政府機能を外国へアウトソースする

表題を単純に説明すると、政府機能(司法、立法、行政、および外交と防衛)を適切な外国政府へアウトソースする事の可能性について考察します。

前の記事で、愛国心を3つの種類に分類し、そのうちで、政治的意味を主体とした愛国心は、人民に戦争という悲劇を与える大きな危険性を有する事を指摘しました。他国による日本侵略は、日本人民の生命や財産や自由が失われる事を意味し、それを防ぐ為に夫や息子達を戦地へ送る事は当然の事であると、一般的には考えられています。しかしそれは本当に正しいのでしょうか。

まず、日本の直近の負け戦である太平洋戦争について考えてみます。負けた日本を待っていたのは、鬼畜米英の日本蹂躙などではなく、進駐軍による平和憲法と、米国政府による経済復興の支援であった事は歴史的な事実と言えます。

私が居住している香港を考えてみましょう。97年に中国政府へ返還されるまで、香港居民は返還に反対し、英国政府による統治の継続を望んでいました。99年間の香港植民地の歴史は、北京政府の面子を失わせましたが、英国政府による安定統治と治安維持、そして経済発展について、香港居民は高く評価していました。いまでも英国パスポートを持つ香港人は多いようです。

国を巨大な企業に例え、侵略戦争を競争相手企業による敵対的買収に置き換えてみましょう。国政を預かる政治家は企業経営者で、人民は雇用者(かつ持株会を通した株主)とします。買収を仕掛ける企業は、現経営陣にとって紛れもない敵です。買収を受け入れる事は、経営陣の失職(あるいは降格)を意味するので、雇用者や株主へ訴えて買収阻止に動きます。しかし雇用者と株主にとっては、現経営陣より上手に会社を経営してくれるなら、給与アップと株価アップをもたらしてくれる可能性があり、必ずしも敵とは言えません。買収を仕掛ける企業が、ハゲタカファンド(北朝鮮)か白馬の騎士(米国)かで、状況は大きく異なります。

国を巨大なレオパレス・マンションに例え、政府をマンション管理組織、人民はアパート住民と置き換えてみましょう。人民にとっては、マンション内の清掃や修繕が行き届き、住民が快適に暮らせるサービスを提供できれば、自国議員による管理サービスを止め、外国政府に管理サービスのアウトソースをする事について、重大な問題があるでしょうか。もしかしたら米国やノルウェー政府の方が、鳩山民主党政権より何百倍も上手く日本国を経営してくれるかもしれません。

いくつかの例を挙げて、国防という文脈における「愛国心」の妥当性について、21世紀の視点で述べてみました。この記事を読んだあなたは、私の事を、政治的に偏向した価値観を持っていると考えるかもしれません。そうかもしれませんし、違うかもしれません。私個人としては、単に、国というものを本質的な視点において合理的に考えた場合に、どのようにあるべきかという事をこの記事で追求してみました。私の考える国の本質とは、政府や国体ではなく、そこに居住する人民とその文化であると考えます。「国敗れて人民あり」です。

現政府を守る事は、いかなる場合にも最優先事項とするべきであるのか。あるいは、社会体制が大きく変わったり、人民の生活が脅かされたり、価値観の変更を強制されたりしない限り、だれが政府をやるかという事は、最重要な事ではないのではないか。その事を、みなさんに問うてみたいと思います。

追記1:国民という言葉には「国」という文字が含まれ、その場合の国の定義は何か、というややこしい問題になるので、文中ではあえて人民という言葉を意図的に使いました。

追記2:日本には天皇制という、政治と文化が融合した制度があります。しかしながら日本国憲法では、主権在民です。天皇制を維持したまま、民が政府機能を外国政府へ委任(アウトソース)する事は可能ではないかと考えています。

追記3:政府機能のアウトソースは、平時における政府機能委託のほか、ブラックな外国から侵略されそうな場合の対抗措置として、軍事的に強力な民主主義国家に政府機能をアウトソースして、防衛と外交交渉をおこなってもらい、侵略を回避するというケースも想定されるかと考えます。

追記4:政府機能のアウトソースには、対価の支払が当然として発生します。支払い方法としては、経済成長時の税収増大分から出来高払いで支払ったり、郵政やNTTのような半国営企業の株式で支払って、経済成長時の株価の値上がり分を成功報酬としたり、当該政府国企業の国内進出を優遇して、間接的な税収で回収する方法など、いろいろな方法が考えられます。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/3/9 Tuesday at 21:16:00

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「愛国心」の種類

最近、テレビの討論番組だけでなく、ブログやTwitterでも愛国心という言葉をよく目にするようになりました。外国人参政権の問題が注目を浴びている事が、その主要な理由であると思います。愛国心はwikiによれば、「、国民が自らが育った、あるいは所属する社会共同体や政治共同体などに対して愛着ないし忠誠を抱く心情である」とあります。単純化すると、「国を愛する心」という意味です。

ところで、多くの人が「愛国心」という言葉を使うとき、そこにはいくつかの異なる意味(あるいは感情)が混ざっているように感じます。ある時は平和的な意味を持ち、ある時は外国に対する排他的な意味で使われます。ゆえに愛国心は、誰にとっても同じ意味で理解する事ができません。その理由を考察してみました。

結論から先に述べると、愛国心が場合によって別の意味をを持ち得るのは、単語の真ん中にある「国」の定義が、愛国心という言葉を使う人の目的により変わるからであるからであろう、という事です。以下に、文脈によって変化する「国」の定義を3つの種類に分類してみました。

1)政治的な意味での国土と人民(国体)。
2)文化的な意味での国土と日本民族。
3)物理的な意味での国土とその居住者(市民)。

政治家が「愛国心」という時は(1)であり、スポーツの国際試合における愛国心は(2)であり、自分の居住地を愛するという意味では(3)であろうと思われます。

上記のうちで(1)の愛国心は、人民を戦争という悲劇に巻き込むリスクを持つ、危険な用途があるようです。

追記:国民という言葉には「国」という文字が含まれ、その場合の国の定義は何か、というややこしい問題になるので、文中ではあえて人民という言葉を意図的に使いました。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 18:22:00

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著者を電子出版へ引き込む方法

池田信夫氏がアゴラブックスを立ち上げた話しは既に書きました。ところで電子書籍のブログ記事のコメント欄を読んでいると、ある事に気づきます。

1)PDFフォーマットは周囲の余白が大きく読みにくい。
2)小説は縦書きで読みたい。

これらは、電子ブックリーダーの画面サイズやレイアウトに関連しています。いまどきほとんど作家はワープロを使っていると思われます。ワープロ文書を簡単の読み込んで、各社の電子ブックリーダー画面に最適なレイアウト(縦書き・横書きも含む)が簡単にできて、各社の電子書籍フォーマットへ出力できるソフトが、ベクターあたりで無料で配布されれば、このような問題は割と簡単に解決するのではないでしょうか。

また、図や表を簡単に挿入できる電子ブックリーダー対応のワープロが普及すると、私のようなエンジニア兼業務コンサルをしている者が、自分の仕事内容をネタに電子出版を行う事が容易になるのではないかと考えられます。そうなれば私も、念願の本の出版を電子出版で行うかもしれません。

また、これまでは著作権業界から無視されてきた無数のブログ著者達が、自分のブログ記事をベースに、いわゆる自費出版を行う事も、すごく容易になるであろうと思われます。1冊100円とかの値段なら、一定の読者を集めているブログでは、自費出版しても千冊くらいの電子ブックは容易に売れるのではないでしょうか。

電子出版が著者の裾野を広げ、増加した著者が著作権を出版業界から自らの手に奪って欲しいと望みます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/3/8 Monday at 1:12:00

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キンドールは出版著作権業界の黒船

放送や音楽業界で、著作権とその周辺利権の商業利用が多様化してきた中で、出版著作権業界が古色蒼然としたまま続いてこれたのは、出版社の著者への支配力がそれだけ強い業界であった為と思われます。その「太平の世」の眠りを覚ましたのはキンドールという黒船でした。

Twitterで得た情報では、現在の出版契約には電子出版は含まれておらず、宙に浮いているそうです。また、英米では良く聞く、小説の映画化権なども、日本ではまだ確立していないようです。それが正しいすれば、アマゾンが、販売価格の7割の印税を著者に支払うというオファーを日本でも行えば、大きな網ですくい取るようにして、多くの著者を見方に付け、日本の電子書籍ブームに火をつける可能性が出てきました。

そこでついに、日本の出版業界は戦々恐々としながらも、電子出版に向けて押し出されはじめました。講談社や新潮社など31社の出版社は、結束して日本電子書籍出版協会をつくり、黒船に対抗しようとしています。そんな中、池田信夫氏は株式会社アゴラブックスの立ち上げて、電子出版はもう始まっていると宣言しました。JCASTニュースによれば、ある出版社と提携して既刊本数百冊を電子出版できるよう準備を進めているようです。

