東 240 Km
北緯23.1゜東経126.7゜ 北 20 km/h
中心気圧 930 hPa
最大風速 50 m/s
最大瞬間風速 70 m/s
暴風半径(25m/s以上) 南東側 260 km 北西側 200 km
強風半径(15m/s以上) 南東側 700 km 北西側 440 km

07-08

台風による被害が最小限になる事を祈っております。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/07/09 at 10:29

Categories: 台風   Tags:

国会議員の適性とフィルタリングについてのメモ

司法、立法、行政という言葉があり、その中で立法というのは国会の事です。国会議員とはすなわち、国民の為に法律を作る事に責任を負っている人の事である筈です。しかしながら日本の現状を見ると、法律を作る能力どころか、その背景にある社会情勢を勉强して理解するだけの能力をもっていない(不適正な)国会議員が多いように感じています。

このような状況はいま始まった事ではないのですが、親が議員で地盤があるとか、全国的な知名度があるという理由で、国会議員としての適性に欠ける人が議員になる事を防ぐ適性な方法はないものでしょうか。

国会議員は20歳以上の成人であれば誰でもなれる訳ではありません。いまでも参議院で25歳以上、衆議院で30歳以上という「条件」があります。であれば、もう少し条件(フィルターオプション)を増やしてみてはどうでしょうか。

1)国会議員になる為の資格試験を設ける。
選挙に加わる条件として国会議員の資格試験(合格から1年間有効)を設けては如何でしょうか。内容としては、高校卒業程度の国語、数学、地理、歴史、公民に法律の基礎的な理解を加えたような試験内容としてはどうでしょうか。60点以上を合格とします。

2)総理大臣・大臣・副大臣になる為の資格試験を設ける。
大臣や副大臣になる為には、対象となる省庁の専門知識が不可欠です。省庁別に4年制大学卒業程度の専門的な試験内容とし、60点以上で副大臣、80点以上で大臣となる資格(1年間有効)を得られるものとします。

上記の資格を1年間有効とする理由は、つねに勉强し続ける事を国会議員に強いる事により、気力の衰えた老人議員を自然淘汰して新陳代謝を促す事が目的です。まったく事なる職業ですが、キャビンアテンダント(いわゆるスチュワーデス)は、乗客の安全に責任を負う職業である事から、毎年かならず社内の試験を受けてクリアし続ける必要があるそうです。国民の安全と幸福に責任を負う国会議員であればこそ、その資格を維持する為に努力し続ける必要があるのではないでしょうか。

あと、上記の試験の他に精神的な問題を抱えてる人をフィルターアウトする為に、心理テストや精神科医との面接を行ってはどうかと思います。

上記は国会議員について述べたものですが、最近話題の兵庫県会議の事を考えると、地方議会についても同様の事が必要ではないかと感じています。

7 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/07/07 at 01:22

Categories: 5.閑話休題   Tags:

日本代表チームの方向性についてのメモ

今回のワールドカップ日本代表については、心の底から「予測を裏切る素晴らしい展開」を期待していたのだが、結局は予測の通りの結果になってしまって残念です。このような結果を招いた問題はの原因は監督でも選手でもなく、ただただサッカー協会にあると言えます。夢のあるサッカーとか決勝リーグで勝てるチームとか言う前に、まずは予選リーグを順当に勝ち上がれる底力を付けることが必要ではないでしょうか。

前回の南アフリカでは、大会直前に岡田監督の英断にて、引いて守ってカウンター攻撃する戦略がとられましたが、あれは日本人には向いている戦い方だと感じました。引いているので守るエリアが狭く、体力的に劣る日本人でも最後まで動き続ける事が出来ます。決められた練習の通りに組織的に動けば良いので、個人の能力差を集団でカバーする事ができます。

そして最も重要な事ですが、素早いカウンター攻撃は敵側の薄い守備を崩すだけなので、メッシやネイマールのようなファンタジスタが居なくても、どの世代にも居る並に優秀な日本人選手で点を取る事ができます。だいたい夢のあるサッカーって、本田や香川や長友を前提にしているのだと思いますが、こういう人材が毎大会必ずいるとは思いえません。人材的に谷間の大会でも、予選リーグを順当に勝ち抜けるようなチームを作るのがサッカー協会の役目ではないでしょうか。その上で、逸材が揃い戦力が高まった大会では、一発、優勝を狙うというのなら話しはわかります。

上記の話しを踏まえた上で、今回の初戦とギリシャ戦を考えてみてください。守ろうと思えば1点を守りきれる(南アの時のような)チームであれば、初戦に勝てた可能性は高いと思います。逆にギリシャは、引き分けで十分と思えば、10人のチームでもそれを可能にする事ができました。だからこそ予選リーグを勝ち抜ける事ができたのではないでしょうか。

それから、セルジオ越後氏も繰り返し言ってますが、チームを強くするのなら強い相手の敵地へ乗り込んで、逆境の中での練習試合をもっと沢山やるべきです。ホームでの練習試合なんて要るのでしょうか?