アゴラブックスのような新興出版社が、ネットで直販を行えば、出版著作権業界の最大の既得権者であった流通や本屋を中抜きでき、現状並みの印税を著者に支払っても、消費者販売価格を大幅に下げる事ができると思われます。そうすると、電子出版は一気に普及する可能性が高くなります。私の周辺でも、値段が安ければ電子出版物を利用したいという人は多く見受けられます。

しかし、書籍販売への依存が強い既存の出版社業界が電子出版を主導すると、既得権保護の為に、電子書籍も本屋の本とかわらない価格になってしまう可能性が大きくなる。すると電子書籍は印刷本の「おまけ」のような市場になり、市場の急速かつ大きな拡大が望めなくなる事を危惧します。

そうならない為に、新興の電子出版社がたくさん参入して、古色蒼然とした業界を競争原理で活性化される事を望みます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/3/7 Sunday at 23:19:00

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香港は地方主権的な道州制の究極モデル

香港ポスト記事を引用したNACGlobal.NETによると、香港の百万長者39万人、主婦層広がるそうです。香港は主婦を含む女性による株や不動産への投資が盛んです。我が社の女性社員も例外ではありません。6000人程度の統計調査(香港人口は700万人)なので必ずしも正確ではないかもしれませんが、18人に1人が百万長者って、すごくないですか。ジニ係数が上昇する訳ですよね。

「香港の百万長者(流動資産が100万ドル以上の人)は前年比13%増の約39万4000人で、平均380万ドルの流動資産を持っているという。香港電台(RTHK)ニュースによると、シティバンク香港が香港城市大学に調査を委託し、2009年11~12月に21~79歳の市民6000人以上に聞いた結果を分析したもの。香港島では7人に1人、新界では17人に1人、九龍では18人に1人が百万長者である退職者が28%と最も多く、家庭の主婦が19%と前年の15%から増え、スペシャリストの16%を抑えて2番目に多かった」

同じく、香港ポストの記事を引用したNACGlobal.NETによると、香港・財政予算案、前年度の所得税75%還付するそうです。経済が回復方向にあり、税収が増加して赤字圧縮されているが、経済成長の促進を促す為にインフラ建設(広州とつながる新幹線線路建設やマカオへつがなる巨大な橋などは経済効果が大きいと期待される)や個人所得税の75%還付(商業活動が盛んなので個人消費の増大が景気に与える影響は少なくない)など、4-5%成長を目指す香港政府の決意が伺えます。

「今年度の経済成長率は4~5%、物価上昇率は2.3%と予測。「安定回復、経済発展、相互扶助」を主題に、域内総生産(GDP)の1.5%に当たる252億ドルの赤字予算を組む。前年度の同2.4%、399億ドルより赤字幅は圧縮されたが、世界経済の先行きが不透明な中、インフラ建設に496億ドルを支出するほか、教育や生活支援に約200億ドルを配分した。

具体的な措置として、09/10年度の個人所得税は約140万人の全納税者を対象に1人6000ドルを上限として75%を還付。10/11年度のレーツ(不動産税)は1期1500ドルを上限として減免することで、約90%の住宅および60%の非住宅でレーツの支払いが不要となる見込みだ。

また、商業登録費は1年間免除する。このほか、公共住宅の家賃2カ月免除、生活保護受給世帯の子女や学資補助を受ける幼稚園から大学までの学生に1000ドルの手当を支給し、さらに小中学生には世帯収入を審査した上で1300ドルもしくは650ドルをインターネット手当として支給する。」

民主党が掲げる地方主権的な道州制政府の究極の姿が、ここ香港にあると思われます。人口600万から1200万程度のコンパクトな自治政府をつくり、地域それぞれの特徴を活かした経済発展と、税収範囲で福祉を追求する事は、我々に示された解のひとつであろうと思われます。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/3/2 Tuesday at 11:37:00

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内部留保は賃金でなく国内投資へ回せ

経済101のRion氏が、すくらむのトヨタもキヤノンも内部留保を使うが雇用には使えない? -10年で2倍増の内部留保こそ“埋蔵金”を批判して、余剰資金は成長産業へと提案されています。この記事の中で、「日本企業が不必要に資金を保有しているとしてこれをどう使うのが望ましいだろうか。もし企業の雇用・賃上げに使えば、不景気に関わらず利益を出している好調な企業にいる社員やそこで運良く採用された人は喜ぶだろう。しかし、それが社会全体からみて効率的な活用方法だとは思えない。労働者を助けるというなら、失業者や不調な企業の従業員が先だろう」の部分について、小倉弁護士が「かくも痛い提案」をされているので、氏の記事を批判してみたいと思います。

氏の記事を要約すると、「内部留保を賃金という形で従業員へ移転すれば、家計を通して内需を潤して、新しい雇用を生み出すきっかけに成り得る」という事だと思われます。(要約が間違っていたらご指摘ください)

さて、労働者がもらう主要な賃金を大きく分けると、月次でもらう給与(基本給+残業費+手当等)と、年1-2回のボーナスになります。まずは内部留保(以降は利益余剰金という言葉を使用します)を給与アップの原資にした場合について論じます。

給与は毎月、継続して発生する固定経費といえます。年に1度だけ計上される可能性がある利益余剰金を原資に、固定費である給与アップを行う事は、経営者として非常識と非難されて当然の行為と言えます。

なぜ非常識なのか。会社を経営した事がある人にとってはあたりまえすぎる事ですが、毎月発生する(給与を含む)経費は、月次の損益計算書が長期的に負担可能な範囲内で経費予算をつくります。「利益余剰金で給与アップする」と、経費が月次損益で負担可能な経費総額レベルを上回り、毎月の月次損益が連続して「赤字」になる可能性があります。赤字にならないまでも月次損益の利益が圧縮されます。そのような上場企業は、株式市場から嫌われて、間違いなく株価が低下し、銀行からは貸付金の早期返却を求められ、株主総会では非難轟々、経営者の末路は明白です。

「利益余剰金を給与アップへ回す」事には、他にも経営上の問題があります。給与は一度アップさせると、労働者の気持ちの中では既得権となり、アップ分を年度末でリセットする事が容易ではありません。減給は、法律的な問題だけでなく、労働者のモチベーションを低下させて、経営上のいろいろな問題を発生させますので、あとから給与を下げる事を前提とした給与アップは、経営的には下策中の下策といえます。

次に利益余剰金をボーナスの原資にした場合について論じます。利益余剰金を「ボーナス増額分」として、労働者のモチベーションが利益増大に大きく貢献する職種(経営、研究・開発、マーケティング・営業など)へ分配する事は、経営者にとって正しい選択だと考えられます。弊社でもその手段を取り入れていますし、既に実行している企業は既に多くあると思われます。しかし一時金としてのボーナスは、ごく短期的な経済効果しかなく、Rion氏が指摘するように限られた企業の労働者だけが対象となります。ゆえに、景気を(継続的に)良くしたり、ボーナス需要が新しい雇用を生む実質的な効果があるとは考えにくいと言えます。過去の例として、2008年のリーマンショックまで、大手輸出メーカーは円安特需でたくさんの利益を出し、社員の給料アップ、ボーナスアップがあったと思われます。しかし、この時期の国内景気は良かったでしょうか?我々はこの時期を、「失われた20年」と呼んでいるのではなかったでしょうか。小倉氏の提案は過去の歴によって、すでに否定的な結論が出ていると言えます。

最後に、Rion氏とも小倉氏とも違う、私なりの利益余剰金(の中の現金残高)の具体的な使い方を2つ提案します。(Rion氏の考え方と、基本的な方向性は同じかもしれません)

私の持論は、日本の経済成長が止まった理由は、製造業のグローバル化による国内成長余白の縮小です。国内で一般消費者が購入する製品の工場(生産ライン)を日本へ戻す事で、国内の成長余白を生み出す事ができると考えます。また、海外から戻す生産ラインは、既存の工場へ戻すのではなく、東北や北海道あたりの未開発の農村エリアに新設した工業区の中へ工場建設するようにします。さすれば、国内で労働者の新規雇用は間違いなく増大します。

上記で国内製造によるコストアップを売価アップへ結びつける方法として、部品から人件費まで、すべて国内調達された製品に「内需振興支援シール」でも貼りつけて、マスコミを使ってプロモーションし愛国心(のようなもの)を喚起すれば、2-3割高くても商品者に受け入れられ、継続して商売になる可能性があります。総務省や経済産業省や財務省が強力して、「内需振興支援シール」や「法人税免税特区」などのターゲット政策で業界を支援する事が可能です。(このような非関税障壁的行為は嫌いですが、利益余剰金を国内成長と雇用促進に用いるという点で、ある程度効果があり、なおかつ投資対便益を定量的に補足し易い方法であると考えます)