ぜひ南アの時を思い出してほしい。その上で、1点をきっちり守れる「引いて守ってカウンター攻撃」のチーム作りへ舵を切り直してほしい。そのようなチームを作るのなら、岡ちゃんで良いじゃないですか、岡ちゃんで。日本サッカー協会さん、たのみますよ、まったく本当に。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2014/07/06 at 02:31

Categories: 5.閑話休題   Tags:

クリミアが選んだ道

中国の深圳は、今週から暖かくなり、ダウンジャケットをやっと脱ぐことができるようになりました。若干冷房の入った高速バスに揺られながらこの記事を書いています。先週月曜にクリミアで国民投票があり、ウクライナからの独立とロシアへの編入が決まりました。その前にウクライナに正義なしという記事を書いた時には、ロシアはクリミアを独立させるだけで編入はしないだろうとの見通しを持っていましたが、見事に予測を外しました。予測を外した人は私だけではなかったと思います。私自身について言えば、予測は外した理由は、クリミアの置かれた政治的状況にばかり注目し、経済状況のフォローを怠った為です。以下、後追い的に私なりの分析をまとめてみましたのでご参照ください。

1)クリミア半島のインフラ供給問題。
クリミア半島のほとんどが砂漠で、電気・ガス・水といった生活に必須のインフラはすべて、ウクライナ側から供給されています。今回のように強引な方法でウクライナから独立した場合、ウクライナ側は当然のように元栓を占めるぞと脅してくるでしょう。下手をすれば実行されかねません。ウクライナから非友好的に独立する場合には、電気・ガス・水を供給してくれる別のスポンサーが必要になります。つまりウクライナ自治共和国は単独で独立状態を維持する事がそもそも困難なのでした。

2)国民投票では過半数のウクライナ人も「賛成」にまわった。
国民投票の投票率は82.71%で賛成は95.5%でした。クリミアの人種別人口比率は、ロシア人が58%、ウクライナ人が24%、クリミア・タミール人が12%、その他が6%。タタール人全員が棄権したとすると、投票率と賛成票から逆算して、過半数のウクライナ人がウクライナからの独立とロシアへの編入に賛成した事になります。独立とロシア編入は、ロシア人の賛成だけではなかったという事です。

3)ウクライナの経済は破綻している。
ウクライナ(キエフ)政府では、歴代大統領も首相も最高評議会議員も、みんなが国家の金で私腹を肥やしています。もともとウクライナで大規模デモが発生したのも、政治的権力者が国家の金を私物化する一方で、市民の生活が豊かにならない事に対する抗議の意味がおおきかったようです。その一方で、隣国のロシアではクリミアの何倍もの収入を得ています。

4)クリミアのロシア併合は経済問題。
下記はクリミアとロシアの収入や年金などの比較です。ロシアがクリミア新政権を通して流布させた情報かと推測しますが、ウクライナ人を含む、多くのクリミア住民を説得する材料としては極めて有効であったと思われます。

・平均月収:ロシア=6万3,700円、クリミア=2万7,700円。
・年金:ロシア=2万4,700円/月、クリミア=1万4,100円/月。
・医療:ロシア=病院建設、医療機器などの医療財政は国家が100%負担、
    ウクライナ=政府が60%、国民が40%負担。
「暮らしてゆけない」 人々は豊かなロシアを選んだ より)

要約すると、クリミアは単独国家として独立を維持する事はそもそも困難な地理的・経済的状況でした。ジャスミン革命が叫ばれた中東で、経済問題から政変へ発展した国々とクリミアの独立とは、本質的にあまり変わらなかった。しかしクリミア住民は、単に政府のクビをすげ替えるのではなく、隣国ロシアへ併合の道を選ぶ事で、自分たちの将来の経済的リスクをより小さくする道を選んだという事だと考えられます。