もう一つの提案は、大手企業(製造メーカーや商社)が、利益余剰金で、高い技術を持つ国内の中小企業零細を積極的にM&Aする事です。この時、買収した中小企業を本体内に完全に取り込むのではなく、もとの企業の実体を残したままで増資や自社製品への組み込みを行い、株式市場へ上場できるまで成長させた後に、MBOで経営者へ買取らせるか、外資へ売る事で利益を出します。国内中小零細企業の成長を促進させる事は、実体経済の成長と新規雇用を生み出す事は間違いありません。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/23 Tuesday at 13:21:00

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インタゲは製造業空洞化に有効か

日本の経済を成長させる手段として、インフレターゲット(インタゲ)政策を掲げる方がいます。wikiを見ると、「通貨量を意図的に増加させて緩やかなインフレーションを起こして、経済の安定的成長を図る政策である」とあり、更に「予想インフレ率を上昇させれば実質利子が低下したり、通貨が下落して輸出が増えたりするので、投資や消費が増え需要不足が解消される」とあります。

これに対する批判は「インフレーションを実現する具体的な政策手段がない」や「物価を目標とした金融緩和がむしろ資産価格のインフレーション(バブル景気)を伴う可能性があること」があります。また、実際にインフレが発生した場合に、それが制御不能になる事を危惧する人もいるようです。

ところで上記の議論を見ると、大事な視点が欠けているのではないかと感じます。仮に人為的インフレに成功した場合に、製造業における成長は、生産能力の限界までです。ところが日本は長期に渡り、国内工場を縮小させる一方で、アジアを主とする海外工場へ設備投資を行い、生産力増強を図ってきました。インタゲで円安になり、世界中で日本製品が売れると、実際に経済成長するのは工場のあるアジアの国々です。

サブプライムローン問題が起きる以前、輸出メーカーは大きな輸出利益をあげていましたが、それで日本は経済成長したでしょうか?否です。中国やベトナムは経済成長しました。国内大手メーカーと商社の給料は上がりました。でも、大半の国内中小零細企業は置き去りにされました。インタゲで成長するのは、国内ではなくアジア諸国だという事です。

さて、国内メーカーの空洞化は本当に起きているのでしょうか。深圳・東莞へ工場進出している日系工場のお客様の状況を見ると、国内の空洞化は明らかです。今や日本国内で消費される製品の多くが中国製です。日本の工場を閉鎖するという話しも聞こえてきます。そのような空洞化を定量的に示す事ができないかと考え、下記の2つの図と表をネットの海から探してきました。

最初は日本からの対中投資の件数と金額の図です。表中から投資額をざっと読み取ってみると、1996年から2007年までに500億ドル以上のお金が投資された事がわかりました。この500億ドルが国内で設備投資に廻されていれば、国内の製造能力を継続的に増大させ、輸出が大幅減少する2008年までに、日本は大きく経済成長したと思われます。そのお金で、日本のかわりに中国で、雇用拡大と経済成長が実現しました。(「日本・世界の対中投資の推移」から参照させて頂きました)


次に、対中投資した企業の内訳について見てみましょう。下記の表は2003年のものですが、製造業が2093社と非常に多く、そのうち電気・電子機器と化学・薬品と機械と自動車で製造業の70%弱を占めています。これらは相互に関連のある可能性が非常に高いと思われる業界です。非製造業では、上位8項目(情報サービス業を除く)は、中国現地の日系製造業をサポート(材料調達・輸出入運輸・保税倉庫などのサービス提供)している業界と思われます。(この図は「日本の対中投資」から参照させて頂きました)

上記表は対中投資だけですが、タイやインドネシアへも古くから工場投資を行っていますし、最近はベトナムへの工場投資も盛んです。これらアジア工場の生産能力増強は、日本国内の実体経済の成長余白が長期に渡り拡張されなかった事を示していると考えます。

このような状況で、政府がインタゲを行ったとした場合に、仮に人為的インフレが成功したとして、実体経済において、「どの業界」の「どんな企業」が国内で成長余白を伸ばせるのか、はなはだ疑問と言わざるを得ません。

最後に、統計資料を作成している財務省にお願いがあります。製造業の空洞化の状況を調べるにあたり、設備投資金額を国内投資と海外投資に分けた表と、輸出金額に占める国内製造分と海外製造分を分けた表を探したのですが、残念ながら見つかりませんでした。これがあれば、空洞化の状況分析が容易になると考えます。

また海外工場で製造した製品を日本へ輸入せずに消費国へ直送し、本社から消費国側へ売上請求を行って入るケースが、現在の海外生産では非常に増大していると考えられます。このような実体を補足できる統計資料があると、空洞化の全貌をより明確に分析できるものと考えます。

本記事を読まれている財務省の方がおられれば、統計資料の作成部門へ、ぜひともそういう資料作成をお願い頂ければ幸いです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/20 Saturday at 21:50:00

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電子出版が中間搾取されない方法

中小零細出版社が多い出版業界は、物流を制した共同販売会社や取次が、永く中間搾取を行ってきました。再販制度は、いってみればこの中間搾取層を保護する為にあるようなものです。そのために、著者が受け取る印税は10%かそれ以下と僅かであり、本の返品率は40%にもなるそうです。出版業界の構造は、こちらを参照ください。(図1図2

出版社というのは大小あわせてたくさんの会社があり、ひとつの出版社が過去から現在に渡り、累積でたくさんの書籍を出版しているので、現在流通しているものだけでもかなりの点数にのぼります。末端の書店は、ひとつひとつの出版社から直に注文するのは困難なので、中間で問屋としての機能を持つ会社が必要だったのでしょう。

さて、書籍が電子化するとどうなるでしょうか。まず物理的な印刷が不要になり、したがって物理的な在庫や、物理的な物流が不要になります。これで、中間在庫機能としての問屋は不要になります。池田信夫氏は、電子出版の経済学の中で、「このように仲介機関を「中抜き」してユーザーがネットワークをコントロールするend-to-endの構造は、インターネットの誕生以来のものだが、その構造変化が出版の世界にも及ぶわけだ。」と述べています。

しかし別の問題もあります。書籍が電子化されても、出版社は多数ありますので、ネット販売業者は、どの書籍がどの会社から出ているのかを調べるだけでも大変です。出版社とネット販売業者の間に、「電子書籍データベース機能」があれば、出版社により新規登録された新書が、自動的にネット販売画面に表示される、というような事も可能になります。これは、双方の利便性を高めます。

但し、このデータベース機能を運用する組織に、出版社との決済機能を付加するのには絶対に反対です。これをすると、「物流を制した」のと同じ現象が生じて、出版社とネット販売業者よりも政治的に強い権力を持つ組織になってしまう可能性が高いのは、いまの音楽業界を見れば明白です。

書籍データベース機能は、出版社と販売業者が廉価の月額サービス料を支払う事で運営する独立したネット企業をつくり、ネット販売業者は販売した電子書籍の代金を出版社へ直接に支払う仕組みとするべきです。

しかし、ネット販売業者がどれだけの電子書籍を販売したか、出版社と販売業者の間で「信頼」だけで商売を行うのは合理的とはいえません。ネット販売業者は、販売が確定した書籍情報を、ネット販売のシステムから外部の「販売情報データベース」へ自動的に吐き出すしくみを組み込み、出版社は、どのネット販売業者へいくらの請求書を出すかを容易に確定できるようすれば、当事者間の直接取引が容易になります。

販売管理データベース機能は、出版社と販売業者が廉価の月額サービス料を支払う事で運営する独立したネット企業をつくり、出版社がネット販売業者へ、どの書籍が何月に何冊販売されたかの明細情報を入手して、販売業者へ直に請求できる仕組みが良いかと思います。。

もぐりのネット販売業者が、違法に電子書籍の販売を行わないように、行政は電子書籍のダウンロード販売を「届出制」にして業者が把握できるようにし、ネット販売業者は「届出番号」をネット販売画面上に明示する義務を負わせると共に、業者情報を開示して、販売管理データベース企業と出版社が、それらの販売業者が登録されている事を確認できるようにすると良いのではないでしょうか。

もしもぐりのネット販売業者がいて、どこの「販売管理データベース」にも接続していない場合には、行政による立入検査などの行政監査が実施できるようにすれば、違法販売の発見と取締が可能になるかと思われます。

このようにして、書籍データベースと、販売情報データベースを運営する独立した会社があれば、日本における電子書籍のネット販売は、アマゾンのようなオールイン型独占企業ではなく、多くのプレーヤーが競争する健全な市場として発展できるのではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/16 Tuesday at 18:31:00