逆に、ユーロ圏へ接近を選択したキエフ新政権のウクライナが、今後、エジプトやシリアの二の舞いにならないように願ってやみません。

参考文献:
1)クリミアの国民投票結果
2)クリミア自治共和国
3)クリミア半島の歴史と現状
4)ウクライナからクリミアへの電力供給を制限
5)「日本のウクライナ支援1500億円」は東電に金を注ぐようなもの
6)ウクライナ人が語るウクライナ情勢 – 東西問題より深い政治腐敗

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/03/27 at 11:26

Categories: 1.政治・経済   Tags:

ウクライナに正義無し

米国は欧州を巻き込んでクリミアへ介入しているロシアへ経済制裁を発動しようとしています。一般には、米によるロシアとクリミアへの抗議が「正義」であり、クリミアへ軍事介入しているロシアが悪者扱いされているように見受けられますが、それは正しいのでしょうか。私はどうも、そうではないように感じられます。以下に、いくつかの点について考えてみました。

1)新政府は合法か?
ウクライナ最高議会は、政府転覆後に大統領の解任とオレクサンドル・トゥルチノフ氏の大統領代行を決議し、そしてアーセニー・ヤツェニュク首相を選んだ。しかしながら憲法上は、最高議会による大統領解任は憲法違反ではないか。2010年の大統領選挙(国民投票)で民主的に選ばれたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領は辞任しておらず、憲法上は今も大統領であると言える。そのヤヌコーヴィチ大統領はヤツェニュク首相を選んでいないので、新政権も違法といえる。

同時に、クリミア首相であるアナトリイ・モヒリオフ氏の罷免と、セルゲイ・アクショノフ氏の新首相の任命のやり方は必ずしも民主的とはいえない。更にウクライナ大統領の同意を得ていない為に憲法違反である。(ロシアに逃れたヤヌコーヴィチ大統領が承認すれば、形式的には合法となるかもしれない。)

このようにウクライナには、いまのところ既存の憲法に合致した政権は一つも存在しない。

2)クリミアの国民投票は違法か?
ウクライナ新政権は、国民投票はウクライナ全体で行われるべきであり、クリミア独自の国民投票は憲法違反であり無効であると「正論」を述べてる。しかしながら、そもそもウクライナ新政権は暴力的革命によって成立した政権であり、新政権自体が憲法違反であるので、ウクライナ新政権の主張を「正当」たらしめる根拠が無い。それにもかかわらず、仮に欧米がウクライナ新政権を合法と認めるなら、それは既存のウクライナ憲法を無視する事であり、その基準の延長線上で考えれば、クリミア新政権によるクリミア独自の国民投票も憲法上は違法であるが認めるべきである。

3)デモ隊を銃撃したのは誰か?
キエフの独立広場でデモ隊に発砲して多数の死者を出したのは、内務部隊の中の特殊部隊であるベルクートと言われている。しかしながらロシアにいるヤヌコーヴィチ大統領は、発砲はナショナリストの武装集団であると非難している。騒乱の最中の事であり、どちらの側にもデモ隊を銃撃する合理性がある以上、客観的な証拠が示されるまでは、新政権の言葉もヤヌコーヴィチ大統領の言葉も信用に足るとはいえない。(現状では、それが可能とも思えない)

4)ウクライナ政府を転覆させたのは誰か?
ヤヌコーヴィチ政府を転覆させたのは、直接的にはネオナチを含む民族主義者の集団だと言われている。しかしながら実行者へ資金や武器を提供するスポンサーが必要である。

ロシアがウクライナを自国の影響下に留めて置くために、表から裏から、内政干渉を行ってきた事は明白である。現在の状況だけを見ると、ロシアがクリミアを手中に収める為に画策したように見えないこともないが、ヤヌコーヴィチ政権はロシア寄りであったので、わざわざその政府を暴力で転覆させ、国際的な非難を受けてまで行うに足る十分なメリットがあったとは思えない。

一方、ネオコンの代表論者であるロバート・ケーガンの妻で、2013年2月まで米国務省報道官を務めていたビクトリア・ヌーランド(ロシア系)が、昨年末にキエフの中心街の広場で、反政府運動の参加者にクッキーを配っているところを写真に撮られ、米国がウクライナの政権転覆を支援する内政干渉をしているとロシア首相に批判されている。また、米政府はウクライナが外貨準備として持っていた40トンの金塊を、真政権樹立後に、米連銀に預けると言って持ち去ったという噂がある。前回のオレンジ革命の時にも、米国による介入があったと言われている。