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凋落するマイクロソフトIE

私のブログサイトのアクセス分析は、「なかの人」と「Awstats」を利用しています。Awstatsにはブラウザの種類を分析する機能があります。さっきAwstatsで読者が使うブラウザの種類を見たら、MS IEはなんと52%弱になっていました。約半分です。数年前には、たしか70-80%くらいあったような。残りのユーザーの3割以上が、Firefox(PC)と不明(日本の携帯電話)とSafari(Mac)で私のブログを読んでいるようです。マイクロソフトの市場占有パワーも、GoogleとAppleによって、だんだん先が見えてきたようです。

3 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 1:50:00

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政府デフレ陰謀論

これはトンデモ系の架空話しなのでマジレスお断りします。冗談と笑って読める方だけよみ進んで下さい。楽しいコメントは大歓迎です。

池田信夫氏が昨年8月、ニューズウィークに「国債バブル」はいつ崩壊するかという記事を投稿されました。その記事を要約すると;

1)日本の長期金利(10年物国債)は1.4%前後と低い。
2)金利が低すぎるということは国債の価格が高すぎるということだ。
3)この現象は「国債バブル」と呼ばれてきた。
4)10年以上も国債バブルが弾けなかったのは、国民が日本政府を信用したからだ。

と国債バブルが長期にわたり弾けなかった理由を推測しました。その上で、バブルが弾ける下記のシナリオを想定しました。

1)通貨を増発してインフレを起す。
2)14%の高インフレで、政府債務は実質的に減額する。
3)しかしインフレは国債の価値を減じるので、国債が他の投資へ移る。
4)皆が売り急げば暴落が始まり国債バブルが弾ける。

上記の3で考えられるシナリオは、保有率が少ない外国人投資家が、インフレによる資産目減りに嫌気して国債を売り始める。短期で値が下がりだすと、日本の銀行もあわてて売り始める。日本の銀行は利益を追求する私企業ですから、国債を最後まで保有する義務はありません。日本の銀行が本格的に売り急ぎ出すと、市場価格はどんどん下落して、一気に国債バブル崩壊が実現する、という流れです。

このように考えると、日本がインフレになる事、高金利になる事は、日本政府(特に財務省と日銀)にとって極めて都合が悪い。日本の国債発行残高が十分に低くなるまでは、この2つはいかなる犠牲を払っても阻止しなければならない。そうすると経済成長はインフレを呼び、金利を上昇させるのでご法度となります。

なるほど、日銀が頑としてインフレターゲットを拒否する理由が理解できました。平成の変人といわれた小泉氏の政権以外、まともな経済成長を論ずる首相や閣僚が皆無であった事も頷けます。

ゆえに、いかなる人が首相の座につき、どの政党が政権についても、歴代の財務事務次官から脅されて、実効ある経済振興政策を取る事ができなかったのではないでしょうか。

もちろん、民主党の鳩山首相がまともな経済政策を示さないのも、民主党の重鎮であった藤井氏がもと大蔵官僚であり、鳩山氏にこの問題を予め話していたからだと思われます。

政治家も官僚も「はじめに国家ありき」ですから、政府を維持する為には、国民を犠牲にする事を厭わないという酷い話しです。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 0:45:00

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80年代から減少し始めた経済成長の余白

香港に長く駐在している(あるいは80-90年代に駐在していた)人は記憶をたどって頂けないでしょうか。80年代に、香港にかなり沢山あった工場(日系を含む)が、深圳へ移転を始めました。キヤノンやエプソン等の大手弱電メーカーの大きな工場が中国内で建設されました。繊維産業は、とっくに海外の現地企業へ外注されていました。2000年代になると、トヨタやホンダのような自動車メーカーが本格的な工場を立ち上げました。

これらの大手メーカーは、無数の下請け工場を日本から連れてきました。気がつくと、衣食住のあらゆる範囲に渡って、国内で販売されている商品の多くが中国などアジアで製造されるようになりました。

さて、この状況は何を意味しているのでしょうか。そうです、国内の工場労働者の職場がどんどん縮小したのです。いくら円安になり、いくら製品の輸出が伸びても、国内の労働者の仕事は少ししか増えません。輸出メーカーの日本本社は、いわば「貿易商社」のように利鞘を稼ぐだけのようです。

そのようにして大手メーカーが輸出で稼いでも、その利益は直下のグループ企業の給与を高めるだけで、純国内産業への波及効果は極めて僅かです。こうして日本が国内で経済成長する余白が80年代からどんどん失われ、いまやいくら財政出動しても、円安になっても、国内の景気が良くなる事は無いと思われます。

インフレターゲット(インタゲ)により人為的なインフレを起こせば、日本は経済成長できると主張する方がおられますが、成長余白の失われた日本でそれを行って、何がどう成長するのか、私には極めて疑問です。万一、インタゲが成功したとして、物価は上昇するが、庶民の収入は増えず、不動産バブルが発生するか、あるいはスタグフレーションのようなものが起きるか、いずれにせよ今より更に暮らしにくくなるように思われてなりません。

思うに、インフレとは成長の結果であって、その逆ではりません。成長余白の無い日本にインフレを起こすには、まず経済成長させる事を考えるできではないでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/15 Monday at 17:39:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

はてな村から海賊党を立ち上げよう

eml200さんが、はてな村で政治団体をつくる事を提案されています。要旨は、

1)一人1万円づつ年会費を出し合って、政治団体を設立したらどうだろうか。10万人会員を集めることができれば、年10億円の収入になる。
2)はてな村が望む政策を実施してくれそうな代議士に献金すればいいのではないか。
3)実際に政治に参加すれば、はてなーが感じる閉塞感も少しは薄らぐとは思う。

この記事は非常に興味深い内容を含んでいると感じます。日常的にネットを利用している2ちゃんやはてなユーザーは、たとえば下記のような事に「不満」を感じている方が多いかもしれません。

1)YouTubeにアップロードしたテレビや映画が、著作権の問題で削除される。
2)音楽ファイルをWinnyで交換するのは違法だと言われた。
3)音楽ファイルの無料ダウンロードサイトが、著作権の問題で閉鎖された。
4)ヤフーで買ったiPhoneをドコモで使いたいが、ロックが掛かっていて使えない。
5)デジタル放送の録画に複製の回数制限がある。

不満をあげればキリがないかもしれません。こういう問題は、ネットに親しんでいるユーザーには不満でも、著作権団体や政治家によっていろんなルールが決められてしまうので、現状ではどうしようもありません。

しかし、政治家や著作権団体に対抗する手段はあります。そうです、この記事で提案されたように、はてなや2ちゃんのユーザーが集まり、お金を出しあって、自分たちの不満を解消するための政治ロビー団体をつくるのです。そして、自分たちの「主張」に耳を傾け、賛同してくれる政治家に対して献金するのです。

そうする事により、著作権団体、人権団体、既得権を守ろうとする政治家や企業などに対するカウンターパーティーとして活動する事ができます。

昨年夏の衆議院選挙のような機会には、政党のマニュフェストに「主張」を盛り込んでもらえる可能性があります。

資金がものすごく沢山集まった場合には、現在の自民党の若手のように、離党したいが政治資金がない政治家をたくさん集めて、どこかの国の「海賊党」のように新党結成も可能かもしれません。まあ、海賊党では政治家が乗らないかもしれませんが...(笑

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/14 Sunday at 11:23:00

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags:

アルカイダとスタンドアローン・コンプレックスの類似性

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG(2004年)は、ネット経由で脳に感染する電脳ウイルスにより、組織的な指示系統を持たずに、次々に湧いで出てくるテロリスト達を扱っています。これはアメリカ同時多発テロ事件(2001年)を引き起こしたアルカイダと似ているところがあります。

wikiによれば、アメリカ同時多発テロ事件を起こしたアルカイダという統一した指揮系統の組織が存在するかは疑わしく、小さな組織が個々に活動していると言われているそうです。

スタンドアローン・コンプレックスとの類似性で考えると、電脳ウイルスとはウサーマ・ビン=ラーディンが放送やビデオテープで発する言葉の中に含まれています。彼の言葉は、さまざまなルートで、いろいろな人の耳に届きます。彼の言葉を聞いた者の中で、ある特定の者の脳に影響を与えて、テロを実行します。

このような状況では、ウサーマ・ビン=ラーディンとテロ実行者との間に、特定の指揮系統や通信がある訳ではないので、末端のテロ組織をいくら追跡しても、ルートとなるウサーマ・ビン=ラーディンへ到達する事はできませんし、たとえ捕獲できたとしても、個々のテロに関する計画や指揮を行った証拠を示すのは困難でしょう。

ところでアルカイダが世に知られたのは、スタンドアローン・コンプレックスが発表される何年も前の事です。これは、攻殻S.A.C.が現実世界のアルカイダからインスパイアされたのか、それともこの類似性は偶然の一致なのでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/13 Saturday at 17:16:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

開業医の収入を維持したまま外来患者を減らす方法

原口総務大臣は今日のTwitterで、「ネットゆりかご、遠隔医療相談による健康見守り。みんなで励ましあって健康増進という遠野市の取り組みを見させていただきました。日本橋の先生とネットでつないでの試みです。永続的支援が出来るようにお願いをしました」と遠隔医療について述べています。

遠隔医療は、過疎地の医師不足を解消する他に、都市部の病院の外来患者を減らす手段にも活用できる可能性を思いつきました。

ミクシーの「mixi総合医療センター」コミュ(会員でないと見れません)で、コミュのメンバーである医者(と思われる人)に、医療相談をお願いする人が多いのをみなさんご存知でしょうか。

病気かもしれない。いまの治療が正しいのか。病院へ行った方が良いのか。そういった不安や疑問がネットによるコミュニケーションで解消できれば、安心する為に来院する外来患者は、かなり減るのではないでしょうか。患者数の少ない開業医がネット診療を行えば、収益の確保にもつながるかと思います。更に医師間でも、専門医が開業医に対してネットによるコンサルを保健医療の枠内で行えるようになれば、一般診療のレベルアップにもつながる可能性があります。

また、ネットで診療し、処方した薬を医者専用の医薬品ウェブショップ(*1)経由で患者へ送れば、薬がほしい為に来院する患者も減らす事ができます。

ネット(メールやskype)での診療行為が保険医療に組み込まれれば、医者不足と病院の外来を減らす2つの効果が同時に得られる可能性があります。原口総務大臣と長妻厚生労働大臣のコンビで、早急に実現して頂きたと思います。

*1:厚生労働相が医者専用のウェブショップを認可して、処方箋の必要な薬の販売ができるようにする事が前提です。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 14:05:00

Categories: 健康, 1.政治・経済   Tags:

出版会社のサバイバル戦略

池田信夫氏が、これからは直接売文業の時代だと述べています。「これは従来の出版社にとっては災難だが、読者と著者とベンチャー企業にとってはいいニュースである」との事です。私も最初は同じ事を考えました。しかし、迅速な決断を行う事ができれば、既存の出版社が生き残る道も残されているようです。

アマゾンのように、オールインワン(出版権を取得し、ウェブで直販し、専用読書端末まで提供)でやろうとすると、行政に頼り、規制の壁を張り巡らせて著作権鎖国でも知ない限り、日本の出版業界が束になってもアマゾンやアップルには敵わないでしょう。

しかし日本の出版社には別の道も(今はまだ)残されています。専用読書端末(リーダー)という「囲い込み戦略」に走らず、欧米と互換性のある業界標準の文書フォーマット(たとえばPDF)を定め、ハードはハードメーカーに任せるのです。その上で、個々の出版社が電子出版部門を拡張して、集英社や講談社のような大手は自社販売サイトを、中小出版社は楽天のような既存のウェブモールのインフラを利用して消費者とのインターフェイスを取るようにすれば、既存の出版社が生き残る道は残されていると思われます。

但し、現在の放送業界のように、業界全体が既得権の維持に奔走して、ネットへの進出に後ろ向きの姿勢を続ける場合には、池田氏の指摘するように、自費出版とベンチャー企業に侵食されて、既存の出版社が衰退する事は間違いないでしょう

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 9:07:00

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済   Tags:

頑張れ、NECスパコン

こちらの記事によれば、NECは独自スパコンの開発を継続するそうです。昨年暮頃に政府の補助金で世界一のスパコンを、という話しが話題にのぼったときには、こちらのようにかなり批判しました。しかし、企業独自の判断で開発を続けるという事であれば、心の底から「頑張れ!」と応援したくなります。

スカラーCPUによる超並列全盛の時代ですが、世の中には常に、ニッチ市場というものがあります。世界中でNECしかベクトル型スパコンを生産しなくなれば、ベクトル型の利点が生きている限り、NECが生き残る市場は残されているでしょう。べつに世界一にならなくても、ニッチ市場で生き残ってゆけば良いのです。それに、ある日突然、おおきなブレークスルーがあって、ベクトル型CPUにスポットライトが当たる日が来るかもしれませんね。

スパコンを開発している事業部のみなさん、コスト・パフォーマンスの優れた、NECらしいスパコンを目指して頑張ってください。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/10 Wednesday at 22:58:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

郵政の固定費削減はアウトソースが効率的

J-CASTでは、亀井担当相が斉藤社長に、22万非正規社員の「正社員化」を提言と報道しています。亀井担当相は、自分の政治支援団体の社員を一気に増大させようとしているのか、といううがった見方はさておき、「素案」に触れた記者会見で、

「日本郵政グループの社員の雇用状況について、非正規社員の比率が高く、給与水準が低いこと等が、社員のモチベーションや安定的なサービス提供の面で問題となっているとの指摘が聞かれる。こうした状況を放置することは、『政府の国民に対する責務』を果たす業務を担う『公益性の高い民間企業』のあり方として一考の余地があることから、日本郵政グループに対して、状況の把握と改善に早急に取り組み、安定した雇用環境の中で社員が適切に業務を遂行し得る環境をつくることを求める」

と述べているようです。しかし考えてみれば、モチベーションの低い社員を22万人も解雇し難い正社員化するよりも、それらの方々を一旦解雇して、仕事自体を本物の民間企業へアウトソースし、そちらの企業で解雇したもと社員を使ってもらった方が、郵政の固定費削減には効果的であるように思われます。

郵便配達に関して言うと、特に山間部などの田舎では、民間の宅配業者と契約している地元の商店と、郵便局が二重に配達機能を持つ事は、仕事の少ない田舎では経済効率が良いとはいえません。郵便局が郵便の配達を民間の企業側へ委託できるようにする方が、双方にとって経済効率が増して良いように思えます。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/8 Monday at 23:23:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

香港★企業★日記

表題の日記を実名ではじめました。私のブログをRSSリーダー等でご覧頂いている方へアナウンスさせて頂きます。

記事の内容は、香港や中国でビジネスをしたい、困っている方を対象として、私の知識や経験をもとに書いてゆきます。どちらかというとカタい内容ですが、我々の会社でいろいろ実験的におこなっている社内ベンチャー的な内容についても書いてゆきたいと思います。

興味とお時間のある方は、ぜひ愛読ください。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 19:58:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

国家権力はTwitterを恐れるか

以前に、スタンドアローン・コンプレックスについて書いた事がありました。社会とコンピュータ・ネットワークの類似性についての考察です。この記事は何故か、私の毎月アクセス数でオールタイムベストの一つとなっています。

最近、この記事にコメントをくれた方がおり、返事を書くために、ひさしぶりに自分の記事を読み返してみて、ある事に気がつきました。最近はやりのTwitterが、記事中のナップスター型P2Pコミュニケーションに似ていると思ったのです。

Twitterはシステム上はサーバーがありますが、Twitterで発する「つぶやき」は、それを購読している人のタイムライン上に表示され、それらの「つぶやき」全体は、掲示板やブログのコメント欄のように、議論の外部の人が容易に閲覧できる形式では集約されません。ある人のTwitterホームを見ても、その人が発した言葉とフォローした内容はあるが、その人が見た「つぶやき」を集約して見る事はできないのです。

ネット上の議論でありながら、タイムラインを共有する人達だけが議論の全体像を共有できるコミュニケーション手段というのは、行政にとってかなり脅威になり得ると感じました。

たとえば検察は朝日新聞のような主体のはっきりしたメディアに対しては、出頭命令を出して圧力をかける等を容易に行えます。しかし、上杉氏がTwitterで抗議を発し、そのタイムライン上で検察批判が盛り上がって、そこから一つの世論が形成された場合に、検察はもとになったTwitter上の議論のトレースが容易ではなく、海外にあるTwitterサーバーの閉鎖も容易にはできません。できる事は、中国政府のように、Twitterサーバーとクライアント側の通信ポートを、プロバイダー側で遮断する事くらいです。2ちゃんやブロゴス等の政治経済の批判記事が集まるブログも、サービス提供している企業を何らかの法律違反で業務停止すれば、ネット言論の制御は不可能ではありません。

しかしそういった方法も、もしTwitter式コミュニケーションが、完全にサーバー無しで動作するようになれば、どんな国の政府も、Twitter上での世論形成に、昔からの行政的圧力のかたちで影響を及ぼす事が難しくなるでしょう。そう考えれば、中国政府がTwitterを恐れる理由が良くわかります。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 0:14:00

Categories: コンピュータ及び科学全般ネタ, 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