要するに、誰が支援したかという証拠は無く、真相は藪の中である。

5)ロシア軍のクリミア介入は悪か?
クリミアはロシア系の住民が6割を占める。キエフの政府転覆後も平和な状況が維持されたクリミアにとって、暴力的な民族主義者が武器を持って流入する事はなんとしても避けたいと考える事を、誰が非難できるだろう。ロシアのやり方はかなり強引であるが、結果として市民の平和が保たれ、治安が維持されている事は事実である。重要なのは制度としての民主主義と、市民の生命財産が守られる事ではないだろうか。

結論。

ウクライナのどこにも正義は見当たらないが、ウクライナ最高議会が憲法を無視してトゥルチノフ氏の大統領代行を選出した事を欧米が受け入れるのであれば、クリミア議会が憲法を無視してアクショノフ首相を新たに任命し、クリミアだけで国民投票する事を欧米が受け入れないのは、絵に描いたようなダブルスタンダードではないでしょうか。キエフで行われている事を民主主義と言うのであれば、クリミアで行われている事も同じく民主主義と認めるべきだと考えます。

参考文献:
1)ロシアが本格的軍事介入へ、今後のカギを握るウクライナの親ロシア勢力
2)クリミア半島奪取でロシアの得た勘定と失った感情
3)Leaked call raises questions about who was behind sniper attacks in Ukraine
4)Is the U.S. Backing Neo-Nazis in Ukraine?
5)USAID Support for Destabilisation of Russia
6)Ukraine’s gold reserves sent to NY Federal Reserve

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/03/15 at 15:39

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こんな移民政策はどーですか

日本の人口は減少傾向にあります。人口が減少すると、消費市場(需要)も縮小するので消費財やサービスを販売している会社は売上(と利益)が減少します。ただ人口が減少するだけではなく、高齢者の比率が増大して生産年齢人口が減少していますので、社会福祉をどうやって維持するかというかなり難しい問題も生じています。人口が減少する事自体は良くも悪くもありませんが、戦後の日本の経済や社会福祉は経済成長を前提としたしくみで運用されており、前後の一貫性を保ったままで人口減少に対応するしくみに変える事は困難だと考えられます。そこで、政府は国民の人口(出生率)を増やすためにいろいろと議論したり政策を考えたりしていますが、個人的な意見としては、よほどの事が無い限り無理だと考えます。

そこで移民の導入を検討する方もおられるのですが、下記のような問題が指摘されています。

1)言葉の壁により社会に溶け込めず出身国者同士で集団を作。

2)移民の多くが貧困層を形成して社会不安の原因になる。

3)上記1・2から犯罪や暴動の温床となり社会不安を招く。

移民というのはなかなか難しい政策です。3K作業向けの低所得労働移民の増大は社会不安を招きかねず、金持ち移民が増えすぎても庶民から突き上げをくらうとしたら、いったいどうしたら良いでしょうか。

1つ提案です。

日本の財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催して、日本語を母国語としない外国人を対象とした日本語能力試験(*1)というのを実施しています。これの1級(N1)に合格した外国人で、合格から3年以内(短期間で得た能力は短期間で劣化する為に正味期限を設ける)を条件として、自由に来日して就職活動や就業を行えるビザを与えては如何でしょうか。そして、日本での累積就業日数がまる3年になったら、日本人として帰化するオプションを付けるのです。

日本語能力試験の1級(N1)とはどれくらいのものでしょうか。試験としての1級はかなり難易度が高いです。日本の現役大学生でも試験勉強なしでいきなり1級を取得するのは無理でしょう。漢字圏の中国人でも2年くらい語学の専門学校に通ってやっと取得できるくらいの難しさです。1級の取得者を移民の条件とした場合、言葉の問題で社会からドロップアウトする問題は避けられるでしょう。

日本語能力検定の1級は、下記資料(*2)によれば2011年だけで487851人の受験者があり、その中で半分以上が中国人です。中国人が多い理由としては、漢字文化のため資格を取りやすい事が挙げられます。

スクリーンショット 2014-02-07 5.25.09 PM

年度は異なりますが2013年7月の結果(*3)を見ると28642人が1級を取得しています。試験は年間2回行われますので、ざくっとした推測ですが年間におよそ3万人の中国人が1級に合格していると思われます。