ネットカフェ難民は経済難民か

朝日新聞が、ネットカフェ、増える女性客 失業者が長期滞在もという記事で、あたかもネットカフェに「住む」人を経済難民のように書いています。ところで皆さん、ネットカフェに一度でも行った事がありますか?わたしはこの昨年の12月に帰省した時に、松山と岡山のネットカフェに行きました。行ってみて驚いたのは、実に快適な空間だったという事です。ネットがつながり、シャワーを浴びられ、食事もすごく安い。こんなところがあるのなら、全てを自費で負担するアパート暮らしや、寝るだけで1泊6千円もするビジネスホテルがもったいなく感じられました。

逆に考えると、現代の都市で生活する人は、ネットカフェを居住場所に選択する事で、1ヶ月に必要な生活費を(アパート暮らしに比べて)更に低く設定する事ができるので、労働時間がより少ない生活をする事ができると言えます。

しかし、ネットカフェ難民をこのような視点で説明している記事は見た事がありません。朝日新聞の記事中にも紹介された「ホームレスギャル漫画家」浜田ブリトニー氏が、正月のテレビ番組にも出演していましたが、ネットカフェの生活を楽しそうに紹介していました。

ネットカフェ生活者を難民と呼ぶ理由はどこにあるのでしょうか。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/2/7 Sunday at 23:52:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

外国人に参政権を与える法的根拠

私はまず、はじめに国ありき、という考え方をしません。始めに民(人民)があり、民が集まって国ができると考えます。民主主義の本質とは、そういうものではないでしょうか。次に、政府とは何かを考えます。民が集まって代表を選び、その代表者が集まって行政を行う組織を政府と考えます。政府の基本ルールとなるのが、日本国憲法です。ゆえに、どこで生まれた民であれ、日本という場所を好み、そこに永住したいと願う民が、自分の生活を向上させる為に、あるいは生活の向上に積極的に参加したいと願う民を、国籍という後付の規範によって排除する事は間違いであり、国民の定義を憲法や法律に求めるのは、本末転倒と考えています。

しかし、このような考えは単なる夢想であり、現実的ではありません。永住外国人へ地方参政権を付与させる為には、既存の規範(憲法と法律)の中で辻褄を合わせて行く必要があります。そこで、永住外国人に地方参政権を与える法的な根拠について、先に書いた日本国民の定義と永住外国人の参政権で、鐵さんとコメントのやりとりをした内容をまとめる事にしました。

【アプローチ1】
15条は公務員を選定する権利が国民固有と規定するが、10条で国民の定義は(別途に)法律で規定するとしており、どの法律で規定するかを憲法内で規定していない。現在の下位法である国籍法との結びつきの必然性を「検討」して、新しい別の法律で国民を再定義するアプローチがあります。

これについて、「憲法前文、1条に照らせば、憲法の国民主権の「国民」は、日本国民すなわち我が国の国籍を有するものを意味することは明らかだ」という考え方があります。

しかし憲法の中に明白な記述が無い以上、国民の定義は、集団的自衛権における憲法解釈と同様に、小泉元首相の郵政民営化解散のような国民的合意があれば、政治的に解釈の変更を行う事が可能であろうと考えます。

【アプローチ2】
「地方」に着目し、93条2項で「地方公共団体の長・議員・吏員は住民が直接これを選挙する」の「住民」が未定義である事を検討して、住民の定義に永住(定住)外国人も含めると解釈するか、それを定義する法律を作成するアプローチがあります。

これについて、「地方公共団体が我が国の統治機構に不可欠な要素」である事から住民の定義に外国人は含まれないという考え方があります。

この解釈への対抗措置として、国民の定義のような解釈の変更で対処する他に、民主党が進めている(いわゆる)地方主権的道州制を実現して、各道州政府に地方自治体の選挙権を定める法律を作成・変更する「主権」を与えるというアプローチがあります。

地方主権的同州政府の制度が導入されれば、外国からの投資を積極的に呼び込みたい開放的経済政策をとる道州政府では、永住外国人への権利の拡大を積極的に行う可能性が高くなると考えられます。

最後になりますが、私が永住外国人の参政権について賛成の意見を持つ理由は、私自身が香港の永住外国人であり、香港政府から選挙権を(香港返還後も)与えられているからです。

14 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 22:39:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

中国の成長を支える行政の能力

NACGlobal.NETによれば、

「国務院商務部の傅自応・副部長は21日、中国企業による輸出依存戦略の転換を急ぐべきだとする考えを明らかにした。環球外匯網が伝えた。副部長は、2010年は外需が急増する可能性は低いと指摘。「低コストを武器にした輸出は長続きしない」と述べた。一方で、中国企業の海外シェアを維持するため、輸出還付税の調整、貿易保険、輸出融資の導入などの政策支援は今後も継ける方針を明言した」

そうです。どこかの国の民主党政権は、長期的な視野での成長戦略など微塵もないようですが、今年中に日本をGDPで追い抜くと言われる中国の行政府は、きちんと己の実力と世界の環境を認識しつつ、どのように国を発展させてゆくかを考えているようです。

8 comments - What do you think?  Posted by bobby - 2010/1/27 Wednesday at 23:09:00

Categories: 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

リスクを適切に評価する能力

昨日に非続き、医薬品のネット販売規制の問題について、ap_09さんとの議論(こちらの記事のコメント欄を参照ください)から派生した「厚労省と過剰規制」に見るリスク評価の問題について考察してみたいと思います。

これまで日本では、薬局の店頭で顧客が意図的に質問知ない限り、薬剤師が医薬品の説明を行う事は無く、それで大きな問題も起きず、そういう状態がかなり長期間続いていました。このような状況の中で、厚労省はあえて昨年、一般医薬品を第一類から第三類までに分類し、ネット販売では第3類に限るという新しい規制を打ち出しました。

厚労省の役人がリスクを正しく想定し、そのリスクを正しく評価して、リスクから国民を守る適切な「制度」が、規制といえます。(厚労省の役人が天下り先の企業と癒着して、企業の既得権を新参者から保護するという、裏の目的があるとするならば、それについては、また別に機会に考察したいと思います)

厚労省がリスク評価を正しく行い、適切な制度(規制)を構築すれば、経済活動を妨げる事なく、適度に国民の安全を守る事ができますが、リスク評価が過大であったり、過少であると、いろいろな問題が発生します。

厚労省が行った一般医薬品に関する規制の変更について、薬剤師の他に一般人が登録販売業者という資格を取得する事で対面販売を可能にした事を、私は評価します。これは(高等学校卒業、かつ、満1年以上の実務経験のある者に門戸が開かれたという意味で)一種の規制緩和であると考えます。但し、そこから第一分類の医薬品を除外し、ネット販売においては第三分類のみとした点は、リスク評価が過剰であり、この制度を設計した役人は、リスク評価において「無能」であると言わざるを得ません。

私はシステム屋として、銀行のディーリングルーム設計や、大きなシステム導入のプロジェクトリーダー等でリスク管理を行って来ました。その知識と経験からの意見ですが、リスク評価というのは、過大であっても過少であってもいけません。

過少であれば想定リスクが現実化する可能性が高まるし、過大であると現場が必ず不適正な運用や抜け穴探しをするので、やはり想定外のリスクが発生します。ゆえにリスク評価とセキュリティーの設計・導入は、導入対象となる現場にとってもある程度はリーズナブルある必要があります。

上記で、過少評価の実例が薬害エイズ事件であり、過大評価の実例がネット販売規制です。薬害エイズについては周知の事件ですから、ここでは述べません。ネット販売規制については、これにより企業活動に大きな支障が発生し得る事となりました。(ネット販売業者による行政批判の記事は、ググればいくらでも出てきます)その結果、どうなったかというと、ケンコーコムは早速、規制の抜け穴探しを実行し、シンガポールのネットショップを立ち上げました。

この国外のネットショップは日本の法律による規制が及ばないだけでなく、万一、医薬品被害が発生した時に、日本の法律で国民を救済する事も難しくなります。結果としてこの規制は市場を歪め、国民のリスクを高めてしまった可能性があります。

ところで、ここでケンコーコムの企業活動を非難する人がいれば、それは筋違いというものです。ケンコーコムは好んでシンガポールに行った訳では有りません。行政の間違った制度設計の結果、国外に押し出されたと見るべきです。たとえば、米が100俵しか取れない田んぼに、殿様が100俵以上の年貢米を出せと強制すれば、一揆で死ぬのもの嫌、餓死を待つのも嫌な農民は、隣の藩に夜逃げするのが合理的な選択となります。

厚労省が国民の安全を正しく守りたいのであれば、規制という制度設計は、業界にとっても国民にとってもリーズナブルである必要があります。リスク評価を正しく行う為には、対象への正しい理解が必要であり、その為には、広い視野で、先端の知識、最新の知識を収集し続ける必要があります。