スクリーンショット 2014-02-07 6.13.28 PM

ここで合格者の男女比率の統計が見当たらないのが残念なのですが、私が仕事をしている広東省の状況を見てみると、1級を取得したばかりの中国人の圧倒的多くは20歳前後の女性です。中国人で日本語能力検定の1級を取得する代表的な方法は、4年制大学で日本語を専攻する(経済などを専攻しながら日本語も平行して勉強する学生もいる)か、2年制の語学専門学校で勉強するかです。4年制大学はどちらかといえば男性が多いと思われますが、日本語を教えているところは数が少ない上に大学としての定員もあり、4年制大学卒の1級保持者はそれほど多くありません。一方で日本語を教えている語学専門学校は、地方政府が力を入れている黒竜江省など東北地方の他に、日系企業の多い地方都市の周辺にも数えきれないほど存在します。専門学校で日本語を学んでいる中国人の圧倒的に多くは20歳前後の女性です。彼女たちが日本語を勉強する理由は、高卒ワーカーからのキャリアアップを図る為です。

日本語能力検定の1級を取得した外国人に、日本での就業ビザを与えるようにすると、毎年数万人の志願者が期待でき、その半分は中国人で、中国人の志願者の多くは20歳前後の未婚の女性かと思われます。

彼女たちが一旦日本へ来た場合、日本の大卒新卒者より就職市場での競争力は劣ります。そこで日本の大卒者がターゲットにしないような中小零細企業、飲食などの零細なサービス業、地方の製造業などに職を求める可能性が高いと考えられます。

また、女性の多くは日本滞在中(ビザの期間か帰化した後)に日本人と結婚して日本に家庭を築く事が考えられます。日本では政府による産児制限がありませんし、農家出身の中国人はより多くの子供を望む傾向が見受けられるので、出生率の改善が期待できるのではないかと考えられます。

以上は、ちょっとクセ球的な発想ですが、移民問題が生じ難いと思われる移民政策について考えてみました。

 

 

参考資料:

1)日本語能力試験
2)JLPT学習時間数の比較データ「1992-2010年」
3)2013年7月の日本語能力検定の結果

 

5 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/02/08 at 01:17

Categories: 1.政治・経済   Tags:

政府の意思をいかに世界へ伝えるか

今日は午後からポテンシャルカスタマーの事務所でERPソフトのデモを行う為に、深圳から広州へ向けて、開通したばかりの広深沿江高速道路を高速バスで移動中です。この高速道路は、昨年末に知人に聞いたところによると、1日に1億元を売り上げる広深高速道路の料金が高すぎるために作られたそうです。新しい高速道路は揺れも少なく快適なので、3G Wifi Routerを使って車中でアゴラの記事を読んでいましたら、興味深い記事を見つけました。

良い日本人と悪い日本人-イタリアの小学校の作文集より 仲宗根 雅則

イタリアには日本が好きな大人や子供が多くいて、日本のアニメ・日本食・文化に興味を持つ者も少なくないが、最近は安部首相による日本の右傾化をみんなで心配しているという内容です。本当に小学生の作文なのかブログ著者の書いたネタなのかは不明ですが、いかにもありそうな内容であり、ケーススタディーとして適していると思われるので、この問題について考えてみました。

まず最初に押さえておくべきは、茶の間レベルでいえば大半の日本人は、日本が戦争に向かって邁進していると危惧しているなどとは考えていないという事です。その上で、大半の新聞とネット上(ブログ等)では、安全保障会議と秘密保護法の成立、中韓政府との問題、首相による靖国神社の訪問などをとらえて、安倍政権が日本を戦前の先軍政治へ回帰させようとしているという記事が多数あり、更に中韓政府が国際メディア向けに同様の批判を繰り返す事で、偏向した記事が世界中に流れています。このような状況を前提として考えてみれば、イタリアの小学生の作文の記事はまさに、中韓および日本のマスコミの偏向記事が世界の末端まで浸透しているという問題を表しています。

日本のマスコミも世界のマスコミも、ジャーナリズムうんぬんなどと立派な事を言っても、しょせんは「売れてなんぼ」の商売ですから、情報を正しく伝達する媒体として信用する事などできません。それではどうすれば日本政府の意図を世界の末端へ、情報を正しく届ける事ができるのでしょうか。