いやいや、たとえ東大医学部卒の、厚労省のエリート役人でも、そんなスーパーマンにはなれないし、たとえ居たとしてもほんの少数だよ、という意見の方は、Zopeジャンキー日記さんの「超人」を求める「ワルモノ論」をやめて、「凡人でも回せるシステム」を考える「制度論」を、をご参照ください。

業界にとっても国民にとっても、合理的でリーズナブルである事、制度論もそうあるべきだと考えます。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 15:17:00

Categories: 健康, 1.政治・経済   Tags:

民主主義と似て非なる

To be determinedのap_09さんは米国在住の医師です。厚労省(厚生省)の行政のあり方について、薬害エイズ事件 (5) -医薬品のネット販売規制との接点- のコメント欄で彼と議論しています。ap_09さんは現状のネット販売規制にどちらかというと賛成、私は規制反対の立場です。

私が医薬品のネット販売規制に反対する理由は、既に長い期間、特に大きな問題もなく行われてきた医薬品のネット販売について、厚労省は合理的な根拠なく規制しようとしているからです。

ap_09さんの「疑わしきは罰せよ」に対して、私は「行政に合理的なリスク評価ができるかどうかが、線引きの能力だと思います。無能な厚労省は、線引きが厳しくなり、有能な英米の行政は、合理的に線引きできるという事ではないでしょうか? 」と述べました。過剰なリスク評価は無能の証、という訳です。

それに対してap_09さんは、「逆にbobby さんにお伺いしたいんですが、厚労省を無能と断定する根拠はなんですか?官僚が無能だとしたら、民主主義としてはそれを無能にしてしまった責任の一端は社会を構成する我々の側にもあるはずなんですが、それとも民主主義というのは情報操作によるまやかしで、日本は支配者と被支配者で構成されてる社会なんでしょうか?」と反論されました。

さて、ここからがこの記事の本文となります。遅れましたが、この記事は医薬品のネット販売の是非の議論ではありません。上記の「民主主義」という言葉を読んで、ものすごい違和感を感じました。その違和感の理由を少し掘り下げてみました。

>民主主義としては

私は最近、しばしば感じるのですが、日本の民主主義と英米の民主主義は同じものなのでしょうか。民主主義が生まれた背景には、それを可能とする宗教や哲学があり、更にその宗教・哲学を生み出した文化と歴史があります。ヨーロッパと北米の文化はだいたい同じルーツですから、民主主義の定義にそれほどの差はないと思われます。

日本の戦後民主主義は、進駐軍によって接木(文化移植)されたものであり、その後ろには民主主義を生み出した哲学も宗教も歴史もありません。はっきりと記録された日本の歴史の中には、かつて一度も民主主義政府というものはありませんでした。池田信夫氏のこちらの記事では、「日本社会には根深くしみついた家父長主義がある」と述べています。親方日の丸文化の日本に米国民主主義を接木しても、そこから育った枝(日本)は、似て非なる別の民主主義になってしまったように感じられます。

そういう日本が生み出した厚労省なればこそ、民主主義という名の家父長主義行政から抜け出す事ができないのではないかと想う次第です。

このように考えれば、リスクを「自己責任」として民に渡さず、行政が規制という名でリスク抱え込んで手放さず、民も上から統治される事で安心してしまう現状は、非常に納得できます。

しかしいま、この記事を読んでいる、日本しか知らない読者には、盲人に光がわからないように、この記事の意味もわからないのでしょうね。

2 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 1:56:00

Categories: 健康, 1.政治・経済   Tags:

中国のCO2削減への取り組み

神保哲生氏がCOP15現地報告:新しいゲームが始まったという記事で、温室効果ガス削減目標を決める国際会議で中国の対応について言及していました。中国は発展途上国の立場から、可能な限り温室効果ガスの削減目標を押し付けられる事に抵抗しています。これは表面的には、中国が温室効果ガスの削減に消極的な姿勢と認識されているようです。

しかしながら中国に生活している人であれば理解して頂けると思いますが、実際には様々な取り組みが行われています。私が見聞きしているだけでも、冷蔵庫やエアコンなどの家電製品の省電力化、長距離列車の電化の促進、タクシーのプロパンガス化太陽電池による大規模発電プラントへの投資、原子力発電所の増加、製鉄所の効率改善などです。

北京政府が地球温暖化を信じているかどうかはともかく、社会のエネルギー効率を高める事は、中国の経済発展に役立つという認識は十分にあると思われます。また、政治的に有利な立場で交渉できるのであれば、ある日突然、温室効果ガス削減に積極的になるような離れ業も(社会主義政権であればこそ)可能だという事を忘れないようにしなければなりません。

11月27日付けの人民網では、温室効果ガス排出削減目標を決定という記事の中で、「国務院常務会議が2020年までに中国の単位GDPあたり二酸化炭素(CO2)排出量を2005年比で40-45%削減することを目標」と述べています。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/1/24 Sunday at 22:29:00

Categories: 環境問題と地球温暖化ネタ, 1.政治・経済, 3.中国ネタ   Tags:

日本国民の定義と永住外国人の参政権

永住外国人の地方参政権の問題については、下記の3つの記事で、私の意見を述べました。

1)国籍の意味と選挙権
2)永住外国人の地方参政権に賛成する
3)外国人地方参政権の反対理由を考察する

さて、今日のたかじんのそこまで言って委員会で、原口総務大臣のトークを聞いていて気づいたのですが、日本国憲法15条で「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」という時、国民とは何かという定義は、厳密には日本国憲法の中では行われていません。日本国憲法10条では、「日本国民たる要件は、法律でこれを定める」と述べており、別途の法律で規定しなさい、という訳です。

私は法律の専門家ではないので、間違っていたらどなたかご指摘頂きたいのですが、憲法が国民の定義を厳密に行っていない以上、外国人に地方参政権を付与するという事を、現在の憲法および法律下で行う場合に、法律違反ではあっても、憲法違反にはならないという解釈論が成り立つのではないでしょうか。

こちらを見ると、日本国民の定義は憲法10条と国籍法によっているようですが、憲法10条には、どんな法律によって規定するかを明記していませんから、日本国民=日本国籍保有者は、憲法では規定されていません。どんな人達を国民とするかは、行政と国民の判断に任されていると言えるのではないでしょうか。

もし上記が間違っていなければ、私が以前に定義した永住外国人を、制限された権利を付与した日本国民として含めるという法律改正(あるいは新しい法律の作成)を行えば、現在の日本国憲法との整合性は取れるのではないかと考えます。

外国人の地方参政権反対を叫んでいる方々、如何でしょうか。

13 comments - What do you think?  Posted by bobby - at 14:07:00

Categories: 1.政治・経済   Tags:

JAL破綻とステークホルダーの責任

会社は誰のものか。株主のものなのか。会社法の定義では、会社は株主のものであると明確に定義されています。しかし最近、与謝野馨財務省大臣(当時)や藤末健三議員が、この考え方を否定するような発言をおこなっています。反対の理由は、金を儲けているのは経営者であり、その実行手段を提供しているのは従業員である、という2点のようです。

この発言へ反論する意見もありました。池田信夫Blog経済101Zopeジャンキー日記などです。

そういうしているうちに、前原国土交通省大臣主導のJAL再生が開始され、会社をいちど破綻させて、企業再生支援機構の下での再生が決定されました。

ところでJAL破綻は何故起きたのでしょうか。破綻の根源的な問題は、与謝野氏や藤末氏が、会社のステークホルダーの一つと言っている従業員の団体である労働組合問題と、組合の抵抗を抑えられない経営者の指導力や将来展望の欠如のようです。経営者と労組の「甘えの構造」が、破綻を招いた訳です。

しかしながら、政府主導でJALを破綻させた時に、一番大きなペナルティーを受けたのは誰だったでしょうか?毎日新聞のニュースによれば、JAL破綻の最大の癌であった労組(労組員ともと労組員)の方々の年金基金の解散はなくなりそうです。また、経営者である西松社長は解任されませんでした。(形式的には退任)。しかしJALの株主は、100%減資によってゼロになりました。経営者と従業員と不始末の結果について、一番大きな責任を取らされたのが株主だったようです。

これに対して、先のブログで紹介した与謝野馨氏や藤末健三氏は、「会社は従業員と経営者のものでもあるから、株主にこんなに重い罰を与えるのは不平等だ」と思っているかどうか、ぜひともお聞きしてみたいものです。

会社が儲かっている時には、会社は「株主だけでなく経営者と従業員のもの」でもあると言い、会社が破綻した時には、「株主の責任は重い」と言う考えは、一貫性が無いのではないかと考える次第です。