方法はカンタン(ただしそれなりの予算が必要)です。政府の意図を世界へ向けて発信するブログ記事を、専門の広報チームを立ち上げて、世界の主要言語で発信するのです。靖国問題、尖閣問題、慰安婦問題、日韓併合問題などは、歴史的な経緯や現在直面いている問題などを含めて、情報発信してはどうでしょうか。政府側の書き手以外に、国内外の専門家に記事を書いてもらう事も効果的だと思われます。

韓国はいまだに日韓併合は日本による侵略との立場から世界中で意見を述べていますが、日韓併合の国際法的な正当性を確認する為に、たとえば欧米の国際法や歴史学者による専門的かつ客観的な記事を書いてもらう事は効果的ではないでしょうか。日本政府の戦略として、日韓併合の合法性と、第二次大戦終了まで朝鮮半島の国民は日本人であったという事を世界中へ周知の事実として知らしめる事ができれば、慰安婦問題や賠償問題などで、韓国政府は多くの対日カードを失う事になると予想されます。

第二期安倍政権でも戦後レジームからの脱却という想いを胸に秘めていると考えます。自らの理を貫き、世界に理解してもらう為には、政府直轄の多言語広報装置が必要です。このような装置として、ネットでブログ発信という器は非常に効果的です。ただし器は器。器にどんなコンテンツを入れるかが勝負。その為には国際的なネット広報の専門家、専任の編集者、上質の記事が必要です。それを実現するには、それなりの予算が必要です。

安倍政府が世界の理解を得る為に、ぜひともブログ発信を検討されては如何でしょうか。

 

追伸:

首相官邸のページも、日中英だけでなく、少なくとも欧米アジア主要国の言語をサポートするべきではないでしょうか。

6 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2014/01/14 at 13:21

Categories: ブログ評論, 韓国, 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

FACEBOOKの10代ユーザーは減少しているか?

あちこちでFACEBOOK終末論が囁かれていますが本当でしょうか。

確かにFACEBOOKが終わっていってるな
Facebookの10代アクティブ率が減った=衰退説を唱えるのは妥当か?!
10代はなぜFacebookから離れるのか

私の息子は香港の国際学校に通う高校2年(日本では高1)です。もちろんFACEBOOKユーザーです。そこで私の息子に聞いてみました。

私:クラスで何人くらい使っている?

息子:20人中19人。

私:なんで1人だけ使ってないの?

息子:友達がいないんじゃない?

私:......

私:学校全体だと、どれくらい使っていると思う?

息子:うーん、95%以上かな?

私:ところで高校生でもFACEBOOK登録できるの?

息子:13歳からかな。でもみんな歳ごまかして登録してるよ。

私:そーなんだ。

息子:俺だって小学校5年の時からつかっているじゃん。

私:そういえばそうだ。

(著者注:上記の口語体は適度に脚色してあります)

最初にあげた3つの参考記事では、みなさん、10代ユーザーの減少について語っておられますが、新しく参入する10代ユーザーの多くは13歳未満(もしかしたら10代未満)でFACEBOOKを始めるために、10代ユーザーとしてカウントされていないだけではないか、という可能性がある事を指摘してみたいと思います。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2013/12/30 at 18:58

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, ブログ評論   Tags:

無線LANは補助金より脳内規制緩和

規制緩和と言っても政府の規制の事ではありません。日本人の頭の中の規制緩和が必要だという意味です。facebookのニュースフィードから知りましたが、学校や公園など広域避難場所への無線LAN設置に補助金を出し、それを災害時や五輪向け対策と称しているようです。

無線LAN普及へ国が補助金…災害時や五輪向け

日本はすでに、人が集まっている場所のほとんどには、どこかの業者の無線LANの電波が飛んでいます。ただし有料です。街中で、無線LANの電波の拾えない場所を探す方が難しいくらいです。その一方で、だれでもつなげる無料の「野良電波」はほとんどありません。大都市では、喫茶店やレストランも無料の無線LANを開放しているところは極めて限られています。なんでそうなっているかというと、日本人の精神的な潔癖症が問題であろうと感じています。多くの方が、ログイン登録無しの無線LANを使うなんて「気持ち悪い」と感じているようです。

五輪向け対策をするのなら、街中でもっと無料でつながる無線LANを増やすべきです。それは政府予算なしで可能です。街中の喫茶店やレストランが、自分のところの無線LAN電波を店内や店の前の人へ開放するくらいの「おおらかさ」が増えれば、あっとう間に、そこいらじゅうで無線LANにつなげられるようになるでしょう。

インターネットの文化って、もともとこういうものではなかったでしょうか。

4 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 16:05

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags:

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