Be the first to comment - What do you think?  Posted by bobby - at 10:32:00

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外国人地方参政権の反対理由を考察する

民主党政権となり、外国人の地方参政権問題が話題になっています。アゴラで中川信博氏は、永住外国人地方参政権付与に強く反対すると述べています。この問題に反対する人にはひとつの傾向があります。議論の前提条件として、既設の設定条件をすべて固定パラメタとしている点です。日本国憲法も永住外国人の定義も、それが人のつくった法律である限り、状況に合わせて改善すれば良い、或いは状況に合わせて解釈すれば良い、という視点が失われています。

永住外国人の定義については、永住外国人の地方参政権に賛成するという記事の中で、私が香港で永住権を取得した経験をもとに再定義してみました。

憲法についてですが、日本国憲法は、宗教の法典ではありません。守るべきは平和を愛する精神であって、憲法は生活を守る道具にすぎないという事を再認識するべきです。また憲法が絶対ではない事は、集団的自衛権を巡る解釈論があります。日本国憲法第25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるのに、最低限度の生活を奪われたまま行政から放置されている日本国民が大勢いる事は周知の事実です。それとも、日本国憲法15条は絶対守られるべきだが、日本国憲法25条は努力目標で良い、という解釈論を始めるのでしょうか。

外国人によって、特定の外国政府への利益誘導のリスクを危惧する人がいます。これは、日本の法律が外国人の帰化を認め、帰化後に日本人とまったく同じ権利与えている事によって、リスク管理が完全にザル状態になっている事を認識すべきだと思います。私が定義した永住外国人が、地方参政権を得る事による政治的リスクをうんぬん言う人は、まずは国籍の意味と選挙権に書いた「悪意ある外国人が善人を装って選挙権を獲得た場合」という意見への反論部分を参照して下さい。

我々は現実を直視しなければなりません。この問題を精神論や感情論で議論する事は無意味です。たとえ外国人であっても、永住外国人(こちらの定義を参照)と呼ばれる長い期間、日本に居住し、納税し、生活している人達に対して、居住地での便宜を向上させる為に地方参政権を付与する事は、きわめて合理的であると考えます。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/1/22 Friday at 11:00:00

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永住外国人の地方参政権付与に賛成する

私は永住外国人に地方参政権を付与すべきであると考えています。但し、私の意見は、以下に述べる条件を前提とします。

まず、永住外国人の定義を変更します。現在の定義は、wikiではこのような説明となっています。これを以下のように変更します。すまわち、「日本国に、合法かつ適正な滞在許可(ビザ)を連続して保持しながら、国内に居住している期間が累計で7年間に達している外国人」です。更に特別永住者も永住外国人の定義に含め、特別永住者に対する特別措置を検討しないかわりに、条件を満たす全ての外国人全員に平等に摘要するものとします。

出入国管理局は、永住外国人の条件を満たし、本人から申請があった者を審査し、永住外国人身分証(本人の住所、氏名、年齢、国籍、パスポート番号、指紋、顔写真等)を保存したICカード)を発行するようにします。これにより、滞在ビザの更新を免除し、ビザ無しでの滞在を許可します。そのかわり、本人はこの身分証を常時携帯する義務を負うものとします(不携帯者には罰則規定を設けます)。

20歳以上の永住外国人身分証の取得者を、地方自治体の選挙人名簿への登録の権利を有するものとします。

選挙人名簿への登録は、本人が当該地方自治体の窓口にて、自己申告によって登録申請を行うものとし、登録後、本人の登録抹消の申請がなくとも、一定期間(とりあえず3年)毎に、本人による更新作業を必要とし、更新なき場合は自動的に登録を抹消するものとします。

以上が前提条件です。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/1/20 Wednesday at 11:12:00

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死ぬほど痛かった注射

昨日の日曜は、東北六県+北海道県人会というのに参加してきました。(私は愛媛出身だが妻が青森出身)海辺にあるバーベキューサイトで、北海道式ジンギスカン鍋をみんなで食べたのですが、おなか一杯になっておしゃべりしていると、ノラ猫が寄ってきました。私は猫も犬も好きなので、残りもののホッケをあげながら、猫にかまっていました。ノラ猫というのは、なかなか人の近くには寄ってこないものですが、さっきとは別のノラ猫がやってきて、しかも私の足もとまでよってきます。こいつは人に慣れているなと思い、首の後ろをなぜようとしたところ、突然にガブッと噛まれてしまいました。噛まれたのは右手の人差し指の、指の腹と反対側の爪の付け根(上下の歯で一度に噛まれた)です。かなり強く噛まれたようで、指の腹に大きめの穴があき、指の奥の方までジンジンと痛みました。ほんの数分くらいで、噛まれた場所が腫れてきました。浜辺なので水道が無く、とりあえずミネラルウォーターで洗い、止血をして、絆創膏を貼りつけました。念の為に携帯している薬入れにあったアモキシシリン500mgのカプセルと、痛み止めのサリドンを服用しましたが、指はどんどん腫れを増し、夜には第一関節全体が腫れました。

翌日は月曜で会社に出社しましたが、指の腫れは納まるどころか夕方までに第二関節まで拡がってきました。どうやらアモキシシリンはあまり効果がないようです。ネットで検索して、猫に噛まれて抗生剤を服用した記事をいくつか見つけましたが、どんな抗生剤を服用したのか、薬の名前まで入った記事を見つけられません。

そこで、夕方の5時頃になって、事務所近くのクリニックへ行くことにしました。猫に噛まれたと説明して腫れている指を見せると、医者はまず、狂犬病のリスクにについて説明を始めました。私は前日に、香港では1987年以来、狂犬病は発生していない事(こちらの記事)を確かめているので、その注射は不要と伝えました。では、という事で、まず右腕に破傷風の注射を腕に打ってくれました。この注射は、あっという間に終わりました。次に、腫れが酷いので、内服の抗生剤だけでは良く効かないかもしれないという事で、抗生剤の注射を打つという事になりました。(薬の名前をメモするのを忘れました、残念)医者が中くらいの大きさの注射器を用意し、目の前で粉の抗生剤を水と混ぜ、注射器の根本近くまで薬を吸い込んで、「これはちょっと痛いのだが、なるべく痛くないように打ってあげよう」といいながら、お尻に注射針をプスリと刺しました。

私は立ったままでズボンを下ろし、右の腰のちょっと下の臀部に注射を始めると、臀部から太ももにかけて、重い痛みと違和感がズーンと走りました。お尻の注射では、まあそういう事はよくあるのですが、そこからが大変。注入する薬の量が多いので、痛みがどんどん大きくなり、ついには立っていられない程になりました。注射針が抜けたなと思ったとたん、我慢が限界に達して、半ケツ出した状態で、すぐ横にあったベッドに倒れこんでしまいました。その時点で、右足全体が激痛で、しかもショック状態になったのか、全身の力が抜け、瀕死の重症者のような最低の気分になりました。

注射針を抜き取ったあたりのお尻に、医者はアルコールの染みた脱脂綿をあてて、自分で押さえてよく揉めと言うのですが、私はベッドの上で、右足を押さえながら激痛で身動きできません。それで医者と看護師は大変びっくりしたようです。体の姿勢を変えようとするだけで激しく痛み、自分で右足を動かそうとすると、足の付け根からもものあたりまで激痛が走り、動かせない訳ではないが、ぜったいに動かしたくありません。どうしても動かさなければいけない時は、両手で右足をもって動かさなければならないほどでした。

数分ほど唸っていると、医者は「マッサージした方が良い」と言って、医者と看護師が、私の臀部を筋肉痛用のマッサージクリームでマッサージを始めました。しかし、はっきり言って、注射したあたりは触られるだけでも激しく痛い。しばらく我慢していたのですが、我慢しきれません。慰謝に、自分でマッサージすると伝えて、自分でマッサージを始めました。自分で触れば、痛くないぎりぎりの圧力がわかるからです。とにかく注射されたあたりの臀部だけでなく、太もものあたり(マッサージで言うところの坐骨神経のあたりでしょうか)に痛みが集中しているので、そのあたりを集中的にマッサージしました。

しばらくはいくらマッサージしても激痛は緩和せず、これは何か悪い副作用ではないかとかなり心配しました。もしかして、このまま救急病院まで担架にのって搬送してもらうべきだろうか...

激痛が始まってから40分ほどマッサージを続けていると、幸運にも、なんとか痛みが緩和してきて、起きて歩けるようになりました。気分も落ち着いてきたので、自力で家まで帰る事ができました。

しかし、私と医者と看護師をびっくりさせたあの激痛はいったい何だったのでしょうか。注入された薬の圧力が、足の神経を強烈に刺激したからでしょうか?これからしばらくは、お尻に注射する時は、きっとこの記憶が甦ってくるのでしょう。

追記:
ちなみに注射した抗生剤以外に、内服用のオーグメンチン1000mgを1日3回、服用するように言われました。

1 comment - What do you think?  Posted by bobby - 2010/1/19 Tuesday at 0:51:00

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